『雨に佇む』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
日本人はおかしい
日本人はおかしい自分も日本人だけどちゃんと並ぶし親切だ
雨の中
道祖神が
ひっそりと道端に佇んでいる
日頃道行く人の
右往左往を
どんな思いで見ているのだろう
しっかりとした足取り
そぞろ歩き
しゃがむ子
勇み足
皆通り過ぎゆく中で
雨の降る中
1人の小学生が
道祖神の前に立ち止まる
傘を肩に掛け
手を合わせペコリとお辞儀をすると
たったか歩いて行った
道祖神は
今日もそこに
雨に佇む、濡れた髪から雫が落ちて
アスファルトを濡らす。
まぁ、それ以前に雨で濡れているが、
皆んなが不思議そうで迷惑そうな目で私を見つめる。
(見せもんじゃねぇーんだよ)って言っても無駄だから
路地裏で身を潜めた。
あったかい家であったかい家族に囲まれてあったかい
ご飯を食べるそしてあったかい布団で明日を迎える。
「はっ、」目が覚める
「しょーもない夢見た。」
明日こそ認めてもらえるように親に必死にしがみつこう
❧
雨に佇む一人
雨音を聞きながら
世界で一人のような気がしながら
家路に向かう
【 雨に佇む 】
雨の中を泳ぐ魚
湖のなかにかかる虹
しとしとと涼やかに
鮮やかに咲き誇る蒼い花
浮かぶ月は雨に泣き
わたしはこの場所を離れがたく思う
思いがけず一人旅。
台風による大雨。
雨に佇む自分。
なんだかこれが楽しい。
幸せ。
「雨に佇む」とかけまして
「きしたかの高野の髪の毛」と解きます。
その心は「雨水/薄い」です。
【雨に佇む】
冷たい雨が全身を濡らす。校舎から同級生達が心配そうにこちらを見ているが豪雨に落雷。彼方はそうそう近寄れず、此方は様子がろくに見えなきゃ声なんて聞こえもしない。そんな危険な天気の中、どうして突っ立っているのかって?希死念慮に近しいもの。こうしている時にだけ素になれる。風邪を拗らせて死んでしまえばいい、雷に打たれて死んでしまえばいい、体温低下で死んでしまえばいい。自暴自棄。どうしようもない悲しみを抱えている。だが、泣きたくても泣けない。だから、涙の表現に用いられる雨に打たれる事で擬似的に泣いているともいえる。正気じゃない。マトモじゃない。分かってる。でも、やめられない。寒さで体力が減っていくが気持ちがほんの少しだけ楽になるんだ。割に合っているか。そう問われると効率は最悪だと答えられる。この感情を気象で隠さずに表に出せたら救われるのに。
雨に佇む
傘を
持たず
雨に佇む
しばらく
待って
駆け出した
なな🐶
2024年8月27日2012
「雨に佇む」
私はこれに溶けてしまいそうだ。
なにもできずに。
【#83】
雨に佇む
泣いてるのがばれないように、
傘を差さずに立ちすくむ
雨に佇む
漢字読めてよかったって思いました。
雨に佇む
雨に佇む
ぽつりぽつりと
降ってきて
だからしばらく
ここで雨宿り
あなたも
ぽつりぽつりと
話し出す
思い出した様に
雨は降る
だからしばらく
休憩さ
雨に佇む
ずっとずっと
降っている
どうしたら止むのか
わからないけど
焦らなくても
大丈夫
雨に佇む
みんなが忙しなく傘をさして帰っていく。傘がないことが可哀想だと思わないで欲しい。ぽつぽつと可愛らしく落ちていくあまつぶ。今日は小学生みたいなんだ。
#027 「今いる場所がどこかを知らない」
雨の音が聞こえた気がして顔を上げると、窓の外が白く煙るほどの降りようが目に入った。
「最近はこんな降り方ばかりね」
四人掛けの席を一人で占領している女が言う。
曖昧に応じ、追加のコーヒーをテーブルに置いた。カウンターの向こうの店主と目が合う。
「傘、ありますよ。必要でしたら」
「んー……まだ、いい」
店主の提案に、女は不機嫌そうに応じた。
カラカラカラン、と小気味のいい鐘の音を立てながら扉が開く。
飛び込むように入ってきた男はずぶ濡れだった。
「バーカ。遅い」
いつの間にか席を立っていた女はどこからか取り出したタオルを男に向かって投げつける。
男がぶつぶつと小声で何かを応える間にタオルは重い真紅に染まった。
「……来なくてもよかったのに」
つぶやく声を残し、女は待ち人とともに店を出ていく。
いくらか小降りになった雨空の下、人待ち風情の人影が見えた。
軒先に身を寄せているようだが、きっと濡れてしまうだろう。
店内に招いてよいものか、店主を振り返る。店主はほんの一瞬、思案顔を見せてから緩く首を振った。
店の前にはバス停があるが屋根がなく、雨の日には軒先に寄る人影をよく見かける。『ご自由にどうぞ』と書かれた傘を使って去っていく者もあれば、ぼんやりと雨が上がるのを待つ者もいる。
ある日、軒先で雨宿りをしていた老婆は、どうやら子供連れだった。
いつものように店主を振り返り、意向を尋ねる。店主は首をひねり、まぁ、いいでしょうと客を招き入れる。
長靴を履いた子供は広い店内が気に入ったらしく、ドタバタと転がるように走り回った。老婆は席に座って水をすすっている。店主は苦笑いをするばかりで何も言わない。
やがて雨の向こうにカラフルな色の傘が見えた。どうやら迎えが来たようだ。
長靴の子供は老婆の席まで転がるように駆け、一緒に行こうと腕を引っ張る。老婆は困ったような顔で首を振る。
どうやら間違ってついてきてしまったようだ。
店主が珍しくカウンターを出て老婆と子供に話しかける。
子供は顔をくしゃくしゃに歪めてひと泣きした後、店を出て鮮やかな傘とともに引き返していった。
窓越しに子供を見送り、しばらくの時間をそこで過ごしてから老婆は帰るべき場所へと帰っていく。
「君もね、忘れないうちに帰りなさいよ」
不意に店主に水を向けられ、しばらく考えた。
「帰るのは別にいいんすけど。ここ、バイト代もらえるんすか」
考えた末に尋ねると、店主はケラケラ笑い出す。
長く降り続いた雨が止んだようで、窓越しに爽やかな陽光が注いでいるのが見えた。
どうやら傘を借りる必要はなさそうだ。
お題/雨に佇む
2023.08.29/こどー
真夏のジリジリと焼けるような暑さ
汗💦の流れを消したくて
天に祈る雨
そのプレゼントの雨は
心地良く
しばらく 雨に佇む
消してしまいたいものも
天から地中へと
流れて行く
明日から
真新しい自分で
生きていける気がした
お題『向かい合わせ』
正面に座る人物。それは、自分と瓜二つの見た目をしている。
もう何度もこうして向き合っているので、今更それに驚くことはない。
そして今日もまた、いつものように問いかける。
「ねぇ。俺は、どうしたらいい?」
問いかければ、彼はいつでも答えをくれる。
「もう辞めなよ。お前には合っていないよ」
仕事を続けるか辞めるか悩んだ時。彼が合っていないと言ったから、辞めることを選んだ。
「ねぇ。次はどうしたらいい?」
転職先を決められなくて、また彼に問いかけた。
「お前なら、こっちがいいよ」
そうすれば、向かいに座る彼がまた答えてくれる。
彼がそう言ったから、新しい職場をそこに決めた。
このやり取りを始めたのがいつからなのかは、分からない。思い返せばかなり幼い頃から、いつも彼に答えを求めていた気がする。
自分では、何も決められないから。
――どうしたらいい?どっちがいい?これは正しい?何をしよう?あれは綺麗?美しい?美味しい?好き?嫌い?
何もかもを、彼に聞いて、彼に決めてもらってきた。
だって、彼は正しいから。彼に決めてもらえば、何もかもが上手くいく。自分で決めるより、ずっといい。
だからまた、問いかける。
「ねぇ。俺は、どうしたらいい?」
いつものように微笑んで、答えをくれる。
「もう、終わりにしなよ」
「どうやって?」
「最期くらいは自分で。でも、そうだなぁ。綺麗な場所がいいよね」
彼がそう決めたなら、もう、終わりにしてしまおう。
その為に、綺麗な場所を探さなければ。
あの山は、綺麗?この川は?あそこは?ここは?
……海は、どうだろう?
「うん、いいんじゃない」
向かいに座る彼はいつものように、微笑んで答えた。
―END―
『雨に佇む』
私のおじいちゃんは小さな宿を営んでいる。田舎町の古民家宿なので、お客さんは大抵海外からの観光客だ。だからこそ、明らかに日本人で高校生くらいの年齢なのに、もう一週間もうちに泊まり続けている彼のことがとても気になって仕方無いのだ。
彼がこの宿に滞在した一番の理由は私のおじいちゃんのようで、毎晩二人で楽しそうに何かを話していた。二人の会話にはよく「旅人」というワードが出てくるので、私は勝手に彼のことを旅人さんと呼んでいる。旅人さんは、私がその呼び方をする度に少し恥ずかしそうに笑うのだ。そんな彼に好意を寄せている訳ではないが、彼のチェックアウトが寂しくないと言ったら嘘になる。
朝、旅人さんが一階のロビーに降りてきた。「おはよ」と微笑む彼も今日で最後か、と早速泣きたくなるが、私も精一杯の笑顔を作っておはようございますと返す。
「旅人さんは何時頃出発するんですか」
「んー、もう朝ごはんは外で食べようかなって思ってる」
つまり、もうすぐに出るのか…。やっぱり寂しい。
旅人さんは天気を確認しに外に出て行った。それと同時に上の階からおじいちゃんが降りてくる。おじいちゃんは私の気持ちに気付いているようで、優しく頭を撫でてくれる。
旅人さんが戻ってきた。いつもさらさらな黒い髪が、今は何故か少し濡れている。彼は少し困ったような笑みを浮かべておじいちゃんに一言、
「今日の朝ごはんって何ですか」と言う。その意味を理解しようと必死に考える私の耳に、ザーッと雨の音が聴こえてくる。そういえば、旅人さんはカブで旅しているんだっけ。もしかして雨が降っていたら旅人さんは旅出来ない、のかな。
希望に胸を膨らませて旅人さんの方を見る。七日間でもう見慣れた旅人さんの優しい笑顔がそこにはあった。
「あと一日だけ、よろしくね」
雨に佇む
「私、雨嫌いなんですよ」
昇降口のガラス戸を見つめたまま、彼女は大きめの声で言った。ガラスの向こう、校門までの道は雨で毛羽立っていて、雨音は辺りの物音をかき消しモノトーンに曇らせていた。こちらも声をやや張り上げる。
「そういう人、珍しくないと思うよ。胸を張っていい」
「なぜ嫌いだと思います?」
こちらの返答を意に介さず、問いを重ねる。
「濡れるからとかじゃないのか」
「傘を持ち歩くのが嫌だからですよ」
「傘忘れたのか」
「忘れたのではないです。40パーに賭けたんです」
「将来ギャンブルとかしないほうがいいよ」
彼女の反論を予期するが、何も言わない。それからふたりとも微動だにせず、雨に視線を流し続けた。彼女は痺れを切らしたように振り返った。
「傘、持ってます?」
「持ってると思う?」
「からかってるんでしょう」
「見てみる?」
リュックサックを下ろし、口を大きく開いて見せてやると、彼女は目を大きく開いて、肩を大袈裟に下げた。溜息は雨音に溶けて消える。
「困りましたね」
再び外を物憂げに見やる。雨は一向に止む気配はない。
「今日はありがとうございました」
しばしの沈黙ののち、彼女は出し抜けにそう言った。「受験期なのに、夏休みの最中に、わざわざ」
「いやいや、息抜きになったし良かったよ」しかし、と彼女が美術室で描いていた絵を思い浮かべる。「モデルとしては役者不足だったみたいだね。結局全く違う絵を描いてたし」
「いえあれでいいんです」被せるように大声で言って、それから小声で続ける。「概念として必要だったんです」
概念、とわざとらしく呟き、分からない風に首を傾げる。
「ところで先輩は、夏の予定はどんな感じですか?まだあと半分くらいありますけど」
「んー、だいたい勉強漬けかな」
「私は引き続き、大会に出品する絵を描くつもりです」
お互い頑張りましょう、と拳を突き上げるので、拳をつくってぶつける。
雨足はいっそう強くなっていた。断続的に風が吹き、ガラス戸ががたがたと揺れる。
「そういえばなんですけど」彼女は素っ頓狂な調子で言った。「3日後に花火大会がありますよね」
「あるね」
「あの、ですね。その」
言い淀み、目を泳がせる。胸の前で右手を握りしめ、顔を上げる。
「もし」
「そういえばその日、世話になっていた近所の姉さんが帰ってくるから、迎えついでに花火を見に行く予定なんだよ」
彼女は目をしばたたいた。またしばたたいて、笑った。
「私も友だちと行く約束をしていたんですよ。会場で会うかもしれないですね」
彼女は外へ向き直った。相変わらずの大雨だった。
「見たい配信があったので、そろそろ私帰ります」
ガラス戸に駆け寄り、手をかけて振り返る。
「今日は本当にありがとうございました」
ガラス戸を開け放つと、雨音が濁流となって流れ込んできた。ワンテンポ遅れて駆け寄って、戸の外に顔を出すと、彼女はでたらめに腕を振って、みるみる小さくなっていった。
追いかけようとして、立ち止まった。美術室で見た赤と黒の抽象画が脳裏に浮かんだ。
濡れても別にかまわなかった。しかし雨垂れの外に踏み出せない自分がいた。
2023/08/28
降りしきる雨の中。
しょんもりと佇む君の背中は、いつもの何倍も小さく見えて。
可愛いな…って思ってしまった。
ちょっと惚けてしまってから、慌てて私は持っていた傘を、君の上にかざした。
「…睦月さん!?」
「水無月くん。君傘忘れたんでしょう」
貸したげるよ、とそのまま傘を握られようとしたら、慌てて止められた。
「いや、いやいやいや、流石に申し訳ないですって」
「別にいいし。もってけドロボー」
「ドロ…とにかく、僕は大丈夫ですから」
それからどうしたんだっけ。そうそう、遠慮する僕を、あなたが無理やり傘の中に引き込んで、それから…
お礼にと、喫茶店で奢った君好みの硬めのプリン。掠れたレコードの音色が、無言の僕たちの間を和ませてくれた。ふと窓の外を見れば、そこは雨上がりの街。
「雨…上がり、ましたね」
雨粒のカーテンが開いて、窓ガラスに映ったあなたの瞳が、とても綺麗だった。
2人を繋いだ雨は、早々に降り止んだけど。こうして今は、幸せの虹が、2人の間で輝いている。
「雨に佇む」