『麦わら帽子』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
麦わら帽子
夏休み 蝉の声 少しだけやけた肌
日が暮れるまで
貝殻を拾い集めたり
砂浜を駆け回ったり
畑のお手伝いをしたり
ぼんやりと記憶をたどってみる
どこへ行くにも一緒だった
妹とおそろいの麦わら帽子
いつから被らなくなったのだろう…
カラリ…グラスの氷が溶けて
窓の外の陽射しに目を細める
麦わら帽子
あの夏の記憶をたどる
麦わら帽子をかぶった子どもの目の前には
草むらが一面に広がっている
黄色い光が射して草の匂いを風が運んでくる
すべてが眩しく何とも幻想的な風景だ
日が暮れるまでこの風景と同化していたい
灼熱の空の下。風に煽られて飛ばされたのか、大きな麦わら帽子が、足元にコツ、と当たった。
「はぁ…っ…はぁ…よかっ…た…拾っ、てくれて…助かっ…た…」
全速力で追いかけてきたようで、息が上がっている幼馴染み。
「これ、おまえの?ほら。飛ばされないよう気を付けろよ」
拾ったそれを、彼女の頭へと被せる。
「ありがと!これ、大事な帽子だったから失くさないでよかったよ」
それはそれは、嬉しそうな笑顔で言うものだから、少し気になって訊いてみた。
「へぇ。誰かからのプレゼントか?」
「うん!お婆ちゃんが編んでくれたの!すごいよね!」
「……お婆ちゃん?」
「うん。お婆ちゃん。…どうしたの?」
そうだ、こいつはお婆ちゃんっ子だった。
「…なんでもない。そんな大事なら、こんな風の強い日に被ってくるなよ」
「でも、はやく被って出掛けたくなっちゃったから。それに、夏くらいしか、被れないし…」
「それで大事な帽子飛ばされて失くしたら、元も子もないだろ。お婆ちゃんも折角編んだ帽子失くされたら悲しむぞ?」
「それはイヤ!お婆ちゃん悲しませたくない!」
「なら、今日みたいな日は被らないこと。わかったか?」
「はーい…」
全く、世話の焼ける幼馴染みだ。
彼女と歩いていると、いきなり彼女の麦わら帽子が宙を浮いた。
風が強かった。デートの日としては、少し気分が下がったけど、彼女と一緒に歩くと、気分なんかすぐに元通りになった。
車に注意しないとね。と彼女は可愛い笑顔で言った。
僕は、彼女が大好きだ。
もっとデートしたいな
でももう叶わないのかな
彼女が被っていた麦わら帽子が宙を浮いた。
車に跳ねられ宙に浮いた
人を傷つけた言葉で
私を救える言葉など紡げるはずもなく
あの時の罰だとでもいうように
地獄の中を歩いている
麦わら帽子
背の高いひまわり畑の中、
ほぼ毎日麦わら帽子を被った君の背を追いかけていた。
背中をタッチすれば麦わら帽子をもらい、
今度は僕が追いかけられる番。
そうやって小さい頃は君と遊んだ。
ひまわり畑と同じくらいの背になった頃、
僕は麦わら帽子を被らなくなった。
麦わら帽子は君の物になり、
純白のワンピースととても似合う。
ひまわりより、太陽より眩しい君の笑顔は今でも覚えている。
ひまわり畑よりも背が高くなった今、
君はあの麦わら帽子を被らなくなった。
新しい麦わら帽子を被り純白のワンピースを着て笑う
その姿は昔と変わらない。
昔の麦わら帽子は...
「パパー!ママー!」
ひまわり畑より背の低いところになった。
太陽より眩しい笑顔が僕の隣で輝く。
2人もいると眩しいが、それが幸せなのだろう。
語り部シルヴァ
「あっ…」
君が被っていた帽子が風に流されていく。
二人で追いかけてもまた遠くへ飛ばされ
「全然追いつけない 笑」
『ね、早く風止んでくれないかなぁ』
そうは言ったものの、こんな時間が楽しくて
君とならどこまでも行きたいな。なんて
ある夏の一時
【麦わら帽子】*65*
今年買いました♪
柔らかい感じの好みのカタチに出会ったので
麦わら帽子といえば…#マリーゴールドだよね
ワンピースに合う麦わら帽子はまた違うんだぁ~
服に合わせて帽子選ぶのも楽し〜い
※麦わら帽子
最後に見たの いつだっけ?
この酷暑で麦わら帽子の意味を問う
↓日記
止まらない咳に効いてるか不明の薬
ついでに内蔵冷え過ぎ問題が既に1ヶ月
軽くストレッチするだけで激しく咳き込む
ストレス発散とは???どうやれと??
寝転んでいるのが1番楽なのは咳き込まないから
そんな事してたら体力落ちるの知ってるけど
咳き込みすぎで吐くくらいなら……って
悪循環に入ってるのはわかっているが
せめてお前は効いていますか腹巻よ
「麦らわ帽子」
毎年夏休みには
田舎に遊びに行っていた
おばあちゃんと一緒に畑に行って
なす、きゅうり、トマトなど…
いっぱいとって楽しんだ
麦わら帽子ごしの、あの笑顔
優しくて大好きだった
川で冷やしたトマト
一緒に食べたな…
おばあちゃんの家では
すごく穏やかで優しい時間が流れてた
私もあんな優しい顔で笑う
おばあちゃんになれたらいいなぁ…
笑う君
麦わら帽子
堂々と
君が自分を
魅了する頃
麦わら帽子
麦わら帽子を被って
無邪気な笑顔を見せる君に
惚れてしまいそうだ
「麦わら帽子」
という妄想ですね。
⬆この1文を文章に入れたら
台無しなのであとがきに書きました。
私は麦わら帽子はあまり被りませんね...
というか帽子もあまり被りません(笑)
首掛け扇風機をよく使います。
お出かけするときの大抵は、出かける直前に
「あれ、ない!これもない!」
とドタバタし始めるので
帽子の存在を忘れます。
お出かけ中にから思い出すこともありません。
家に帰ってきてから思い出すこともありません。
そして時間が経ち、自分の帽子を見つけたら
「あ、自分の帽子あったんだった」と
やっと思い出します。
麦わら帽子
麦わら帽子はいまや麦のわらではできていない。プラスチック製も珍しくはないし、自然材料だって木材系ヤーンやペーパーヤーンだったりするのだ。…という知識があるからって麦わら帽子は作れない。私の目の前で、魔法のように麦わらが編まれてゆく。…たぶん、きっと、ひいおばあちゃん。私のひいおばあちゃんは明治生まれで平成に亡くなった。ひいおばあちゃんは稲わらで筵を作る技能で表彰されたことがあるんだって。ひいおばあちゃん麦わら帽子作ってと適当に仏前で言ったのがこんな結果を生むとは。私はお盆の仏前で出来上がったばかりの麦わら帽子を持て余す。
『麦わら帽子』
私は歩いていた。何もない灰色の景色の中を、ただひたすらに進んでいく。息が切れても、歩みを止めることはできなかった。一種の強迫観念に似た思いが、私を突き動かしていた。
やがて、黄緑色の立て看板が見えてきた。私は足を止める。この先は危険だと、私の第六感が告げていた。
立て看板の先には、緑色の世界がある。緑といっても、様々な明度と彩度を持つ、何種類もの緑系の色を散りばめた世界だ。綺麗で、何だか興味を惹かれるけれど、この先へ行ったら戻れないという確信があった。
私は踵を返し、元の場所へ戻ろうとした。だが体が動かない。踵が地面に張りついてしまったように重く、一歩も進めない。
背後から、柑橘系の香りが漂ってきた。どこかで嗅いだことのある香りだな、と考えていると、誰かが私の横を音も立てずに追い越していった。麦わら帽子を被った少し猫背な後ろ姿は、見覚えのあるものだった。私は思わず、その後ろ姿に呼びかけた。
「ちいちゃん!」
相手は振り返った。そして、麦わら帽子の下から冷たいような優しいような不思議な笑みを覗かせ、再び背を向けた。
「待って。まだ行かないで!」
呼び止める私の声が聞こえないかのように、相原千奈は先へと進んでいく。追いかけようにも、私の足は変わらず動かなかった。麦わら帽子の後ろ姿が遠ざかる。
やがて、焦りと恐怖に支配された状態で私は目を覚ました。
いつもの夢だった。私と同じ精神科デイケアに通っていた相原千奈が画家デビューした頃から、繰り返し見始めた夢。この夢を見る原因は自分でも充分に理解できていた。
先を越されたことによる焦りと、取り残される恐怖感。そして、相原千奈への羨望と僅かな嫉妬。
絵を描き始めたのは私の方が先だった。しかし、私が呑気に雑誌のモデルなどをデッサンしている間に、相原千奈は猛烈な勢いで私には理解できないような複雑な抽象画を量産し続け、やがて私を追い越していった。相原千奈はデイケアを去り、取り残された私は今でも雑誌のグラビアを写している。
先日、何度目かの個展を開くことになったと言ってデイケアに挨拶に来た相原千奈は、もう私が知っている「ちいちゃん」ではなくなっていた。芸術家としてのオーラと、経験や実績に裏打ちされた確かな自信を手に入れた「ちいちゃん」は、障害者アーティスト「相原千奈」となって私たちの前にいた。その時に感じたショックは、言葉にするには大きすぎるものだった。
「ちいちゃんの絵、私には未だによくわからないんだよなぁ」
その口癖が板についてから、もう何年になるだろうか。本当は私だって理解している。私の感性が鈍いだけなのだ。相原千奈の絵は、私のそれにはない力を持っている。そうでなければ、何度も個展を開けるような画家になんて、なれないのだ。
のろのろとベッドから起き上がり、朝食を取って身支度をする。今日も平凡で平和な一日が始まる。デイケアに持っていくバッグの中には、古い雑誌から切り抜いたモデルのグラビアが入っている。夢の中で会った相原千奈のように、麦わら帽子を被って冷たく微笑む女性モデルのグラビアだ。
玄関前で待機していると、デイケアの送迎車が私の前に停まった。運転しているスタッフが、笑顔で声をかけてくる。
「坂野さん。おはようございます。今日もよろしくお願いします」
私は普段通りの平和な笑みを浮かべ、それに応えた。
私はきっと、相原千奈とは違うのだ。才能のない精神障害者の生活なんて、所詮こんなものだ。
娘がまだ幼かった頃、親戚一同集まって、馴染みの小さな小料理屋を借り切って新年会をやっていた。
一軒家のようなお店で、その一部屋を使う感じ。
結構広い部屋だったが、子供達は退屈すると部屋を出て、廊下の探索を始めた。
何をやらかすか心配なので、私もついて回る。
廊下もお店の内らしく、机の上に様々な装飾品等が置かれていた。
その中に、麦わら帽子を被ったフランス人形が。
麦わら帽子は、普通に人が被るサイズのもの。
誰かが後から被せたとしか思えない。
帽子のツバで顔が見えないほど前に傾いており、その顔が見たかったのか、娘が麦わら帽子を動かして、人形の顔が見えるように後ろにズラした。
可愛らしい顔をしていた。右目の周りが黒ずんでいたが。
その後、しばらく廊下で遊んで部屋に戻ろうとすると、薄暗がりの廊下で、女性の店員が人形の麦わら帽子を元の位置に戻し顔を見えなくして、そっと手を合わせているのが見えた。
少しゾッとしたが、大事にされてる人形なんだなと無理くり納得して、新年会の続きを楽しんだ。
その帰り道、車の中で娘が、ボタンを押すと音楽が鳴る玩具で遊んでいた。
すると、童謡が流れるはずのその玩具から、聞き覚えのあるクラシックのメロディが。
これは…「亡き王女のためのパヴァーヌ」だ。
「凄い、その玩具、こんな曲も入ってるんだ」
「いや、ないよそんな曲。勝手に鳴ってる」
「えっ…」
来年、また新年会であの店に集まったら、店員さんにあの人形について聞いてみよう、と思っていたのだが、次の年の新年会は何故か予約が取れなくて、他の店でやることになり、それから早二十年近く、あの店には行ってない。
なので、オチのない話になってしまうのだが、見解としては、あの人形には誰かの魂が宿ってて、それを鎮めるために薄暗い廊下で顔を隠して置かれていたものを、娘と見つめ合ったことで意気投合して我が家の車に乗ってきたと。
…とゆーことは、その魂は今どこに?って話になるのだが、家族の誰もがフランスには特に思い入れもなく、K-POPの話で楽しく盛り上がっているので、特に支障はなし。
「麦わら帽子」
少し日に焼けた肌の君。
顔には、そばかすの君。
ひまわりよりも笑う君。
太陽のように眩しい性格の君。
夏の空の下が似合う君。
全てが決まって愛おしい、僕は本当に君のそばで笑っていいのだろうか?
何度も問いかける。
君と付き合って初めて買ったプレゼント。
君にぴったりな麦わら帽子。
シワが増えて、会話をする頻度も下がって、けれどもやっぱり麦わらが似合うね。
「君に出会えて良かった。」
麦わら帽子
先日、安くて上質な品揃えで有名なアパレルで黒いワンピースを買った。お値段はお手頃なのに生地の肌触りが良く、洗濯もできて驚くほどストレッチが効いた服だった。袖がないので真夏の今はそのまま着て、少し肌寒くなったらブルーのカーディガンを羽織ろうか。本格的に寒くなってきたらスカジャンを羽織るのも面白い。などと妄想しているのか楽しい。
ワンピースに合わせてピアスやネックレス、指輪などを付けるのもワクワクする。
あ!それよりも1輪のマリーゴールドを持ってみるのも良いかもしれない。
ワンピースとマリーゴールド。そして麦わら帽子はわたしの中で繋がっている。
「麦わら帽子」
麦わら帽子を被せられるのが
嫌で逃げ回った。
麦わら帽子を網代わりにして
逃げるトンボや蝶を追いかけ回した。
私には大切な思い出。
麦わら帽子を被る君は
いつもよりも
美しくて
風が通ると髪が靡いて
爽やかで清々しい。
君は本当に
美しい。
向日葵が太陽を向く季節、僕は彼女に出会った。真っ白なワンピースと麦わら帽子が良く似合うアニメのヒロインのような彼女は僕の前に現れた。大きな入道雲を背景に振り返った君はなんだか夏の間だけ現れる妖精のような気がした。そんなことを考えていると「どうしたの?」と君に声をかけられ、少し動揺した僕に「大丈夫?」と小馬鹿にしながら眩しい笑顔が僕の夏を照らす。まだ夏は始まったばかりだ。