『風に身をまかせ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
すべては間違いです。それは私自身だけで、作って食べたもやし炒めも、洗わなかった靴も、枯れた観葉植物も、干からびた蜂も、他人の認識する私も、そこに存在するだけ、それだけ。
風に身をまかせ辿りつくのは、ベランダの排水口側の角。糸くずやら落ち葉やら、泥水がこびりついている。
あの蜂は、たった数時間閉じ込められて干からびた。もっとたっぷり水をあげてやれば森に戻って行ったかもしれない。
何も分からず、向こうへ行けず、必死に足掻いていた。後ろ足に埃を被った蜘蛛の糸が絡まっていた。
怖くて近づけなかった。頭はボイルしている。
【風に身をまかせ】
この時間が好きだ。風に身をまかせて自由になれるこの時間が好きだ。自転車で走っているだけ、好きな人の隣で。私に夢を見させているような幸せな時間。私に現実に戻ってくるなと言うような幻の時間。
「ねぇ、いつになったら戻っていいの。」
「まだ駄目だよ。」
まだ、向こうが危険だからとこの好きな人とやらは私を夢から離してくれない。
【風に身をまかせ】
風に身を任せ、ふらふらと飛ぶ葉を見たことがない人はほぼいないだろう。私は、そんな生き方に憧れがある。
何もしない、と言っては何だが、流されるままにただ生きるだけ…いや、それは悪口か。ともかく、自分の意思を持たずにふわふわとしているだけ、なんて凄い憧れを持たないだろうか?
私は、表立って発表したり説明したりすることが苦手だ。自分の意見、というもの自体をあまり表に出したくないと考える人間であるからという理由もあるが、単純に注目が集まるのが嫌い。けれども、そんなふわふわした存在ならきっと、意見を求められることなどないだろう。
…いや、もしかしたらそれはそれで悲しいのかもしれない、なんて。
外を歩いていたら、突然、
どこかから呼ばれた気がしたので、とりあえず後ろを振り返ってみた。
誰もいなかった。
気にしないようにして、また歩いていたら、突然、
今度は誰かに肩を叩かれたような気がした。
でも、誰もいなかった。
きっと疲れているに違いない、と思い、ポケットの中に入れておいた、とっておきの風のくしゃくしゃを取り出した。
手のひらに乗せたまま、ふうっ、と、ため息まじりの息を吹きかけた。
風のくしゃくしゃは元の姿に、大人の虎が寝転がっているくらいの大きさの姿に戻った。
急に捕まって、急に戻されて、くしゃくしゃは気に入らなかったに違いない。
いくら誰かにもらったのだから自分が捕まえたわけではない、と言っても怒ったままだ。
実際、経緯はどうであれ、ずっと持ち歩いているのは自分なのだが。
期待半分でくしゃくしゃに話しかけた。
「どこへでも行けばいい。好きなところへ」
突然、くしゃくしゃに包まれた。
あっという間に、地面が薄くぼやけて見えるくらいの高さまで上がっていた。
そうっと目を閉じた。
次に目を覚ますのが楽しみだ。
風のくしゃくしゃは、もう、くしゃくしゃではない。
きっと、これからどこまでも、どこまでも、飛んでいくに違いない。
🌳『風 』
誰が風を見たでしょう
僕もあなたも見やしない
けれど木の葉をふるわせて
風は通りぬけてゆく
誰が風を見たでしょう
あなたも僕も見やしない
けれど樹立が頭をさげて
風は通りすぎてゆく
クリスティナ ・ロゼッティ✨
【翻訳:西條八十】
風の吐息 揺れる紫煙
赤い蛍光 白黒模様
闇色の海 浮かぶ硝子玉
運任せ 風任せ
止まるタイヤの 不快音
この果てなき道の 真ん中で
固く結んだ 鎖から
潮風の匂いを 運ぶ
お題【風に身をまかせ】
タイトル【人形】
~~~~~~※今回は下にもう1つ~~~~~~~
青空を駆け 風と戯れる
空の支配者さえ 従えて
この国の 広大な空
彼の庭であり 玩具
誰も行けぬ あの向こう
彼の守護が 終わるとき
彼は知らぬ地を 見渡すのだ
嗚呼 羨ましきあの翼
彼と共に飛び立つだろう
澄んだ翡翠 深い藍
今は風に身をまかせ
木漏れ日に 船を漕ぐ
お題【風に身をまかせ】
タイトル【微風に願う夢】
風に身をまかせ
人は時に自分が分からなく成るときがある。なんの為に生まれて来たのか?これからどうしようか?このような問いかけをするのはわずかな人たちなのかもしれない。人生うまくいっている人も周りには多い。そういう人たちからは理解されることは難しいと思う。彼らは大人なのだ。しかし、僕らはまだ子供。これから成長して行かなければならない。できれば挫折することなく進みたい。“大人はわかってくれない”と言う映画があったと思う。大人から見れば楽なことも子供にはつらいこともある。“コロンブスの卵”という言葉もある。コロンブスも苦労したんだと私たちに教えてくれる。大人の説教よりも先人の苦労話のほうが身近に感じられる。成長の過程では色々なことがある。なぜか今の大人は分かってくれない。一流の大学を卒業した人たちが大人なのかもしれない。
空っぽになった心のなんて軽いことか
どこかどこか遠く
誰も知らない何も見たことの無い
そんな世界へ風に運ばれてしまいたい
_風に身をまかせ
――風に身をまかせ――
失敗の傷がいえない私は
まっさらな丘の
風に身をまかせて
歩きつづけた
広い草原を
花を踏まないように歩いた
私といっしょに
風に身をゆだねていたから
風に吹かれて
時計が直角に回っていくと
私は風になっていて
自然を揺らがし消えてしまった
僕は、風に身をまかせてゆらりゆらりと落ちていく。
夏になったら僕たちが生まれ
秋、冬になったら僕たちは、枯れていって落ちていく。
嗚呼、出来る事なら風に身をまかせて長い旅をしたいな。
(フィクション) 風に身をまかせ
題.風に身をまかせ
風が信頼できないから、
まだ僕は身を任せることができない。
まだ空を飛べないでいる。
早く……早く……ハァハァ
急ぐんだ……
ペダルを漕ぐふくらはぎがこれ以上ない程固くなり、自分では制御できないほど乳酸が溜まっていくのがわかる。
体を自転車ごと投げ出して、冷たいアスファルトの上に寝転がり全身の乳酸を開放したいくらい体は限界を迎えていた。
でも……
ダメ!
私の名前を呼ぶあの人が待っている。
毎日こんな私をいつもの場所、いつもの時間に待っていてくれるあの人をがっかりさせる事なんてできない。
だから限界を迎えようとも乳酸もろ共突破するんだ。
走れ漕げペダルを回して心を燃やせ!
私は髪を振り乱し一心不乱に自転車を漕いだ。
「…さん、…さん」
遠のく意識の中あの人の呼ぶ声がした。
ガラッ
勢いよく戸を開け第一声をあげる。
「は、はいいぃぃぃ!!」
「はい遅刻」
「……」
「名前を呼ばれる前に席に着いてなさいって何回もいってるでしょう?」
「すみません……あの」
「何」
「向かい風が強すぎて……ペダルが漕げませんでした」
───風に身をまかせ
翼を広げ、
風の赴くままに私は飛んでゆく。
澄み渡った青空に線を描くように。
今は安定した風が吹いている。
でも次は。
どうなるかなんて、
自分にも、他の人にも分からない。
でも少しくらいは、
ほんの少しくらいは、
行く先を風に決めてもらっても、
いいんじゃないか。
〜風に身をまかせ〜
お風呂から聞こえる雨の音
なんの虫かわからない鳴き声
カエルがたくさん鳴いてる
自然のオーケストラ
こんな贅沢なのもなかなかない
風に吹かれて
木もおどりだす
心を落ち着かせるとこんなに聞こえるんだ
嫌なことは忘れて リセットしよう
風に身をまかせ
目をつむり
自由でふわぁーっと
身体の力を抜いて。
気持ちよさそう。
風に身をまかせたら、
どんなにかいいだろう。
私は、せかせか、心に余裕のない
性格だからゆったりと
深く深呼吸することもない。
何もかも忘れて
風に吹かれたら幸せかなぁ。
青空を駆けた
涼しくて、風になったように感じだった
そんな夢を見た
仲間たちが泳いでいるのを見た
青空が映った海を優雅に泳いでいるのを
僕はまだ泳げない…
お母さんがご飯を持ってきた…
寂しいそうに海を見つめる僕に
「一緒に泳げるよ。もしかしたら1週間後くらいにね」
そんなこと言われても、泳げる気がしない…
お母さんが持ってきたご飯を食べて…
お父さんの帰りを待った
僕はペンギン.
青空が映った海を泳げるようになって
あの日見た夢が本当になった…
『ママ!見て!ペンギン!可愛いよ!』
あぁまただ、
どうして人間は僕達より寒い服を来ているのか?
ここは南極なんだけど?
初めて見た世界は白かった。
次に見た世界は灰色で、酷い物だった。
その次に見た世界はまた、白かった。
そして今見ている世界は綺麗だった。
青い空に、白い雲。緑のキレイな草に、小さな魚の泳ぐ川。控えめに吹いている風が心地良い。
「ははっ、なんだろうね。今なら僕、空とか飛べちゃいそう」
スキップをすれば、想像していたよりも軽やかに跳べる。
少し助走をつけて、思いっきり跳ぶ。楽しい。
今までの狂った世界とは大違い。
このままどこまでも、跳んでいけそうだ。
しばらく風向きに沿って跳んでいた。
跳んでいる間は、なんだか少し救われたような気がした。
風に身をまかせ
スナフキンのように鞄1つの人でありたいと思ったきっかけは離婚
私が買った私だけの服と化粧品と2.3冊のアルバムと整理しきれなかった雑多と。
赤帽の軽トラに余裕で積める量の荷物と宝物の写真は背中のリュックへ。
その量が『ワタシ』だった。
人間42.3年生きても、その程度で済ませられるもんなんだと,わりとスッキリした気分だった
パートナーの暮らす場所へ行く時は大きな段ボール3つだったか4つだったかな
引越し便とかじゃなく宅配で済ませた
なのに、今はモノの溢れた部屋と化してる
ここでパートナー彼と暮らしてるからなんだろうな
毎日を(暮らす)と溢れてしまうな
それは1人ではなく私に関わってくれる人が横に居てくれてる毎日を手に入れてるから。
それでもスナフキンのように鞄1つの人でありたい想いはある
執着するモノが少ないのはとても楽だ
不安感も意外とない
自分で抱えられる量,鞄1つの量を大切に大切に出来る人でありたい
風に身をまかせられる少しの、物、者、モノ、でいられる人間ていたい
でも、鞄好きはやめられないかな
風に身をまかせ
気の向くままに
漂ってゆく
草木の匂い
潮風の匂い
乾いたコンクリートの匂い
幾度の匂いが通り過ぎ
幾度の月日を思い出す
あの頃の面影がセピア色になってよぎり
あの時と変わらない風景
少しずつ変わっていく町並み
過去と現在が混ざり合い
その月日の重さに気づいてく
ただ日々が雲のように風に流されて
あの時の理想とは程遠い
今を生きている
そして風に身をまかせ
辿り着く先はいつもの居場所
#18 風に身をまかせ
「あ、ダイナミックやってる」
テレビに目を向けると、氷山にぶつかる船を舞台にした映画が放送されていた。だいなみっく?
「なんかこの服がバサバサしてるとこ、ムササビみたいだよね」
「え?」
「だから、ムササビ」
「むささび…」
なんて奴だろう。
そして私はなんでこいつと居るんだろう。
「あ、ムササビと言えばね」
くりん、と音がしそうな勢いで
彼はこっちを向いた。
本当、なんて奴だろう。
何度思ったか分からないが、
それでも奴との付き合いは続いていくんだろう。
面白くないんだけど、やっぱり好きなんだ。
だから代わりに謝る。ごめん。
私はリモコンを手に取りテレビの電源を落とした。
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むささびは木末(こぬれ)求むとあしひきの山の猟夫(さつを)にあひにけるかも
ムササビは日本の固有種で、飛膜で滑空し、木の葉や実を食べます。
また、古墳時代の埴輪が出てくるほど昔からいる動物です。
万葉集でも詠まれ、上の一首は志貴皇子によるもので、移動中のムササビが猟師に捕まっちゃったなあ、というものです。
出てこなければ生きられたのにと、
権力争いに敗れた他の皇子や貴族の姿を重ねた。
という話も出てきます。
彼は権力争いに巻き込まれながらも、
目立たぬように過ごすことで、
結果として彼の息子が天皇となりました。
今日の皇室も彼の子孫にあたるそうです。
私には、ムササビが夜に紛れて風を読み、
尻尾で舵取りをするイメージが、
志貴皇子の方に重なりました。
状況に逆らわないことで生き残った。
そんなような。
彼の息子が天皇になったのは自身の死後であり、
本人は風に乗れなかったと思ってるかもですが。
今調べた中で感じたイメージです。あしからず。
私の興味も風にまかせて、
風の吹くまま、気の向くまま。