Keito

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「僕なんか」

その言葉が口癖になる理由は、人生のどこまで遡ればわかるのだろうか

「僕なんか」

そうは言っても、他人に愛されたことがないわけでも、認められたことがないわけでもない

それなのに出てくる言葉は

「僕なんか」

「僕なんか」

「僕なんか」

黒い雲が立ち込めていくような感覚に、呟く度に襲われていく

「僕なんか、僕なんか、僕なんか、僕なんか………」





「僕なんか、誰も気にしてないんだから、好きにやっていいんじゃない?」

ぽとり、と黒い雲から一粒落ちてきたようなそれは、天啓か、僕の心からあふれたなにかだろうか

お題「雫」

4/21/2024, 4:13:11 PM