『雫』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
雨が降る。
私のなき声は、誰にも届いていない。
この瞬間にも同胞たちは、誰にも知られずいなくなっていく。
降りしきる雫が、地面に落ちる様に。
私は今日も空を見上げている。暗い狭い路地裏で。
今にも街に呑まれてしまいそうなほど小さい翼。
次第に灰色の雲が立ちこめる。
雫が1つ、また1つと落ちてくる。
それでも、上を見上げる。狭い空に、同胞の姿。
黒い翼を広げて、雨など諸共せずに駆けていった。
いつかの日を思い出す。
…あれほど、引き留めたのにあの人は行ってしまった。
悔いなきその微笑みが、こびりついている。
大空をかけていくその背中は、
とても勇敢で、憂うものなどないようだった。
彼らの最後は知っている。
誰にも知られずに朽ちていくと。
私もその1部になる、それが許せない。
でも、でも。もっと許せないのは、
この狭い路地で独り、あの人に置いていかれたまま、
朽ちていくこと。
次第に空が晴れる。
私は少し大きくなった翼を広げて、飛び出した。
空がオレンジ色に染まって、太陽が眩しく輝いていた。
ここにいるよ。ってあの人に届くように鳴く。
私の鳴き声は、届いているだろうか。
朝露が一粒落ちて、私は起きる。
朝一番に群れを飛び出していく。
あの頃の私とは、見違えるほど大きな翼を羽ばたかせた。
最後にあの人がいたのは、この山だと聞いた。
あの背中を追ってここまで来た。ただそれだけの理由。
突然の雨。
これまで何度も同胞の死に際を見てきた。
今回も看取ってやるだけの話だったのに。
横たわった「その人」
私の泣き声は、誰にも届かない。
こんなに呆気ないものだったなんて。
涙が雨に消えていく。命も、消えていく。
それでも私は、飛んでいく。
最後に朽ち果てるその日まで。
雫
誰しもの雫はしょっぱくって心を埋めるには不適で愛に飢え渇いている人の味方なのは傘を楽器にする大雨だけなのだろう
なみだがながれた。
本を読んで。
両親を思い出した。
罪悪感。
申し訳無さ。
何もしてやれなかった。
そして今は、自分にも何もしてやれない。
【6日目】雫
頬を伝い静かに流れてきたものは
淋しさや懐かしさや悔しさ
あの日に戻ることが不可能だからこそ
今をより大切にしなければと思う
だけどあの時にしかできないことがあった
キラキラと光輝けなかったのは
自分のせいでもあるけれど
もっとよい環境だったらとか
もっとよい出会いだったらとか
目からたくさん雫をだしたら
思いは昇華できるかな
ぽたりぽたりと
つららがのびた
ぬくもりのなか
つららがとけた
ふゆのおわりに
はるがはじまる
戦いは要らない
争いは要らない
こころがいたい
ぬくもりのなか
とけたつららは
だいちにかえる
ぽたりぽたりと
はるがはじまる
平和をください
『雫』
どうしてこうなってしまったんだろう。
私の胸に馬乗りになった君が包丁を握りしめている。
嗚呼“今日”はこんな結末なのかと、満面の笑みを浮かべる君に、私は慟哭した。
どうすれば良いのか、どうすれば良かったのか、もう私には分からない。
この現象の始まりの原因も理由も、私にはもう分からなかった。
君は覚えているのだろうか、そう問いかける間もなく“今日”は終わってしまった。
嗚呼、また、始まってしまう。
君を助けることが出来ない“今日”が、また――。
テーマ「雫」
【雫】
あなたの頬に流れる雫を
見るのはわたしだけでいいと思ってしまった
そんなくだらない独占欲にどうか気付かないで
出先で雨が降りコンビニに並べられた傘を買う時
なんとも言えない敗北感を感じるのは私だけでしょうか。
店について傘を閉じ、ほっとしたのも束の間
屋根から滴る雫にうなじを冷やされる。
こういう些細な出来事で“なにやってもうまくいかねー”と
自暴自棄になることがあるので
そんな時は
お家に帰って温かいご飯を食べるのが吉でしょう。
旬の果物なんかも買っちゃいましょう
小さな幸せを沢山抱いて今日も眠りにつきましょう。
【雫】
美しい名の菓子のこと想いつつ髪の雫をぬぐう丑三つ
[雫 ]
雨の下にいる。
水滴が、
自分をつたって大地へと
流れている。
星空の下、勇気を出して
マール・アストレアへと心を伝えた
通話の向こう、静寂が流れ
告白は風に乗り、遠くへ消えていった
夢見た瞬間、希望の光
しかし現実は、甘くなくて
虚空に響く、一方の声
愛の言葉は、届かずに散った
それでも心、折れずにいて
失敗はまた、新たな道への一歩
マール・アストレア、美しい星
その輝きに、再び恋をするだろう
「僕なんか」
その言葉が口癖になる理由は、人生のどこまで遡ればわかるのだろうか
「僕なんか」
そうは言っても、他人に愛されたことがないわけでも、認められたことがないわけでもない
それなのに出てくる言葉は
「僕なんか」
「僕なんか」
「僕なんか」
黒い雲が立ち込めていくような感覚に、呟く度に襲われていく
「僕なんか、僕なんか、僕なんか、僕なんか………」
「僕なんか、誰も気にしてないんだから、好きにやっていいんじゃない?」
ぽとり、と黒い雲から一粒落ちてきたようなそれは、天啓か、僕の心からあふれたなにかだろうか
お題「雫」
彼女は僕のことが好きじゃないかもしれない。
ふと、そんなことを思った。
敵対している、というものはもちろんのことで、それを要因として冷たい態度を取られるのも当たり前のことで。
でもなぜだか最近本当に本心からそう思ってるんじゃないかと危惧する事態が増えてきた。
僕の演奏は好きだけど、僕自身のことが嫌いだ、なんて言われたことがある。その時は僕が敵だからある程度敵対心を出すために言っているのか、などと可愛らしく思っていたけど。
今よくよく考えてみれば全く違いそうで。
そもそも僕の演奏というものは、迷い子を元の世界に返せる能力を持っている。つまり、その演奏が好き、というのは『迷い子を元の世界に返せる能力』を容認している羽目になる。それは彼女の立場上全くもっておかしい。
つまり、彼女がわざわざそれを口に出したということはそれは紛れもない本心ということになる。
ということは『僕自身のことが嫌い』というのは本心なわけで。
と、そこまで考えた時、手の甲に雫が落ちた。
視界が滲み出す。
この世界に雨は降らない。僕は汗をかくほど疲れてないから、この雫の発生源は一つしかなくて。
あるかどうかも分からない妄想みたいなものでこんなにも心が動かされるなんて思ってなかった僕は少し動揺した。
教室の窓から見える
上の階のベランダから滴る雨粒
寝る前のベッドの上で
雨音と風音を聞いた次の日の朝
家の前の花にのった露
入道雲を遠くに望むような
蝉の声が響き歩くのも億劫になる
夏の日に買ったコーヒーの結露
ふとしたときに目に留まる
気を抜いた時に限って
真珠のことを「月の雫」と表現した人に、
この世の全ての命名をお願いしてしまえばいいと思う。
得体の知れない綺麗な球体が、遥か遠くの月から海に
まで落ちてきた、雫なんだと。
そう思える世界は、どんなに綺麗だろう。
それはきっと、音もなく静かに沈んでいくんだろうな。
真珠が月から海に落ちるときの光は、きっと流れ星より
も繊細に違いない。なんて、そんな風に考えている時が
私のいちばん綺麗な孤独。
#8 雫
~ぱてぃめんマスコット、キャラ設定考えてみた~
半分に欠けた鎧を被り、見習い勇者と共存するマスコット。ウルクタミアの住民からは「ぱてぃめん」と呼ばれている。
個々の性格や、生活はとても強く、中には勇者の下着の色を拝聴している個体もいるが、詳細は不明。
尻尾には剣が生えており、戦闘の際はこの剣を駆使して戦う。剣の威力は個体によって変化する。この剣は月日が経つにつれ刀身が伸びていくのだが、隊列を組む際に剣が他の個体に刺さるのを防ぐ為、一定の長さに統一するという習わしがある。その為、彼等が戦えるモンスターは限られているという。
首元に付けている蝶ネクタイや、背中に生えている天使の羽は、彼等の装飾品であり、これも個体によって様々である。
ぱてぃめんは、産まれた頃から鎧を被せられ、その瞬間から彼等は「騎士」として認められる。ぱてぃめんはある一定の年齢になると騎士としての「試練」を受けることになる。
一、志学の歳に、方は「不朽の城」にて忌み物の残党を討伐する事。
一、己の身のみで対峙せよ。同胞との協力は無用の事。
一、全てを賭ける覚悟で挑む事。
「試練」の内容は極めて困難である為、犠牲になったぱてぃめんも少なく無かった。しかし、「試練」に打ち勝つ事が出来なければ、王都を護ることは出来ない。半分に欠けた鎧は「試練」に打ち勝った証である。
━━━「君達の夢は何?」
「僕達の夢か…思えば考えたことも無かったな…
そうだ、僕達の夢は、大切な花を護る棘になる事…かな」
「ふふっ…なにそれ」━━━
私は友人を殺した。
雲の量は少ないと言えば少なく多いと言えば多い程の量で灰色と思えば灰色で蒼だと思えば蒼色でそれでもって太陽は出ているような出ていないような微妙な天気の中友人を殺すための第1ステップが始まったのかもしれない。
一方方向なんて言葉はなく、左右にとめどなく歩き、なれない下駄で足を痛め、あるいは知り合いと出会い盛り上がり、人を探し、、それが祭りだと言わんばかりの光景に心は躍らず、心のどこかにある空白を埋めるようにスマホを見る。
「もう疲れました。自殺します。」
の文字も何回みたか。
更新したのは17時。
今は18時。
これ以上為す術なく、取り付く島もない。
死んだ人なんて何も考えられないのだから。
それが普通で魂などは存在すらしていない。
子供はくじを引きはずれ、焼き鳥を食べ、スーパーボールをすくう。祭りの光景 。
ひとつヨーヨーを見つける。もう14歳。祭りは参加する側ではなく、義務教育の一環で手伝い側。高校生は楽しそうに遊んでいる。そんな不思議な光景の中に地面に落とされたのか砂まみれでどこにでもあるような赤と白色。そして中学生女子独特の太っている訳でもなく、かと言って普通体型かと言ったら首を傾げるような微妙な大きさ。そこから静かに目から零れ落ちるように綺麗な丸とは言えないラインをなぞって落ちていく。
だから私はヨーヨーをわる。
友人を殺す。
自分の為に。
友人は泣く。
自分は笑う。
友人は無い。
自分は有る
雫は落ちる。
友人は共鳴したのだろうか、
雫
私の頬を伝う綺麗に見える雫
どんな理由であれ綺麗に映る
雨の後窓ガラスを伝う雫
雨の騒々しさを打ち消してしまうような穏やかな雫
淫らな肌すら流してしまう暖かな雫
どんな汚れであれ落としてしまう
体を温めることすらできる雫
雫
一滴一滴とこぼれ落ちる雫
忘れる頃には小さな池
澄んで澄んで濁りきる
私に残ったのは嫌な思い出
辺りはもう暗くなっていた。
現在の時刻は夜中の2時だから、一般的な感覚で言えば
それは当たり前のことである。
だが、夜の9時から布団に入り目を閉じていたミヤに言わせると、辺りは暗かった。
「変な時間に起きちゃった。」
家族はもう寝ているので声に出すわけでもなく
ミヤは心の中でそう呟く。
いや夜中なのだから、もう、というのはお門違いなのだろうか。
そんなハテナを1人で浮かべては自ら回答し、うやむやのまま思考を手放す。
経験上、眠れそうにないことは分かっていたため、
ミヤは今日あった出来事を意味もなく思い浮かべていた。
例えば、恋人に放たれた「別れよう」の一言だとか。
思い出すと、心臓のあたりが締め付けられた。
心が嫌な音をたてている。
目の辺りがじんわりと熱を帯び始めると、
どこからか音が聞こえた。
雫だ。
蛇口がきちんと締まってないんだ。
誰が雑に締めたのだと考えながら、台所へ向かい
蛇口を締める。
だが不思議なことに、水は滴り続けていた。
ピチャン、とまた音を立てながら一滴、落ちる。
排水溝に流れるほどにも満たない量の雫は
いつまでもシンクに留まったままだった。
【雫】