いす

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雪の降らない南国に雪の降る恋のうたがある。お前を待つときに何となく思い出す。歌えやしない。その土地の言葉とその土地の節で歌われるそれはどうにも難しい。だからお前を待つときに何となく思い出している。目の前にいないお前を想像のなかに描くのはそのくらい難しい、という話だ。だから消えないでくれよ、という話でもある。うたえないうたのために何となしに宙で指揮を振る。お前を待っている。お前を。

12/15/2023, 6:06:00 PM