『飛べない翼』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
飛ばないのかだと?
当たり前だ
翼だけでは飛ぶことはできん
なに言ってるんだという顔をしてるな
説明してやる
まずはコア、つまり中心部だな
なんでもそうだが、芯が通らないやつはどれだけやっても、何も出来ない
次に翼
ああは言ったが、やはり翼はいる
芯がどどれだけあっても、それだけでは飛べん
空を飛ぶという偉業をなすには、他から助けがいるということだ
3つ目はエネルギー
空を飛ぶというのはいろいろな方法がある
基本は燃料を使って、沈む前に浮ぶやつだ
滑空など風に乗って永遠と飛ぶやつもいるが、どちらにせよ離陸の際はエネルギーを使う
何、たんぽぽの綿毛は風でそのまま風に乗って飛んでいくだと
ばか、あれは飛んでるんじゃなくて、飛ばされてるんだ
4つ目がある程度の重さだ
軽すぎると、さっき言ったように、綿毛みたいに飛ばされちまう
重すぎるとそもそも飛べない
飛ぶ理由も飛ぶやつも
軽すぎず重すぎず、何事も程々が一番
最後は舵取り
飛んだところで行き先が決まらないと話にならない
飛ぶことはできるかもしれんが、飛んでいるだけだ
言いたいことは分かるな
俺達にはお前が必要だ
俺たちはただの飛べない翼だ
でもお前は違う
飛んで行きたいところがあるんだろう
お前にはちゃんと芯があって、
俺達のような翼がいて、
誰かを動かすエネルギーを持っていて、
正しい信念を持っていて、
行きたいところがある
十分だ
俺たちが飛ばしてやる
怖いだと
当然だ
飛ぶというのは、恐怖との戦いだ
そら、お前に向かって風が吹いてきたぞ
お前の進路を阻む逆風だ
だが、飛ぶには逆風が最適だ
さあ、行くぞ
風を受けて今、お前は飛び立つんだ
雲のない空は
少し寂しい
だから
涙誘う
美しい彩りを探すの
温もりに慣れたら
分からなくなる
だからまた
思い出すために
痛みを探すの
ガラスやナイフを
かき分けて
ボロボロになって
飛べない翼で
愛に辿り着くの
「飛べない翼」
「空白(光)」
つめたい雨が降りしきるなら後は止むのを待つだけだ
そんな分かりきった声なき空の下に立ち尽くすだけなら
生きてるなんて言えないさ
進め答えなき白い白い光ある方へ
この残酷な世界ですらあるのはただ一つの未来
何があっても譲れないモノがあるなら
それを叶えたい夢にすればいい
立ち止まるほどに心が闇に喰われてしまっても
そこに一吹きの風があるなら時が動くなら止まれるはずもない
落ち込んでも雨に殴られながらでも行こうぜ
変わり続ける人も街も時代も振り払って
ただ一つ信じ続けた宇宙(そら)には輝く星が流れるさ
過去に染まる今をぶち壊して さぁ
君の望む明日を君の好きな色に染めてやれ
僕等は所詮、果て無き時のなかで朽ち果てる命
だからこそ、一瞬すら光に変えていける力があるよ
笑顔が誰かを救うように涙も掬える手があるんだ
繋げてきたモノが夜空に光るように
熱くたぎる希望がその脚を動かしていく
残響さえ打ち消す勇気を握りしめて叫べ
真っ白な未来に描く君だけの声を星に変えて
飛べない翼が私にはある。
昔は空を自由に泳いでいた。
まっすぐ飛んだり回転したり、他の子と並べて走 ったり何でもできた。
でも今は違う。
私の翼は悪い人たちによって手折られてしまった。
今はもう地をはいつくばって進むことしかできない。
飛んだ感覚を私の体は覚えている。
だから、余計に悔しい。
でも、私は少しずつ昔の自分を取り戻すためにトレーニングしている。
何度くじけそうになっても諦めない。
必ず飛んでみせる。
あの太陽にたどり着くために。
ありがとう。
悪い人たち。
私はもっと強くなったよ。
快晴の或日私達は、近くの大学の学祭に行った。コンビニで、待ち合わせた。木田太一君も高橋悟君も河井夏音ちゃんも中村陽葵ちゃんも、私、坂野あんずよラフなスタイルです。
秋晴れに、似合うかな。木田君は、じんわり暑いからと半袖だ(^_^;)ーー大学の入口で、先ずは、パンフレットをもらい、赤いスタッフジャンパーを着ているかたに、福引をさせてもらった。何だか、期待して、力が入っちゃってた。エヘ。木田君は、速く回した。ガラガラ。お姉さんは、ちょっと、引いていた。(^_^;)すみません。(笑)でも、みんな、白い玉で、焼き菓子のハート型のクッキーをもらった。夏音ちゃんは、『きゅんで〜す💞』と、砕けた。陽葵ちゃんと私は、笑った。高橋悟君は、『ハイハイ』と、促した。木田君は、もう食べていた。キレイなお姉さんは、クスクス微笑っていた。私達は、声を揃えて『すみません。』と、謝った。(木田君抜きです。)お姉さんは、楽しんで下さいねと、笑顔をくれた。
先ずは、パンフレットで、行きたいとこを私達を決めた。
先ずは、夏音ちゃんの希望の美術部だ。テーマが、『メイド』だった。美少女が主に描かれていた。作品は、机の上に徐ろに並べてあった。沢山の机と沢山の作品だった。あんまりにま、机が沢山だったので通りにくかったあせ美術部のお姉さんが、回って下さいね。と、案内してくれた。そして、後ろの戸から入り見た。後ろからも別の角度で絵があった。みんなすご〜い大作だらけだった。
テーマは、メイドだけど数枚は、美男子も描いてあった。でも、すご〜いな〜と感心した。⭐✨お姉さんが、アンケートも書いてねと言われた。大事な一票だから、私は、お気に入りの絵に入れた。出入り口の所に、大人しそうなお姉さんが、絵ハガキを1枚50円で販売していた。私と夏音ちゃんは、絵ハガキを買うことにした。夏音ちゃんは、1枚。私は、2枚買った。ピンクのピエロぽい女のコの絵ハガキとクールな横顔の美少年と買った。ーーお姉さんが、その横顔の美少年は、私が描いの〜とキラキラ✨した笑顔で言った。私も、何だか嬉しくなり『大切に使いますね♡』と、言った。大人しそうなお姉さんの嬉しそうな笑顔が印象的だった💞ちょっと、鼓動がドキドキ💗している。
木田太一君は、外で、玉せんを食べて待っていた(^_^;)
次は、書道部に、行った。今度は、木田太一君も一緒だ。^_^受け付けで、好きな筆記用具で名前を書いた。想先生も、確か字がキレイなの🙏(余談ですね(^_^;))
教室に、ズラリと書いた大作達。圧倒された。お姉さんは、『何処から、来たのですか??』と訊いた。私がこの近くからです。と応えた。
高橋悟君は、1枚の作品の前で止まっていた。『すみません。この作品すご〜いですね。』と、言った。書道部のお姉さんは、『中国の漢文の文章をそのままに、作品を書きました。』と、笑顔で応えたてくれた。高橋悟君は、『すごいですね〜、ありがとうございます。』と、腕組みをしていた。木田太一君も『カッコイイ〜な。』と呟いていた。一際、大きくて、白い紙に、漆黒のセカイだった。私達ま木田太一君との言葉に深い頂いた。
それから、文学部に行った。文学部な男子学生さんが、受け答えをしてくれた。『みんな、学祭に向けて一生懸命に書いて、より選ばれた作品です。』と、冊子とお菓子を下さいました📕
此の冊子には、選ばれた作品が掲載されていて、落選したのもあるというこたなんだ。胸の中居に、波紋が広がった。
美術部のお姉さんの笑顔も書道の大作も文学部の作品達も、みんなこの学祭に向けて頑張ってはったんだ。何だか、ジーンとした。
ちょっと、疲れたので、みんなでジュースを飲むことにした。私は、レスカ🍋で、木田太一君は、コーラーで、高橋悟君は、軟水で、夏音ちゃんは、紙パックのりんごジュースで、陽葵ちゃんは、
ちょっとだけ、離れていたが、ごめん🙏と今帰ってきた。手には、リサイクルで買った黒いリボンのカワイイブラウスと、みんなと一緒に食べようと思って買ってきたのと、チュロスがあってた。
陽葵ちゃんありがとう〜(*˘︶˘*).。.:*♡と、言ってみんな、1つずつ、チュロスをもらった。砂糖の甘さが、疲れを癒やしてくれた。陽葵ちゃんは、紙パックのいちごオーレを自販機で選んで飲んでいた。ちょっと、大人している黒のリボンのブラウスといちごオーレの陽葵ちゃん、どっちも陽葵ちゃんとなんだ。
終わり
あたし翼をなくしたの
そう言ってぼくに背中を見せたきみは、
きれいな肩甲骨には自由自在にへこむくぼみがあって
ぼくはきみをずっと裏返して見ていたくなる。
園芸用のスコップには、
小さな苗を小さな鉢植えに寄せるための
それは小さなスコップがあって、
それがぴったりな大きさだ、
なんてことを考えながらぼくはきく。
なくした翼はどうしたの?
さあ、なにしろいたくて、いっぱい血が出たから、
いたみをふさぐことに、あたし夢中になったから、
消えたつばさがどこへ行ったかなんて、
ぜんぜん覚えてないんだもの。
柔らかいはだに、爪を立てたい気持ちに蓋をして、
口を開いて、心を探る
傷なんか一筋だって、ついてない。
見えないの?
見えないよ。
変ね。でもまあ、いっか。
翼がもげた傷なんて、じぶんにはみえるわけはないんだから、
きみはきっと嘘をついている。
でも絶対そうだとも、いいきれなくてぼくは、
肩甲骨のくぼみに指を3本はわして、
痛かったねときみを抱く。
--DIMPLE on the BACK.
「チキン」と呼ばれ、バカにされていた。立派な翼があるのに、それは「飛ぶ」という機能を持っていない。バタバタさせてみても一瞬ふわっと浮くだけで、およそ飛ぶことは叶わない。「跳ぶ」という範疇にも入っていない。同じ飛べない鳥であるが体が大きくて足の速いダチョウや、泳ぐことができるペンギンとは違い、ただ地を歩くことしかできない。
そのニワトリは、己の限界を知っていた。知ってはいたが、納得はしていなかった。周りの仲間たちは、何も考えずに餌を食い、地を徘徊し、たまに小競り合いをするだけの無能だった。彼は毎日絶望していた。
誰がチキンだ。鶏肉になるしか道がない、なんて言わせない。俺だって飛んでみせる。限界なんて知るもんか。
決心して、彼は飼い主の目を盗んで鶏舎から脱走した。周囲に人家もない田舎なので、彼を見咎める人間はいない。やがて、絶壁へたどり着いた。地面から飛び立つのは無理だが、高いところからなら、その勢いで飛べるかもしれない、と考えたのだ。
彼は飛んだ。躊躇せず飛んだ。今までにないほど翼を高速で動かした。
やった! 飛んでる!
空が近い。体が浮いている。風を感じる。何という開放感。
彼が感じた喜びは、ほんの一瞬だった。重力が彼を捕らえた。
必死に翼をバタつかせるが、およそ間に合わない。彼はそのまま落下していった。
抜け出してきた鶏舎が逆さまに見えた。飼い主がきょろきょろしている。彼を探しているのだ。
彼はその姿に心の中で話しかけた。
──あばよ。俺はやっぱり、飛べないチキンだったよ。金になってやれなくて悪いな。
彼は己の限界を知った。己の不甲斐なさも知った。一番愚かなのは、他ならぬ彼自身であることも、また悟ったのだった。
使えないものなんてあったって意味が無い。
折れてしまった翼なんて邪魔なだけだからもいでしまえと背に手を回したけれど、最後のところで力を込められなかった。
だってこの翼をくれたのは貴方なんだ。
飛べなくても、みっともなくても、手放す事なんてできないよ。
『飛べない翼』
飛べない翼
青い空、遠くの雲
飛べない翼、思い描く夢
仲間の鳥は次々と羽ばたく
羽ばたけぬ鳥は地に足をつけ
空の彼方、眺めてはため息
届かぬ高み
羨望の視線、空を仰ぐ
だけど心は
遥かなる未来への希望で満ちている
切り捨てられたらいいのに
こんなもの
賞賛という嵐の中でそれは酷く黒ずんでいく
使えもしない翼をただ飾り立てれば
周りはお世辞ばかりだ
なにがいいんだ?こんなもの
美しいから?目立つから?好きだから?
知らない 知らない 知らない!!!!
いらなかった…こんな翼
#飛べない翼
「ねえねえ、その翼に僕を乗せて!」
「この羽はね、あんたと一緒で傷だらけになっちゃってて、もう飛べないの。まあでも、あんたが大人になったら考えてあげるわ」
ぼくはリリーの綺麗な羽が大好きでした。リリーの羽はとてもきらきらしていて、見るたびに嬉しい気持ちになりました。
「羽の生えた人間がいるらしいぞ、きっと良い値がつく。」
リリーは、ある日の朝突然いなくなりました。ぼくは今でもずっとリリーを待っています。でもリリーなら強いから、絶対、今もどこかで元気に暮らしています。
大人になったらって言ったくせに、リリーのばか。
【飛べない翼】11月12日
私は鳥。鳥だと思う。
あってるよね、鳥だよね?
鳥類じゃなかったっけ、鳥の仲間でしょ?
なんで私鳥なんだろう。
空なんて飛べないよ?
羽なんてないよ?
ほかにも分類されるべき種類あったと思うんだよね〜。
でもね動物園とかでみんなに可愛いって言ってもらえるから、飛べなくても私が好きなんだ♡
そんな私はね
氷の上のバレリーナ
ペンギンだよ^^
#4
飛べない翼
「君は、まだそこに居るのかい?」
羽を、揺らしながら 仲間の鳥は、言った
僕は、鳥籠の中から 嘴を上に向けて言う
仲間の鳥を見上げた。
「もう 怪我は 治ってるんじゃないのかい? いつまで、飛べないフリをして、
人間の側に居るつもりだい?」
僕は、聞こえないかの様に ぷいっと
横を向く
「放っといてくれ」
その 不貞腐れた 僕の様子を
見て 仲間の鳥は、馬鹿にした様に笑う
「よっぽど 飼われるのが 気に入った
みたいだね!」
そう言って 仲間の鳥は 羽を旋回
させて 僕の前から 飛び立って行った。
そう、本当は、僕だって 分かってる
もう僕の羽の怪我は、すっかり
治って居る事を....
あの大空にいつでも 戻れると言う事を...
だけど 僕が 巣から落ちた あの日
痛くて 寒くて 悲しくて
もう二度と空には、戻れないと
死を覚悟した時 君の温かい手が
僕を救ってくれたんだ。
「大丈夫?」優しい 光を注いで
くれた 君の言葉
そんな君の側にずっと居たいと
思うのは、当たり前で 普通の事だ。
馬鹿にされる事じゃない
僕は、空を飛ぶ事よりも大切な事を
見つけたんだ
だから....
「ただいま!」
君の笑顔を迎える為
僕は、甲高く
「ピィ」と鳴いた。
飛べない翼
いくら飛べなくても
それは君自身の
翼だから
飛べるようになるまで
自信を持って自由に
君らしく生きてね
飛べない翼
やりたい事は沢山ある。皆んなとカラオケに行きたい。可愛い服を着てみたい。アイドルのコンサートに行ってみたい。友達の家に泊まって、朝までワイワイお喋りしたい。そして、恋がしたい。
私は翼があるのに、その翼は飛べない翼だ。
翼の下はアザだらけ。お酒に酔った父から、毎日のように殴られる。父が怖い。
でもあともう少し、高校生活もあと3ヶ月。高校を卒業したら、寮のある会社で働く事になっている。
そうしたら、この飛べない翼は大きくなって、大空を羽ばたいてくれるだろうか?きっと大丈夫!
私を助けてくれる。
父が私の翼をもがないうちに、、、。
私はじっとその日を待つ。
飛べないなら翼は、意味がない
ちっちゃいときからあったこの翼どうしたらいいのだろう
飛べない鳥
作者 新田るな
僕はみんなと違う。生まれた心も生まれた場所もみんなとは違う。だから、よく差別というのをよく鳥の住民にされています。だけど、僕は気にしない僕がポジティブ発想っていうことではない、ただただ神様に選ばれし者なのだと思っているからだ。親が僕に言う口癖がそれだ。でも、ある日僕の親は誰も知らない路地で息がなくなっていた。二人仲良く空想な手を繋ぎながらだ。僕はその真ん中に入りながら僕も息を無くしたかった。でも、人間というめずらしい生き物に石を投げられ痛くて真ん中に入れずに羽だけが一つずつなくなっていた。そう、死ねなかったのだ。鳥の住民のみんなにはもっと酷い目で見られてしまった。
「なんでこんな奴がこの村にいるの気持ち悪い」
と言われて七年が経った。僕は耐え続けた。僕のことを褒めてくれる人すらいないから悲しいと心が静かにいつもいつも囁やいている。体全身にだ。あぁ〜。そろそろ僕も死のうかな。僕は誰にも大切にされていない。そういえる根拠、自信もたっくさんある。僕には羽がない。飛べない。こんな奴が生きてて良いって言えるか。病んでる僕は路地をずーっと探している。親と同じ路地で死んだらまた、石を投げられると思ったからだ。
「あった。路地。」
とっても嬉しかった。やっと死ねるからだ。親と同じ場所に行けると思った。でも、その時
「何してんの?可愛い小鳥ちゃん?」
大人な美人な女が目の前にいた。僕はどっかでこの女の人間を見たことがあった。その瞬間、僕はこの女の人間に憎しみが湧いた。そうこの女の人間は僕に石を投げた少女だったからだ。
僕は女の人間を翼で殴ろうと手を伸ばした時
「ごめんね。小鳥さん?七年前君に似た小鳥に石を投げちゃったのその小鳥さんは鳥の親と一緒に亡くなるのかなぁ〜って思っちゃったから石を投げちゃったの。ごめんね。私のおばあちゃんは死のうとしている生き物はなんでもしていいから助けなさいと言われているの。でも、やりすぎちゃったよね。ごめんね。本当に。」
そう言って女の人間は優しい温かい手で僕のことを涙目で見ながら撫でてくれた。僕の憎しみはどんどん薄れていった。僕の心は少しだけ固まった。考えているのだ。
羽がなくても心はある一つなくしたってまだすべてはある。僕は女の人間に学ばされた。今では、人間に飼われています。僕の名前は「飛べない鳥」
【飛べない翼】
私はマンガや小説が好きで、飛べない翼と聞くと
次のようなラノベの文章を思い出す。
「人は変われるっていうけど、ホントにそうかな。
飛びたいって強く願えば、翼が生えるのかな。
違うと思うんだ。変えるべきは自分じゃなくて
飛ぶための手段じゃないのか?造るしかないん
だ。今のままの自分が空を飛ぶ方法を。
編み出すしかない。」
著:榎宮祐「ノーゲーム・ノーライフ」より
我慢しなくていいんだって元気もらったなぁ…
飛べない翼
人類は二種類に分かれている。翼のある有翼種とそうでない普通種だ。有翼種の方が人口の比率的には四分の一くらいと少し少なめで、多少は身体上の習慣の違いはあるけれど、私たちは平和に暮らしている。
私の幼なじみは、大きくて強い青灰色の翼を持つ有翼種の少年だった。彼はその翼を活かして数々のスポーツ大会で勝ち、将来を期待されていた。私は彼の飛ぶ姿を見るのがとても好きだった。
「飛ぶのは気持ちいい」
彼はよく言っていた。そういう時の彼はとても嬉しそうで、翼のない私はいつも羨ましく思っていた。
一度だけこっそり抱えて飛んでもらったことがある。危険行為になるので、家の二階くらいの高さに持ち上げてもらっただけだけど。
ふわりと静かに体が浮いたのはとても楽しい思い出。
しかしそんな彼は大学生の時、事故に遭い、片翼を切り落とすことになってしまった。彼に非は無かった。
片翼になった彼は落ち込んで、苦しみ、もがいた。本当に彼は飛ぶことが好きだったのに。彼は部屋に閉じ籠もり、私はそんな彼を見ていることしかできなかった。なぜ彼だったのか。私は彼の不運が悔しくて、支えになれない自分がもどかしくて、何度も隠れて泣いた。
一年ほど経ち、ようやく彼が落ち着き始めた頃、私はほっとすると同時に一つのことが気になり始めた。残された片翼はどうするのだろう。あの綺麗な翼は。
通常は有翼種が片翼になった場合、もう片方も切って、普通種として生きるのが一般的だ。
片翼では飛べないし、現時点では義翼(というのか?)はほとんど見た目だけの物でしかない。彼はどうするのだろう。
そんなある日、彼は落ち着いた声で言った。
「切ることにしたよ」
「……そうなんだね」
「飛べない翼など要らない。何の意味も無い」
静かな声がまるで悲鳴のように聞こえて、私はうまく返事ができなかった。何を言えばいいのだろう。本音を言えば、彼の背の翼をそのまま見続けていたい。私には世界一美しい翼だ。でもそんなこと言えるはずがない。一番つらいのは彼なんだから。
それでも意味が無いなんて、言わないで欲しかった。
確かに飛べない。では意味が無いのか? 私の心はそうじゃないと叫んでる。でもこの気持ちを彼にうまく伝えられる気がしない。少しでも言い方を誤ったら、歩き出そうとしている彼を必ず傷つける。私は黙っているしかなかった。
その後、翼の切除手術は簡単に終わり、今、彼は普通種としての生き方を模索しながら、前向きに生きようとしている。瞳にあの頃のような光が戻ってきた。きっともう大丈夫だろう。
彼の飛べない翼は、最後に彼の背を未来に押し出してくれたのだ。
彼は失くした翼の話はもうしない。私もしない。いつかできるかもしれないけれど、だいぶ先になるだろうし、それでいいと思う。
だからこれは私の心の中だけの想い。
私はあなたの翼を忘れない。空に吸い込まれそうだった大きな青灰色の翼。その翼で風に乗って自由に飛んでいる姿を。そして飛べない翼でさえ、私を魅了していたことを。
#85
飛べない翼
飛べない翼は必要です
みんな飛べるのに
私だけ飛べなくても
翼すらない存在に
なりたくないのてす
飛べなければ意味がない
そうかもしれないけど
翼がないよりはいい
飛べるふりして
まだ本気出してないだけ
そんな立ち位置でいる
最低じゃない確約
なかなかに厳しいけど
誰かと比較して
誰かを羨んで
そうしながら
自分の立ち位置を知る
自他との比較は
やむを得ない
飛べない翼を大事に抱えて
今日も飛べるふりをする
そして立ち止まっている