『静寂に包まれた部屋』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
深夜3時
仕事が終わって寝てしまっていた
朝まで眠れないことを覚悟した部屋の外から
秋の気配を感じる、鈴虫の鳴く声
明日は休みで良かった
静寂に包まれた部屋で思う。
何もなく過ごせることへの感謝
問題なく過ごせることへの感謝
静かな、落ち着いた空間に感謝。
この静寂な時間。
これがあるだけでも、幸せものだ。
静寂に包まれた部屋
カリカリカリカリ。
雪が降る季節、僕は部屋で独り、
小説を書くのがもっぱらの日課であった。
こたつにこもり、うつ伏せになって、
手を何かと動かすさまは
まるでカタツムリのよう。
かつて、妻が、笑いながらそう言っていた。
一昨年妻が亡くなってから、
この部屋は僕の音しか聞こえない。
テレビは嫌いだし、音楽を聞く趣味もないので、
僕の耳は、人間機能の電源をオンにしていても、
大して効果がないときている。
今の僕には、執筆のために動かせる手と、
原稿を見られる目さえあればいい。
カリカリカリカリ。
そういえば、妻が生きていた頃は
掃除機の音がうるさかったなあ。
キレイ好きの彼女は、
週に一回掃除機をかけるのが
おきまりになっていた。
そんな短い間隔で掃除機をかけても、
取るゴミもホコリも無いだろう、と僕が言っても、
こつこつやるのが大切なの、と言い返していたっけ。
敷き布団もたびたびベランダで干していた。
パン、パンと敷き布団を叩く音は、大いに僕の執筆意欲の妨害になったのを覚えている。
彼女がその日自分が見たことを僕に話すときも、
声はとても大きかった。
何度も何度も飽きずに楽しそうに話すものだから、僕もつい、手を止めて付き合ってやったっけ。
僕は、ふうっ、と一息をついた。
小説ってものは、本来書斎にこもって、高価そうな椅子に座って、本に囲まれて書くものだろう。
寝転んで、こたつの中で書くなんて、
腰にも悪いし。
自分にそう問いかけながら、
僕は起き上がり、冷蔵庫に向かい、
麦茶をコップに注いだ。
飲み干したあと、
僕はベランダへと向かい窓を開けた。
空からは、雪が降り始めていた。
雪の音、というものがあるらしい。
雪がしんしんと降り積もると、その場から音が消え、静寂に包まれる。
それを雪の音って言うのよ。
得意げに僕にそう話すあのイタズラな笑顔は、
今もありありと思い出すことができる。
でも、もう彼女の音はない。
僕は、小説家としてようやく食えるようになってからも、いつも居間で小説を書いていた。
騒がしい彼女の音にわずらわされながら、
小説を書くことが、何よりの至福のときだったのだろう。
雪の音が一面を覆い尽くす中、
僕は泣いた。
『早く早く早く消えてしまえ
どうせもうまともじゃいられないんだから』
上記は有機酸という方の「quiet room」という
歌の歌詞の一部であり、僕がおそらく人生で
一番聴いているのはこの曲なのではないか、と思う
酷く落ち込んで、ただ自分の中だけを見つめていた時期
何も見たくなくて部屋を真っ暗にして
天井をただぼうっと見つめて
それでもこの曲をループ再生にして
1時間も2時間もずっと蹲っていた
賑やかなメロディーの中に
確かに寂しさが潜んでいて
それは多分、自分ではどうしようもない類のもので
声に出さなくても苦しいよ
幸せに罪悪感を感じてしまうよ
変わらないものがあるって信じていたいよ
そんな感情が聴こえてくるようで
ああ、なんて脆いんだろう
なんて似ているんだろうって
涙を流したこともあった
今やもうお守りのような曲
【静寂に包まれた部屋】
今日は休日だ。
私は部屋でストローを舐めながら口の中で引き裂かれた刺身の気持ちを考えて虚しい気持に浸っていた。
「友達がいればな」
こんな時友達がいればもう少し充実した時間を過ごせるのだろうか。
すると窓から誰かが入ってきた。
「おーす元気にしてたか?」
知らない人だった。
しかも武装しているし、人の生首を持っている。
そもそも窓は施錠されているしここはタワーマンションの20階だ。
何かがおかしい。
部屋は静寂に包まれた。
が、そこから私の行動は素早かった。
部屋の電気を消すと不審者が困惑している間に緊急脱出装置で外に出てタワマンの爆破装置を起動した。
タワマンは住民とともに消滅した。
「ふーいい汗かいたな。しかし今日からホームレスか」
私は軽く絶望しつつ公園に向かった。
ちなみに部屋に入ってきた不審者の正体は、友達がいない人のところに遊びに来る善意のボランティアだったらしい。
図らずしも人の善意を踏みにじった私は、後に後悔の念から彼の跡を継ぐことになる。
「静寂に包まれた部屋」
目を閉じる
己の心身に耳を澄ます
心臓の鼓動
呼吸の流れ
つま先から頭まで
全ての感覚を研ぎ澄まし
全ての感情を緩和する
己の形を理解したら
目を開けて大きく息を吸う
静かな部屋でなければ出来ない
心身の整理整頓
壁一面の本棚には、ぎっしりとすみずみ迄、本が隙間なく詰められている。
一人しか座れぬほどの大きさの座卓は、窓に面していた。
当時には、珍しく…畳ではなく、板が敷き詰められていた。
障子越しに通る光は、僅かで薄暗かった。
座卓近くに、高く書物が積まれていた。
しかし、決して乱れては居らず、むしろ整頓された印象を受けた。
住人の匂いは無く、僅かにイグサの香りと鉄の香りがした。
極めて清潔で、洗練された部屋だった。
この部屋の住人は、かつて…拷問を生業にしていたと、誰が思うだろう。
彼は、かつて『かがち』と呼ばれていた。
幼少の時より、拷問を仕込まれ、童の頃から才の片鱗を見せていた。
ひどく大人び、冷酷に淡々と仕事をこなす子どもの姿は、なんとも異様で、
恐ろしかったと云う。
だから、人々は口を揃えて…こう呼んだ。
『輝血(かがち)』と。
八岐の大蛇の目のように、赤く染まり輝く…鬼灯の実のようだと。
そして、彼は若君と出会う。
若君は、全くと言っていいほどに、彼を恐れなかった。
彼を気に入り、人間として、友人として、信を置く側近として扱った。
しだいに、彼は無表情だが感情が豊かになり、人間みを取り戻していった。
やがて、彼は多くの部下から持ち、信頼され、尊敬される人間と成った。
若君には、慇懃無礼な態度だったが、そこが気に入られていたと云う。
生涯に通し、若君に忠を尽くした彼。
この部屋は、彼が若君から最初に与えられ部屋だった。
その後、様々な功績から屋敷を与えられた。
しかし、生前の彼は、この部屋を手放すことは無かったと云う。
自分がしたい事をして、ゆっくりして
とても静かだ
今日は結構ゆっくり出来るのかもな、
外からは、遊んでる子達の声が聞こえるけど笑
さてと、
次は何しようかな~
静寂に包まれた部屋
静寂に包まれた部屋
ペラ、ペラとページを捲る音に
時たまにお茶を啜る音、
そんな静寂の中で息をする。
窓の外からは、鳥の声や、行き交う子どもの声、
葉崩れの音に、かわるがわる天気の音。
静寂の中でこそ、音は際立つ。
静寂に包まれた部屋
静寂さによるね
おおよそはないと思う
電化製品て音がするから
この静寂とはそれを示してない
精神的な静寂さか
周囲との比較的な静寂さ
己の静寂さなら瞑想でもしたらいい
己に帰れさえしたらいつでもそうなれる
そうとは静寂に包まれた部屋ね
部屋も判り易いけど
外にも静寂はあるんだよ
ちょっとした意識の問題だと思われる
集中してまうと静寂にならない?
何も聴こえなくなるし
何処だかも判らなくはならないけど
気にはならないことが多い
ちょっとだけ意識的に何処かにずらすと
何処にでもあることに気がつく
静寂がある場所
それはあなたにあるって話でしたっと
静寂に包まれた部屋
''キーーーーーーン''
静寂に包まれているはずの部屋で
私の耳にはうるさいくらいの耳鳴りがする。
音楽を流す。テレビをつける。誰かと話す。
何かしらの音があることで
やっとうるさい耳鳴りから解放される。
本当の静寂が分からない。
私にとって静寂に包まれた部屋は苦痛なものだ。
静寂に包まれた部屋を
心地よく感じる日は来るのかな。
それでもやっぱり寂しさは残りそうな気がする
2023/09/30現在 福岡市東区雁の巣病院に、自衛隊300人が捕まっている模様。
食事もさせてもらえていないとのこと。
どなたか警視庁に通報していただけますか。
〈静寂に包まれた部屋〉
うまい棒に上から均等な力を加えると縦に四等分されるのだと友人は言った。
やったことが無いと私が言ったので、その次の日に、友人がコンソメ味とポタージュ味のうまい棒を用意してきた。
「本当にやるのか、学校で!」
私はけらけら笑いながら言った。
冬のあの日のために、参考書や問題集と睨めっこする学友がいる教室で、程よい騒めきのなか、机の上に置いた二本のうまい棒の前で腕を組む。
ほら、やってみなと友人に催促されて、私はコンソメ味のうまい棒に両の手を縦に並ばせてのせる。
バリ、、
わ、
バリバリバリッ
「え!え!」と私は興奮して声を出す。
「はよ開けえ」
袋をゆっくりと開けると、綺麗に四等分されたオレンジ色の駄菓子が!
「おおおおお!」
すごい、すごい、と私は幼子のようにはしゃいで、少し周囲の視線をよろしくない形で集めたが、意に介さず。
友人とコンソメ味のうまい棒を食べていると、横からぬっとまた別の友人が来て、ポタージュ味のうまい棒に手をのせた。
バリバリバリ。
満足そうな顔を浮かべたその友人は、割ったそれを食べるのかと思いきや、ポタージュ味は苦手だといい、さっさと自席に戻っていった。
バリバリと音を鳴らしうまい棒を食べ終えてマスクを口に戻したが、喋る度にその中がコンソメ味とポタージュ味になることに気がついた。
うわ、と声をあげまた友人とけらけら笑う。
ゴミを捨て終えた頃に鳴った予鈴。
静かな空間が作り出され、私も友人と離れ自席に戻り、それに混じる。
はっ、と息を吐くと、また鮮やかな香りがした。
けらけらと笑う声がまた聞こえた。
題:静寂に包まれた部屋
一人部屋は無いし、
すごく騒がしいけど、
何故かいつも
寂しい。
いくら楽しい事をしても
いくら姉妹と笑いあってても
なんでだろう。
寂しいの。
静寂に包まれた部屋
私は何の音も無い所を知らない。
みんなが静かに感じていても私には音が聞こえてる。
音が無いなんて私には絶対に無い。
と言うか無意識に探しているのかもしれない。
例えば、『シーンとしてる』なら「シーン」と言う音が聞こえてる。
静寂の音
上手く言葉に出来ないけれど。
静寂に包まれた部屋
夜の静かな部屋
その部屋から聞こえて来るのは秋に鳴く虫の鳴き声だけ
だった。
何も考えたくない時
静寂に包まれた部屋は
丁度いいかもしれない
「静寂に包まれた部屋」
ついさっきまでの
LINEのやりとり
「今のどういう意味?」
「それはね…」
「あぁ、そうかわかった。ところで…」
「あるよね、そういうこと。以前にもね…」
他愛ないやり取りに
あなたも笑顔であることがわかるし
私も胸が温かくなっていく。
「じゃあ、そろそろ」
「うん。おやすみ」
「おやすみなさい」
切り難い、終り難い、去り難い。
部屋の明かりを落とし
スマホを暗転させ
そっと頬に当てる
さっきまで側にいた あなたの温もり
そしてここは
「静寂に包まれた部屋」
きみが出ていったあと
僕に残されたのは
静寂につつまれた部屋だけ。
あの頃の僕たちのわらいごえは
どこにいったんだろう、
そうっとまばゆい月あかりのもとで、いまあらためて気づく。きみの顔にはてんてんてんといくつかそばかすがあり、なめらかな肌にまじる星のようなこそばゆいかがやきがこれまでもこれからもだいすきだ、と。ささやかなひかりのちらばるきみの鼻に、すこし時間をおき、つめたいぼくのくちびるを合わせるとき、たしかにふたりはふたりのままであるのに、たがいの体の輪郭を忘れてしまうほどに、ぼくらはひとつになっている。
「静寂に包まれた部屋」
ここも寂しい場所となりました。持ち主を失った家具たちには払われるのことのない埃が積もり積もってその輪郭を滲ませています。それでも彼らは懸命に、主人の帰りを待ち続けるのでしょう。じっと耐えて、耐えて、耐えて。いつの日かもう一度、あの人が戻ってくる日に備え、今のままの形を残してゆくのでしょう。
なんて涙ぐましい懸命さ! ちっとも堪えられなかったわたくしと大違い。わたくしは、自ら望んだ孤独にこれっぽっちも耐えられなくて、すべてを捨てて逃げ出しました。何せここは、煩いくらいに静か過ぎるから。
静寂に包まれた部屋
私の名前は大久保という。今回の話に自分の名前が大久保だということは何の関係もないが、一応自己紹介しておく。私は22歳の頃に中国へラーメンの修行をするために一人暮らしをする決意をし、23歳の頃に渡った。中国はとてもいい所であったが、沢山の捨て猫がいた。そして24歳になる年の春、仕事を終え帰路についていた。すると、いつもの汚い猫がたむろしている河川敷にピンクの首輪がついた美しい三毛猫を発見した。スキマスイッチが全力少年と言う曲で述べている「ガラクタの中に輝いていたものはいっぱいあったろ?」とはよく言ったものだ。私はそいつを捕まえて、家で飼うことにした。しかしその当時シェアハウスに住んでいたのでルームメイトの許可も必要だったが、内緒にして押し入れに隠して育てることにした。次の日私はいきなり上司に2年間のマカオ研修に行けと命じられ、午後には会社が用意したバスに無理やり乗せられてマカオに連れて行かれた。猫のことは気になったが、なんとなく大丈夫な気がしたのでそのまま放置することにした。マカオでの2年間は毎日とても忙しく、めちゃくちゃ雑用をさせられた。そんなこんなで研修を終えて、私は2年ぶりに中国に戻ることができた。その頃には猫の存在すら忘れて久しぶりの自宅に戻れると喜んでいた。しかし、それが間違いだった。家に帰ってみると家中フンだらけで大量の猫が部屋にいた。これはどういうことだと思い、押し入れを開けると青い狸がいた。あとで知ったのだが、ルームメイトは押し入れで青い狸を飼っていたのだ。青い狸はあろうことか、私の三毛猫に恋をして子供を作っていたのだ。純粋に猫と狸がどうやって食料を確保し、子供を作ったのかはとても気になったがそれどころではなかった。なぜなら、毎日地獄のような匂いと四六時中響き渡る猫の声に苦しめられたからだ。そんな生活が半年続き、私はその家を出ることを決意した。なぜここまで耐えていたかって?それはこの部屋から望遠鏡で見える位置に住んでいる向かいのマンションの部屋のお姉さんがめちゃくちゃ美人で裸族だったからだ。そのお姉さんを拝むためにこの騒音と匂いを我慢していたのだ。そんな訳で次の部屋に移ったのだが、私の収入的に職場から車で往復3時間もかかる山の中にしか借りれる物件はなかった。しかし、その物件はとても静かで静寂に包まれた部屋であった。ここにきて私は静寂の素晴らしさを知れた。話が長くなったが、要するに静かな部屋はいいよってことだ。おしまい。