『雪』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
雪
「あ、雪。雪が降ってる」
「ん?」
何か聞こえた気がして、目を開けると
「ね、起きて起きて。雪が降ってるよ」
はしゃぐキミに、体を揺さぶられる。
「わかったわかった。起きるから」
目をこすり、起き上がると、雪が降っているのが見えた。
「寒っ」
家の中だというのに、吐く息が白い。
「雪が降るくらいだしね。朝ご飯できてるし、リビングは温かいから早く行こ」
キミに腕をぐいぐいと引っ張られ
「そうだね」
今日が休みで良かった。と思いながら、寝室を後にするのだった。
【雪】
降る雪は淡い希望のようで
積もり残って懐疑心に変わる
「……お前、やっぱ肌白いよな。」
「急に何?」
体育の直前、男子更衣室。時間が少し遅いせいか、中には俺と、俺の友人の二人きり。どうせ男同士、気まずくなるような仲でもないので、もはや何も隠さず着替えていく。ストーブもついていない更衣室は極寒で、寒い寒いと騒ぎながら脱いではジャージに着替えていった。
「いや、白いなって。」
目の前で上着を羽織る彼は、男にしては随分小柄で色白。髪質もさらさらとしているのにふわふわで、黙っていれば女子に見えなくもない。
「まぁ……年中引きこもってるし……」
「たしかに。」
自分で言った癖に癪だったのか、無言で数発、横腹を殴られた。けれど、美術部の幽霊部員である彼と陸上部で長距離走をしている俺とでは圧倒的な体格差なのでほとんどダメージにはならない。
「お前のへなちょこパンチなんて効かねぇよ。」
鼻で笑いながら言うと、硬い上履きの爪先で思いっきり脛を蹴られた。弁慶の泣き所に見事入った蹴りは、俺を蹲らせる程度の威力はあった。
「い゙って!?」
「ばーか!人のことバカにするからそうなんの〜。」
今度は俺が鼻で笑われ、癪ではあったが先にやったのは俺なので何も言えず口をつぐんだ。
「でもまぁ……確かに白すぎかな〜……見るからに外出てないですーって感じ。」
自分の腕をまじまじと眺めていた彼が、突然蹲っていた俺の腕を掴んだ。
「お前は結構焼けてるよな……やっぱ陸上部だから?」
無遠慮にぺたぺたと腕を触ってくる手は華奢で、同い年の同性だとは到底思えない。
「うるせー。当たり前だろ、外で走ってんだから。」
「だよね〜……」
目の前の彼を、少し見上げる。普段は見下ろしてばかりなので、この視点は何だか新鮮だ。
「……あ、雪。」
ふと窓を見ると、外では雪が舞っていた。
「え、うそ。……うわ、マジだ!ちょ、触ってこ!」
寒いと喚いていたのはなんだったのか、彼ははしゃいで窓を開けた。寒気が急になだれ込んで、寒さに身を震わせて薄く目を開いた。
真っ白な肌の彼の手に、ふわりひらりと雪が落ちてくる。彼の手に触れた瞬間にじゅわりと溶けて水になって、その白い手を露で濡らしていった。
子供のようにはしゃぐ彼があまりに子供っぽくて、そして雪が似合いすぎて。俺はまた小さく笑って、不思議そうに、かつ何か不満げにしている彼の元に近付いていった。
テーマ:雪
ハラハラと、白いものが降ってくる。
頬に触れた瞬間、冷たさがすっと肌に沁みた。
雪だ。今年初めての。
通りで寒いと思っていた。
かじかむ手に息を吐くと、じんわりと熱が移り、白い息が空に消えた。
今年は積もるだろうか。
あれは何年前だっただろう。
カーテンを開けると、視界いっぱいに白銀世界が広がっていて、その眩しさに思わず目を細めた。
この辺りでは、雪が積もることは珍しい。
滅多にない景色にみんなではしゃぎ、外に飛び出した。雪合戦したり、雪だるまを作ったり。そして、雪が溶けて雪だるまが潰れたときは、下の子は泣いてたっけ。あの日を思い出して口元が綻ぶ。
今年ももし積もったら、また一緒に……と考えてすぐに思い返す。
子供たちは、もう中学生だ。
母親と一緒に雪遊びなんてしてくれないだろう。
いつの間にか、私の背丈も追い越した。
でも、それでも、いまだに小さな子供のように思ってしまうのは、あの日の顔が忘れられないからかもしれない。
頬と鼻の頭を真っ赤にして、小さな手で一生懸命雪を丸めていた、あの頃の顔を。
雪
冷やされ固まり落ちる。
地上では雪に感化された子どもたちが
嬉しそうに空を見上げる。
そうしてできた冬に感化された私は
赤くなった指先にそっと息をはいた。
雪って聞くと、静かで、冷たくて、でも、どこか温かい
そんなイメージが湧く
でも、今日の雪は、強風に煽られ、窓を叩き、少し危なさを感じるものだ
アニメや漫画のように、静かに降る雪は、ほとんど見たことがない
現実は、そう甘くない、そう感じた
目の前をしんしんと
音もなく降って
最初はアスファルトに触れたら溶けてたのに
どんどん降るから。
あっという間に白い世界が広がって
空気まで冷たくなってきて
お天道様に照らされたら
跡形もなく消えてしまう。
まるで嘘みたいに。
山の中の庭は、一週間でも雪は残ってて
白い塊があちこち。
もうすぐこっちも降るかもな。
ゆっくり空から降りてくる雪。伸ばした手に溶けるそれは嘘のようにあたたかい。天候によって齎されたわけではないからだ。
忌々しい。
散々投げられてきた言葉だ。
毒は少しずつ溶け、この身を蝕む。まるで雪のように。
───────
お題【雪】
書きかけ
『雪』というテーマについて…
雪はきれいだね…真っ白な世界が広がるね…
雪を触ると冷たいね…固い雪もあればさらさらの雪もあれば色々な雪があるね…
降り方も色々あるね…勢いよく降ったりさらさら降ったりするね…雪は大変な事もあるけど楽しい一面もあるね…中には水を多く含んでる雪もあったりして重たかったりするね…
『雪』っていうテーマになっていたかもね…
雪
最後だとわかっていたなら
今まで大切にしてくれてありがとうと
伝えられていただろうか。
明日が来ない。
あの日私は青く光る信号を渡っていた。
右から来た車は私を照らした後、
止まらなかった。
ギギギギギギと音を鳴らして。
止まろうとはしていたけれど
止まらなかった。
私が最後に見たのは、雪。
「雪」
……無い。私の靴が無い。下駄箱を開けた途端に大量にゴミが詰められていたので全てゴミ箱に入れたが靴が入っていなかった。
またか。そう思い色々な場所を探す。暫くして窓に反射しているのを見て、下駄箱の上に置かれていることに気付いた。
背が低い私が気付けないと思って置いたのだろう。取るのも大変で、何度もジャンプしてなんとか取れた。
靴は濡れていて、中には砂が入っていた。できる限り取ったけど、履いたらぐしょぐしょなのに加えてジャリジャリしている。最悪だ。
そのまま外に出て、とぼとぼと家に帰る。靴が気持ち悪くて足が重い。それに今日は雪の予報だから、酷く寒い。足の感覚がなくなってきた。
本当は自転車で通学しているけど、今日駐輪場をみたら無くなっていたので多分また勝手に使われたのだろう。鍵もなくなっていたし、どこかに乗り捨てられるのがオチかな。
自転車ではそこまで遠く感じないが、徒歩だとかなり時間がかかる。
ふと、目の前をちらりと何かが横切った。空を見てみると雪が降り始めていた。
「……寒いなぁ」
雪はどんどん降ってきて、じわじわと体が濡れて冷えていく。
足も痛くて、途中の公園で一度休むことにした。ベンチに座ってぼーっと空を見上げる。
ふわふわとした綿雪がどんどん積み重なっていく。明日は晴れだから、積もってるのが見れるのは今日位かな。
今日は体育もあったので疲れていて、眠くなってきた。
どうせ家に帰ってもやる事ないし、少し休憩するくらい、いいよね。
そう思いカバンを抱えて目を瞑る。直ぐに私の意識は微睡みに落ちた。
次の日、中学生の少女が公園で冷たくなった状態で発見された。靴やカバンを調べたところ、いじめと見られる痕跡があった。
足先は壊死しており、手首には自傷と見れられる傷があったため、見た目は綺麗な割に、凍死を選ぶほどの悲惨な精神状況だったと推測された。
だが、少女の顔は幸せな夢を見ているかのような、穏やかな顔をして永遠の眠りについていた。
彼女はきっと、夢の中で楽しく過ごしているのだろう。そう言って彼女の父親は涙を流していた。
誰もが彼女は望んで長い眠りについたと思ったが、彼女はまた、夢の中でも日常を繰り返すのだった。
「はぁ……またノート買い直さなきゃ」
夢の世界とも知らず、彼女は今日もいつも通りを繰り返し、解き放たれることのない地獄を彷徨い、生きていくのだった。
雪
雪が降ると寒い。
だから人間は家に帰り、暖房器具を使って温かい布団で眠る。
飼猫はこたつで丸くなって幸せだ。
だが、野良猫は暖かいねぐらはおろか、食べ物も探さなければならない。
そうしなければ死んでしまう。
野良猫の半数は春を迎えることができない。
我々には冬は単なる季節だが、野良猫には命懸けの試練だ。
なので、人目につかない猫の通り道に猫ハウスを設置した。
だが、さくら猫さん(去勢された猫)はお食事だけで入居してくれない。
残念でならない。
「私は貴方の味方だから安心して」
ぐらいは言葉が通じればいいのに…。
行動だけでは理解してもらえないもどかしさ…。
とりあえず、いい人や野良猫は生き延びるんだよ!!
※ご近所に迷惑にならない程度のご飯しか与えてません。
雪
「うう〜…寒い〜…」
職場から家までの道のり、近いからと徒歩で行くことを選んだ私は馬鹿だったのかもしれない。
「でも、お家に帰ったら甘〜いスイーツが私を待ってる!うう…早く帰ろ〜。」
寒さにくしゃみをしながらふと顔をあげると、鼻先に白い綿毛のようなものが落ちる。
「…ちべた!」
ぼんやり見ていたらその冷たさに驚く。それと同時に、これが雪であることが分かった。
確かに今日は一段と寒かった。お店のお客さんたちもいつもより厚着で口々に「寒い」と零していた。
頭に肩に降り積もっていく
体温が奪われていく
悲しみの方が冷たく感じる
涙が温かかった
生きなければと思った
雪
"雪"
冬晴れの日にひらひらと舞う風花は綺麗だよね。
雪を見るとテンションが上がるのはいくつになっても変わらない。
雪
それは、あなたのことであり、空から降る名前でもある。
寒い日は、より貴方を思い出してしまう。
テレビから聞こえる、積もっただとか、
窓から見える、はしゃぐ子供達とか、
楽しそうにしてるのを見ると、
貴方もそうしているのかな、って微笑ましくなるんだよ。
何度でも貴方を思い出せるよう、
季節にちなんだ名前にしてよかった。
今年も帰ってきてくれたね。
ありがとう。
毎日貴方のことを思っているよ。
でもね、
貴方が生まれてきてくれた
冬はもっと、もーーっと、考えたくなるんだ。
だからね、この季節に会えるのが、本当に嬉しかったよ。
「ところで」
「ところで?」
「この時期にこのお題は京阪神名古屋東京圏の都市部っぽい」
「なるほど」
「お題の選び方も都市生活者ぽい」
「なるほど」
「しかしこれは著者から見たバイアスかもしれない」
「なるほど」
「このお菓子食べて良い?」
「なるほど」
「なるほど美味しい。このアイスも食べるか」
「それはダメ」
お題『雪』
建物に入る前は冷たいを通り越して痛みさえ感じた手が、ぽかぽかと熱を発している。エスカレーターで後ろに立ち、茶色いつむじを見下ろして、右手を閉じたり開いたりした。サラサラのロングヘアが不意に振り返って微笑み、また前を向いた。そこにいるのを確かめるみたいに。
インフォメーションに掲示された天気予報によれば本日の気温は今季最低で、日中もほとんど上がらないらしい。なのに身体の中がこんなにも温かい。ショッピングモールの空調が効きすぎていただけではないだろう。
自動ドアを二度くぐると冷たい風が吹き付けた。
「あ」
こちらを見ることなく綺麗な指が天を指す。横顔は耳まで赤い。
「雪」
落ちてくる白と、もう友だちじゃなくなった隣と。とちらをも指す音だけど、明確に異なるアクセントで呼びかける。
「ユキ」
やっとこっちを見てくれた赤らんだ指先に自分のそれを重ね、そっと引いて歩き出す。
『雪』
雪
雪ィ〜〜ッ?
君なァ、まさか四国に住んでいるからって
雪が降らないとでも思っているのか〜ッ!
そんなわけがないだろう!?
まずは山だ!山!
ちょっと寒いなぁって思って外に出たら
降っているさ!雪がな!
街中だって降るときは降る!
現に正月すぎに初雪だったんだからなァ〜?
……と言うわけで
謎に包まれた四国の生態がまた一つ明るみに出た
いま、貴方はなにをしていますか。まだ、自身の大志のために足掻いているのでしょうか。それとも、遠いあの場所にお隠れになっているのですか。
まだ、帰ってはきませんか。
『また、貴女の傍に、かならず』
そう言い残してどこかへ行ってしまった貴方は、まだ、私の傍に帰ってはこないのですか。
でも、それでもいいのです。
貴方が幸せなら、それでいいのです。
今日は貴女が行ってしまったあの日と同じように、いやにゆっくりと、街が白銀に染まっています。
貴方のいる場所はどうでしょうか。
もしかしたら、私が今見ている景色と同じように、白く染まった場所にいるのかもしれませんね。
貴方がもし、帰ってこなかったら。
貴方が、ずっと遠くに隠れてしまっていたら。
そうしたら、私が貴方を見つけに行きます。
どれだけの時がかかっても、かならず貴方を見つけて、一緒に雪見酒でもしましょう。
あの言葉を、嘘にはしないでくださいね。