期待に胸を膨らませ、希望の翼を羽ばたかせる人がいるのなら、変化を嫌悪し、進むことを恐れる私が持っているのはきっと飛べない翼なのだろう。
「ねえ、ほんとに受けないの?」
「…うん」
「せっかくのチャンスなのに?」
「…うん」
「そっか、残念だけど仕方ないね。
わたしは受けるつもりだから、しばらくは一緒には帰れなくなっちゃうけど…」
「…うん。応援してる。頑張ってね」
落ちこぼれの私にも優しくしてくれる彼女には本当に申し訳なく思っている。
けれど。
進むことを恐れる私と、進むことを恐れない彼女。
二人の道が分かたれているのは明らかだ。
だからせめて、精一杯応援しようと思う。
私は自分には無理だと諦めてしまったけれど。
11/11/2023, 12:47:07 PM