『風に身をまかせ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
FNF×ガイノイド
鳴花ヒメ
双子精霊・梅と桜・薔薇を操る。加護を与える。
鳴花ミコト
双子精霊・梅と松・菊を操る。願いを叶える。
V.Flower
BBの幼馴染(女)。歌を歌うのが好き。
楽器で弾くのも好き。
心華《シンファ》
Flowerの親友。B3BFやB3GFとは仲がいい。
🇯🇵の物や🇰🇷の物を移入して売っている。
「小さい鯉のぼりだ。」
ある晴れた春の朝、くずる息子をおぶって洗濯物を干していたときだ。
息子は中々泣き止まない。疲れたけど今頑張らないと家事が終わらない。なんとか宥めていると急に息子が笑い始めた。
キャッキャッと笑う息子の目の前には小さな鯉のぼりの鯉がクルクルと踊るように泳いでいた。
鯉がポールも無いのに空を泳いでいる。
息子は鯉を掴もうとするが、鯉は器用にスルリと躱す。まるで風の中で生きているようだ。
不思議な現象で自分は疲れて白昼夢を見ているのかと考えてしまったが、夢でも洗濯物を干し切ってしまわないと思い直し、息子がご機嫌の内に洗濯を終わらせた。さらに鯉はずっと息子の遊び相手になってくれて滞っていた家事全てを終わらせる事ができた。
丁度息子がウトウトとし始めたので、少し早めの昼寝を一緒にする事にした。
ぼんやりとした視界に鯉は天井を泳いでいる。感謝言葉を心の中で呟くとそのまま私は瞼を落とした。
次に眼が覚めたのは夕方になっていた。寝すぎたと思って慌てて起きると息子は何か旗のような物を振って遊んでいた。
よく見ると小さな普通の鯉のぼりだった。
「おはよう、洗濯物は取り込んだよ。あっそれお土産ね。」
いつの間にか夫が帰宅して代わりに取り込んでくれていた。
夫のお土産の鯉のぼりはあの鯉とよく似ていてる。
息子の笑顔のため泳いでくれている。
《風に身を任せて》
柔らかに 頬を撫でる
足速に 裾をたなびかす
踊りながら 実を落とし
荒れ狂い 家屋を壊し
動きを止め その身は消える
―「風に身をまかせ」―
風に身を任せて、どこまでも飛んで行こう。
たった一つの人生だ。好きに飛んでもいいじゃないか。
会う予定のなかった友だちが
「風に身をまかせてきた」
と会いに来た。
そんなふうに軽やかだったらと、わたしは思う。
明日は明日の風に向かって進んでいく。色んな意味で新しい風がどんどん吹いていけばいいのに
お題:風に身を任せ
風が葉を戦がしている
青くなり始めた桜の葉を
蜘蛛は空へと掬い上げられる
透明な糸は日にあたり
銀色に輝いている
雲も風に動かされている
散ってしまって舞っている桜の花びらと
飛ばされていく蜘蛛の子のことを
共に飛ばされながら見守っている
あそこの青い山の中でも
同じことがおこっているだろう
ゆらりゆらり心地が良い
口笛吹かない春の頬を撫でる風は
暖かくのんびりとして心地よい
『風に身をまかせ』
風に身をまかせて飛んでいこう
どこまで行けるかな
目的地は決まっているけれど
一緒に飛んでいく仲間もいる
今回も
無事に旅が終わるといいな
風の強い日は
ゾッとする
ほんの数秒前まで
貴方と恋人に纏わりついて
その頬を撫で 四肢を撫で回した
その空気たちが
次の獲物を探し回る魔物よ
ほんの数秒前まで
貴方と恋人との
その狭い隙間を通り抜け
甘くてにがい香りもそのままに
私の鼻に照準を合わせ
私の心臓に一直線に向かい
舌なめずりをする悪魔よ
だから私は抵抗する
風の強い日は 心に鎧をまとい
ガラスの盾を持ち
何者にも傷つけられないよう
万全の装備をもって
ズタズタになったその身体を
誰にも見せなくて済むように
風に身を任せ?
そんなやつはよほどの愚か者
もしくはよほどの勇者だ
自分はそのどちらにもなれない
だから風の強い日は
ゾッとする。
「風に身を任せ」
…風は、いろんなものを運んでてくれる。
雲、雨、言葉、…
他にもいろんな考え方をすれば、
どんなものも飛んでいて、
遠くにいける。
私も、ここから逃げ出したい。
空を飛んで、自由な世界を見たい。
あり得ないとわかっていながら、
大地に寝転び、風に身を任せるように眠った。
風に身を任せてみたら、
自分は死んだ様に生きる人間になってしまいました
風の中では私の自殺趣向は余りよく思われなく
異端な者とされました
そんなレッテルを張り付けられ
死にたくなくても
私は今日も楽に死ねる方法を探しています
彼と彼女は笑顔で落ちていった。
それが2人の最善の方法で幸せになるひとつの策だった。
2人は強い風がふいたとき
自分の髪が視界を遮った時
風に身をまかせて落ちていった。
僕はそんなふたりに目が離せなかった。
助けることも声かけることもなく
僕はその場で立ちつくした。
─────『風に身をまかせ』
"答えは風の中"
なぜだかふと思い出したあのフレーズを
喧騒に小さく口ずさみ、歩く
繰り返し、繰り返し
願いや祈りのように
繰り返し、繰り返し
大丈夫だろうか
僕の歩き方や
視線の角度や
変えることの難い日常
追い風なんて吹かないが
真っ赤な夕日も生きている
なんでもいいから
僕も、もう少しでいい
生きてみたい 立派じゃなくても
風に身をまかせ
あなたたちは今ここに立っている
たくさんの時を経て
私たちのもとにやってきた。
これから行く世界はあなたが想像もつかないの世界になるかもしれない。
でも心配しないで
いつも私たちが一緒にいるしこれからも
ガイダンスが見守っています
隣に居る彼女から仄かに香る金木犀の匂いに、はて、今は秋だったろうかと妙な錯覚を覚える。然し今は香水の匂いすら吹き飛んでしまうかのような強風の五月である。それでもその匂いが分かったのは香水の付けすぎか、はたまたそれ程までにこの距離が近すぎたる所以か。
「匂い、する?」初めて付けてきたの、と彼女がはにかみながら口にしたので俺は素直に頷きを返す。匂いのせいだろうか何処と無く気持ちが浮つくのを誤魔化す様に、彼女の視線を避け遠くの木々を眺めた。
強風に煽られる木々の音は何とも言えない不安感を煽られるが、今の自分には関係無かった。寧ろあの風に身を任せている木々が羨ましくも思えた。己も風に身を任せ楽になりたい、とも。
貴方が好きだった、貴方と出会った時から。
それなのに、貴方に「好き」と言えなかった···。言いたかったのだけど、貴方には既に恋人がいたから、私は貴方に「好き」と言えなかった。
貴方の恋人は確かに、可愛くて綺麗で素敵な方だ。私とは違う人。私は、卑屈で短気で怒りっぽくて泣き虫だから、良く他人に言われる言葉が「君は、その性格さえ直せばもっと人も寄り付くだろうね。」と。私だって、この性格をどうにかしたいよ···。この、マイナスしかないこの性格を直したいって思ってる。でも···性格なんて直せるのだろうか···?私の所に、ある一人の男性が話し掛けて来た。「ねぇ、君って何でいつも一人なんだい?」「皆、私が嫌いだからよ。」と答えると、彼は笑顔で私に言う。
「そうかなぁ、僕は君の事好きだよ!だって、あの人の彼女みたいに、八方美人じゃないし···クールで格好良いじゃないか!」クールで···格好良い···。初めて言われた···。
私はどうやら、貴方の事ばかり考えて追い掛けていたけれど、本当に素敵な人は間近にいたみたいだ。
全身に風を浴びるのは心地が良い。
広い袖口から風が入り込んで、白いTシャツをふわりと膨らませていく。
そわりと脚の間を撫で上げられていくがくすぐったいほどでは無い。むしろ肌に張り付いた湿気を飛ばされて、爽やかな快感すらある。
このまま空高く舞い上がりたいような、それとも地に足を付けたまま空が降ってくるのを待つか。
どちらとも甲乙つけがたく、くすくすと緩めた目元。睫毛を、また風が揺らしていく。
「風に身を任せ」
もうこのまま、風に身を任せてしまおうか。
下からは、たくさんの車の音や信号機の音で賑わっている。
…結局、なくてもいいような人生だったなぁ。
後悔なんてない。って言ったら嘘だけど、
もう、振り返れない。あとはもう、散り散りのたんぽぽの綿毛になろう。
海に落ちれば溺れ死ぬ。
父は死んだと母がないた。
魚を追って、海に落ちたのだと。
母が父の分まで魚を取りにいく。
僕は、「いかないで、そばにいて」とないた。
空腹なら、いくらでも我慢できる。
それでも母は、魚を取りにいく。
母が必死で取った魚を僕は食べた。
早く大きくなりたい、父や母のように。
もうすぐ羽根が生え揃う、そうすれば飛ぶことができる。
この長大な黒い翼で、誰よりも長く速く。
この広い大空を飛んでみたい。
テーマ「風に身をまかせ」
生暖かい風がむき出しの首を撫でる。成人からも時が経つ男の体を揺らすことすらできない、その微弱な力に押されるようにして重い足を進めた。まだ冷たさの残る空気はやけに肺を圧迫し、聞き取れるようで聞き取れない言葉の群れは不快でしかない。耳を塞いでしまいたいが、両手で耳を抑えながらのそのそ歩く男など不審でしかないだろう。
おそらく一ヶ月ぶりくらいか。いつの間にか習慣化したこの放浪は、短くて二週間ほど、長くて二ヶ月ほどのスパンで行われている。行き先もなく衝動的にただ気が向いた方へ歩き、現実逃避するだけのくだらない行動だ。自分に酔いしれた思春期のガキとなんら変わらない。
いっそこのまま消えてしまおうか。何度考えたことか。しかし灰になるには些か未練があるようで、どうにもならない現状をどうにかする望みを捨てきれていない。せいぜいできるのは寿命を縮めることくらいだ。鬱々とした気分で煙草に火をつけた。
我ながら愚かしい。こんなことをしていてもどうせ、明日の朝日に目を潰されながら自宅へ帰るだろう。俺はどこまでも地に足をつけているしかないのだから。
『風に身をまかせ』