『雫』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
雨上がり
花には雫が残っている
消えそうな水たまり
乾き始めた道路
なんてことない景色
新しい一歩を踏み出した帰り道
少しだけ新鮮に見えた
君と過ごした幸せの日々。
数え切れない程沢山の思い出。
だが、それも終わりの時が来てしまったようだ。
私は君に今までの感謝を伝えきれない程伝えた。
「さようなら」
そしてさいごに私がそう言うと、君の瞳から雫が零れ落ちた。
『雫』
っ
ぱたっ ぽちゃ
ぴっちゅ ぽとぱたっ
とたた… たっ たた
ぴった とと…ぱ
ぱちゅん
・
・
・
お喋りしてる
雫
病む
涙
悲しい
悲しい
はず
なのに
出ない
〖雫〗
規則正しく動く秒針
きっちり閉めてもぽたぽた落ちる雫
そのふたつがうまく重なり合った。
読書に集中していた私が零した
「あ、揃った」
時計と蛇口を交互に行き来する視線
気づけた自分になんだか嬉しくなった
日常の中の些細な喜びを楽しめる
そんな心を忘れない人でありたい。
小さな雫がポロポロ落ちる。
その分、人々は、生きていく。
雫
“雫”が集まれば、雨となる。
だが、雨と言われて、“雫”が連想されることは、
少ないだろう。
俺は、涙も同じだと思っていて。
涙と言われて、“雫”が連想されることは、少ない。
しかし、それでいい。
悲しい“雫”が目に溜まって、落ちていくのは、
自分だけでいい。
雫(914.6)
鍾乳石を作るのも、
石に穴を穿つのも、
長い年月をかけた雫の力。
徐々に積み上がっていくのと、
穴をあけるのでは真逆だけれど、
不思議なもんです。
雫
ぽたりと、おちる音が聞こえた。
はて、私は一体何を落としたのだろうか。
要らないもの?大切なもの?形のないもの?
はたまた、自分自身とは言うまいな、自らを害することがどれだけの大罪か、知らない私ではないのだから。
気付くと、私の周りには壁が出来ていた。
乗り越えることも出来なくはないが、少し面倒な、そんな高さの壁。左右を囲まれて身動きが取れないでいた。
しかし、足元は動くようだ。風が通っているのを感じる。
少しづつ視界も開けてきた。灯りが点いたようだ。目を閉じていてもチクッと刺すような感覚を抱く、蛍光灯の光だ。正面から降り注いでいる。
ほんの少しの狭さを感じるこの空間に、どこか懐かしさを覚える。何度も見たことがあるのだろう。何故だか少し心地が良い。
けれども、何時までもここにいる訳にはいかない。
ここから抜け出す術も、分かっていた。
ゆっくりと身体を起こす。
未だ副交感神経が優位なようだ。気怠さが残っている。
もっと安定した環境で休みたかったと後悔する。自業自得だと非難される。自らの性質を故に言い訳する。
寝付きも悪く、寝相も悪い。
そんな私は、知らぬ間に意識を落とし、ベッドから体を落としてしまったらしい。
「お前は水じゃないんだからさ、落ちた時の音も凄まじいわけ。迷惑被ったのはこっちなんだけど?」
ぼとっ、と落ちる音が聞こえた。
・雫
頑張ってる人のキラッと光る汗ってかっこいいよね
今日も頑張ったというか耐えた1日。目から涙...雫が出そうだった。でも仕方がない。今はそんな時期。自分の気持ちに正直にいなくちゃ。辞めたい気持ちは本心だから。認めよう。今より笑顔になれる時がいつか来る。
雫
ぽたりと 落ちるように
私の言葉も 落ちていく
地に染み込み
誰かの 華になればいい
悲しい時にこぼれ落ちて、嬉しい時にもこぼれ落ちる。
そして今、私は幸せで雫が頬をつたう。
腕の中で精一杯泣いている声に安心を覚えて、自然と口角が上がる。
産まれてくれて、ありがとう。
あなたのお母さんにさせてくれ、ありがとう。
これからよろしくね、私たちの天使。
おわり
七〇五、雫
「………雫だとさ」
「ふんふん、なるほどね」
「例えば?」
「綺麗な涙でお涙頂戴」
「可哀想な僕はスッカリ周りを騙せてる」
「嘘泣きが得意なあたしは魔法少女の悪夢を見てる」
「誰でも偽るこの世の中」
「取り繕ってお愛想笑いが上手くなるの誤り」
「零れた涙は何の味?」
「さぁね、塩チョコレートとか?」
「さては飽きた上にお腹空いたんですね」
「ホールでケーキ食べたい」
「の◯太くんは本当に馬鹿だなぁ」
「魔法少女はとびきりの非日常で生きてるんだよ」
「嘘つき」
「魔法少女だからね、夢を見せるには多少の嘘がつきものさ」
「何の話?」
「涙は女の武器って馬鹿な言葉だよねって話?」
「ウームム、その脈絡のなさ嫌いじゃないぜ」
「誰の涙だって流させやしないんだから!」
「それはぷいきゅあ」
「おっと失礼」
「元気になる魔法かけてよ」
「ちちんぷいぷい、心の痛いの飛んでいけ~」
「……別に痛くないよ」
「誰の涙だって流せやしないんだから!」
「いやだからそれはぷいきゅ………イヤポーズだっさ」
#雫
何かが落ちる音がした
それは悲しいものでも恵みと呼ばれるものでもないようだ
ただ、清らかで美しい
________
気づかれないくらいに小さくて、でも確かにあったもの。
触れた時には、もう形がなくて。
残っているのはかすかな冷たさと、消えかけの気配だけ。
留まることを選ばなかったからこそ、
その透明さは守られていた。
光に触れたときだけ、ほんの一瞬だけ輝いて。
そのあと、何もなかったかのように消えていく。
覚えているのはあの輝きだけでいい。
形も、名前も、残らなくていい。
ただ、確かにそこにあったと、
そう思えるなら
___それでいい。
【雫】
雫といえば
涙や雨を思い浮かぶだろう
でも雫が集まれば水になる
それは心の雫とも言えるだろう
そう
心の雫とは「ストレス」
ストレスが溜まりすぎると
心のコップは満タンになる
いや
溢れ返るかもしれない
知らずのうちにどんどん溜まる
そして限界を迎える
そうなる前に休息をしたい
それなのに
今の世の中は働きすぎる
そしてストレス社会となっている
どうして「休む」ことが
ダメになってるんだろう
いや昔に比べたら
休むことができるようになってきた
だけどまだ足りないような気がする
みんなはどう思う?
「雫」
雨が意志を持っているかのように、あの窓と狙って打ちつけてくる。やがて雨脚は激しさを増し、あたりを「ザァザァ」と埋め尽くす大雨となった。考えてみれば、こんなにまとまった雨は久しぶりかもしれない。外に耳を向ければ、乾いた土を潤す恵みに誘われたのか、カエルたちがどこか嬉しそうな鳴き声を合唱のように響かせている。
読みかけのページを折ることもせず、積み上がった本たちの頂にその一冊を置いた。踵を返し、玄関へ向かう。傘を手に取る考えなど毛頭なかった。ドアを開ければ、そこには灰色の帳が降りている。途端に、世界中の音を吸い込んだような豪雨が全身を包み込んだ。肩に落ちる雨粒の重みが、現実の輪郭を少しだけぼかしていく。靴の中に雨水が染み込む感覚さえも、遠いことのように感じる。あてどなく、けれど確かな衝動に駆られて、私は走り出した。濡れた路面が跳ね返るたびに、心臓の鼓動が雨音と重なっていく。
息が喉元で熱い塊となり、肺が焼けつくように悲鳴を上げた頃、ようやく雨の中にベンチを見つけた。座面は雨水を湛え、見るからに冷たそうだったが、そんなことはどうでもよかった。私は迷うことなくそこに腰を下ろす。街の明かりが雨に乱反射して歪んでいる。傘も差さず、こんなところで何をしているのか。問いかけても、心はどこか遠くにある。
――どうして、こんなことをしたのだろう。
走り出さずにはいられなかったのは、ずぶ濡れになりたくなったのは、どうして。わからない。私のことなのに、どうしてわからないのだろうか、いや、違う。多分、おそらく、いや絶対に。
こうしてずぶ濡れになるのを、母はいつも「いけないことだ」と嗜めた。濡れた衣服の始末が大変だとか、身体を冷やすとか、もっともらしい理由を並べては私を叱ったものだ。かつてはそれに従い、雨音を部屋の中から聞き流すだけだった。
けれど、もう母はいない。この世のどこを探しても、もういないのだ。
今こうして雨の中を走れば、またあの日のように背後から母の叱責が飛んでくるかもしれない。
ああ、今夜、私の枕元に立って「馬鹿なことを」と呆れるだろうか。それならそれで構わない。むしろそうしてほしいとさえ思う。
母が逝って一年。長い月日が流れた。私は、もう、母の顔をもう見ることはできない。あるのは、幼い日の私の記憶と、シワひとつないあの写真の中の母だけだ。あれは確かな記録のはずなのに、今の私から見れば、どこか遠い他人のようにも思える。季節が巡り、私が年を重ねるほどに、写真の中の母はどんどん遠ざかっていく。
私は今、母の声を聞きたくてたまらない。どれほど厳しく叱られてもいいから、ただもう一度だけ、目の前に現れてくれないだろうか。
雫は冷たい。
指先を近づけると、雫が指に引っ張られてポトと付く。指を引くと、雫の一部分が指に残ったまま、じんわり冷たさを伝える。元の雫を見ると、少し小さい楕円になっている。ここに小さな地球があると思うと、愛しくなる。
車窓にやわく叩きつけられた雫を見る。重さで落ちて、次々に静止する。雫たちは何でもないランダムな位置で静止するが、先に決められていたように迷いがない。雫が引きずられた跡に別の雫が合流する。さらに重くなる。またちょっとだけ進んで、迷いなく静止する。秩序だったような動きながら、生き物のような無作為の魅力がある。これに目があって、かわいく瞬きでもしていたら、私はそれを飼いたいと思う。金魚鉢に入れて、毎日餌をやって、いつか部屋をぎゅうぎゅうにするそれに包まれて寝たいと思う。
【雫】
ぼんやりとした不安が一滴の雫となりてほっぺに落ちる
恵みの雫が濡らす髪、鎖骨微笑みたくなるような雨雲
平安に思いを馳せて紫の雲を眺めれば雨の匂い
桜吹雪の一雫が茶色い椿の上に落ちる連鎖す
雫
ひと粒の雫が
葉の先で震えている
まだ落ちることをためらうように
世界の気配をそっと聴きながら
光を抱きしめたまま
小さな宇宙をつくって
静かに息をしている
やがて
風がそっと背中を押すと
雫は音もなく落ちていく
その一瞬だけ
世界は透きとおり
誰にも触れられない
真実のように輝いた
落ちて消えても
雫が見ていた景色は
どこかでまだ
ひっそりと生きている
眞白あげは