語り部シルヴァ

Open App

麦わら帽子

背の高いひまわり畑の中、
ほぼ毎日麦わら帽子を被った君の背を追いかけていた。
背中をタッチすれば麦わら帽子をもらい、
今度は僕が追いかけられる番。
そうやって小さい頃は君と遊んだ。

ひまわり畑と同じくらいの背になった頃、
僕は麦わら帽子を被らなくなった。
麦わら帽子は君の物になり、
純白のワンピースととても似合う。
ひまわりより、太陽より眩しい君の笑顔は今でも覚えている。

ひまわり畑よりも背が高くなった今、
君はあの麦わら帽子を被らなくなった。
新しい麦わら帽子を被り純白のワンピースを着て笑う
その姿は昔と変わらない。

昔の麦わら帽子は...
「パパー!ママー!」
ひまわり畑より背の低いところになった。
太陽より眩しい笑顔が僕の隣で輝く。
2人もいると眩しいが、それが幸せなのだろう。

語り部シルヴァ

8/11/2024, 12:24:15 PM