『風邪』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
お題︰風邪
泣きたくなった。それは鼻を熱くする。
僕の言葉は垂れ流れる液体になった。
ゆらゆら、ゆらゆら、伸びて。
伝えたいことがあったけど、お粥に乗っけた梅干しみたいに酸っぱいから、口にしなかった。
風邪をひいた、僕の代わりに体が言った。
「もう疲れちゃった」。
ぴぴぴ、ぴぴぴ、熱い。
ベッドで思い出すのは、昔、の、冷たい手のひらで、額に手を乗せてみる。
何の変哲もない僕の手だった。泣いてしまいたい。
孤独みたい、喉が痛かった。
「風邪」
うつっちゃうからいいよ、なんて言うけれど
本当はそばにいてほしいの
きてくれないかな、なんて言わないけれど
ちょっぴり甘い期待
知らないうちに
人混みの中で
風邪のウィルス貰うように
家に帰って 愛の微熱に気づく…
まだ小学生の高学年くらいだったけど
First impression (feat.CA)
この曲の2番の歌いだしからの
歌詞にすごく魅力されたこと
ふと 思い出した。
アダルトでムーディーな曲調で
歌詞の世界観と歌声が
子供ながら
恋とか愛とか
すごくロマンチックに感じて
こうして綴ってることも
恋愛感なんかも
この曲に引っ張られてるのかな
なんて 思っちゃったりして…ね。
- First impression -
風邪を引くことは、実は ウイルスもしくは細菌が体に入ってきたらそこで抗体が作られ、身体の免疫力がつくという。
ただ、本当かどうかは分からない。ここからはあくまでも個人的な見解であることは了承してもらいたい。
幼い時にたくさん風邪にかかればかかるほど、大人になる頃にはほとんど風邪ひくことなく健康体のままで過ごすことができるそうなのだ。
私はその反対だった。
幼少期から積極的に運動することもなく、家族以外で会う人も大体決まっていて、体調を崩した事はほとんどなかった。
なぜなら心臓があまり強くなかったから。矛盾してないかと思われるだろうが、思い出す限りは扁桃炎、インフルエンザにかかったことくらいだ。
それが高校生からになると軽い風邪からひきやすくなり、年に一度は高熱出すし、鼻水や咳は長引いて しつこかった。そして20代半ばから病気を得て、今やすっかり病弱がちになってしまった。
幼少期に風邪を移されることがなかったために、大人になってからそのツケがどかーんと回ってきたんだろうなと思っている。
だから風邪を引いたらその度に免疫力を付けて、少しずつまた身体を強くしようとしてるのだと思うことにした。そう思わなきゃやってられんのだ。
決して一種ではない。
多種多様のそれらが代わる代わる遣ってきては、人の身を喰らい尽くさんと、目には見えない牙を剥く。
対抗として、液体で絡め取って動きを封じるが、なおも止められなければ、豪風を以って追い出し、その身を燃やして殲滅を試みる。
しかしそれは、生きること目指した、命懸けの攻撃。程度が過ぎれば、逆に身を滅ぼす。
液体は呼吸を阻害し、豪風はそれを司るものを破壊しかねず、熱は全てを燃やし尽くしかねない。
それら、過度な防衛行動も無く完治に至るのは、ある種、奇跡の生還と言えるのかもしれない。
一番身近な、死の気配。
いずれ敵わぬ種が、わたしたちを喰らい尽くしてしまうのだろうか。
———
風邪
健康で過ごせる喜び
誰かの心の思いやり
玄関に置いてあった
ビニール袋いっぱい
愛に溢れていたこと
長いままの太巻きは
キミのママの手作り
笑った泣いた大声で
その時風邪は何処か
遠くへ飛んで行った
忘れない忘れないよ
キミからの優しさは
いつまでも覚えてる
『風邪』
ちいさい頃は風邪をひくと
なんだかすごく非日常だった
学校のみんなは今なにしてるのかな
わたしの給食のみかんは誰が食べたのかな
お昼にサングラスの司会者が見れるのも
日常にないそんな日がすこしたのしかったの
風邪
ちいさい頃は風邪をひくと
なんだかすごく非日常だった
学校のみんなは今なにしてるのかな
わたしの給食のみかんは誰が食べたのかな
お昼にサングラスの司会者が見れるのも
日常にないそんな日がすこしたのしかったの
風邪
咳が止まらないので病院に行くと、風邪ですね、とあっさりと診断され、熱が出るかどうか聞かれたので、出てませんと言えば、これから出るかもしれないから念の為ね、と普通の風邪薬に加えて解熱剤も処方された。
薬局は薬を待つ人で溢れていた。あちらこちらから咳が聞こえて、風邪が流行ってることがよく分かる。
何分、何十分、一時間は待っただろうか。やっと名前を呼ばれて薬を取りに行けば薬剤師の女性がすみません、と申し訳なさそうな顔をした。
「お熱が出るお子さんや、大人の方が沢山増えていて、あの、そのう、解熱剤なんですけれども今、座薬しかないんです」
咳は出てても熱は出ていない。とんでもなく寒気がするわけでもない。このまま発熱せず、治っていくだろうし、座薬の出番はないと思い、座薬を貰って帰る。
その夜、予想は見事に裏切られ、じわじわ襲いかかる寒気からあっという間に熱を出した。子どもの頃から病気になると気が弱くなって、ひんひんと泣いてしまう癖がある。そうすると決まって母がやってきて、大丈夫、大丈夫と頭を撫でてくれていたが、一人で暮らすこの家では頭を撫でてくれるような人間はいない。
止まらない咳と、頭痛と、寒気と、熱で布団の中でひんひんと泣いていたら、座薬の存在を思い出した。いいや、そんなまさか。泣きながら座薬は使うまいと心に決めたけれど、数十分後にはやはり耐えられなくなって泣きながら袋から座薬を取り出した。
大人になって、泣きながらお尻を丸出しにする日がくるなんて思わなかった。ひんひん泣きながら四つん這いになる。
「おかあさん、こわいよう。いたいよう。誰か入れてよう」
ひんひん泣いて、泣いて、だけどこの部屋には自分以外誰もいないから頼れるのは自分しかいないわけで。
「ええい!ままよ!」
座薬を入れたあと、頭を撫でてくれるお母さんのかわりに自らの尻たぶを優しく撫でて大丈夫、大丈夫とひんひん泣きながら唱えた。一人暮らしはつらい。
風邪って皆どこから始まっても辛いよね。
風邪ひいてても私は頑張って学校行くのね。
そりゃ風邪だししんどいし辛くなるじゃん。早退したいって言うとさ「熱ないから大丈夫だろ。早く授業戻れ。」って言われるの!!言われたりした人に向けて言うね。
▼
無理しなくていいんだよ。無理しすぎないように頑張るのが1番いいよ。
何言われようと、されようと、自分には限界があるように、他の人にも限界があるんだよね。
何か言われたりしたらずっも1人で抱え込まずに信頼できる人とかに相談していいんだよ。
私はこれくらいしか出来ないし、こういう事しか言えない。
私も辛い経験をしてるから気持ちくらいは分かるよ。
貴方がどう思ってるかは分からないけど、『嫌だ、しんどい、辛い』そういうのは本当に分かるよ。
だから無理しないでね。
風邪____
【冷感】
彼女の周りはなぜか冷たくて寒かった。近づけば誰もが体を冷やして風邪を引く。だから幼い頃から、冷寒女と呼ばれ虐められていた。
でも、ある日ある男性が「ついてるよ、冷」と彼女に声をかけた。
「あぁ、生まれつき冷たいんです。近づかない方がいいですよ笑」なんて苦しく彼女は笑う。
「あ、いや、そうじゃなくて、」
そう言いながら男性は彼女に歩み寄り、大きな腕で抱きしめる。あぁ暖かい。そう彼女が思うと彼に身を任せ全身の力が抜けた。
ぐるぐる、ねちゃねちゃ、ひやひやと彼と私の周りにはだんだん黒く青いものが広がって蠢き始めた。
「え?!」と彼女は驚くが、彼が指を鳴らした瞬間に
パンッとそれは弾けて消えた。
「霊感、強いんですね」
「れい、かん?」
「はい、貴方が冷たいのは貴方のせいじゃないです」
その言葉を言われた時、
私は初めて自分の頬に熱を感じた。
風邪
風邪ひきかけ寒気する。
くしゃみが鼻水が症状がでだす。
でも、何らかの対策をして
ひきかけを正常に戻そうとする。
戻るときもあれば、戻らなく悪化。
なんの違いなのでしょう。
[先遣隊はどうした!]
[繋がりません!]
[くそっ第四班もやられたか……!]
どんな攻撃もものともしない相手に対しこちらは壊滅状態だ。
[熱量を上げろ!白色隊をもっと派遣しろ!]
[酸素が足りません!!]
[なんだって!?]
これまでなのか?いや、まだなにか出来るはず。
いつだって乗り越えてきたじゃないか。まだ死ぬのは御免なんだ。
[そろそろ応援が到着するはずだから、それまで耐えてくれ……!]
[そろそろって、連絡すら無いのに……!]
わかってないな新人。応援隊はそれこそヒーローのように、いつも突然現れるのだ。
そして一気に相手を殲滅してしまうほど、強い。
[あっ!?]
[応援隊の到着だ……!]
みるみる敵は捕獲されていく。無敵に思えた敵も小さく小さくされていく。
流石に、この敵の為に製造された応援の効果は抜群だった。
仕事の速さに呆気に取られるが、我々も自身の仕事をこなさなくては。
[……よし、全球捕獲完了致しました!]
[心拍数は?]
[異常なしです。]
[よろしい、撤収!]
「あ、熱下がったね。良かった。」
「お大事になさってください。」
風邪をひくと重度化してしまうこの身体、生きにくさに打ち勝つために覚えた術。
病は気からというがあながち間違いでは無い。
私も頑張るから私の白血球たちも頑張って欲しい。
そう思い、熱を出す度に戦闘シーンを想像している。
「何故、貴男様方がこちらに。」
警備員が止めに入る。
「アポは取ってるから、安心してよ。」
「了承の手紙を見せた方が良いのか。」
「……。」
三人の紳士は、半ば強引に門を潜ろうとした。
「しかし、いくら貴方様方と言えど…。」
警備員は、彼らを知っていた。
いや、寧ろ…知らぬ方がおかしい。
其れほどまでに、彼らはこの屋敷の主人と親しかった。
警備員は、彼らを止められなかった。
この屋敷の使用人も止めに入ろうとしたが、彼らを止められず、
とうとう主人の寝室のドアの前まで来て、勢いよくドアを開けた。
「おうおう、大丈夫か。見舞いに来てやったぞ。」
「大きい声を出すな。身体に触るだろう。」
「花束、持ってきたよ。」
私は、苦笑した。
どこから、私が風邪で伏せっていることを聞いたのだろう。
私は身体が弱く、幼い頃から体調を崩しやすかった。
私にとって、風邪は脅威だ。
風邪と侮れば、私の命は幾つあっても足りないほどに。
だから、彼らの見舞いが嬉しくて、涙が溢れそうだった。
彼らが屋敷に無断で入ってきたのは、廊下が騒がしくて分かった。
「来てくれて、本当にありがとう。」
ぽろっと、私の口から零れた。
「気にすんな。」
「互いに忙しい身だから、こうして集まれるから良いよ。」
「おまえは、どうなの?嫌じゃない?嫌だったら、遠慮なく言って。」
彼らは、口々に言った。
「安心して、嫌じゃない。寧ろ、嬉しいくらいだよ。」
嬉し涙をぐっと堪えて、笑って応えた。
風邪をひき 布団の中で目が覚めて
寂しく思い 田舎を想う
お題【風邪】短歌
病気したときにひとりだと、心細い気持ちになる。
僕は咳をしながら教室に入った。
実は今日、朝起きた時からだるかったんだ。なのに来たのはあの子がいるから。
おしとやかで優しくて、可愛いあの子のことが僕は好きだ。けどアプローチなんかできっこないからこっそり教室内で見るだけ。
そりゃ付き合いたいとも考えるけど、僕なんかは無理だ。根暗でコミュ障、おまけに顔も下の中くらい。あの子に釣り合うわけない。
今日も明日も明後日もずっと、僕は同じ教室にいれるだけで幸せだ。そう思っていたけど…。
-2限目-
「ごほっごほっ」
咳が悪化してきた。熱も出てきたようだ。
「ねぇねぇ、もしかして体調悪い?」
……!!! 話しかけられた?!
あ、早く答えないと。
「えあ、そ、そうです…」
緊張して吃ってしまった…。あの子の口が動く。
「だったら保健室行こ!心配だからついてくね」
ああ神様、こんな幸せでいいんでしょうか。
僕のことを心配してくれてる、本当に最高だ。
今朝、風邪とわかった時は最悪だったが…
風邪ひいてよかった…!!!!
風邪____
【霊感】
彼の周りは怖くて嫌な暑さがあった。近づけば誰もが彼の周りにナニカが見え、触れれば火傷をする。だから今日も彼はバケモノと呼ばれる。
でも、ある日ある女性が今までにないぐらいの大量の霊を連れていた。
「ついてますよ、霊」
「あぁ、生まれつき冷たいんです。近づかない方がいいですよ笑」なんて苦しく彼女が笑う。全ては払いきれなかったが彼女の死人のような冷たさは彼の熱で消すことができた。
「うぅ、うっ、、」
まずいまた泣かれてしまった。周りにいるのは火の守護神なのに見た目は俺のように化け物。そんなこと鼻からわかっていたはずなのに、また誰かを助ける。感謝などされるわけないのに。
「すいません、怖かったですよね、消えます」
「あ、違うんです。貴方が本当に暖かくて、安心しただけなんです」
その言葉を言われた時、
俺は初めて感謝され自分の能力に感謝した。
女性側のお話も「クジラになりたいイルカ」という名前であるので見つけたら読んでみてください。
「咳、鼻水、咽頭痛、発熱、倦怠感、筋肉痛、etc.……
これがどうして「邪な風」という漢字で表現されるんだろう?」
「お前はそういうめんどくさい事考えるから頭が痛くなるんだよ」
「気になったんだもん」
「いいからほら、口開けろ」
「あ、ウサギ林檎。なんでウサギなのかな?」
「あーもう、ほら!」
「んぐ」
「あれこれ考えるのは熱が下がってからにしろ」
「はぁい」
「まったく」
「ねえ」
「あ?」
「ありがと」
「……おぅ」
END
「風邪」
風邪と言えば、
この5年間一度も風邪をひいてないのですが。
おバカになってしまったのやも(笑)
《馬鹿は風邪をひかない》って子供の頃からことわざとして知ってはいるけど、この言葉の意味をちゃんと考えたことがなかったように思う。
調べてみると、江戸・天明六年(1786年)に松葉軒 東井(しょうようけん とうせい)なる人物が編纂した諺語(げんご)辞典に《馬鹿は風邪をひかない》と同じ意味とされている「信天翁凮不引(あほうかぜひかず)」ということわざが記されている。
なんでアホのことを表現するのに“信天翁(しんてんおう)”という漢字を使ったんだろう? って思うのよね。
調べてみると、「あほう」って言葉は知られている限りで古い時代だと鎌倉時代に遡るらしい。
鎌倉時代前期の歌人である鴨長明の書いた仏教説話集の流布本『発心集(ほっしんしゅう)』八巻のなかで「臨終にさまざま罪ふかき相どもあらはれて「彼(あ)のあはうの」と云ひてぞ終りにける」とある。
文字(漢字)表記としての「阿呆」がアホの意味として書物に出てくるのは幕末で、慶応三年(1867年)にアメリカ人宣教師ヘボンが編集した日本初の和英辞典である『和英語林集成』なので、室町時代の「愚物(あほう)」という表記が出てくるまでは「あはう」「あほう」「安房」という書き方しかなかったわけなのよ。
信天翁(しんてんおう)というのは和名ではアホウドリと呼ばれている鳥のことを中国・明(ミン)代の『丹鉛総録(たんえんそうろく)』という書物のなかで記されていた漢字表記。この漢字が日本に入ってきたときにアホウドリのことを意味する漢字だと知って、当て字で「あほう」と読むようになったらしい。で、その説明の和訳をネットで探すことができたんです。個人が訳したものなんですけど、それによると、
《信天翁は自分の餌である魚を自分では捕ることができないので、鷹が捕まえて取り落としてしまった魚が空(天)から落ちてくるのを信じて、そのずっと待っている様子がお爺さんのようで暢気な鳥である》
……ってことらしい(笑)
で、その状況を想像してみたの。
鳥のことじゃなくて、お爺さんのことを。岩場で竿を持って釣り糸を海に垂らしながらも、ポカーンと呆けて空を見上げつつ鷹が捕獲した魚を落としてくれないかなあ~なんて思って、ずっと竿を持ちながら岩場に座ってるの(笑) でもお爺さんはその時間を全然苦痛だなんて思ってなくて、むしろ愉しんでいるのよね。周りで見ている人はそのお爺さんのことを「なにやってんだ、あほうだなあ」って思うかもだけど、本人はお構いなし。だってお爺さんはずっと待っていられるように、ちゃんと準備していたのよ。あほうなんかではなくて、本当は賢くてしっかり準備出来ているから、あほうのように振る舞えたんじゃないかなあって。
そんなふうに想像してみたら、《馬鹿は風邪をひかない》ということわざが今までの認識とは違って思えてきたのよね。自分の置かれるであろう状況を予測した上でしっかり準備ができていれば、どんな状況になっても、たとえ馬鹿に思われる状況になったとしても風邪をひくリスクは抑えられるって。
馬鹿になれるほど準備の出来た人は風邪をひかない。って、そんなふうに思いたいなあ。
テーマ/風邪
ふわり、ふわり。
薄紫色の空を泳ぐくじらが発見されたのはちょうど先週のこの時間だった。
そのくじらは星空のように輝いて見えることから、
「うちゅうくじら」と名付けられた。
あいつがもたらした影響は本当に大きい。まず医者で教育熱心な私の両親と数少ない友人を眠らせたこと。奴はくじらにしか出せない音波らしきもので次々と街の人々を眠らせていったのだ。
「綺麗」
見上げると、星を散りばめたみたいにきらきらしたくじらの体が空中でたゆたっている。私は思わず息を飲んだ。
そして私は、潰れたビルの屋上、ほぼ地上に近い位置で叫ぶ。
「次は私よ」
くじらは私のそんな姿を見ると、少し安心したような表情のまま空に消えていった。