『静寂に包まれた部屋』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
静寂に包まれた部屋
ペラ、ペラとページを捲る音に
時たまにお茶を啜る音、
そんな静寂の中で息をする。
窓の外からは、鳥の声や、行き交う子どもの声、
葉崩れの音に、かわるがわる天気の音。
静寂の中でこそ、音は際立つ。
静寂に包まれた部屋
静寂さによるね
おおよそはないと思う
電化製品て音がするから
この静寂とはそれを示してない
精神的な静寂さか
周囲との比較的な静寂さ
己の静寂さなら瞑想でもしたらいい
己に帰れさえしたらいつでもそうなれる
そうとは静寂に包まれた部屋ね
部屋も判り易いけど
外にも静寂はあるんだよ
ちょっとした意識の問題だと思われる
集中してまうと静寂にならない?
何も聴こえなくなるし
何処だかも判らなくはならないけど
気にはならないことが多い
ちょっとだけ意識的に何処かにずらすと
何処にでもあることに気がつく
静寂がある場所
それはあなたにあるって話でしたっと
静寂に包まれた部屋
''キーーーーーーン''
静寂に包まれているはずの部屋で
私の耳にはうるさいくらいの耳鳴りがする。
音楽を流す。テレビをつける。誰かと話す。
何かしらの音があることで
やっとうるさい耳鳴りから解放される。
本当の静寂が分からない。
私にとって静寂に包まれた部屋は苦痛なものだ。
静寂に包まれた部屋を
心地よく感じる日は来るのかな。
それでもやっぱり寂しさは残りそうな気がする
2023/09/30現在 福岡市東区雁の巣病院に、自衛隊300人が捕まっている模様。
食事もさせてもらえていないとのこと。
どなたか警視庁に通報していただけますか。
〈静寂に包まれた部屋〉
うまい棒に上から均等な力を加えると縦に四等分されるのだと友人は言った。
やったことが無いと私が言ったので、その次の日に、友人がコンソメ味とポタージュ味のうまい棒を用意してきた。
「本当にやるのか、学校で!」
私はけらけら笑いながら言った。
冬のあの日のために、参考書や問題集と睨めっこする学友がいる教室で、程よい騒めきのなか、机の上に置いた二本のうまい棒の前で腕を組む。
ほら、やってみなと友人に催促されて、私はコンソメ味のうまい棒に両の手を縦に並ばせてのせる。
バリ、、
わ、
バリバリバリッ
「え!え!」と私は興奮して声を出す。
「はよ開けえ」
袋をゆっくりと開けると、綺麗に四等分されたオレンジ色の駄菓子が!
「おおおおお!」
すごい、すごい、と私は幼子のようにはしゃいで、少し周囲の視線をよろしくない形で集めたが、意に介さず。
友人とコンソメ味のうまい棒を食べていると、横からぬっとまた別の友人が来て、ポタージュ味のうまい棒に手をのせた。
バリバリバリ。
満足そうな顔を浮かべたその友人は、割ったそれを食べるのかと思いきや、ポタージュ味は苦手だといい、さっさと自席に戻っていった。
バリバリと音を鳴らしうまい棒を食べ終えてマスクを口に戻したが、喋る度にその中がコンソメ味とポタージュ味になることに気がついた。
うわ、と声をあげまた友人とけらけら笑う。
ゴミを捨て終えた頃に鳴った予鈴。
静かな空間が作り出され、私も友人と離れ自席に戻り、それに混じる。
はっ、と息を吐くと、また鮮やかな香りがした。
けらけらと笑う声がまた聞こえた。
題:静寂に包まれた部屋
一人部屋は無いし、
すごく騒がしいけど、
何故かいつも
寂しい。
いくら楽しい事をしても
いくら姉妹と笑いあってても
なんでだろう。
寂しいの。
静寂に包まれた部屋
私は何の音も無い所を知らない。
みんなが静かに感じていても私には音が聞こえてる。
音が無いなんて私には絶対に無い。
と言うか無意識に探しているのかもしれない。
例えば、『シーンとしてる』なら「シーン」と言う音が聞こえてる。
静寂の音
上手く言葉に出来ないけれど。
静寂に包まれた部屋
夜の静かな部屋
その部屋から聞こえて来るのは秋に鳴く虫の鳴き声だけ
だった。
何も考えたくない時
静寂に包まれた部屋は
丁度いいかもしれない
「静寂に包まれた部屋」
ついさっきまでの
LINEのやりとり
「今のどういう意味?」
「それはね…」
「あぁ、そうかわかった。ところで…」
「あるよね、そういうこと。以前にもね…」
他愛ないやり取りに
あなたも笑顔であることがわかるし
私も胸が温かくなっていく。
「じゃあ、そろそろ」
「うん。おやすみ」
「おやすみなさい」
切り難い、終り難い、去り難い。
部屋の明かりを落とし
スマホを暗転させ
そっと頬に当てる
さっきまで側にいた あなたの温もり
そしてここは
「静寂に包まれた部屋」
きみが出ていったあと
僕に残されたのは
静寂につつまれた部屋だけ。
あの頃の僕たちのわらいごえは
どこにいったんだろう、
そうっとまばゆい月あかりのもとで、いまあらためて気づく。きみの顔にはてんてんてんといくつかそばかすがあり、なめらかな肌にまじる星のようなこそばゆいかがやきがこれまでもこれからもだいすきだ、と。ささやかなひかりのちらばるきみの鼻に、すこし時間をおき、つめたいぼくのくちびるを合わせるとき、たしかにふたりはふたりのままであるのに、たがいの体の輪郭を忘れてしまうほどに、ぼくらはひとつになっている。
「静寂に包まれた部屋」
ここも寂しい場所となりました。持ち主を失った家具たちには払われるのことのない埃が積もり積もってその輪郭を滲ませています。それでも彼らは懸命に、主人の帰りを待ち続けるのでしょう。じっと耐えて、耐えて、耐えて。いつの日かもう一度、あの人が戻ってくる日に備え、今のままの形を残してゆくのでしょう。
なんて涙ぐましい懸命さ! ちっとも堪えられなかったわたくしと大違い。わたくしは、自ら望んだ孤独にこれっぽっちも耐えられなくて、すべてを捨てて逃げ出しました。何せここは、煩いくらいに静か過ぎるから。
静寂に包まれた部屋
私の名前は大久保という。今回の話に自分の名前が大久保だということは何の関係もないが、一応自己紹介しておく。私は22歳の頃に中国へラーメンの修行をするために一人暮らしをする決意をし、23歳の頃に渡った。中国はとてもいい所であったが、沢山の捨て猫がいた。そして24歳になる年の春、仕事を終え帰路についていた。すると、いつもの汚い猫がたむろしている河川敷にピンクの首輪がついた美しい三毛猫を発見した。スキマスイッチが全力少年と言う曲で述べている「ガラクタの中に輝いていたものはいっぱいあったろ?」とはよく言ったものだ。私はそいつを捕まえて、家で飼うことにした。しかしその当時シェアハウスに住んでいたのでルームメイトの許可も必要だったが、内緒にして押し入れに隠して育てることにした。次の日私はいきなり上司に2年間のマカオ研修に行けと命じられ、午後には会社が用意したバスに無理やり乗せられてマカオに連れて行かれた。猫のことは気になったが、なんとなく大丈夫な気がしたのでそのまま放置することにした。マカオでの2年間は毎日とても忙しく、めちゃくちゃ雑用をさせられた。そんなこんなで研修を終えて、私は2年ぶりに中国に戻ることができた。その頃には猫の存在すら忘れて久しぶりの自宅に戻れると喜んでいた。しかし、それが間違いだった。家に帰ってみると家中フンだらけで大量の猫が部屋にいた。これはどういうことだと思い、押し入れを開けると青い狸がいた。あとで知ったのだが、ルームメイトは押し入れで青い狸を飼っていたのだ。青い狸はあろうことか、私の三毛猫に恋をして子供を作っていたのだ。純粋に猫と狸がどうやって食料を確保し、子供を作ったのかはとても気になったがそれどころではなかった。なぜなら、毎日地獄のような匂いと四六時中響き渡る猫の声に苦しめられたからだ。そんな生活が半年続き、私はその家を出ることを決意した。なぜここまで耐えていたかって?それはこの部屋から望遠鏡で見える位置に住んでいる向かいのマンションの部屋のお姉さんがめちゃくちゃ美人で裸族だったからだ。そのお姉さんを拝むためにこの騒音と匂いを我慢していたのだ。そんな訳で次の部屋に移ったのだが、私の収入的に職場から車で往復3時間もかかる山の中にしか借りれる物件はなかった。しかし、その物件はとても静かで静寂に包まれた部屋であった。ここにきて私は静寂の素晴らしさを知れた。話が長くなったが、要するに静かな部屋はいいよってことだ。おしまい。
あなたの寝息と
個性的な寝言で
割と賑やかなことが
多い夜
時には手脚をばたつかせ
暴言を吐くこともあれば
爆笑することもある
煩いと感じたことは無いけれど
ピクピクしだすと警戒モード
正直殴られたこともある
忙しない夜ですが
いざあなたが入院すると
静寂がやって来る
部屋はシーンと静まり返り
温もりのない布団が
寂しさと不安を煽る
「6月頃に『狭い部屋』ってお題なら書いたわ」
エモい話を、書けないこともない。某所在住物書きはカキリ小首を鳴らし、ため息を吐いた。
静寂には複数の色が存在する。
痛い、気まずい、穏やかな、あるいは感動的な。
いずれにせよ、夕暮れの部屋を舞台に主人公ひとり、あるいは友人とふたりで、何か酷く悩ませれば良い。
沈黙はスパイスとなるだろう。
「でも不得意なのよ。エモネタ。納得行くハナシ書こうとすると投稿16時17時になっちまうし……」
ぽつり。物書きは弱点を吐露し、物語を組む。
――――――
中秋の名月の東京、都内某所、某アパートの一室。
部屋の主を藤森というが、18時頃は少なくとも月の見えていた窓を背に、
月見の餅を置いたテーブルを挟んで座って、
「げんせーな、シンサの結果、」
向かい側では、不思議な不思議な子狐が、コンコン、言葉を喋っている。
「今年の『狐のお嫁さん』は、おとくいさんに決定となりました」
テーブルの上の餅を、商品として持ってきた子狐は、ご利益豊かな稲荷神社の神使。
善き化け狐、偉大な御狐となるべく、餅を売り、人を学んでいる最中。
藤森はこの不思議な餅売りの、唯一の得意先である。
目の前で狐がものを言う珍事に、藤森はいつの間にか慣れてしまった。
しかしそれでも解せぬのが、今晩の新出単語。
「狐のお嫁さん」とは?
「……」
素っ頓狂な藤森の、開いた口は開きっぱなし。目はパチパチ、まばたきを繰り返す。
藤森の無言が、痛い静寂を部屋に呼び込んだ。
「ユイショ正しい、古くから伝わるギシキなの」
コンコンコン。
子狐の補足は相変わらず、分からない。
「狐のお嫁さんは、ウカノミタマのオオカミサマの化身役なの」
なんなら、下手をすれば本人、本狐もよく理解していないのだ。
小さなメモ帳の、明らかに大人が書いたであろう文字を、目で追いながらのコンコンであったから。
「稲刈りが終わりに近づく、9月最後か10月最初の満月の次の日、十六夜の夜に、キツネのととさんと、ケッコンするフリするの」
藤森の理解と状況把握を置き去りに、子狐はただ、しゃべる、しゃべる。
「稲荷神社で、ケッコンして、誓いのおさけ、イッコン傾けるの。ウカサマの化身役のお嫁さんは、たくさんのお料理と踊りで、オモテナシされるの。
お料理と踊りで満足したお嫁さん、ウカサマ役は、最後に満足して、『来年も、商売繁盛、五穀豊穣』って言うんだよ。
ととさん、ヨシュクゲーノー、『予祝芸能の一種』って言ってた」
理解が迷子。説明が為されているのに脳内が静寂。
藤森はただポカンであった。
「何故私なんだ」
「げんせーな、シンサの結果なの」
「狐の、『お嫁さん』だろう」
「ウカサマ、美人さんなの」
「私のどこが『美人さん』だって?」
「あのね、おとくいさん。
おとくいさんは、3月1日の1作目投稿から今日の最新作まで、たったの1回も『男』と明言されてないし、『女』とも断言されてないし、『彼』とか『彼女』とかも、一切特定されてないんだよ。
だからおとくいさんは、男かもしれないし、女かもしれないんだよ」
「は……?」
駄目だ。理解が追いつかない。
こういう時に振るという◯◯値チェック用のダイスとやらは何処だ。
藤森は完全に頭の中がパンク状態。
満月が雲で隠れている空を背負い、頭を抱えて、大きなため息を吐く。
「……謹んで、辞退させて頂く」
ただ選任拒否を述べ、再度息を吐いて、思考タスクの過負荷で重くなった頭と視線を子狐に向けると、
「じたい……?」
今度は子狐の方が、口をパックリ開け、固まった。
おいしいお料理、いっぱい、食べないの……?
驚愕に見開かれた狐の目が、声無く藤森に訴える。
双方無言が続き、藤森の部屋は再度静寂に包まれた。
どれくらい経っただろうか。
傷は癒えることなく、かと言って悪くなることもなく。
カサブタにもならず、ぽっかりと穴が空いている。
縁の中に収まるきみは、もう何年も同じ顔で。
大好物を置いてみたり、思い出の品を置いてみたり。
はたまた、嫌いなものをわざと置いてみたりもした。固まった笑顔に、僕は微笑み、落胆した。
今日は、きみとの時が止まった何度目かの節目。
年に一度、情報の詰まったUSBメモリを刺したかのように蘇るあれこれ。
震える手と霞む眼は、歳のせい。
そう、きっと。
モノクロの部屋から覗く4色が、入れ替わりで告げる時の流れ。
あと、どれくらいだろうか。
軋む椅子に腰かけ、灰色を吐き出す。
静寂に包まれた部屋
26時
課題は終わらないけれど
布団に落ちて天井を見上げる
寝てはいけない
でももう立てない
ねじれて床に落ちる
立ち上がり椅子に向かった
あなたの声が聞きたい夜でした。
彼は待っていた。
物音ひとつしない、静かな部屋で。
誰か特定の人間を待っているわけではない。
いつ来るかも知らない。
家が立派というわけではない。
ここは打ち捨てられた廃墟である。
それでも、たくさんの人々が彼のもとにやってくるのだ。
彼は一体何者だろうか。
その答えは幽霊である。
それも、どちらかといえば悪霊の類の。
幽霊なんて怖くないと言って、肝だめしにやってくる若者を驚かせていた。
彼は生きている間の頃は覚えていない。
おそらく自殺だったと思う。
しかし幽霊として自我を得た。
これを第二の生と捉え、彼は幽霊としてふさわしい振る舞いをすべきと考えた。
そして、ここにやってきた人間を驚かせていた。
彼は充実していた。
噂が噂を呼び、たくさんの人間がやってきた。
その全員に叫び声を上げさせた。
そしてこれからも、そうするだろう。
彼は遠くで誰かの気配を感じた。
また誰かが肝だめしにやってきたのだ。
彼は待つ。
誰かがこの部屋の来ることを。
彼は静寂に包まれた部屋で待っている。
病気で娘が他界した。
まだ7歳だった。
妻のいない俺には、娘しか居なかった。
棚いっぱいに飾られた写真。
どれもこれも病室で撮られたものばかり。
俺は娘に何かしてあげられただろうか。
娘は生前、幸せだったのだろうか。
もっと何かしてあげられたはずだ。
娘は昔っから無理をさせていたな。
あの楽しそうな声や笑顔も
作られたものだったかもしれないな。
…こんなに静かな病室、初めてだ。
ー静寂に包まれた部屋ー
コモリビトを得意とする私は、もちろん静寂に包まれた部屋は大好きだ。
加えて補聴器を外せば、そこは本当に何一つも音がしない世界になる。
一番ホッとして心も解放できる、私にとっても安心に包まれた空間だったと言える。
そう、耳鳴りがまさか四六時中ずっと続くことになろうとは思わなかった、一年半前までは。
今はもう補聴器を外しても、耳鳴りがずっと鳴り続ける世界線になり、もう二度とあの静寂に包まれた部屋は残念ながら “存在"しなくなった。
悲しく、寂しく、とても辛い。
もう一度叶うならば、音の無い世界に戻りたい。