『雫』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
私は友人を殺した。
雲の量は少ないと言えば少なく多いと言えば多い程の量で灰色と思えば灰色で蒼だと思えば蒼色でそれでもって太陽は出ているような出ていないような微妙な天気の中友人を殺すための第1ステップが始まったのかもしれない。
一方方向なんて言葉はなく、左右にとめどなく歩き、なれない下駄で足を痛め、あるいは知り合いと出会い盛り上がり、人を探し、、それが祭りだと言わんばかりの光景に心は躍らず、心のどこかにある空白を埋めるようにスマホを見る。
「もう疲れました。自殺します。」
の文字も何回みたか。
更新したのは17時。
今は18時。
これ以上為す術なく、取り付く島もない。
死んだ人なんて何も考えられないのだから。
それが普通で魂などは存在すらしていない。
子供はくじを引きはずれ、焼き鳥を食べ、スーパーボールをすくう。祭りの光景 。
ひとつヨーヨーを見つける。もう14歳。祭りは参加する側ではなく、義務教育の一環で手伝い側。高校生は楽しそうに遊んでいる。そんな不思議な光景の中に地面に落とされたのか砂まみれでどこにでもあるような赤と白色。そして中学生女子独特の太っている訳でもなく、かと言って普通体型かと言ったら首を傾げるような微妙な大きさ。そこから静かに目から零れ落ちるように綺麗な丸とは言えないラインをなぞって落ちていく。
だから私はヨーヨーをわる。
友人を殺す。
自分の為に。
友人は泣く。
自分は笑う。
友人は無い。
自分は有る
雫は落ちる。
友人は共鳴したのだろうか、
雫
私の頬を伝う綺麗に見える雫
どんな理由であれ綺麗に映る
雨の後窓ガラスを伝う雫
雨の騒々しさを打ち消してしまうような穏やかな雫
淫らな肌すら流してしまう暖かな雫
どんな汚れであれ落としてしまう
体を温めることすらできる雫
雫
一滴一滴とこぼれ落ちる雫
忘れる頃には小さな池
澄んで澄んで濁りきる
私に残ったのは嫌な思い出
辺りはもう暗くなっていた。
現在の時刻は夜中の2時だから、一般的な感覚で言えば
それは当たり前のことである。
だが、夜の9時から布団に入り目を閉じていたミヤに言わせると、辺りは暗かった。
「変な時間に起きちゃった。」
家族はもう寝ているので声に出すわけでもなく
ミヤは心の中でそう呟く。
いや夜中なのだから、もう、というのはお門違いなのだろうか。
そんなハテナを1人で浮かべては自ら回答し、うやむやのまま思考を手放す。
経験上、眠れそうにないことは分かっていたため、
ミヤは今日あった出来事を意味もなく思い浮かべていた。
例えば、恋人に放たれた「別れよう」の一言だとか。
思い出すと、心臓のあたりが締め付けられた。
心が嫌な音をたてている。
目の辺りがじんわりと熱を帯び始めると、
どこからか音が聞こえた。
雫だ。
蛇口がきちんと締まってないんだ。
誰が雑に締めたのだと考えながら、台所へ向かい
蛇口を締める。
だが不思議なことに、水は滴り続けていた。
ピチャン、とまた音を立てながら一滴、落ちる。
排水溝に流れるほどにも満たない量の雫は
いつまでもシンクに留まったままだった。
【雫】
雨粒が窓の淵をつたう。そのまま重力に逆らわず滴となって地面に落ちた。
「雨、やまないねえ……」
「そうだな」
急に降り出した雨に私たちは慌てて軒先へ駆け込んだ。
私を最寄駅へ送るだけだったためか、普段なら用意周到なキミも傘を持っていないようだった。
さっきまであんなに晴れていたのに、と思いながら濡れた服を少しでも乾かそうとハンカチを取り出す。
「あ」
「?」
濡れた服を不快そうに拭きながらキミは私の方を向く。
「ごめん、このハンカチってキミのだよね?」
そう言いながら鞄に入っていたハンカチを取り出す。以前、私がびしょ濡れで教室にきたとき貸してくれたものだ。返そうと思いながらタイミングを逃していたものだった。今日、キミの家へ遊びに行くからと忘れないように鞄に入れておいたのだ。
「あー……確かに僕のだ」
「ずっと渡せなくてごめん。変なタイミングだけれど返すよ」
ハンカチを差し出した私に、キミは少し考える素振りを見せた。
「いや、今日はいいよ。また後で返してくれ」
「?なんで」
「君、それしかハンカチ持ってないだろう」
指摘されて鞄を覗けば確かにハンカチはこの一枚しかない。ときたま、キミには全てを見通されてると思ってしまうことがある。
うん、と頷けばキミは、そうだろうと返す。
「今日もそれ使っていいから」
「……うん」
ごめんね、と言いながらハンカチで体を拭く。降り出してからすぐに軒下へ入ったおかげでそんなには濡れていない。
「ねえ、このハンカチ貰ってもいいかな?」
「は?」
きょとんとした顔でキミがこちらを向いた。
「だって二回もこれ使っちゃったし、今更キミに返すのもなんか悪いなあって」
「気にするなよ。僕はどうとも思わないよ」
「その代わり、今度新しいハンカチを買いに行こうよ。お礼に買わせて。ついでに最近できたケーキ屋さんにも寄ろう」
その提案は思いもよらなかったのだろう、キミは少し驚いたらしく、ぱちくりと瞬きをする。
「……来週末でいいか」
もちろん!私は笑顔で答えた。
雨はもう小降りになっていた。
大好きだった彼と別れた。
静かに雫を落としながら心の隙間を埋めようとする。
でも、雫を落としてもやっぱり貴方じゃないとダメみた
い。
執筆中…
天気予報で明日に傘マークがついていた。初めてふたりで出掛けるせっかくの日なのに、晴れてくれない。予定を組んでから何日も悩んでようやく決めた服装も晴れたときを想定していたのに。
いつもより早く目が覚めて時計を見たらまだ5時前。耳をすますと雨の音がして、20%に賭けた願いが叶わなかったことを知った。
「雨だけど、予定変更する?」
簡潔なメッセージが届いた。目的地の天気予報を調べて、予定より1時間後に曇り予報になっていることに望みを託して、小雨なのでそのまま行きませんか、と返事した。
崩れないようにいつもより入念に、それでも自然に見えるように髪をセットした。一本早い電車してしまったけど、それでも約束より早く着ける。
スマホを握りしめながら降りた西口、見回すともう到着していたから慌てて前髪と襟元だけ整えて声をかける。
「雨でむしろ空いてそうだね。」
ポジティブなところが好きだな、なんて思いながら並んで傘をさす。流石に見頃だから目的地に近づくに連れて人も増えてくるけど、晴れていたらもっと混んでいたのだろう。
ぽとりと落ちた、一雫。
それはカップの中であっという間にコーヒーと混ざり合い、跡形もなく消えていく。
無味無臭のその一雫は、けれど私とあなたの関係を一瞬で変えてしまう力を持つ。
あなたは何の疑いもなく、私が差し出したコーヒーを飲むだろう。私も向かいの席に座って、笑いながら同じようにコーヒーを飲み、クッキーに手を伸ばす。
優雅で楽しいティータイムが終わる頃、私はそっと尋ねるのだ。
「美味しかった?」
あなたはきっとああ、とぶっきらぼうに答えるだろう。私はにっこり微笑んで、良かった、と答えるのだ。そして数分と経たないうちに、あなたに変化が訪れる。
私は変わっていくあなたを見ながらまだ飲みかけのコーヒーをゆっくり味わうだろう。
あなたの目が、あなたの唇が、あなたの指が変わっていくのを、まるで花でも鑑賞するかのように見つめ続けるのだ。
ぽとりと落とした、一雫。
毒なのか薬なのか、それは私しか知らない。
END
「雫」
『雫』
どこからか水の音がする。
雫が落ちる音。
一定の間隔で聞こえる音。
寝ている時も、起きている時も、
座っている時も、立っている時も、
考えている時も、話している時も。
ずっと聞こえる音。
自分にしか聞こえない音。
自分だけの、音。
私の心が泣いている、音。
この国には
水と強く縁のある人間が生まれるという
言い伝えがあった
強く縁のあると言われても
具体的なことを、知ることは出来ない
それを知るのは
縁のある人間、本人のみ
そのため、誰がそう言う人間なのかを
容易に見つけることも出来ない
ただし
水と強く縁のある人間同士であれば
すれ違った時、出会った時…
より近くに感じた時にだけ
お互いの耳元で“ポチャン“という
ひとつの雫が水に落ちる音が聞こえる
そして自然とその人間を見つけることができると
水と強く縁のある人間―
一体なんのために生まれるようになったのか―
それを知るのは
幼い頃から少しずつ身につける力と
彼らが成人して
力が覚醒する時
水の声が聞こえ
それは分かるー
[雫―スイ国のミズビト―]
面倒くささが勝った時にする洗い物は、とんでもなくテキトーになる。洗い物をし終わり、一仕事終えた気になりその場から離れようとするが、別の残骸が残るのだ。
水を出す威力はもちろんMAX。洗剤をかけたスポンジで、いつもより乱暴にこすられた食器達。勢いの良い水にかけられ、それらはふきんで拭かれることなく、水切りの上で重ねられている。皿に雫が伝う。
昨日はもっとおしとやかに皿洗いをしていた気がする。
しょうがないよねぇ、ダルいんだもん。
夜が落とした涙は 沢山の願いを抱えて
誰かに向けて 拾われる事なく
今も 広い この宇宙のどっかを
約束となって 旅を続けているのだろう
【世界で最も醜い雫】
世界は、嘘か本当かなんてどうでも良くて
結局は信じたい信じたくないで決まる
綺麗なあの子は善人
あの子の目から出る大粒の雫は
誰よりも美しく透き通って誰もが見惚れてしまう
同じ人間なのに
あの子が泣くだけで私は悪者
醜くても美してくてももうどっちでもいい
もうなんでもいい
だから、一生のお願い、
どうかこの涙は見ないふりして
雫
何も変わらない毎日。
私は今日も、坂を下りてバス停に向かった。
今日は一日中雨らしい。道路は1面桜の花びらが寂しく散らばっていた。
新しく買った紺色無地の傘をさし、坂を下りきると煩い声が聞こえる。やはり雨だからなのか、今日はバス停に人が多い。最悪だ。これだから雨の日は嫌いだ。私はバス停を何事も無かったかのごとく通り過ぎ、行くあてもなく歩き続けた。
ここら辺で人が少なくて、暇つぶしできそうで、できれば雨宿りができそうな場所をさがす。ふと前を見ると、こじんまりとした公園があった。ついでに雨宿りできそうな場所もある。なぜ今まで気づけなかったのだろうか。私はそこに、吸い込まれるように入っていった。
傘を閉じて屋根の下に入る。ただ淡々と降る雨を、暫くぼーっと眺め続けた。たまに屋根から滴る水滴が、心地よいと感じる。
「何も聞こえない。いいなぁ。」
思わず呟いてしまった。何を言っているのだろう。雨がこんなにも降っているのに、何も聞こえないはずがないのだ。その時、私は気づいてしまった。雨などとっくに止んでいたのだ。
私は公園の真ん中まで歩いて、空を見上げる。太陽も全身隠れた、あまり良い天気とはいえなかった。雨のせいで、桜だって本来の美しい散り方ができずにいる。
「なるほどね。確かに私にとっては、こんな始まり方があっているかも。」
私はもらった卒業証書の筒を眺めた。
「でも私はもう、落ちきった。」
雫
しずくはないな
しずくのようなしずくのごとくしずくてきな
ちいさかったりはかなかったりやわらかだったりするものは
もぅ自分の中にないな
10の疲労は寝ても消えるのは2くらい
残りの8は持ち越し
それは翌日も持ち越し持ち越し持ち越し持ち越し
なくならない疲労と諦めと不安と無視と諦めと諦めと諦めと
ちゃんと歳とってればな。
小さな雨粒が葉の上に乗っている。
晴れの予想を笑うように駆け抜けていった雨雲は、もう頭上のどこにも居なかった。
だがそのひと降りのおかげか、少しだけ怪しくも見えていた天候は、もう立派な晴天と変わっている。
いっそ爽やかな風すらも引き連れてきたらしい。
今度こそ、このまま晴れが続いてくれるのだろうか?
その疑いへ答えを返しているのか、またひとつ、ぽたりと落ちる音が聞こえた。
【雫】
雫と言えば皆さん何を思い浮かべますか。
雨、風呂、プール、涙、ぷるるんしずくちゃん、色々ありますね。
ところで、僕は昔、獣の奏者エリンというアニメを見ていました。
主題歌がすごく良い曲なのですが、どうしても思い出せない。
そんな時にこのアプリを開いて思い出しました。
その曲はスキマスイッチの雫。
良い曲ですよー。ぜひ聞いてみてください。
雫。
零れて、落ちて、滴った。その雫が綺麗だった。
よく、辛い日の事を、雨の日も雪の日もって表す。雨の日も、雪の日も、挫けず前を向いて進んだ。そんな風に表現し、例えて、称える。
私は辛い時涙を流す。苦しくて、辛くて、上手くいかないけど、言葉には出来なくて、したくなくて、吐き出す為に涙に置き換える。それは弱いからじゃなくて、強いから。何かを傷つける選択より、自分を傷つける手段を取るから。大粒の雫が目から溢れて、音にもならない嗚咽を、ただ一人の時に吐き出す。
僕は辛い時、とにかく動く。頭を空っぽにして、忘れたくて、筋肉をしならせては鍛えて、汗が尽きるまで続ける。もう無理だと悲鳴をあげているのは、心ではなく身体だと錯覚させる。口から出せない言葉を、飲み込むために、ただ執拗に続ける。
逆境を乗り越えるなんて、大層な言葉では表せきれない。なんとか耐えて、構えて、避けて、背けて、やっとの事で歩いている。
その芯から漏れ出る雫を、とても美しいと誇ろう。
雫
あれ…ギュッと握った拳に、雫が落ちてきた…なんで…と思うそばから、次々に頬を伝って落ちてくる…次第に滲んでゆく視界、喉の奥から、声にならない何かがこみ上げてくる…
私の前を歩く、二人組の背中…見慣れた、あなたの広い背中と、長い髪を揺らす背中…時々見えるあなたの横顔は、迚も優しくて、微笑んでいる…いつも、遠くから見つめているだけだけれど、あなたの姿が見えるだけで、ドキドキして、気持ちも昂っていた…誰にも負けないくらい、いつもあなたを目で追っていたから…知らない誰かと、一緒にいるのが…止め処無く溢れる雫…でも…だけど…やっぱり…色々な想いが一気に押寄せて…
「雫」
君の頬から滴っていく雫はなに?
悲しい?哀しい?
知ってる?
喜劇はいつか悲劇になる。
悲しいも哀しいも嬉しいも楽しいも全部悲劇
でも人間は生きていく。
進化を続ける。
醜くく小癪に、生きていく。
その頬から滴る雫も、
進化の源になる。
進化の源。なんだかよく分かりませんね、
ただ喜劇はいつかは終わる時がくる。
悲劇が来ない人など一人もいない。
何故なら…みな人類は進化を続けるから…
やはり難しい…