語り部シルヴァ

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3/7/2026, 10:05:31 AM

『月夜』

夜の寒さは今日は非番のようで、
肌寒さの無い風が夜勤ながら春を届けに来ている。

良い夜だ。明日が休みでうまく寝付けなかったもので
散歩をしてみたが、すごく過ごしやすい気温だ。
静かな道を優しい風に吹かれてぼんやりした月が道を照らす。

心地よい。そういえばもう既に2月を終えて
3月に足を入れたのだった。
最近寒さが際立っていたからもう春が
目の前に来ていたのを忘れていた。

三寒四温。
そんな言葉がストンと落ちてきて、
この月夜の気候を体現するには相応しいものだった。

語り部シルヴァ

3/6/2026, 2:07:30 PM

『絆』

どこかで親友が死んだ。
根拠は無い。ただなんとなく。
なんでかわからないけど、昔から一緒だったからか
相手が何してるかわかるほどに俺たちは仲が良かった。

この前電話してまたご飯でも食べて談笑しようと
言ったばかりなのに、あんまりだ。

...いや、もしかして死期を悟ったのかもしれない。
頭の良い親友なら何となくわかりそうだ。

今はただただこの直感が
嘘であって欲しいと願うばかりだった。

語り部シルヴァ

3/5/2026, 10:54:07 AM

『たまには』

猛ダッシュも無駄になり、
ホームに着くやいなや電車は走り出してしまった。

この電車で帰らないと家に着く時間が少し遅れる。
少し。この違いが私にとっては大きい。
しかし行ってしまったものは仕方ない。
諦めてホームの椅子に座って待つことにした。

「あれ、先輩お疲れ様です。」
声をかけられて顔をあげると後輩が立っていた。
「珍しいですね。ホームで会うなんて。」
どうやら帰りの電車が一緒だったようで、
後輩は気づいてなかったらしい。

「こっちの電車ですよね?
一緒に帰れるなんてなんだか嬉しいです!」
先輩に可愛がられるタイプの後輩だから愛嬌がある。
...疲れていた気分も少し楽になるくらい。

こういうことがあるなら、
たまには1つ後でも悪くないかもしれない。

語り部シルヴァ

3/4/2026, 10:49:30 AM

『大好きな君に』

人が少ない体育館というのはいつも寒いもんだ。
そんな寒さもいつかは思い出になるのかな...
と溢れるように出るあくびをなんとか我慢しながら
リハーサルを進める。

ただ人数が多く、自分は呼ばれたら返事をするだけ。
代表で卒業証書を受け取るのは式が終わったあと
教室で各クラスで受け取る。
来週で卒業...か。
二階の窓から差し込む光に舞い上がっている埃が透かされる。


どうせ振られるのはわかっているけど、
せっかくなら思いを伝えるべきか...
代表の練習をする君の背中を見て
またあくびが出そうになるのを我慢した。
向こうから思いを伝えられることなんて無いだろうし。

...もう小春日和な季節になったようだ。
ほんと。時間が過ぎるのは早いな。

語り部シルヴァ

3/3/2026, 11:15:38 AM

『ひなまつり』

ひな壇に雛人形...じゃなくてお菓子を並べて
ぼんぼりの明かり...の代わりにリンゴを添える。
娘はこっちがいいらしい。
娘が真ん中に座るとただの食いしん坊だ。

それでも普通のひな祭りをしていた頃よりかは
満面の笑みを浮かべるようになった。
イレギュラーだろうか。
男である俺には縁の無かった季節行事で、
嫁は毎年お腹を抱えて笑っている。
家族円満ならそれでいいだろう。
そう思いながらカメラを構える。

ひし餅を美味しそうに頬張る娘の表情は
未来でいい思い出として蘇るといいな。

語り部シルヴァ

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