どれくらい経っただろうか。
傷は癒えることなく、かと言って悪くなることもなく。
カサブタにもならず、ぽっかりと穴が空いている。
縁の中に収まるきみは、もう何年も同じ顔で。
大好物を置いてみたり、思い出の品を置いてみたり。
はたまた、嫌いなものをわざと置いてみたりもした。固まった笑顔に、僕は微笑み、落胆した。
今日は、きみとの時が止まった何度目かの節目。
年に一度、情報の詰まったUSBメモリを刺したかのように蘇るあれこれ。
震える手と霞む眼は、歳のせい。
そう、きっと。
モノクロの部屋から覗く4色が、入れ替わりで告げる時の流れ。
あと、どれくらいだろうか。
軋む椅子に腰かけ、灰色を吐き出す。
9/29/2023, 3:06:37 PM