『歌』
歌はいい。
その人の気持ちが入った歌詞や曲が心を震わせる。
歌うのは苦手だから基本聴く方が多い。
鼻歌ならたまに...そんなレベル。
走りたい気分なら爽快感溢れる歌を
リラックスしたいときは落ち着いた歌を。
人生に歌は欠かせない存在だ。
歌が無くなったら僕の人生は色が無くなったみたいな世界になっちゃうかもしれない。
今日も歌で一日を彩ろう。
一番最初に聴く曲は...アニメのオープニングでも流そうかな。
さ、盛り上がってきたよ!
語り部シルヴァ
『そっと包み込んで』
(あーあいつウザ。)
(あのクソ上司...俺が偉くなったら...)
(こいつはもう捨てだな。)
耳を塞いでも尖った言葉は突き抜ける。
これだから人混みは嫌なんだ。
ある日から人の心の声が時々聞こえるようになった。
赤の他人から血の繋がった家族まで...
冗談に聞こえるこんな事を誰かに言える訳もなく...
というか一度信頼している友人に話すと心の中で笑われた。
毎日毎日何処にいても心に尖った言葉が刺さる。
自分に向けて無くても不快になるもんだ。
誰もいない場所なんてないしそんな場所へ行ってもお金が尽きて結局苦しむ羽目になる。
だから助けてなんて言葉は言わない。
向かってくる尖った言葉に心で包み込んであげる。
「苦しかったね。辛いね。」と
自分が言って欲しかった言葉を投げかけて...
語り部シルヴァ
『昨日と違う私』
昨日の私と今日の私は違うらしい。
毎日細胞が少しずつ変わっていってると
生物学の記事で読んだことがある。
そして4〜5年で細胞の殆どが入れ替わる。
...それは自分なんだろうか。
細胞それぞれが新しい自分になるなら
それはもう自分じゃないような...
言葉じゃ表すのは難しいな。
ロボットがデータだけ新しい体に移す感じ。
概念としては自分なんだろうけど...
概念だけじゃなくて数年後の自分は
見違えるほどに変われると嬉しいな。
なーんて独り言だよ。
...こんな癖も変われるのかな。
語り部シルヴァ
『Sunrise』
水平線の向こう側で太陽が顔を出す。
全然眠れない自分からすれば
失明するレベルで眩しい。
けどこれがいい。
太陽の光を浴びれば脳が起きると聞いたことがある。
それからはこうやって少しでも寝れても
寝れなくてもしっかり寝た気になってくれる。
これで小一時間は気持ちが沈むことなく過ごしやすくなる。
寝た気になれるよう思い切り伸びもしておこう。
今日も学校だ。
まあ不眠症の都合上特別学級の分類として登校しているから
そこまで気に病むことじゃないのはまだ救いかもしれない。
スマホで時間を確認すると午前5時前。
親が起きる前に朝ごはんでも作っておこう。
迷惑をかけてる分少しでもできることをしなきゃ。
柔らかい砂がまだここにいてといわんばかりに
足を奪うのを必死に抵抗して家に帰った。
語り部シルヴァ
『空に溶ける』
青空を見上げては思い出すのはタバコとコーヒーの匂い。
おじさんはいつもタバコとコーヒーを嗜むのが好きだった。
小さい頃はタバコで一部の親戚からは
文字通り煙たがられていたが、僕は好きだった。
周囲がきっちりしている大人な反面おじさんは自由奔放で
「自分のやりたいようにやる。」が口ぐせだった。
そんなおじさんのタバコの煙は工場の煙突とかと違って
細くゆっくりと上がっていく。
青空の下でタバコとコーヒー。
今思えば随分と絵になる人だった。顔もイケメンだった。
周囲と価値観が違うだけで
みんなおじさんを見ようとしていなかった。
おじさんのお葬式も涙を流す人より
悪口を言う大人の方が多かった。
誰がなんと言おうとおじさんは僕の憧れだ。
タバコが吸えるようになったら、おじさんが教えてくれなかったタバコの銘柄を当ててコーヒーと一緒に嗜んでみるよ。
そんな思いを馳せながら空を見上げていた。
火葬場の煙突からは優しく煙が上がって空に溶けていった。
まるでおじさんの吸っていたタバコのように...
語り部シルヴァ