語り部シルヴァ

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12/8/2025, 10:43:01 AM

『雪原の先へ』

少し沈む明日を何とかして持ち上げ
一歩ずつ白い山を登り切る。

登りきった先の辺り一面は雪景色。
木々は見えずフェンスは視界の端っこにようやく
ちょこんとあって、ただ太陽の光が
反射してキラキラと光る雪。
すごく綺麗な景色だ。
スマホを忘れていなかったら絶対に写真を撮っていただろう。

今からここを下る。
毎年ここに来ているがまだどうにも慣れない。

けれど形は上手くなってきた。
あとは楽しむ気持ちさえあればモーマンタイ。
深呼吸して足をずらすように動かす。
板は斜面を滑り始める。

足が少し強ばって心臓が滑る速度に合わせて脈打つ。
ターンも綺麗に決まる。
ひとつ、ふたつとゲートを滑らかに通る。

...綺麗にゴールを決める。
ひとりだと集中できるけど、誰かと滑ってみたいものだ。
リフトを目指しもうひと滑り決め込むことにした。

語り部シルヴァ

12/7/2025, 10:17:04 AM

『白い吐息』

息を吐けば白くなって空の青に溶けていく。
楽しくなって何度もやってしまう。
白くなくなったらマフラーで口を温めて休憩。

ずっとやってしまうのはなんでだろうか。
大人になった今でも癖で続けてしまう。
休憩の仕方が変わっただけで、
今はコーヒーで口を温めている。

僕が休憩している間もコーヒーは
僕を真似て白い息を空に吐いては青に溶ける。

コーヒーを飲んで胸の中心がぽわぽわしてくる。
また白い息が吐けそうだ。

語り部シルヴァ

12/6/2025, 10:23:57 AM

『消えない灯り』

風に吹かれるようにゆらめき、
優しい明るさを絶やさず灯りは優しく部屋を照らす。
今はすごい時代になった。
ロウソクのような明かりを
ライトで表現出来るようになった。

おかげで電気さえあれば
消えることの無い優しい灯りを味わえる。
強いていえばロウソクのように
あったかいわけじゃないから、
厚着はしないといけないが...

それでも揺らめく灯りはずっと見ていられる。
灯りは、時間を止めたかのように
消えることなくずっと照らし続ける。

語り部シルヴァ

12/5/2025, 10:20:24 AM

『きらめく街並み』

会社を出るといつもの風景。
行き交う車と人。半数がスーツを着て帰路の途中。
寒くなってマフラーや
モコモコした上着を着てる人が多くなった。
俺もそのひとり。

この時間になってくると居酒屋から
焼き鳥の香ばしい匂いが漂ってくる。
そんな誘惑に負けじと歩き進める。
もうすぐクリスマスで商店街やデパートは
装飾がきらびやかに...

都会は眠らない街なんてよく言う話だ。
ビルの明かりでさえもイルミネーションに見える。
早く帰ろう。
いつもの街並みに見とれてしまっては日が昇ってしまう。

けれど、クリスマス本番の賑やかさは少し楽しみだ。

語り部シルヴァ

12/4/2025, 10:29:33 AM

『秘密の手紙』

先生が通り過ぎ背中が見えた瞬間にアイコンタクトで
サッとノートの切れ端を渡す。
ふざけた内容に思わず声が出そうになるも必死にこらえる。

次にチャンスまでに返事の内容を書き込みタイミングを待つ...
後で話せばいいだけなんだけど...どうしてか今したくなる。
先生に怒られるかもしれない。
けれどそれ以上にこの状況で話したくなる。

先生が通り過ぎた瞬間に手を伸ばす。

「こら。」
先生に怒られてしまった。
こうなってしまったら相手に悪いと思ってしまう。

それでもまたやりたくなるのはなぜだろうか。
相手も同じことを思ったのかアイコンタクトをとった。

語り部シルヴァ

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