『鳥のように』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【⠀No.7 鳥のように 】
「会いたい」
私も同じ気持ちだった。
今は休日だから、学校は休みで、街は人で溢れている。
暑くて少し出歩くだけで吸われていく体力を温存しようと
ゆったりしていたら、もう外は真っ黒に染まっていた。
現在、午後八時。
明日は学校だけれど、まだ12時間ほどは会えない。
それは私たちにとってはあまりにも長くて。
「話してたらすぐだけど、俺はいつでもどこでも
近くにいたい。」
これも、同じ意見。
電話越しに流れる甘酸っぱい空気が更に心を締め付ける。
いつでも可愛く居られるように保湿で肌を綺麗にする。
貴方が好きだと言った香りのヘアオイルを使って髪に櫛を
通すと、思い出がフラッシュバックする。
ベッドに寝転んで胸に携帯を押し付け、感情のままに抱きしめて呟く。
「好き。」
彼は少し嬉しそうに声を弾ませて、「俺もだよ」と私に返事をする。
「鳥みたいに空を飛んで、君に会いに行けたら。」
嗚呼、私ってなんて幸せ者で、強欲なんだろう。
こんなにも恵まれていながら思ってしまう。
君が鳥のように空を飛んで、
私に会いにきてくれたらいいのにな。
もしもわたしが鳥だったら
すきな時に歌い 疲れたら休み
自由で
何物にも縛られず 大空を舞い
すきな時に泣いて 笑って 生きていけたのかも
【鳥のように】
『鳥のように』
鳥のように あちらこちらを飛び回りたい。
でも、鳥のように自ら生きるために食料を狩りに行くのは嫌。
そう考えるとカラスが人間のゴミを漁るのは合理的だと感じる。
やっぱり人間のままでいいや
鳥のように、空を飛べたらやりたいことベスト3。
①島巡りをする。
②海で魚を狩する。
③電線に止まって、ぼーっとする。
鳥のように
人も空を飛ぶことができて
鳥のようになれたなら
自由に空を飛んでいろんな国の
名所を眺めてみたい
鳥のように
「どっか遠く行きたいな、鳥のように」
そんなふうに呟いた友人を見て、言葉を返す。
「渡り鳥は季節で移動するから、どっか行ってもまた戻ってくるぞ」
ツバメとかそうだよな。と付け足すと友人は机に突っ伏した。
「別荘か何かなの?どっか行って帰りたくないのー」
「現実逃避してないで宿題やれ」
夏休みももう終わる。それなのに友人の宿題は山のように残っている。自分が遊びに誘わなければこの惨状を友人1人でこなしたのか。……いや、不可能だったろう。
「写さしてー」
「だーめ、自力でやれ」
見ててやるから。そう言うと、唸りつつも宿題に向かい始めた。
この自由気ままな友人が、なんだかんだと最後には自分を頼ってくるのに、鳥のようなやつだな、と心の中で呟いた。
お題:「鳥」
黒鳥
-ブラックスワン-
この鳥は、1697年にその存在が確認された。
実際、この言葉を最初に目にした感想はどうだろう?
「何それ」
「本当にいるの?」
「白鳥じゃなくて?」
「くろとり?」
まさに、青天の霹靂である。
-1年前、オーストラリアへ行った時だった。
現地にて。
“黒鳥って本当にいるのかな”
何故かふと、こう思ったのだ。
すぐに調べると、なんとオーストラリアの固有種らしい事が判明。
その辺の湖にいるとの事で、次の早朝に近くの湖を訪ねた。
幸運な事にホテルからほど近い場所に湖があり、その上二箇所目で見る事ができたのだ。
白鳥より小ぶりな身体。
黒羽に赤の差し色と
静かな眼差し。
たった数十センチの距離。
2羽は、度々こちらを一瞥するだけであった。
そしてただ、ひたすらに草をつついている。
「なんて高貴なんだ」
それが、一番の感想だった。
黒は、格好良く見えるだろうか?
黒は、恐ろしく見えるだろうか?
白は、眩しく見えるだろうか?
白は、光に見えるだろうか?
あの黒鳥は、白く輝く黒であった。
願わくば、また会いたい。
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ノンフィクションです。
鳥のように飛べたらなって思うけど、現実は非情。
僕に片翼ぐらいくれたっていいのに
→映画鑑賞・『イオとブリュノーとマスタング』
気がつくと、私は映画館にいた。
スクリーンには題名も話のジャンルも何もわからないフィルムが回っている。ストーリーがどこまで進んでいるのかさえ、皆目見当がつかない。
少し鑑賞するうちに、駆ける馬のエンブレムのオープンカ―で旅する2人の男のロードムービーらしいと推測した。
砂漠のような荒野に延びる真っ直ぐな1本道をただひたすらに進むのは、終始くわえタバコで運転する中年のブリュノーと、女装の少年イオ。二人の関係性は謎だ。
こんな会話があった。
「なぁ、イオ? お前いつまでそのカッコ続けるつもりだ?」
「この旅の果まで」
「じゃあ一生そのままだな」
なるほど、イオの女装は何か理由があり、彼らの旅は目的を失った状態のようだ。
イオは繊細な顔立ちをしている。おそらくは10代後半。レースやフリルを併せた服を着ているが化粧はしていない。言葉少なげな様子から内向的な性格が知れる。
一方のブリュノーは飄々とした人物で、窓に肘を置いて片手運転する、如何にもロードムービー向けのキャラクターだ。
立ち寄ったダイナーで、イオは常連客に女装を揶揄われる。少年は何も言い返さず、黙って耐えている。
彼の沈黙を良いことに増長する嘲笑。そこに席を外していたブリュノーが合流する。
彼は無法者たちに訊ねた。
「随分と酒が進んでるな。いい肴でもあったのか?」
「怒るなよ、兄さん。アンタの連れ合い、この辺りじゃ珍しい格好だってだけの雑談だ。そういう話で酒は進むもんだろ?」
「あぁ、そうだな」とブリュノー。
しばらくして店を出る際、彼は常連客たちに顎をしゃくり店主に言った。
「俺たちの飯代くらいの話の種になってやっただろうよ」
呆気にとられる一同を残して、2人は店を出ていった。
再びオープンカーの2人。紫煙の帯を引きながら、運転するブリュノーの横でイオが立ち上がった。
両手を大きく広げて向かい来る風を受ける。彼のゆったりした袖が鳥の羽のようにはためいた。
「頼むから、鳥のように飛んでいきたいとかバカ言うなよ」
その軽口にイオはポツリと呟いた。
「逃げるの嫌い。嫌な気分を吹き飛ばしてるだけ」
肩を竦めるブリュノー。
「そういう強さはもっと表に出してイイもんだぜ?」
ここまで観ても、全く何もわからない映画だ。エンドロールが始まる様子はない。もう少し鑑賞を続けてみよう。
テーマ; 鳥のように
#11『鳥のように』
~羽ばたけ~
僕は鳥みたいになりたいんだ!
空を飛んでみたい!
羽ばたいてみたい!
もちろん無理だけど...
僕は2m飛んでみたい!
それぐらいだけでいい!
だって夢が叶うから!
向日葵色のウマ
青すぎる空は懐かしすぎるから
鳥のように私はなりたい
【鳥のように】
(魔女と弟子)
「どうせなら鳥の羽の方が良かったかしら」
猫の姿になった僕の背中にあるコウモリの翼を見て、魔女である師匠が言った。
『僕はどちらでも構いません。あなたがくれる姿なら、どんなものでも……』
死にかけた僕を助けるために、師匠は僕を使い魔にした。その時、師匠がくれた姿がコウモリの翼がある巨大な猫。しかし、僕はうまく飛ぶことができない。大きすぎるのかと身体を小さくしてみてもだめだった。
この翼は飾りに近く、滑空するのがせいぜいだ。鳥のように自由に飛びたいのなら、そのための術を習得する必要があるだろう。
師匠にブラッシングしてもらいながら、僕は言った。
『どんな姿にされてもいいですけど、人間の僕は残しておいてくださいね』
「あら。まだ未練でもある?」
『ありますよ。人の腕がなければ、あなたを抱きしめられないでしょう?』
師匠は顔を赤くして、僕を膝の上から押し退けた。
「二歩進んだらもう記憶が無くなった」
まるで酒呑みみたいな台詞だな、とA子はほんのり笑う。これを素面で言えるのだからある意味凄い、とバレないように小さく溜息をついた。
B男はベッドに散らばる衣服をさっと掻き集めてあっという間に身支度を整える。
じゃあまたとだけ言い残し、昨晩の痕がまだ色濃く残っているのをそのままに、そそくさと扉を開けて飛んで行ってしまった。
忙しい人だから仕方ない、あの人はすぐにどこにでも行っちゃうから、などと独り言ちるも後に残るは搾り取られるような胸の痛みだけ。
嗚呼、私も鳥になって何もかも綺麗さっぱり忘れ去りたい。
鳥のように自由に大空を飛べたら気持ちよいだろな、とは思いますが、でも私はこの頃歩いて街を散歩しています。今まで車生活だったのですが、新しい視点で街角の良さを発見する事ができ、気持ちがゆったりとしてきました。
鳥のように
鳥のように
飛べたらいいなと思う
そして
鳥のように
適度に忘れられたらいいなと思う
願いごとひとつ叶うならば、君に翼を。
ふたつ叶うなら、それをこの目に。
「鳥のように」
鳥のように俊敏に動けるようになったらどれだけ仕事が捗るか想像してみた
私はすぐち行動ができない人間である。その要因は仕事に達成感を感じられない、なのである。
どうしても優先してしまうのは周囲からの反応や視線である。
私も人間なので褒められたい承認欲求に駆られてしまう。
もし私が鳥のように俊敏に行動できるようになればわたしを認めてくれるようになるだろう。
そして人生に彩りを与えてくれるだろう。
(鳥のように)
蒸し暑い、曇った朝。
鳥のように口で音を鳴らし、布団をひいて、洗濯機の洗いとすすぎと脱水が終わるのをまつ
鳥のように飛んだ君を見た、
でも、撃たれた鳥のように落下するだけだった
何も言葉が出なかった……
ただただ、呆然と立ち尽くした、
自分を必要とされなかったこと、
気づかなかったこと、
救急車も来たが彼女は
亡くなった……
自分は彼女の何にでもなかったのかもしれない……
でも、
彼女を覚えておくのが
せめてもの償いなのかもしれない…
……外を見ると、
一羽の鳥が広大な空に飛んでいった……
鳥のように、羽根を伸ばし体を休める。
鳥のように、空を飛び心も休める。
のびのびと過ごす空の旅は我を忘れる。
ほーっと息を吐き、心が何かで満たされていく。
海の音は、何処かで聞いた子守唄。
「そろそろ行きますか」
海を歩いてあの頃へ戻る。
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