飛べない翼』の作文集

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飛べない翼』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

11/11/2023, 10:06:16 AM

とっくに折れてしまって、地を這ってる。
 でも、泥だらけの手を取ってもらえたから、オレは幸せだ。
 愛してる人がいることが、こんなに嬉しいことだなんて知らなかったよ。
 おまえを失ったら、オレはダメになるんだろう。

11/11/2023, 10:04:41 AM

私の背についているのは、飛ぶことなんて出来やしない白くて小さな翼。
この世界の魔法使いには皆立派な翼がついていて、綺麗に器用に飛べることこそ1つの1人前の証だ。
私も兄弟子たちのように上手く飛べるようになりたいけど、こんな小さい翼では、それも難しいことだ。

「君の翼は白くて柔らかくて、美しい」

心にも無いお世辞を、師匠が言う。
そのさらさらの金髪に、宝石のように煌く碧眼の美少年の姿では想像も出来ない程、高難度の魔術をいとも簡単に操って分厚い魔導書を読んでいる。

「でも、私の羽は…」

「天使の羽、魔術は天使には使いこなせない、そう言いたいのかい?」

「……はい」

「大丈夫。どんな蕾にも花開く時は来る。焦らなくていいよ」

本棚から1冊、私の手元に魔導書が飛んでくる。

「君に出来ないことは確かに多い、でも君にしか出来ないこともあるよ」

呪文を唱えてご覧、師匠が私に促す。
ポケットから銀色の杖を取り出し、空中に一振り。

『』

空を切る杖は、ただ弧を描くだけ。
机の上のねずみは変わらず檻の中で鳴いていた。




.☆.。.:*・゚





この間、初めての友達が出来た。
と言っても、心から友達になろうと思ってなったんじゃない。
彼は、師匠に呪いをかけたとある強大な魔法使いの息子だった。
師匠の復讐を果たすために、私は師匠の命令で彼
に近づいたのだ。
彼は流石に優秀な魔法使いで、立派な黒い翼、強くて美しいほどの鮮やかな魔力、私の欲しいものを全て持っていた。明るくあっけらかんと笑う彼は話すのが好きらしく、懐に取り入るのにそう時間は掛からなかった。

「君は僕の自慢の弟子だよ。こんなに早く打ち解けるなんて」

復讐に狂った少年の目は、異様なほどにぎらぎらと光っている。

「さあ、今日も特訓だ」

「……はい」

『』

銀色の杖は、弧を描く。
カンテラに光は灯らない。

『』

白い貧相な羽が背中をくすぐる。

『』

息切れがしてきて、必死に肺に酸素を取り込む。
首筋に汗がつたうのがわかった。

「ああ、体力がそろそろ切れてきたようだね、今日は終わりにしようか」

そう言って、師匠は底の見えない笑顔を見せた。
この終わりがあるのかも分からない真っ暗闇の道の、行く末は知らされないままだ。




.☆.。.:*・゚




彼を騙して、人のいない草原に連れ出した。
今日はXデー。すうっと、肺に酸素を取り込んだ。

「ここで、一体何をするの?」

暢気な彼の声が響く。
それにはなにも答えないで、私は黒い宝石をポケットから取り出して、そのまま口に含んだ。

途端に、わっと周りに風が巻き起こった。
私の小さくて貧弱な羽は、雪のように真っ白くて美しい、大きくて立派な翼へと変わる。
私はそのままふわりと宙へ浮き上がった。

今の私ならやれる。
魔力がとんでもなく増えて、自由に飛べる今の私なら。


『』
 

「!!その呪文は…!!」

彼が大きく目を見開いた。
と同時に、彼の翼から幾つもの羽根が抜け落ちて、みるみるうちに前の私と同じようなみすぼらしい小さな翼に変わっていった。
私の唱えた呪文。
それは、魔法使いにとっては命とも言える、翼の力を奪う禁忌の呪文。

『』

『』

『』

煮え滾るように熱い血が、全身に行き渡る。
燃えるように熱くて、私は昂った気持ちが抑えられなかった。
ああ、もっと、もっと、もっと!!!


でも、その幻想は、長くは続かない。

途端に、口の中に、鉄臭い味が広がった。
口から漏れた涎を拭えば、それは赤くて。
意識がだんだんと混濁していき、ゆっくりと地が近づいてきた。
目の前が徐々に暗くなる中、彼が駆け寄ってくるのが見える。
その背にあるのは、とっくに呪いは解けて元通りの大きくて立派な翼。

結局、私は出来損ないだった。

モノの力を借りても、これっぽっちの結果しか出なかった。

師匠の望みも、果たせなかった。

でも、彼を傷つけずに済んだのはよかったのかもしれない。


君は素晴らしい魔法使いだ、最初で最後のお友達。

君ならどうか、復讐に取り憑かれた師匠を救えるはずです。どうか、どうか、助けてやって下さい。


こんなことしてごめんなさい。


魔力なんて欠片もなかった、
飛べない翼の天使の子。

今1人、静かに眠りについた。

11/11/2023, 10:01:51 AM

某エナジードリンクで
翼を授ける
ってあるやんな。
授かっても飛べない翼じゃんね
飛べる翼欲しいな(?)

【飛べない翼】42 kogi

11/12/2022, 11:06:23 AM

当世、風切羽を切った天使を連れ歩くのが流行りだ。

街に出ればあちこちで天使を見かける。

雑に刈られ飛べない翼をみすぼらしく畳みぼんやりと主人の後について歩く姿に、清廉で威光に満ちたかつての面影はない。

神が死に、天上の安寧は永久に失われた。人間はその代わりに現世での加護を確保するべく、天使を地上へ繋ぎとめる強引な道を選んだ。

富める者は数多の天使を身辺に侍らせ、貧しい者はせめて折られた羽根の一枚でも護符になりはするまいかと彼らの後を追い回す。

神の死と共に教義への理解も捨てた人間の群れ、そのまた後にじっと付き従うのは大きな黒い影。

そう、神の不在は決して悪魔の消滅を意味しない。

空から堕ちた天使らの居所に相応しい世界。
この国はすでに地獄の領域。


************
「飛べない翼」

************
所感:
お題を比喩表現ではなく考えると、鳥か飛行機が酷い目にあう場面ばかり浮かんで辛かったので、いっそもっと派手に痛くしてみようかと天使を呼びました。

************
なんの気なしに始めたこのアプリ、今日で一か月になりました。お題をもらって書くスタイルは自分に向いていたようです。まだまだ色々遊んでみるつもりです。
書いたものをアップし終えてから、他のユーザーさん達の文章を読むのも楽しみになりました。お気に入り登録もめっちゃいっぱい増えました。
毎日、同じ話題について互いに思いを巡らせ合った、その答え合わせをしている気分といいましょうか。ここに居る人間の数と同じ数だけ、違った物語が生まれている事実に深くときめきます。私、ロマンチストなので。

11/12/2022, 10:28:29 AM

飛べない翼

あるところに、翼を持った少女がおりました。

汚れのない純白で美しい翼は見るものを魅了しました。

誰もが少女の翼を羨みます。

あんな翼があったら、どんなに気持ちよく飛べるだろうか、と。

しかし、誰も少女が飛ぶ姿を見たことがありませんでした。

いつも丘の上で佇んでいるだけ。

彼らは知りませんでした。

少女のその翼が飛ぶための力を持っていないことを。

そうです。

少女は飛ぶことができませんでした。

翼はただの飾りに過ぎませんでした。



あるところにも、翼を持った少女がおりました。

黒く汚れた傷だらけの翼。

しかし、ボロボロの翼を少女は決して恥には思いません。

それは何度も何度も空へ飛び立ったからです。

そうです。

少女は自分の翼で飛ぶ力を持っていました。

翼は少女をまだ見ぬ世界へと連れていってくれましたーーー。




少女は飛べませんでした。

勇気がなかったから。

本当はいつだって飛べるのです。

しかし、はじめの一歩を踏み出す勇気を少女は持てませんでした。

不安、緊張、恐怖。

それらを打ち砕く勇気が。

だから、ある意味ではいつまでも美しい翼を保っていられます。



少女は飛べました。

彼女には勇気があったから。

広い世界へ飛んでゆく勇気を少女は持っていました。

失敗、挫折、苦痛。

上手くいかない飛行を、何度も何度も繰り返して、空へ飛びました。

ボロボロの翼は、勇気の証ですーーー。




あるところに、翼を持った少女たちがおりました。

少女の視線の先には、もう一人の少女が手を伸ばしていました。

丘の上に佇むだけの少女はもういません。

飛べない翼に勇気を。

私の心に勇気を。

少女たちは広い空へ翔けてゆきましたとさ。   


                      おしまい。

11/12/2022, 10:09:00 AM

例えば

悠久なる空を飛べる翼を持つのであれど、
羽ばたく自由を知らねば
その翼は「飛べない翼」となる

例えば

何処にだって駆けられる脚を持てど、
すぐに折れてしまったなら
その脚は「不自由な脚」となる

この2つの論点は一体どう異なるのか。

まあ簡単な話だ。

「知る事がなかった」

「知ってしまった」

であろう。

自由を知らずに済めば、自身の知る世界だけで
何にも脅かされず安寧を貪る事が出来る。

自由を知ってしまったなら、今までの
狭苦しい世界を窮屈と飛び出す事が出来る。

しかして、「不自由な脚」となった後者では
「自由を知れど踏み出せない」
その鬱屈さに心を病んでしまうかも知れない

そして、「飛べない翼」を持つ前者であれば
「自由を知らずとも生きていく」
翼に頼らず生きていく術を生み出せるかも知れない。

……とまあ、真面目くさい話だけれど
要は生き方とは自在に捉えられるのさ。
「誰かの不自由は誰かの自由」

世界を知って苦しむか
世界を知らずとも苦しむか

世界を知って自由に羽ばたくか
世界を知らず不自由に歩き出すか

その選択は、全て君次第!

とは言っても、『僕』の語る言の葉は
堅苦しく見せかけたまどろっこしいフィクション!

そう深く悩まなくても良い話。
ただ、薄っぺらい『僕』なんかの言葉でも。
今を生きるキミたちの心に刺す事が出来るなら

面白いかも知れないけどね!

11/12/2022, 9:57:05 AM

飛べない翼

養鶏場のような場所で
飼っている鶏を見せてもらったことがある。

ずっと狭いところに閉じ込められて
自分だったら気が滅入ってしまうなと思ったけれど

きっとあの子達は外の世界すら知らないのだろう。

そう考えると、小屋の中の鶏のように
私にも知らない世界があるのだとしたら

人生のかなりの部分損していることになるのかも
しれない。

色々なところに目を向ければ
自分の世界を少しでも広げることができる気がする

11/12/2022, 9:49:21 AM

「飛べない翼」


 飛べない翼の時でも、君は側にいてくれた。

 ずっと変わらず。

 嬉しかった。

 ありがとう。

 君のためにも羽ばたけるように、また頑張りたい。

11/12/2022, 9:15:18 AM

一人一人に翼は付いていて
努力し続けた人は夢に飛ぶ。
まだ、私は努力が足りない。

#飛べない翼

11/12/2022, 9:10:00 AM

短い小説 『飛べない翼』

 飛べない重い翼を抱え、泣きべそかいている鳥がいた。
 その鳥の近くで、小人が空中を遊泳していた。鳥は小人を羨ましそうに見つめる。小人は鳥の視線に気づき、話しかけてきた。
「どうしたんだい?僕を見つめて。僕上手に飛べてるかな」
 鳥は何も言わず、小人を睨む。
「…下手くそだった?」どうして睨むのか分からず小人は戸惑った。
「お前は羽が無いのに飛べるんだな」
「へ?」
「俺飛べないの」鳥は翼を広げ、鼻で笑いながら吐き捨てるように言った。「羽あるのに飛べないの。馬鹿だろ?」
「えー?そんなこと言わないで」小人は鳥の心情が分かり、即座に否定した。「むしろ、僕の方が馬鹿さ」
「何でそう思うんだよ」
「僕、飛べるのに飛ばなかったから」
「は?」
「僕、今まで人に甘えまくって自分で飛んで動いたりしなかったの。そのツケが回って、全然飛べなくなっちゃって。だから、恥ずかしかったけど死ぬ気で飛ぶ練習して、何とか飛べるようになった」
「…」
「君は…本当に君のその翼は飛べないの?」
「…」鳥は黙り込んでしまった。今の話で何か心当たりがあるような気がしたのだ。もしかしたら、本当は飛べるのではないのか。飛べないと勝手に決めつけてたのかも。
 小人はそんな鳥を後押しするかのように言った。
「一度練習してみたら?」

 鳥は小人の言葉を胸に、死ぬ気で飛ぶ練習をすることになった。

11/12/2022, 8:55:11 AM

夜にベランダから訪問してくる変人がいる。
たまにふらっときて飽きたら帰っていくという気まぐれ具合だ。

ベランダから?ふらっと?面識のない人が?夜に?となるだろうが、別に害はないのでそのままにしている。僕はめんどくさがりなんだ。

それで、僕の家はマンション。ついでに六階だ。だから変人は飛んできてるのだと思ってた。

人間離れした容姿だし、何より羽生えてるし。

しかし、違った。ある日月光浴していた時にわかった

変人は登ってきてた。

何をって、壁を。

他の住人のベランダを足場にしながらよじよじ登るならまだ「!?」ぐらいで済んだが、変人は壁を『たったった』だ。「!!!?????」ぐらいになっても無理はないだろう。

「君…羽…使わないの…」
「この羽飛べないんだよね!」
「そっか…」

どうやら、変人は思っていたよりずっと変人だったらしい

11/12/2022, 8:48:07 AM

🍀飛べない翼

左翼を失い右翼だけになってしまった。

落ちた左翼。
1枚の翼を手に取るとサラサラと崩れ無くなる。

機能をなくした左翼に片翼だけでは飛べない右翼。

意味が無い。

意味が無い天使。

意識しない間に右翼は白と黒の2色に染まり変わり
汚くなってしまった。

「その2色、綺麗だね。」

マントを着た誰かがそう言う。

「自分、汚いって思ってないよ。」

偏屈な態度で言い返す。

「はは、思ってなくてもね、顔に出てるよ。」

自分でも自覚していない「感情」に
誰かは気づいて気づかせてくる。

「……そうだね。汚いし、飛べなくなっちゃった。」

「……」

「……いっその事、右翼も切っちゃおうなか。」

「“も”?って何?左翼は自分で切っちゃったの?」

「どうなるかなって思って。でもどうもならなかった。死ねなかった。」

「死にたかったの?」

「うん。」

「なんで?」

「なんか疲れちゃった。何も考えたくなかった。」

「……」

「右翼切ったらどうなるかな。自分いなくなるかな。」

「ならないよ。」

誰かは強く言う。

「なんで言い切れるの?」

「……」

「なんで?」

もう一度問いかけると誰かは羽織っていたマントを脱いだ。

そこには、
翼が生えていなかった。

飛べない翼
飛べない天使

11/12/2022, 8:38:17 AM

飛べない翼は使い物にならないなんてそんな冷たい言葉を吐いた馬鹿を私はぶん殴る。
翼を優しく撫でて看病する。
大丈夫、また飛べるよ。

11/12/2022, 8:36:20 AM

飛べない翼を捥ぐ

捥ぐとまた生える

無駄に綺麗な、純白色の翼が

透き通った水色の空

夢見る翼を

今日も捥ぐ。

「飛びたかったなぁ、私も」


# 飛べない翼

11/12/2022, 8:32:15 AM

「ねえねえ、もし、飛べない翼が生えてきたとしたら、手術してとる?そのままにしておく?」
親友の最後の言葉だった。

11/12/2022, 7:58:59 AM

飛べない翼が空をかく
傷跡は星となった
歌えない嘴が風をすく
ため息はわた毛ととんだ
開かない眼が空をさす
まなざしは月をよんだ
うまれない命が風となり
産声は海へかえった

11/12/2022, 7:58:50 AM

飛べない翼


苦しい日々に

最悪の景色

暗い闇に

閉じ込められる

ような気がする。


こんな毎日は嫌

私はもっと


翼を持って

自由に羽ばたきたい


行きたい

生きたい





飛んだ





あれ。






落ちてる…?





そんな





こんなはずじゃ…

11/12/2022, 7:26:23 AM

飛べないに決まってる。
それは肉体にはくっついていないから。
単独で存在していたとしても、それ自体が動くわけてはないから。

11/12/2022, 7:24:22 AM

飛べない翼を持つ鳥はどのくらいいるのだろうか。
今頭に浮かぶのは、ペンギンとかダチョウとかだ。
では、なぜその鳥たちは飛べない翼を持つことを選択したのだろう、翼を持っていた方が自然界では有利なはずなのに。
ペンギンの翼に当たると骨が折れるらしい。水の中で素早く泳ぐためにそう進化したのだろう。他の飛べない鳥もそういう翼よりいい何かと交換でその能力を得て、その環境に適応してきたんだなぁ。   
「飛べない翼」

11/12/2022, 7:07:41 AM

「飛べない翼」

数千人が暮らす工場だらけの小さな小島
これが私の世界の全て
両親と出掛けるはずだった船の事故で二人を亡くし

私はそれから海が怖くていまだにこの島を出られないでいる

それから数年が経ちいつものように家で一人機械をいじっていた時
彼女が空から落ちて来た。

翼の生えた女の子左の翼から血を流して、私の家の裏ゾウゲばやし木で彼女は横たわっていた

翼の生えた鳥人、昔お母さんが本で読んでくれ、本物に出会うのは初めてのことだった

私は慌てて付き添いのロボットと彼女を運んだ

「おはよう目が覚めたんだ」「ここはどこ」「オウラフ島だよ南東の島、自己紹介がまだだったね私の名前はアンナ」「助けてくれてありがとうアンナ、私はフィオ、そうか私この近くを飛んでるときに撃たれてそれから…そうだ私が持ってた手紙はどこ」「手紙?ああ君の隣に置いてあるよ」「良かった、無事で」「大事なものなんだね」「私郵便の仕事をしているの早くこの手紙を届けに行かないと行けないんだけど」「君の翼はケガをしているの、何かに撃たれたようだったけど」「最近鳥人を捕まるやからが出てきて、逃げてる時に撃たれたんだと思う」「その怪我だと飛んで行くのは難しいと思う」「どうしよう、私の持ってる手紙を心待ちにしてる人たちがいるのに」「ねぇフィオ、良かったら、アンタの翼私が治してあげようか?」「え?ホントに!」「私こう見えてメカニックをやってるからその左の翼なんとか飛べるようにできるかも」「お願いアンナ私に手伝えることならなんでもするから私をまた飛べるようにして」「ああ、泣かないでフィオ大丈夫だから」「うんありがとうアンナ」「じゃあフィオ翼が治るまでお願いがあるの」「なに?」「島の外の話しを聞かせて欲しいの」

それから数ヶ月、私は左の翼を治しながらフィオと二人で過ごした、機械しか友達のいないような私にフィオは明るく話しかけてくれた
色んな話しを聞いた砂の荒野に湖の都市大きな世界樹、島から出られない私には彼女の話しは夢のようだった

「よし治った理論上はこれで飛べるこれで明日にはこの島を飛んでいけるよ」「ホントにありがとうアンナ」「ほら、泣かないで手紙を届けるんでしょう?」「うんありがとうアンナ私今日の晩ごはんうんと美味しいのつくるよ」
「ありがとうフィオ私あのリゾットが食べたい」「うんまかせて」

嫌だ、ホントは行って欲しくはない
ここにずっといて欲しい
彼女は飛んで行ってしまう
また、私はここに一人

でも約束したまた会おうと、彼女と約束した。
ずっとこの島から出るのが怖かった私を彼女が変えてくれた

約束するよ

またどこか遠くで会おう
私があなた翼を治したようにあなたは私に翼をくれた
失くしていた翼を
夢みる翼を。

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