『雪を待つ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
今日はかなり寒い
雪が降る事が期待できそうだ
そう思いながら空を見上げる
分厚い濃い灰色の雲が
空一面に広がり
空が低い
夜になってやっと雪が降ってきた
辺り一面が白くなり
誰も歩いてない所を
わーい雪だー叫びながら
キュッキュッと音を立てて
歩く事の楽しさ
お爺ちゃんがお椀を持ってきて
車に降り積もった雪の上っ面を取り
砂糖をかけて食べる
かき氷みたいだね
私も恐る恐る一口食べる
皆が寝静まる頃
窓を開けて雪を眺める
外は静まり返り
しんしん しんしん
国語の教科書に出てくる擬音語が
頭の中に響き
明日の朝には溶けて
この世界はなくなってるんだろうな
寂しい気持ちになる
私の住む地域は
滅多に雪が降らない
天気予報で雪の予報
でも降らない事が多い
子供の頃
雪が降るのを待っていた
だから…
肌感覚や視覚
雪が降る条件
自然とデータを
自分なりに分析してた
今思い出すと
子供の頃の私って
無邪気で可愛いな
好きな事に
好奇心旺盛だったんだって
今からでも遅くないよって
教えられるんだ
[ #46. 雪を待つ ]
「冷たくなってる」
冬の部屋の中
私の体に 毛布と貴方の体が包む
雪が降る空の下なら
貴方の温もりをどう伝えてくれる?
「雪を待つ」
雪がこんなに億劫な存在になったのは、私が大人になったということなのだろうか。地面は凍って歩きにくいし、電車も遅れる。ノーマルタイヤの車は使い物にならない。
この地域で滅多に降らない雪は、子どもたちの目を輝かせる。年に数回、またとないこの機会を逃すまいと、無邪気に駆け抜ける。
億劫な気持ちの後には必ず、懐かしいあの頃の気持ちが蘇る。薄く消えかかっているあの頃の高揚感が。
周りに染まった今、何色にも染まらない雪と純粋な子供たちを、待っているのかもしれない。
雪を待っている。
冷たいけれど、キラキラしていて、世界を白く埋め尽くしてくれる雪を。
――だって、いくらなんでも12月だっていうのに暑過ぎない!?
昨夜――12月15日の夜の都心の気温を知ってる? 20℃だって。12月の夜の気温じゃないよ。実際、夜に少し出歩いていたんだけど、まるで春のような温かさだったよ。
温かいのは好き。
でも、そうじゃない。今は冬だから。冬には冬の良さがある。
外では雪が積もり、それを眺めてからこたつに潜って、夕飯の鍋を美味しく感じる。たくさんの行事も待っている。
そんな時季が来たんだよ。って、告げてくれる雪を待っている。
『雪を待つ』
寒いね、
寒いこの季節でも楽しみがある
【雪を待つ】
「雪を待つ」
いっそ全て
白く塗りつぶしてほしい
黒いトラウマも隠れるくらいに
雪を待つ
甘い香りが部屋を満たす
期待を込めて待つ子どもたちの眼差し
さあいよいよお待ちかねの最後の仕上げ
少し高い位置から「とんとんとん」と
まるで雪を降らせるように粉砂糖を丁寧にふりかける
「うわぁ〜」小さな感嘆がもれる
雪のようなお化粧を施したスイーツの出来上がり
お待たせしました
どうぞ召し上がれ!
11月、
世話になっている
ディーラーに電話をかける
北国では恒例の
タイヤ交換の予約のためだ
12月、
小さな子ども達は
ソワソワしてくる
Xmasプレゼントを
サンタに期待しているからだ
そうやって
大人も子どもも
『雪を待つ』
まー
雪を待つ
いま、12月だよね!?
20度超えの今日(昨日)、生ぬるい強風の中
コートを脱ぐのが面倒で汗をかいた。
雪が散らつく気配もない。
これで年内に雪が降ろうもんなら
身体が付いていけない。
雪はもう少し先でいい。
雪がうっすら積もったら
白うさぎでも作ろうか。
子供のころ
雪だるま作りたい
雪積もったら
雪だるま 作る
指が痺れる冷たい
でも 嬉しい
「雪を待つ」
僕は明け方の朝日を見ながら必死に景色を描いていた。
手はかじかんでる。
今にも雪が降りそうな寒い朝焼け……
専門学校で作品を提出するために僕は毎日早起きをして描いている。
でも何かが足りない……
何枚描いても何枚描いても……
絵の中に吸い込まれそうな絵を僕は描いたい
でも僕が描く絵は何かが……
眠い……とても眠い……
もう既に描く事しか考えられなくなる
無心で描いていると
痛覚も感覚が無くなっていた
極限状態で描いた僕の作品……
無事最優秀賞することが出来た
タイトル「冬を待つ」
白い雪聖夜に降ると素敵そう
私の街は
白い銀世界は無理だけど
雪国の大変さにも無縁…
だが銀世界の雪ぐらい
降り落ちたら
コンクリートに雪が積もっても
直ぐにとけ アスファルト道は
雨あがりかのようで黒く 時に水たまりが黒く薄く氷る
だが 街中にクリスマスツリーが 輝かしく大きい
飾られてさは素晴らしい感動を
くれれ 街中のツリーが
つい眺め足がとまる
そこに まして聖夜に白い雪が 舞い降りたら
ワクワクするだろう
銀世界とはならないが
雪の結晶たちが
街中に降り落ちて
ツリーをみるのが
恋人繋ぎカップル
子供連れ家族なか
少し 羨ましいになるかも
私は1人クリスマスかもだから
彼と ぎくしゃくしているから
どうなる、やらで
白い雪が舞い散るなか 街中ツリーを
1人でもかまわない 綺麗と
魅力を満喫はしたい 彼とぎくしゃくしてるならなお 手がか かじむ冬の寒さに雪がふればいい
私と君の束の間が
終わりなら 寒さで考え込んだり
しないように
やはり聖夜に
ツリー街中に
今は少し不安定な気持ちでも
1人でも切なさ抱えていても
楽しもう
やはり 雪待ち望んて
しまう クリスマスツには
雪は 降ればいい 冷たさを
受けとめ 彼とのこと 整理できる
だろう 雪の結晶がクリスマスツリーをさらに 彩り 悲しみは瞬間
綺麗とみとれている間は
忘れられるだろう
重い布団を持ち上げてひんやりとした炬燵に足を滑り込ませる。電源を入れたばかりのそれはぬくもりの記憶を裏切っていて、たびたび新鮮な気持ちになることを以前の冬ぶりに思い出させられた。すっかり温められた安心感に包まれるのも良いが、じわじわと熱で解けていくのを楽しむのも趣がある。
日によっては氷点下を記録することも増えたというのに、まだ私の住む地域は初雪を迎えていなかった。その代わり雨は降る。現に今も窓の外は細い雨粒が地を叩いていたのだが、いっそ雪になってくれやしないか。
別に雪が好きなわけではない。そもそも寒いのは嫌いだし、雪が降っていると余計寒い気がしてくるし、足元が滑るのもブーツやズボンが雪にまみれるのも嫌いだ。
ただ待っているだけ。それだけなのだ。
『雪を待つ』
雪が降る。
銀世界は綺麗だ。
迷い込んだら抜け出せないような
抜け出したくないような夢の世界
ねぇ、きみはどこに居るの
帰ってくると言ったのに
私を置いてどこに行ったの
今年も一緒にいようと約束したのに。
君は冬だけいなくなってしまう。
雪に隠れてしまっているように
どこを探してもいないの。
ねぇ、出てきてよ
ひとりだと冬はとても寒いんだよ
何もかも
覆い隠して
泥水と一緒に
溶けて流れてく
雪を待つ
もう
僕には
それしか出来ない
君というピースを
無くしてしまったから
僕の人生のパズルは
永遠に完成しない
昨日のあの子は
少しだけ
君に似ている
でも
パズルにはハマらない
君の形じゃないから
涙を拭ってくれた
その手で
また僕を抱きしめてよ
ねえ
許して
許してよ
もう僕なんか
見えてないみたいに
他の奴と
抱き合ったりしないで
お願いだよ
お願いだから
夏のジャケット
無造作に
僕をポッケに入れたまま
寒くて君は
暖かいコートに
変えてしまった
来年の夏には
僕はきっと
カラカラに乾いて
ボロボロの
屑になってる
ポッケの中で
君の
思い出の中で
「雪を待つ」
ぬくぬくとした毛布の中、既に目は覚めてはいた。
が、なかなか起きることが出来ずにいる。
冷えた空気を吸う度に鼻の奥がヒリヒリと痛む。
流石にもう冬だな、と冷えた鼻を毛布に埋めて目を閉じた。
……危なっ。 流れるように二度寝を決めようとしていたが、今日は朝から色々と用事が入っていたことを思い出して、ベッドから飛び起きる。
手早く身支度を整えてリビングへ向かうと、カーテンの隙間からチラチラと白が舞っているのが見えた。
テーマ「雪を待つ」
雪の降らない南国に雪の降る恋のうたがある。お前を待つときに何となく思い出す。歌えやしない。その土地の言葉とその土地の節で歌われるそれはどうにも難しい。だからお前を待つときに何となく思い出している。目の前にいないお前を想像のなかに描くのはそのくらい難しい、という話だ。だから消えないでくれよ、という話でもある。うたえないうたのために何となしに宙で指揮を振る。お前を待っている。お前を。
向かい合う二人、何らかの情緒的シーン——
『あ、雪……』
広げた手のひら、その指先に舞い落ちる雪。
ホワイトクリスマスだ——と微笑む二人。
……ドラマや漫画で、幾度となく見る展開。
使い古されようとその結末で締められることが多いのは、わかりやすくドラマチックだからだろう。
そして数多に使われるからには、その情景にそれ相応の需要があるから——なのだろう。
「ホワイトクリスマス? そんなものに憧れなんかないよ。雪なんて、最悪なだけじゃん」
雪国育ちの彼女は、忌々しげに顔をしかめて言い捨てた。
その日は朝から雨だった。
段差のない狭い玄関口で、彼女は傍らのシンク台を片手で掴み、コートの裾を汚さないようモスグリーンの長靴を脱ぐことに専念していた。
ブーツを模した、お洒落な長靴。
外は確かに予報通り一日中雨だったが、大雨というほどでもない。
雨予報のたびに眉をしかめて押入れからその長靴を出す彼女が、いつも不思議だった。
「なんで、長靴?」
「は? 雨でしょ、明日」
「そうだけど——長靴、履くほど?」
言って、長靴を最後に履いたのはいつだったろうかと記憶を探る。
多分、小学生ぐらい。
それも親がまとめたアルバムの写真で見ただけで、自ら用意して履いた記憶はとんとない。
「こっちの人って、長靴履かないよね。それで濡れたとか文句言うくせに。むしろそっちがなんで、なんだけど?」
なんで、って。
濡れるより、長靴履く方が面倒だし。
そもそも濡れて不快な思いをする日より、長靴を使用する機会が少ないから、だろう。
そう、彼女に述べたかどうか——記憶にない。
いつの頃からか、彼女は雨でも長靴を履かなくなった。
代わりに、濡れてダメになっても支障がない、かつオフィスでも見咎められない程度の安靴を履き。
そうして雨で靴から足まで濡れた日には、鬱陶しげに——よく聞く文句を並べていた。
何とはなしに聞き流しているうち、ふと気付けば。
彼女の置き荷物がすべてなくなって。
この六畳一間の安普請なアパートに、彼女はもう訪れなくなっていた。
彼女がこの部屋へ最後に来た日。
互いに何を喋ったかも、正確には覚えていない。
多分……、将来のことだった。
この先どうするつもりなの、とか。
親めいた問いに、机に向かったまま返事にもならない曖昧な音だけ口から発して、心で耳を塞いだのだと思う。
ああそうだ。
『少し忙しくなるから、あまり来れなくなるかも』
——そうなんだ、と頷いた。
会えなくなる、と確信した。
でも、何も言えなかった。
『じゃあね』
いつものように彼女は手を振って、振り返した。
間隔の短い街灯が、夜空を灰色に見せていた。
「ほら——あの彼女さ、地元に帰ったって」
そんな話を聞いたのは、彼女と会わなくなって幾度目かの冬だった。
チェーン店の居酒屋に集まった面々は、みんな懐かしげに破顔して、賑やかに談笑を交わしている。
「え、何で?」
思わず疑問がこぼれた。
彼女は、故郷を疎んでいたはずだった。
冬は長く厳しい、と。
毎朝どころか、ひどい時には毎時間、雪かきをしなければ暮らしが成り立たない地域だからうんざりだ、と。
「さぁ? 子供が生まれたって話だから、子育てのためじゃないかな」
ジジババの手が借りられるならその方がいいし。
子育ての環境としては、田舎の方が良いと感じちゃうんじゃない? 田舎育ちならなおさら。
推測に過ぎない、けれど不思議と説得力を感じるのは、同じ立場にある者の言だからだろう。
「——そっか……」
小さく、納得の呟きをもらすのが精一杯だった。
解散してからだったか。
我に返ったのは、赤煉瓦の駅舎を目にした時だった。
あまりな無意識の行動に、苦笑する。
彼女がこの地を去ったのは、だいぶ前。
子供を伴った引越なら、列車で去る訳がない。
街明かりで闇というには明るすぎる、濃灰色の夜空を見上げる。
……なんで、何も言わずに。
思うものの、批難する権利なんてどこにもないのは自分がよくわかっている。
だから、あるのは一抹の寂しさだけ。
最後の日、何かを——多少なりとも言えていたのなら。
結末は、変わっていたのだろうか。
夜半を過ぎても、駅前の人通りは絶えない。
曇天をはらんだような夜空でも、この時期のこの地に雪が舞い散ることは決してない。
それでも。
街路樹に身を潜めるように立ち、ひたすらに空を仰ぎ続ける。
フィクションの中ではありふれ過ぎた情景が生じないかと——
ただひたすらに、雪を待つ。
この土地で 降るはずもない雪を待ち
暖かささえ 今は苦しい
短歌
お題【雪を待つ】から発想
ずっと前に別れたあの人はもう来ることもないのに、今ある幸せすら苦しくなるそんな季節もある
もううんざりなの
なにもみたくない
すべてがいらない
そう強く願ったとき
あなたは来てくれる
唸り轟音を轟かせて
視界の全てを無慈悲に凍てつかせながら
乱れ降る冷たい叫び
現れた白魔の名前は
"ホワイト・アウト"
おねがい 私からあらゆる識別を奪って
こんな世界に惜別の情など端から無いの
早くあなたの白一色に世界を染めて頂戴
飲み込んで 閉じ込めて ただ奪ってよ
そうしてようやく安寧が齎される頃には
既に私も白の中 静寂さえ認識できない
だけどそれがきっと私が望んだ平穏なの
…なんて、瞼の裏の世界のお話。
色も音も匂いも鮮やかに濁り汚れた世界で、
あなたに似た白い息を吐き出しながら、
夢想家の少女は今日も静かにその到来を待っている。
-雪を待つ-