『雪を待つ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
雪を待つ
寒いのはイヤだと言いながら、雪を待つ
どうせ寒いなら、どうせならと雪を待つ
毎年雪が積もるとは限らないこの地では
うっすら雪景色になると、うっすら喜び
辺り一面の雪景色になると、家族に速報
写真を必ず撮り、小さくても雪だるまを必ず作る
土の混じっていない真っ白の雪だるまを作っては
また写真を撮る
そんなレア景色を時々見たくて、雪を待つ
雪を待つ
ってどうゆう状況??
「今夜は0℃下回るってさ」
「…って、雨!?」
「こんな寒いんだから雪にしとけよ!」
ならんだろ
冬と言ったら?
この問いには必ずと言っていいほど“雪”が入ると思う。
なんで?そう聞かれても分からない。
いつの間にか
冬=雪なんて式ができていた。
ニュースで流れる各地方の降雪量の放送。
やっぱりここは雪が降らないのか...。
降雪量予想で“0”この数字を見て思う。
他の地域の降雪量の数字を見て
「いいなぁ」
なんて声が出るほど私は雪が好き。
こっちなんて初雪の“は”の字も知らないかのように
冷たい風が私に矢のように突き刺さるだけなのに。
大人になったら雪は迷惑に感じるなんて
父や母は言ってたけど,
やっぱり嘘だったんだ。
だって現に私が好きだから。
いつになってもきっと私は雪が好き。
いつになってもきっと私は雪を待ってる。
私と雪を一緒に待ってくれる人も
探しに行っていいですか?
─────『雪を待つ』
雪を待つ
雪の良いところは、頑張っている気にさせてくれるからだ。実際みんな頑張っている。けれど雪の日は、自分で自分の頑張りを素直に受け入れられる気がするのだ。
いつもの通学路も雪が積もればたくさんの時間をかけて歩く。目的地につけばなんだか大きなことをやりとげたような達成感と暖房の温かい空気が迎えて冷えた頬と濡れたコートを包む。家に帰れば、疲れでたくさんであとはもう休むだけだと、体が自然とささやいて、美味しいいつもより少し贅沢なごはんを食べたくなって自分を甘やかせる。雪かきのあとはゆっくりお昼寝することなんかも不思議と許せてしまう。
雪の日は自分を大事にできる日なのだ。
雪は日常にちょっとばかりの試練とご褒美をくれる。辛さの向こうに幸せを隠してるわさびみたいに。悪いことばかりじゃない。
「最近寒いのに、雪とか全然降んないなぁ」
私は窓から外を見ながら、ため息をつく。
雪、という単語を聞いただけで昨日のように思い出せる昔の事。
大好きだった男の子と雪の日に遊ぶ約束をつけたら、同じ手袋をつけてきてて、キュンとした事がある。
今でこそ美談のように語れるが、昔は恥ずかしくて2人だけの秘密だった。
その手袋は今でもボロっちくても持ってるし、思い出に浸れる。
「あぁ、早く雪降らないかなぁ…」
雪を待つ
雪を待つ?
ロッジで待つクリスマスならね
部屋から一歩も出ず
窓辺で眺めていられるなら
そりゃぁ雪はすてき
でも現実はね
雪掻きだの 交通渋滞の中、出勤だの
ロマンティックからはだいぶ遠い
待っても待たなくても
地上でどう思われようが
ただただ 雪は下りてくる
夏の暑さの
記憶みたいに
君が
日々
薄れて行く
時薬に浸り
迎えた冬
いつしか
涙にも飽きられ
無に近づく感情に
心地良ささえ覚えて
あれは夏の夢
知らぬ間に過ぎた
季節は空白のまま
今
二人の思い出
一つもない
夢凍らせる
雪を待つ
「雪を待つ」
ぽとりと、手に白いものが落ちる
それは僕から熱を奪って、溶けて消えていった
冬は嫌いだ
寒いし、謎に学校で長距離走らされるし
でも、
冬になると、君が無邪気に笑いながら僕に手を降ってくれる、
そんな君のせいで、僕は冬が待ち遠しくなった
待ち遠しくなったのに
君は風のように過ぎ去っていってしまった
僕の心を奪って
黄泉の国に行ってしまった君を
無意味ながらも待ち続ける
雪よ
僕の思い出を持ち去っておくれ
愛しいあの人を思い出すと
心が苦しくなるのだから
この街の冬は遠い昔に何者かに盗まれたらしい。
僕が生まれたこの街はすこし変わっているらしい。暖かな春が来たらだんだん暑くなり、桃色は緑色に変わって空の青が深い夏が来る。最後には肌寒くなって緑色は紅色になる。そしてまた春が来る。
僕は物心ついた時からルースおじさんと二人暮しだった。綺麗好きで博識でいつも身なりが整っている紳士的で優しい人だ。
僕はいつも通りルースおじさんと僕の分の朝食を作ってテーブルに並べる。おじさんは朝から窓際で読書に耽っていた。
「ルースおじさん、朝食にしよう」
「わかったよ。ありがとう、ディア」
彼はいつもは自分の書斎で本を読んでいる。だけど、毎年この季節、秋が終わり、1年が終わりを迎えるこの季節は窓際にずっといる。
「今年も冬ってやつを待つの?」
「ああ、今年こそは帰ってくるかもしれないからね」
ルース おじさんは毎年こう言う。だが、僕は冬を見た事は未だに1度もない。だが、何度も話を聞いた事があるからどんなものかはだいたい知っている。
「ゆき、だっけ。ルースおじさんが好きなの」
「そう、雪だ。もう一度でいいから見たいんだ。」
僕には雪の美しさが分からないけれど、冬だけにある特別なものらしい。ルースおじさんは何年も冬を、雪を待っている。
「冬を盗もうだなんてなんて傲慢な者がいたものだ」
「今年は犯人が見つかるといいね」
毎年恒例の会話。だが、僕もルースおじさんとゆきを見てみたいと心底思う。
はぁっ。
心の内に篭っていた諸々を発散するように外へ吐き出した二酸化炭素は、ほんの一瞬可視化されては夢のように消えた。
未だむき出しになっている硬いコンクリートをコツコツ踏みしめながら、空を見上げると、なんとも言えないくすんだ雪色。
もし去年の私なら、「なんと辛気臭いのだろう」と心の貧しさに重ねただろう。
でも、今年は少し違う。
この辛気臭い空の色が告げている。
きっともうすぐだ。
今年は忙しいんだから!
お題 雪を待つ
冬来なば
富士に降り積む
こともなく
如幻の高嶺に
雪は溶け散る
冬が来なければ、富士の山のように輝いている貴方に逢うことはなかったでしょう。
しかし貴方という高嶺は、今までの思い出や存在が全て幻だったかの様に私の前から消えてしまった。
叶うはずのないと分かっていながらも、ただ膨らむばかりの私の恋は、雪の様に儚く溶けてしまった。
冬がなければ貴方に恋をすることも、恋で悲しむこともなかったのに…。
短い小説 『イルミネーション』
街中はすっかり夜に包まれ、ちらほらと街灯がついていた。
駅前では沢山のあらゆる光が目映く光り続けているが、駅から少し離れたこの町はどうしても光が少なくなってしまう。
深夜。住民が寝静まっている町を、一人の影がうろうろ歩き回っていた。彼は雷夢という男だ。
雷夢はとある能力を持っていた。
町の民家や道路、植え込み等をまじまじと見て、悲しくなった。深夜の町は改めて暗く寒いと感じた。
雷夢は左右を見て誰もいないことを確認し、両手を広げた。するとみるみるうちに民家やそれを囲む塀、木々にイルミネーションが出来上がった。彼の能力で町は一気に明るくなった。
自分でも思わぬ結果になり、ちょっとやりすぎたかと戸惑った。と同時にどこかのドアが開く音がした。雷夢は急いでその場を離れた。
ドアから出てきたのは小さい子供だった。眠れなく、外の異変に気づいたのか、外に出たようだ。
子供は明るくなった町に一瞬だけ、思わず目を瞑った。もう一度目を開け、町がイルミネーションで絶景になっていることが分かり絶句した。
「キレイ…」その子は、イルミネーションを見たことがなかった。見たこともない景色に感動し、素晴らしい日となった。
このイルミネーションは、その後も町全体を輝かせてくれることとなった。
私の恋はどんどん溶けていく。
気持ちも薄れてきて、だんだん好きが分からなくなっていく。
雪を持つと雪は数秒で溶けてしまう。
私の恋心のように
雪を待つ
雪は綺麗だ
潔い
清潔感のある白衣のように高貴で
冷たくて痛いのも
おいそれと近づけない感じも良いよね。
昔、雪を被った富士山みたいな人が好きだったな。
雪を被るとみんな特別になる。
だからみんな雪を待つのか。
今日の午後からこっちには雪が降るらしいですよ。
貴方の所には雪が降りますか?私はそう呟き、遠距離恋愛中の彼に連絡を入れた。
遠距離恋愛中の2人 ___ 。
エイレネへ
こんなにも焦がれることはないでしょう。
夜の帷が長くなった時から
端から溶けてはつもりを繰り返し
大地を凍てつかせ、大気を眠らせ、動物達は営みを辞めさせる
けれど、まだ満足していない
象徴とも言えるモノはこちらを覗きもしないのです。
いつまでも待っています。
だって私はプロセルピナ
祝福してください。新たな生命が芽吹くのを
#雪を待つ
雪積もって
あなたのみちが閉ざされる
ああ
あなたが旅立った日なのに
雪は好きな方だ。
けど、雪を「まだかな〜」って待つ時
少し辛くなる、今年もう終わるのか…ってね。
私は知っている。
あなたが誰よりもお人好しで、私のことを誰よりも大切に思ってくれているということを。
だからきっと、雪が降れば私のことを心配して会いに来てくれる。
だから私は何時間も雪を待つ。
たとえあなたがこの世に存在していなくても。
雪を待つ。
もう少しだけ。あと一年、二年、三年と待ち続けた毎日が、やっと終わるかもしれない。大海原で海賊船に出会うより、学校で宇宙人と会話するより、珍しいものが見れるかもしれない。雪が降ったのは何年前の事だっただろう。友達と風邪をひくまで転げ回り、雪だるまを転がして作った記憶が、微かな熱と共に残っている。
本を開けば、テレビをつければ、スマホを開けば、新聞を読めば、今日はどこかで降っている。まるで空き家を荒らす盗人のように、ウインカーを出さない運転手のように、あなたの生活を脅かしているかもしれない。だけど、私は好きだ。滅多に降らない君は、懐かしい思い出を呼び起こし、目を細めてくれる。自分の肩幅を取り戻し、堂々とできる日まで。雪を待つ。