『見つめられると』
私は基本的に人と目を合わせない。
合わせれないって言う方が正しいかもしれないけど...
だから興味本位で私に集まってくる人は少なくない。
心を鬼にして振り払っている。
ある日、気になる人ができた。
優しくて、グイグイ詮索してこなくて、話すと心が落ち着く。
それに...私自身が目を合わせたいと思ってしまった。
あなたもメデューサの末裔なのかな...
クラスの集合写真の君に問いかけた。
君に見つめられると、固まって動けなくなってしまったから。
語り部シルヴァ
『My heart』
物心ついた時には両親はどこかへ行ってしまった。
大きな家で家の主人に仕えろと言われた時には
自分の人生を悟った。
ボロ雑巾のように扱われ、使え無くなったら捨てられる。
僕は死ぬまでこの人の道具なんだなと...
...思っていたが、想像よりも主人は優しかった。
必要な教養や知識を設けてくれたし、
こんな僕にでもありがとうと言ってくれた。
親にも言われた記憶のない言葉が胸を震わせる。
そしてそんな主人だから僕はあなたに仕えることを決意した。
あなたが死ぬ時は僕も死ぬ時。
あなたの心臓となって永遠に仕えます。
肩膝をつき手の甲にキスをした。
いつもより頬をが赤い主人は照れくさそうに笑った。
語り部シルヴァ
『ないものねだり』
あの人はいつも社内で囲まれている。
仕事もできてコミュニケーション能力がずば抜けていて、
誰も嫌う理由を持ち合わせていないから。
同じくらいの仕事量をこなせているはずなのに
あの人のように褒められたことがない。
君はいつも黙々と仕事をこなす。
一匹狼だけど、それを上手く使ってみんなが
気づいていない程のフォローを全員分やっている。
自分のことで精一杯な僕と
同じくらいの仕事量にさらに仕事ができる。
本当に君はすごい。
((あぁ...あんな風になれたらなあ...))
語り部シルヴァ
『好きじゃないのに』
どうやってもわからない。
何度も何度も調べて自分で考えて教えて貰ってみたけど...
結局答えはわからずじまいだった。
答えは結局周りが知っている。
知らないのは僕だけなんだろうか...
そう言って答えが書いていないノートを睨みつける。
それでも答えは浮かんでこない。
勉強は...嫌いだな。
それなのにテストのために勉強なんて苦痛すぎる。
語り部シルヴァ
『ところにより雨』
学級閉鎖もあって、僕らの卒業式は遅くなった。
随分と長くあっという間な学生生活が終わったんだ。
次の春からは仕事に就いたりさらに勉学に勤しんだり...
これからの道はバラバラになる。
泣いている人もいるが、
クラスメイトは晴れやかな顔をしている人が多い。
...友人はどうも心に陰りが見える。
今にも泣きそうにも見える。
そう思っているとこっそり教室を抜け出した。
後を追うと屋上前の階段の踊り場。
一人静かに泣いていた。
傘が無いから...一緒に濡れに行こうか。
屋上のドアを開けた。
語り部シルヴァ