『雫』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
やわらかく
やさしい
スタッカート
(雫)
「雫」
ポタン…ポタン…ポタン…
この雫がゆっくり落ちる音、嫌いじゃない。
どちらかと言うと、好き。
たまに聞き入ってしまう。
高速に落ちる雫の音も好き。
ポタポタポタポタ…
いつまでそのリズムが続くのか気になってしまう。
どっちが好きかと考えると
ゆっくり落ちる音の方が好きだな。
あのゆっくりなリズムに、たぶん癒されるからかな。
雫のように命は落ちるの。
だから自殺したって、
殺されたって、
何も変わらない。
あぁ、死にたい。
だけど怖い。
#『雫』
No.93
雫
まるで氷が溶け、雫が滴り落ちるように
あの人への気持ちがなくなっていく
会ってないからかな
会ったらどうなってしまうんだろう
あの人以上に好きになれる、愛せる人なんて
愛してくれる人なんて現れるだろうか
時間をかけて、ゆっくり雫が滴り落ち終わるのを
待とうと思う
そして、今より綺麗になってみせる
綺麗になった私を心の底から愛してくれる人にも
出会いたい
「零」(ぜろ)
今出来ている世界はいつから出来ているのだろう。
俺が生きてる前よりずっとずっと前からあるのだろう。
ならこの世界のルール、法律、決まり、
いつ決まったんだ?俺は了承してないのに。
こんな世界なら俺1人の意見なんて無視か。
なら俺がこのクソったれな世界を変えてやろう。
無理?そんなの誰が決めたんだよ。
それも決められた物だろ?
おれがこの世界を
"零"から変えてやるよ。
「雫」
君の目からこぼれ落ちる雫は
とても綺麗で
色とりどり
何も心配する事は無いさ
何も悲しむ事なんか無い
苦しみ、悲しみ、憎しみ…
どれも良い経験になって
宝石のようにキラキラ輝く日が来るから
その時まで
大切に磨こうね
雫が落ちる
水面に波紋が広がってゆく
心の凪が 失われ
不穏な空気にとらわれる
些細な雫で 心乱さぬよう
心がいつも凪いでいるように
澄んだ湖面を 思い浮かべて
ひとつひとつ 受け止めてゆく
ぽたぽたぽた。
きらきらきら。
こちらは地球。
上から下に落ちていく。
宇宙では雫はどうなりますか?
どーぞー。
こちら宇宙。
そもそもどこが上で、
どこが下だかわかりません。
ただ一つわかることは、
君が嬉し涙を流したということだけです。
ありがとう、夢を叶える力をくれて。
必ず君のもとへ還ります。
どーぞー。
僕らの目の前には、大きな大きな、一本のつららがあった。
「つららって、どんな味するん?」
「えー、水だし、味とかないんじゃない?」
「じゃあ、砂糖かけたら美味しいかな」
「いや、水に砂糖入れても対して美味しくなくない?」
「ん〜、じゃあシロップとかかける?かき氷の」
「それならもう、普通に削ってかき氷にしたらいいじゃん」
つららは、ちょうど背を伸ばしたら、そのさきっぽに指先が届くかどうかという高さにある。
「でもこれ、そもそも取れなくない?」
「大丈夫だよ。ほら、こうやって…えいっ」
「おぉ〜、………全然ダメじゃん、ノーコンピッチャー」
「だって、高すぎて狙いづらいんだよ〜」
「ほら、こうやってやるんだよ…ほいっ」
「おおっ!………あぁ~、当たったけど、全然ビクともしやいね」
「ちょっと大きすぎるなー。石でも当てないと折れないんじゃないか」
「えー、石はやめようよ。なんか美味しくなさそうだし」
「そんなに食べたい?」
そうこうしているうちに、太陽は頂点を通り過ぎようとする。雲ひとつない、快晴。
「あ。なんか光ってない?」
「どれどれ、どこが?………あ、なんか濡れてきてる?」
「みてみて!さきっぽに貯まっていく!」
「これなら、もうちょっとしたら壊せるようになるんじゃ、っておい!なにしてんの!?」
「あ〜〜〜、んっ」
綺麗な、綺麗な、一粒の雫が、口の中に吸い込まれていく。ナイスキャッチ。
「おまえ、お腹壊しても知らないよ〜」
「大丈夫、大丈夫、だって冷たくて美味しいよ!」
「なんだ、それ」
まっさらの純情な雪が、すっきりと澄み渡った空が、しっとりと艷やかなつららが。
僕たちの日常に、とけ込んでゆく。
雫
雨が上がった後の葉についている雫は綺麗。
普段は植物に触れようとしない。
けど、気まぐれに雫には手を出してしまう。
本当に、綺麗だ。
やはり雫と言ったら、となりのトトロだ。
知ってる人はわかるだろう。
バス停でサツキが初めてトトロに会うシーン。
あんな大量な雫が落ちてきたらもはや雨。
大粒の雨。
なんか、あんま面白いこと今日は話せないな。
では、本日はここまでということで。
またね。
雫のように流れ出した私達の涙。大好きだったあの人が遠くに行ってしまった。私達はまさかあの人が行ってしまうと思ってなく余計涙が雫のように流れ出した。 【雫(しずく)】
「雫」
それが私に付けられた名前だった。
雨があがったあと花の上で輝く雫のような、明るい
子になりますように。
そう願って付けられた名前。
でも私は、表面こそ明るく繕っているけれど、内面
は真っ暗闇。
この先も生きる勇気がないくせに、死ぬ決心もつか
ない。
ああ。
もういっその事、光り輝く雫の最期のように、綺麗に消えてしまいたい。
2024/4.21 No.25 雫
『ロマンのない天気』
傘の内側で聞く音は、普段よりよく聞こえるらしい。
雨に濡れないこの狭い範囲だけと考えるとなんてロマンチックなことだろうか!
ただ残念なのが、今日は豪雨で傘の意味が無いことだ。朝の天気予報では『ぱらぱらと〜』なんて可愛らしい表現で伝えられていたはずなのだが、お昼頃から雲行きが怪しくなって、夜の今になって土砂降りになってしまった。
靴下はぐしょぐしょだし、パンツの裾は雨に濡れて黒くなっている。
カッパを着ている人を恨めしく目で追ってしまうほどだ。
「ロマンチックになりたかったー!」
傘を畳んで雨で司会の悪い中を走る。
前髪から伝う雫にロマンチックは存在しなかった。
雫
小さな雫が 子うさぎの目に入った
子うさぎ たちまちもがき苦しんだ
大きな雫が 地に落ちた
たちまち 人々もがく間もなく 消えてった
雫を落とした 狐は 何を思ったか 泣き崩れた
誰も幸せにはならない 雫は 二度とこの地に落ちなかった。
雫が落ちる音が
あの子の涙の音と重なって思い出した
雫
その日の夜は雨が降っていた。
「天気は……」
今日も夕方に雨が降るおそれがあるらしい。
「いってきます。」
日に照らされ宝石のように輝いている草についた雫。
まだ、雨の香りが残っている空気。
今日は、何があるのだろう。
かすかに期待しながら歩いた。
その日は散々だった。
階段から落ちる、
お気に入りの物を無くす、
冤罪をかけられる、
陰口を聞く。
あぁ、今日は何をしてもうまくいかない日だ。
たまにはそんな日もあるけど、流石に、つらい。
ポツン
ザーッ
私の心を写したかのように雨が降り出す。
鞄から傘を探す。
「……あれ、ないっ、うそ。
もう、やだ。」
気付けば、涙が出ていた。
雨で、よかった。
泣いているのは見られたくないから。
ザッ、ザッ
雨が当たらなくなる。
振り向けば、
「傘忘れたの?」
と、いつもの調子で聞いてくる友達。
「うん」
「あれ?泣いてる?」
もう何に泣いているのかわからない。
「雨だからっ、雫だからっ。」
そうすぐにバレる嘘を並べながら歩き出す。
悪いことばかりで、失敗ばかりでも
案外、優しさはあった。
「ありがと。」
「急に?
まあ、どういたしまして。」
互いに笑いながら雨の中を歩いた。
家に近づく頃には雨は止んでいた。
「雫」
ぽとり。
雨かな、上から雫が降ってきた。
でも、雨は降っていない。
上を見上げると、少女が泣いている。
綺麗だ。
泣いてる人に向かって言ってはいけないと思う。
でも、綺麗だった。この世のものでは無いもののような、そんなものを見た感覚。
空は青く、澄んでいた。
「嫌い。」
君の目の下には綺麗な悲しみと怒りに満ちた雫が何滴も浮かんでいた。
走って逃げた君の通った道には雫の跡があった。
「…ごめん。好きだったんだ。」
今度君の目に浮かんだのは喜びに満ちた雫だった
[雫]
今だに、断水で家の蛇口から水が、雫もでない。
断水が解消になりますように…
私達の雫のような声は聞こえはないのか
毎日お風呂にはいれる
毎日、当たり前に日常が遅れる
私は幸せは満ち溢れる
被災地は幸せに満ち溢れる
赤い頬
黒い瞳に潤む白
青い吐息と結露の窓辺
/お題「雫」より