鳥のように』の作文集

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鳥のように』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

8/21/2024, 4:11:00 PM

「鳥のように」

「私も鳥みたいに空、飛べたらなぁ。」
晴天の日。教室の窓際で1人の生徒がそんなことを口に零した。
「今、補習の時間だから外なんか見てないで手動かしなさい」
本来なら今頃私は有給を使って、家でぐうたらしていたであろう夏休みの日。
しかし、彼女があまりにも赤点を取りまくるので仕方なしに特別補習を行っている。
「はいはーい。」
そんな裏話も知らず彼女はのうのうと窓から外の景色を眺めていた。
彼女があまりにも外を眺めるから、私はつい気になって私も窓から外を眺める。
窓から見えるグラウンドは夏休みだから使う人が誰もおらず、少しばかり砂色が目立つ背景と化していて、
空は雲ひとつない晴天。学校の立地も相まって、周囲に住宅がないため、まるでその景色は海のようだった。
「あ、センセーも外見てるー!」
彼女の言葉で現実に戻ってくる。
「そんなこと言ってないで、さっさと手を動かす!」
えー。不満げに愚痴を零す彼女を横目に、私はまた外を眺めた。
砂色のグラウンドとその先にある海みたいな空。
そこに1羽の鳥が横切った。
水面下を飛ぶように、果てしない大空を飛んでいる。
鳥が横切っているその時、水面の空が、少しだけ、ほんの少し、揺らいだ気がした。
それと同時に肌が熱風を感じた。
熱風に耐えかねて思わず現実に戻ると、横で座って勉強していた彼女の姿が見当たらない。
椅子は引かれたまま放置されていて、机の上に出ているものもそのままだ。
さっきと違うのは、目の前の窓が大きく開かれているだけ。
その瞬間、何かが固いものに当たった、そんな様な鈍い音が教室に、空に響き渡った。
思わず窓から身を乗り出して下を見ると、さっきまで補習をしていた彼女が赤い血を出して、そこに横たわっていた。
私はどうしていいか分からず、そこに立ちすくんでいると、光の反射なのか、やけに血がキラキラして見えた。まるで海みたいに。

青い海と赤い海。その水面下を飛べるように、彼女は飛んだのだと。青い海と赤い海が教えてくれた気がした。

8/21/2024, 4:08:43 PM

私はファーストペンギンにはなれない。失敗を恐れず未到の一歩を踏み出す人が世の中に必要だということは理解しているが、できればその役回りは避けたいと思う。如何なる時も先人が踏み固めた道を歩きたいし、ハイリターンよりもローリスクを選びたい。しかし、それがある種のコンプレックスでもある。物怖じせずに挑戦できる人に憧れて、そうでない自分にほんのちょっと嫌気がさす時もある。

 さて、実際のペンギンの生態からすると、ファーストペンギンというのは「自らハイリスクハイリターンを選ぶ勇気あるペンギン」ではないらしい。どのペンギンもみんな1匹目になりたくないがために氷の上で押し合いへし合いをし、足を滑らせた運の悪いペンギンが、殆ど落ちるような形で海に飛び込むそうだ。天敵に襲われるリスクを背負わされた貧乏くじのおっちょこちょいペンギン。しかし最初に海に飛び込む分、魚を捕まえられる確率は他のペンギンよりも高く、美味しいとこどりペンギンでもある。

 この、「不本意な役回りを被って結局美味しい思いをする現象」は人間界でもまま見られると思う。誰もやりたがらないクラスの仕事を押し付けられたけど、先生から内緒でお菓子がもらえたとか。嫌々引き受けた仕事で予想外に評価されて株が上がったとか。そう考えると、保守的な自分の性格もそこまで悲観しなくていいのかなと思えてくる。どんなに飛び込みたくなくても、飛び込まされることは往々にしてある。そのタイミングでしっかり美味しい思いができるよう、精一杯頑張ればいいだけのことなのだ。

8/21/2024, 4:06:35 PM

昼休憩に、同期数人でランチへと出た。……まあ昼飯なのだから『ランチ』で間違いはないのだが、行ったのは職場最寄りの牛丼チェーンなので『昼メシ』と言った方がしっくりきそうだ。
 よーし、給料も出たばっかだし、オジサン卵もつけちゃうぞー! などと言いながら、和気藹々とした昼食時間だった。

 事件が起こったのは、その帰路だ。

 腹の具合が悪い。
 突然、急に、何の予兆もなく、猛烈に腹が痛い。
 卵か⁉︎ 調子に乗りすぎたのか⁉︎

 のんびり戻ろうぜー、などという同期の声に、いや俺やること思い出して……などと言って急かしてはみるものの、皆足取りはゆったりだ。
 頼む! 急いでくれ! 俺は今、今月最大のピンチを味わってるんだ!
「お前、さっきからどーしたんよ?」
 恐らくというか確実に、俺の挙動が相当に不審だったのだろう。同僚がからかうように言いながら、俺の背をバンバンと叩いてきた。
 やめてくれ! 気安いのは嬉しいが、今はその時じゃないんだ!
 そう思ったその瞬間。
 出てしまった。そう……屁が。

 まるで時間が止まったような静寂があり、俺の耳には雀か何かのチュンチュンいう声しか聞こえない。
 頼む……、誰か茶化してくれ……! もういっそ、笑い話にしてくれ……‼︎

 その願いも虚しく、同僚たちは「も……、戻ろうぜ⁉︎」「そうだな! 急ぐか!」などと、白々しい笑みで『無かった事』にしてくれようとしている。

 同僚たちの優しさと気遣いが、心に痛い……。むしろ笑ってくれよ……。

 項垂れた俺の視界に、雀がピョンピョン跳ねるように入ってきて、慌てたように飛び立って行った。
 飛んでいく雀を見て俺は、今すぐ鳥になって飛び去ってしまいたい……と思うのだった。


  お題『鳥のように』

8/21/2024, 4:05:32 PM

羽を広げ 鳥のように自由になりたい
自由に飛びたい

いやいや鳥を舐めたらアカンでฅ(º ロ º ฅ)💦

あの子らの世界は人間の世界より大変なんよ𖦹‎.𖦹‎💧

鳥のように天国まで行ってみたいとか
行きたいとか聞くけど
この世に天国がない時点で無理なんよ(´・Д・)✋

どうか現実を見て生きて行きましょ💪

8/21/2024, 4:02:08 PM

「ままー 」
「んー?なあに?」

眠そうに目を擦っていたはずの奏介が起き上がり、何かを指さしていた。わたしは洗濯物を畳みながら、ちらりと奏介に目を向ける。奏介は窓を指さしていた。

「かあかあ!」
「ん?あ、ほんとだね。カアカア、カラスだね」
「からすだねぇ」
「うんうん。まっくろな鳥さんだね。鳥さん」
「とりさん…」

たくさんの言葉を教えたくて、カラスと関連する言葉を奏介に伝えてみる。頑張って私の言葉を真似する奏介が愛おしい。まだ三語文はたまにしか出ないけど、よちよちなこの喋り方がとても可愛くて、このままでもいいのかも、と思ってしまう。さかなをさたなと言ってしまう奏介に、毎度のように笑みがこぼれてしまう。毎日可愛いが更新される我が子に対し、随分と親バカになってしまったとしみじみと思う。

「あ!とりさん!」
「あっ鳥さんどっか行っちゃったねえ」
「いっちゃった…」
「うん。鳥さんまた来るといいね」
「とりさん、いっちゃった?」
「うん。お空飛んで行っちゃったね。パタパタパタ~って!」

飛んでいく鳥のジェスチャーをしてみると、奏介も小さく真似をしながら「とりさんパタパタした!」とにこやかに笑っていた。何が楽しいのか分からない年頃ではあるけれど、この子の笑顔はとても癒しになるから、いくらでも笑ってくれ~と親バカなわたしは思う。

「そうちゃんね、そうちゃんとりさんすき!」
「お、そうちゃん鳥さん好き?」
「うん!そうちゃんもパタパタしたい!」
「え~?そうちゃんもパタパタしたいの?」
「うん!ままもいく?」

お空に一緒に飛びに行こう、なんて純粋無垢な誘いに「ママも一緒に行こうかなぁ」と幸せな笑みを返した。

ママはあなたの行きたいところ、見たいもの、何でも見せてあげるよ。鳥さんのようにいろんな素敵な景色をどんどん見に行って欲しいな、なんて奏介が大きくなっていく未来を思いながら洗濯物を畳んでいると、「あ」と声が漏れた。


「ん~~でもね、そうちゃん…」
「?」
「そうちゃん、遠くには飛んで行かないでほしいなぁ…」


鳥に憧れる我が息子
/鳥のように

8/21/2024, 3:55:41 PM

「鳥のようにこの世界から羽ばたけたらどうしようか」
 演奏者くんは突然そう言った。
「…………なにそれ」
「そのままの意味だよ」
 全く答えにならないような返答を返され、仕方なくボクは考えることにした。
 鳥のようにこの世界から羽ばたけたら。
「…………他の世界に行くとか?」
「人間界に遊びにいくとかかい?」
「…………わかんないけど」
 人間界には興味がない。元迷い子のボクはきっと人間界に前は住んでいたはずで、そこで上手くいかなくて人間界から逃げ出したくなってここに来たのだからきっと戻りたくだってないような気がする。
 まぁ口が裂けてもそんなことは言えないけれど。
「……僕はね、きみがいつもいる場所に行ってみたい」
「…………………………え?」
「何回かきみの後をつけたことがあるんだけど、きみはいつも花畑の向こう側の壁の向こう側に消えてしまうから。だから、そこを乗り越えて何してるか見たいんだ」
 言われたのは権力者タワーの場所だった。
 あれは壁じゃない。人を区別してる、というより権力者じゃない人が通れないようになっている。だから演奏者くんなんて絶対に無理なのに。
 そもそも真実なんて言えず、さらにニコニコと嬉しそうにしている演奏者くんに水を挟むような真似もできず、ボクは微笑むことしかできなかった。

8/21/2024, 3:50:19 PM

「鳥のように」

鳥は、飛ぶ為に生命維持以外を捨て、軽量化した。
物を運ぶ為に二足歩行をする人間は、当然飛べない。

8/21/2024, 3:49:09 PM

鳥のように。

鳥のように
飛んで行けたら
土砂降りも大丈夫?

鳥のように
天国まで行けたら
顔が見れるのに。

8/21/2024, 3:45:52 PM

鳥のように飛ぶ金属の塊、飛行機のことだ。
これは確かに飛んでいる、飛んでいるのだが、僕にはそれを鳥のようだと言う人が理解できない。こんな、決められた時間通りに決められた場所へ、沢山の人を乗せて世の役に立つ、そんな鳥が居てたまるものか。もちろんパイロットだってそうだ、鳥じゃない物に乗っているだけの操縦士が鳥になり得るわけが無い。
もっと自由に大空を羽ばたく生命、それこそが鳥というものだろうに。
ここまで僕が鳥というものの神聖性に拘る訳というのは、昔ペットとして飼っていたからに他ならない。
過去形なのは……まあ、寿命だ。最期、僕には彼女の魂が見えた。確かに見たんだよ、空へと羽ばたく彼女の魂を。そしてこれは心底不思議なことなのだけれど、僕はその光景になんて思ったと思う?
鳥のようだ、と思ったんだ。
そのまんまじゃないかと自分でも思うのだが、どうも鳥籠に入れられていた頃の彼女のことを、今ではもう鳥だと思うことができない。

鳥のように飛ぶ不思議な生き物、正しく鳥のことだ。だけど、鳥のように飛べないやつを、僕が鳥だと認めることは無い。
ならば彼女は、生前一体なんだったのだろう。ふと、空を飛ばぬまま一生を終えるなんて、まるで人のようだと気が付いた。僕は彼女を人にしてしまった、常に嘆いていた退屈な種族へと、僕自身が彼女の羽をもぎ取って引きずり下ろしてしまった、この罪悪感が消えることは決してない、それなのに、彼女は最期、あんなにも穏やかに空へと消えていったんだ。
最期にはちゃんと鳥に戻れたのだ。
一方で、こんなことを未練がましく考えている僕は、これ以上無く人なのだ。きっと死ぬ時だって、人以外の何者にもなれやしないだろう。」
そんな話を長々と友人に話し終えた頃、こう言われた。
「君だって鳥のように空を飛ぶじゃないか。今だって、金属で出来た立派な翼で、大空に飛び立っているのに。」

「あのね、君は僕の話をまるで聞いてなかったのか?いいかい、もう一度初めから話すよ。

8/21/2024, 3:45:08 PM

「鳥のように」

この腕に羽が生えたとしたら
この脚は何のために使うだろう
飛ぶにはあまりに重すぎて
羽は飾りになってしまう
自由を求めて空をみて
鳥に夢みて憧れて
考えつくのは現実で
行きつくところは私だけ

8/21/2024, 3:44:22 PM

鳥のように、飛びたい、、、?
ちげぇよなんだよあの台風直撃すぎるだろ。
人間がいいわ
台風の最中外で飛びたくねぇよ
あーあ人間でよかった。

8/21/2024, 3:41:53 PM

鳥のように飛べると思っていた
ベランダから隣の屋根の瓦に飛べると思っていた
屋上から屋上へジャンプして学校へ行けると思っていた
自分はスパイダーマンだと信じていたあの頃
中二病だった


───鳥のように

8/21/2024, 3:41:02 PM

私は鳥になりたい
鳥も私と同じで人間になりたがってるのかな?

ふっ贅沢なやつめ、焼き鳥の分際で。

8/21/2024, 3:39:43 PM

誰も盗めぬよう仕舞ったきみの歌をくちずさめば ぼくも空へ

(お題:鳥のように)

8/21/2024, 3:38:56 PM














8/21/2024, 3:33:19 PM

#27『鳥のように』

鳥のように自由に羽ばたけたらどんなに楽なんだろう。

鳥が羨ましいくなる。

私も自由に羽ばたきたい

8/21/2024, 3:31:16 PM

もし俺が鳥だったとしても「あれ? 飛んでる時足どうするのが正解だったっけ?」って気になって飛ぶの止めちゃいそうだし、そもそも高いところが好きじゃないから、別に飛べなくてもいいや。

そんなことより、嫌な事を3歩歩いたら忘れられる頭になりたいな。
鳥のようにというより、鶏のように。

8/21/2024, 3:23:57 PM

たぶん、きっと、存在意義なんてない。

鳥みたいに空を飛べても、僕の無能感は拭えない。

魚みたいに海を泳げても、僕の虚無感は消えない。


ぬるい言葉で紡がれる慰めは効かない。

甘えだ、と辛い言葉で紡がれる叱咤も効かない。

たぶん、きっと、僕はいつ死んでも良いのだ。


 あなたが死んだら、周りの人が悲しみます。
 でもさ、引きこもってニートになって、消費しかしない人間なんて必要かな。
 どうせ見放されるなら、今のうちに消えたほうが良いと思うんだ。
 周りの人も、「やっと死んでくれた」より「生きていてくれたら」って思うほうが、多分いい。

8/21/2024, 3:18:21 PM

テーマ【鳥のように】
タイトル『青い空と白い花と私』


私は上を見た。


其処には、終わりが見えない『あお』が四方向に広がっていた。


青。蒼。アオ。あお。


雲の『しろ』はなく。烏の『くろ』もなかった。


ただ其処には、果てしない空の『あお』しかなかった。


此れは、快く晴れる暑い夏の日だった。


私は、何時ものように公園に行った。


毎日子供の笑い声で溢れる其処は、今日も何も聞こえなかった。


何時も長らく立ち話をしている近所のおばさんや白熱なカードバトルをしている学生達は、また誰もいなかった。


こんなにも良い天気なのに、何で誰もいないんだろう……あ。もしかして、隣の町に祭りが開催してるから?それとも、1ヶ月に一回に行っている地域活動に全員が参加ちゃったかなぁ?


うーん……やっぱり、どんなに考えても私には分かんないや。ま、ほっとこー。


その内に人は集まってくるだろう。それに、もしかしたら、私がたまたま人のいない時間帯に来ちゃっただけかもしれないもんね(笑)


私は能天気にそう思いながら、公園の奥に立っている1本の巨大木に近付いて、その大きくて広い幹に手を着く。


此処は、私の特等席。


私が気に入ってる場所。
私が一番落ち着く場所。
私が自由になれる場所。


何よりも、私が唯一夢を見る事を許される場所。


ズキンッ。


突然、頭が痛くなった。でも、私は気にしない。


だって、無防備で長時間太陽の下に居れば、誰だって頭痛の一つや二つになるに決まっているはずだ……。


私は、幹に着いている手を横にゆっくり滑らしながら、何時も座っている定位置までほんの少し歩いて、そして瞬時に止まった。


下を見ると、案の定しっかりと其処には一輪の花が置かれていた。


また、今日もか……。


私は溜め息を吐きながら、その一輪の花に手を伸ばした。


此れで何回目だろう。毎日私の特等席に花を置かれている事を見るのは。


何度目だろう。その花達を拾って重くて長い溜め息を吐きながら保管場所で困るのは。


前々回は、鮮やかな赤色の花だった。前回は、淡いピンク色の花だった。今回は、美しい白色の花だった。


私は、今までの花を思い出しながら、白い花を見つめた。


うん。今回もとても綺麗な花。前回の薄ピンク色の花も好きだった……でもやっぱり、色の着いた花より、何の色にも染まらない白色の花の方が私の性に合ってる。


だから、私は自分の名前を好きになれない。だって、私自身は白を好んでいるのに、名前には色が着いているから。


しかも、最悪な事に、その色は私と凄く相性が良いと来た。


嫌だなぁ……どうせ、名前を着けるなら白が付いた名前であって欲しかった。


でも、実は意外と嫌いじゃないんだよね……だって、私の名前に込められた意味と思いは、まさに今の私に成り立っているんだ。


私は、眺めていた白い花から視点をずらして、さっきまであった花の所を見た。


やっぱり、今回も花以外は何もないのか……せめて手紙か何かを置いて欲しかったなぁ。そうすれば、今すぐに花の事を問い出すのに。


皆も考えてみて。誕生日でもないのに花が置かれているよ?しかも、ご丁寧に毎日よ?


此れはただ事じゃないに決まっているじゃない


どうやら、私の花の送り主は超の照れ屋さんか、最高の瞬間で甘い告白をする機会を計る隠密に潜むキザな人っぽい。


私は、またまた溜め息を吐いた。


正直に言って、どっちでも良い。兎に角、良い加減に姿を現して此の茶番を終わらして欲しいと思っている。


だって、私のお気に入りの場所に、私の世界に侵害してるんだよ?


確かにロマンチックだけども……でも別に、私が毎回必ず座っている場所じゃなくても、木の枝に吊るしたり、座ってる場所の隣か、其処から見える場所に置いても良くない?


わざわざ私が座っている場所に置かなくても良くない???(←大事だからもう一回言うね)


私は其処まで考えて、ようやく定位置に腰を下ろした。


やっぱり、此処から見る景色は別物だ。何時もより世界が小さく見えてしまうから。


でも、私は知ってる。こうして、座ってる前を見てるから世界は小さくなってしまう。


だから、上を見上げる。


小さくて狭い世界を見たくて毎日此の木の下に来ているんじゃない。私は、大きくて広い世界を味わいたくて毎日通っているんだよ。


私は上を見ながら微笑んだ。


憧れて、夢を見て、必死に求める世界は今目に映っている……そう、空よ。


此れが私が毎日求めているビッグでミラクルな世界。


何故か空を見上げると、肩の荷や心の重りが軽くなる。


地面に張り付く足は、浮いている感覚にさせる。


でも、一番の理由は、やっぱり飛んでいる鳥を見る事だね。


此処は田舎で、空の見晴らしはとても良い。しかも、大自然が広がっていて周りも建物が凄く少ないから、尚更見えやすい。


つまり、広大な青い空を自由に楽しそうに羽ばたく鳥達が、とても良く見えるんだ。


だから、私は毎回此処に来て座っているんだ。


私は鳥が大好き。何十枚の羽を並べた翼を大きく広げて、力強くだけど美しく羽ばたかせてる彼らを見るのが好きで、憧れで、羨ましい。


めっちゃ小さかった時、私はお母さんにこう言った事があるんだ。


わたしは、しょうらい大きなつばさで大空を飛んでお月さまに行きたい!って。


それくらい私は夢中だった。というか、本気だった。いや、今でもそう変わらないかも。


何故なら今でも鳥のように、大きくて力強いけど美しい羽の翼を広げて、大空を羽ばたかして、空より上にある月まで飛んで行きたいと思っているから。


それに私はその事実を証明しちゃってる。


こうして巨大木の下に座って、飛んでいる鳥を眺めて、私の最大の夢について振り返ってる時点でもう全てが成り立っている。


これぞ動かぬ証拠と言うんのでしょうね。


私は大人になった今でも、全くあの頃と変わってない自分に嬉し半分安心感を抱いた。


涼しい夏の風は吹いた。木の葉や私の髪、ドレスの裾をそれに優しく揺らされる。


本当は、今日は家族と一緒に此の木の下に集まって、楽しく賑やかにピクニックしている筈だったんだ。


だけど、それは叶いそうにないね。特に今日は。


だって、皆はピクニックどころじゃなかったんだ。


お母さんは今でも泣きそうな目で、悲しい表情で、兎に角家事していた。お父さんは辛そうな目付きで、必死に書斎の机に頭を抱えて何かをブツブツを呟いていた。弟に関しては、静かにじっと布団の中に丸まっていた。


一応、弟の様子を伺おうと、布団の中を覗き込もうとしたよ?でも、あっちは頑なに拒み続けた。


そんな状況を何度も繰り返していから、私は仕方がなく自分から潔く諦める事に至った。


もう!家族揃って全員をローテンションになっちゃって……見てるこっちまで気分が落ちちゃうよ。


その行為で、私は外に出ていっちゃったよ?そんなしんみりした空気に居たくなくて。皆の悲しい表情を見たくなくて、家から抜け出してきたんだよ?


"本当は今でも家族の傍に居たいのに……"


私はそう心の願いを口にして、そっと目を閉じた。


どれくらい長く目を閉じていたか分からない。けど、さっきまであの青い空の上にいた眩しい太陽はいなくなっていた。

そして、其れと入れ替わる様に、いつの間にか闇色に染まり切った空の上に淡淡しく輝く月の姿があった。

私は、其の空をぼーと眺め続けていた。すると、突然自分の頭を強く抱えた。

ズキンッ。ズキンッ。ズキンッ。

頭、痛い。凄く、痛い……!

昼間と全く同じ痛みが、波の様に何度も何度も頭に走った。




※只今書き途中の話です。続きはお待ち下さい。

8/21/2024, 3:17:41 PM

誕生日

僕の人生の主人公は僕で、
君の人生の主人公は君だ。
君がどれだけ僕に大きな影響を与えようとも
僕の人生においては脇役に過ぎない。
今日はそんな君の誕生日。
しょうがない、
僕を日々支えてくれているお礼に、
今日一日だけは君に主役の座は譲ろう。

僕のステージで楽しむ君を特等席で見させてもらうよ。

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