雪を待つ。
もう少しだけ。あと一年、二年、三年と待ち続けた毎日が、やっと終わるかもしれない。大海原で海賊船に出会うより、学校で宇宙人と会話するより、珍しいものが見れるかもしれない。雪が降ったのは何年前の事だっただろう。友達と風邪をひくまで転げ回り、雪だるまを転がして作った記憶が、微かな熱と共に残っている。
本を開けば、テレビをつければ、スマホを開けば、新聞を読めば、今日はどこかで降っている。まるで空き家を荒らす盗人のように、ウインカーを出さない運転手のように、あなたの生活を脅かしているかもしれない。だけど、私は好きだ。滅多に降らない君は、懐かしい思い出を呼び起こし、目を細めてくれる。自分の肩幅を取り戻し、堂々とできる日まで。雪を待つ。
12/15/2022, 3:23:36 PM