『飛べない翼』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
飛べない翼を広げも
ただ広げただけ
どれだけ助走をつけたって
ただただ翼を広げて走っているだけ
いつもみんなは口を揃えて
いつか飛べるよ、もう少ししたら飛べるよ
なんて言うけど
僕の周りの子はみんな大きく凛々しく
白い翼を広げてるじゃないか
僕の翼は黒く汚れてただ大きく醜い
今日もまた1人白い翼をあんなに大きく広げて
飛んでいってしまった
『飛べない翼🪽』
ユニコーン。
それは、伝説の生き物。
輝く白い角。金色になびく美しい毛なみ。大きく飛べそうな翼。
ユニコーンの角には蛇などの毒で汚された水を清める力があるという。
そのユニコーンが今、私の目の前に。
「私をその角で浄化して。」
ユニコーンは応えない。
私はいわゆるアンラッキーガール。
友達と遊ぶ日はいつも具合が悪くなるし、一日のうちに転ばない日はない。アルバイト先の遊園地では、何語かわからないような言葉で話しかけられ、笑顔をキープできず毎回注意される。外食したら、必ず頼んだ商品と違うものが出てくるし、割り箸なんて人生で一度も綺麗に割れたことがない。とげが手に刺さるのが通常運転。
私は懇願する。
飛べない翼をもつメリーゴーランドのユニコーンに。
飛べない翼。
飛べない翼は
私にもついてるかな?
大阪まで
行きたかった。
飛べない翼なら
せめて魂を。
今日こそ
飛べない翼なのが
本当に辛い。
我が家には羽の生えた丸餅がいる。
無論、「丸餅」というのは比喩だ。丸餅のような丸い体の、どの動物図鑑にも載っていない動物がいるのである。色は目に優しい淡い黄色、まんまるの黒目に滑らかでふわふわとした肌触り。性格はまるで猫で、作業している手元にどーんと寝そべったり、朝方に布団の上にダイブしてきてポンポンと短い手で布団を叩いて起こしに来たりする。
この「まるもち」の背中には羽がある。鳥の翼ではなく虫の翅に近いが、デフォルメされているかの如く単調で丸みのある白い羽で、その図体のでかさのわりにとても小さいので飛べるわけもない。
じゃあ何のためにあるんだろうかと思いはするものの、そんなに気にはしていない。
特に理由もなく頭を撫でてやれば、その羽はパタパタと動く。
花瓶を割ったり庭の花をつぼみのままもいでしまったりした時は、隠れでもするかのように体にぴったりと張り付かせる。
こちらが落ち込んでいる時は短い両腕と一緒に懸命に広げて、励まそうとしてくれる。
「お前の羽は、きっと飛ぶためのものじゃないんだよな」
そう言ってやれば、「まるもち」は嬉しそうに羽をパタパタと羽ばたかせるのだ。
真赤の星が輝いている。青い地球を照らし続ける真赤な太陽。常からその恩恵を傍受して生きている私たちは、その星に今日も感謝しなくてはならない。
宗教というものに関しては実に疎いのだが、これ位の感謝は当たり前だと思っている。母親がそんな人だったからだろうな。今はもう分かりやしないが。
黄昏時とも云うこの時間帯は、私にとって特別なのだ。私が私でいられる時。
私は幼い頃からの夢がある。今はもう半ば諦めているのだが。それは母親みたいな人になるという夢。
でも私ではあの人みたいにはなれない。私にあの慈悲深さはない。叱るときは叱り、褒めるときは褒める、といったものがまるでないのだ。
私では駄目なのだ。八年間の想いで構築された翼は何の意味も持たなかった。羽ばたけない翼など意味はない。私は飼育委員会だったから、毎日と云っていい程、鶏を見ていた。そんな感じ。莫迦にしている訳ではないのだが、今を伝えるにはそれが一番的確だと思ったからだ。私は情けない。哀れな幼子なのだ。誰にも救えぬ、人間を象った何かなのだ。
この時間になるとマイナス思考になってしまうのは私の悪い癖だ。早く治さないといけないね。そんなことを考えているうちに、日も沈んできた。否、別の場所を照らしにいってしまった。太陽が羨ましいと思った。常に誰かを照らすことができる。私もそんな風になりたかったよ。…縋ってばかりじゃ駄目だ!母親みたいになるなら、もっと……!
そうして今の翼をまた、広げるんだ。そしたら、いつかは、きっと、大、丈夫だ、から…。
お願い お母さん
もう少しだけでも私を見ていてよ
貴方が私の翼だから
黄昏時、又の名を逢魔が時という。
お母さんにだって会えるよね。
#飛べない翼
子供の頃のサチコには翼が着いていた。
ママの手をするりとくぐり抜け、
捕まらないように上手に逃げて行く天才だ。
そして高速スピードが大好きで、自転車に乗れる様になった時は毎日自転車が相棒だ。
スキーをする様になってからは、その高速さにドキドキしてしまった。まるで翼をはためかせ飛んでいるようだ。
それなのに
サチコのママはサチコのする事を褒めない、
あと先考えない愚かな行いだと言う。
尊敬するママが言うのだし、
私って考え無しに動くし、
ずっと子供っぽいのは嫌だし…
やがてサチコは飛ばなくなった。
大人になってから挑戦してみたいと思う翼が
体に湧いてきても、行動より先に思考がブレーキをかけてしまい飛ぶ事を選べない。
飛べない翼を包み込み
サチコは昔を懐かしむ。
ーーー飛べない翼ーーー
「いつかは飛べる」
そう叶うはずのない夢を見て
今日僕は、飛ぶんだ。
どこかで、鈍い音が響いた。
期待に胸を膨らませ、希望の翼を羽ばたかせる人がいるのなら、変化を嫌悪し、進むことを恐れる私が持っているのはきっと飛べない翼なのだろう。
「ねえ、ほんとに受けないの?」
「…うん」
「せっかくのチャンスなのに?」
「…うん」
「そっか、残念だけど仕方ないね。
わたしは受けるつもりだから、しばらくは一緒には帰れなくなっちゃうけど…」
「…うん。応援してる。頑張ってね」
落ちこぼれの私にも優しくしてくれる彼女には本当に申し訳なく思っている。
けれど。
進むことを恐れる私と、進むことを恐れない彼女。
二人の道が分かたれているのは明らかだ。
だからせめて、精一杯応援しようと思う。
私は自分には無理だと諦めてしまったけれど。
飛べない翼
僕は未だに、麻酔が効かない。あの場所もあの記憶も、もう少しで手が届きそうなのに。ふわりと浮いて掴むことができない。今、目の前にあるのは、自分をのみ込む田園と、あのカラスが落とした、黒い黒い羽根。歌が聞こえる。僕の翼を散らした歌が。
『飛べない翼』
「あ、綺麗…」
人は皆、翼を持っている。色も形も大きさも人それぞれだけど、みんなには見えていないのが事実。
翼を持ってる人のほとんどは、濁った色で折れていて痛そうなの。まぁ、痛覚も感覚すらもないみたいで痛がる様子は微塵もないけれど。
でも、翼は大切なものだと思う。翼が折れてしまった人は、二度と飛び立つことができない。
つまり、諦め続けて中途半端な希望を抱えて生きるしかないの。……僕が見てきたのは、だいたい頑張っている人ばかり。
人一倍頑張っている人。
「僕の翼は………」
頑張ることも挑戦することもいいことだけど、大きなことほど、失敗してしまった時や挫折してしまった時に、翼が大きく折れてしまう。
頑張るものが大きければ大きいほど、それに比例して翼は飛べなくなる。飛べない翼になってしまう。
だから無理しないでね。あなたのそんな姿見たくないから。
「過去」という鎖に繋がれている私の足
「臆病」という地面にへばりつく私の手
「偽善者」になった私の口
「噂」が怖い私の耳
「真実」を見ようとしない私の目
どこへも行けない私にしたのは
私自身なんだよ
自分がどこかへ飛びたいと思うなら
自分を変えること
「飛べない翼」
ある日、空から少女が降ってきました。
白いワンピースをはためかせ、ズドーンと。
「いてて……」
「大丈夫ですか?」
痛そうに頭を抱えている少女に手を伸ばします。
「あ、ありがとう。でも大丈夫」
ひょいと体を起こして、ぐるぐると体を動かし始めました。時々ゴキゴキ音が鳴るのが不安です。
「ちょっと…落ちちゃってさー。
ぶつからなくてよかったよ、ほんとに」
ははは。
と人懐こそうに笑って、ふと上を見上げました。
「どうしました?」
「もっかい飛んでくる。
また…失敗しちゃったっぽいし」
「失敗?」
「うん。だって、落ちちゃったんだもん」
なるほど、じゃあこれは失敗なんでしょうね。
彼女にとっては。
「じゃあ、いってらっしゃい」
「いってきます!」
そう言って笑顔で駆け出します。
もうしばらく、自分が飛べる天使だと信じている、
地獄行きの哀れな少女をみていることにしましょう。
『飛べない翼』
僕は心の中に飛べない翼を持っていた。
はじめにそれがあるってわかったのは確か小学生の頃だった。
それは学校に行きたくなくなった時のことだった。
友達と過ごす、大切な場所に。
勉強もあまり苦手なわけじゃなかったから、他に何か原因があるように思えてその日からその〝理由〟を探し始めた。
すると友達と人と関わるのが嫌ということに気がついた。
なんだ、それだけの理由じゃないかと思っていたら、ある日学校で過呼吸になった。
理由はもう忘れたけど。
それからだった。僕が死にたいと思い始めたのは。
何回も、何回も死のうとした。
住んでいるマンションから飛び降りようとした。
太い血管を切って出血死しようとした。
でも無理だった。
怖かった。楽になると思えたけど、痛そうで苦しそうで怖かった。
中途半端な苦しみを、死のうと思う気持ちをマンションから飛べない翼を。
そんな物与えるなら全部消えるか、その気持ちで一杯一杯になった方がマシだった。
もう高校生になる僕の心の中にマンションから飛べない翼はまだ、残っている。
いまは飛べなくても
いつか きっと飛べる
#飛べない翼
#27
子供の頃はよく親に地獄に落ちるよと脅されたっけ。
少しのイメージもなかったけど、怖かった。
今じゃこの世が地獄だから、何も怖くないよ。
私がこの先何をして地獄行きだろうと、
怖くないから平気だよ。
何をしたって平気だよ。
地獄の景色が変わるだけだから。
飛べる翼があったなら今すぐにでも飛んでどこかへ行ってしまいたい。でも、そんな翼があったら嫌なことや辛いことからすぐに逃げて向き合えないとおもう。だから飛べない翼の方がいいのかなとも思う
彼には才能がなかった
幼少期から10年
ピアノも同じ年齢の人達の音には遠く及ばず
少年時代を費やした10年
野球もプロにはなれずただ草野球で少し強い程度の腕前で
仕事を始めて20年
デザイナーの仕事を始めても産み出すのは平凡なものばかり
仕事を辞めて20年
写真家を目指し旅に出ても、その写真には価値はなく
腰を悪くして30年
今更キャンバスに絵を描き、これは違うと何度も書き直す
そんな彼もこの世を去った
彼の葬式には草野球の仲間が集い哀しみ
皆が彼の自画像に手を合わせる
大好きだったショパンの曲と共に運ばれ
霊柩車は彼のデザインしたビル群を通り
世界中の景色の写真と共に火葬された
#飛べない翼
君は
「宙を舞っている」
と言うけれど
私は
堕ちていく一方だ
それは翼がないからじゃない。
翼があるから
飛べないと思うんだよ。
たとえばもしも、この白い腕が真っ白な翼であったのなら、大きく羽を広げるみたいに羽ばたいて、いつも見上げていた大空を思いっきり翔んでみたい。
そして世界の隅々まで、愛しい君を探しに行こう。
僕が忘れていた感情を、目を逸らしていた愛情を、君が再び教えてくれた。本当の僕を君だけが見つけてくれたんだ。
飛べない翼を持つ僕は、鳥籠に囲われ潰える命をただ待つだけの絡繰人形。精緻に造られた機械仕掛けの純白の翅を持つ、まがい物の小さな鳥。
けれど君は、そんな僕を綺麗だと言った。たった一度の刹那の偶然が、僕に永遠の夢を持たせてくれた。
そして僕は、僕を囚えたその鳥籠を飛び出して、小さな歩幅で窓へと突き進む。歯車の軋む腕を伸ばして翅を広げて。格子越しでもなく、窓越しでもなく、ただ一片の曇りもない大空へと羽ばたいていく。
冷たい風が髪を揺らして、期待と不安を募らせながら、君の指先だけをひたすら目指して。
もう一度、君の笑顔に会うために。
「綺麗な翅ね。太陽に透かしたら、きっともっときらきらするんでしょう。そんな鳥が空を飛んでいたら、私はきっとすぐにあなただとわかるわ」
世界の隅の一画で少女が空を仰ぎ見る。
その視線の先で光る小さな鳥を見つけた。
少女は両手を広げると、その手のひらに落ちていく小さな小鳥を捕まえた。
少女はふわりと微笑むと、力の潰えたその鳥に頬をよせ、優しく触れるキスをした。
「…がんばったね」
【飛べない翼】
飛べない翼
歌詞によくあるイメージ
飛べない翼って
本当は飛べる翼な気がする
不恰好かもしれない
でも、きっと羽ばたいて飛べる
そんな気がする