『鐘の音』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
この街に鐘の音がひびくとき、きみは呼吸をひとつ、笑って。
No.6【鐘の音】
鐘の音
ゴーンゴーンと大晦日に、除夜の鐘がなると、鐘の音が心にずっしりと今年も一年終わる、新しい年の始まりだと響いてくる。
近年は、除夜の鐘の音を聞いてない気がする。コロナが流行ったころからかな。
母方の実家の隣が、教会だった。子供のころ、鐘の音を聞いていた気がする。
鐘の音のことを考えてると、昔を思い出してきた。小学生の時、お盆に、母方の実家で親戚たちとすごした。海岸が近かったので、夜、親戚たちと、浜辺にチョロチョロ蟹をとりに行った。小さい蟹が沢山いて、追っかけ回して、網でとる。沢山とれた。暗い夜に、ワクワク、楽しかったし、持って帰ったら、祖母がバター焼きにしてくれて、美味しかった。
しかし、私が、もっと、記憶に残って忘れられないこと、それは、チョロチョロ蟹を取った帰り道、沢山の流れ星をみた。ちょうど、お盆は、ペルセウス座流星群が沢山見れる時期。ただの、流れ星ではない。流れ星が流れる時、シューンシューンというような高い音がした。何回も何回も流れ星が流れて、流れる時、音がした。子供ながらに、流れ星って、音がするんだ、キレイで、高いキレイな音も聞こえて、迫力もあるなぁと思った。
大人になって、流れ星は、音はしないとわかった。
無音で、夜空を流れる流れ星しか見ない。
子供の時、あの日見た、音のする流れ星は、いったい何だったのか?💫
今でも思い出して、不思議に思う。
鐘の音がする。
今年がしぬんだ。
追悼のお蕎麦を食べながら、更にこんな時間にお餅までつついてしまう悪い子の私にも、明日はやってくる。
そこにもう「今年」はいないけれど。
欠伸を噛んで、知らない芸人がカウントダウンしているTVを消して、炬燵に肩まで潜り込んだ。
歯磨きしてないし、電気つけっぱなしだし、食べたばっかりだし、そのお皿は出しっぱなしだ。
でもなんだか、なんだか。
今年の死に際をゆったり迎えたくて。
なんだかんだありましたが、お前はいいやつだったよ。
微睡みの真ん中でそんなことを思ったりして。
今年最後の自分は詩人のようだと少し笑った。
さようなら、バイバイ。
鐘が鳴ると、つい
「なんの鐘だろう」
「どんな意味だろう」
「きっと何かの合図だ」
と思ってしまうけど、
人間が意味もなく叫びたくなる時があるように、
鐘だって無意味に鳴ってみたい時があるかもしれないよね
だから、無意味な鐘の音があってもいいと思うんだ
【お題:鐘の音】
─── 鐘の音 ───
この街で生まれ住んでいる僕達には
特別でも何でもない
街の真ん中にある大きくて真っ白な大聖堂
そこにある鐘を観光客は皆口を揃えて褒める
ただの鐘なのにね
なんなら少しうるさいくらいだ
鐘には一応歴史があって
何百年も前に当時の国王が
愛する王妃に贈った品だとか
そんな昔の鐘が今でも現役なのは
すごい事なんだろうな
普段の手入れの賜物だろうが
街の人々は自分達の生活で忙しい
意識しないと手入れの事なんて頭にないだろう
だって鐘は僕達の生活の一部なのだから
それが無くなるだなんて考えた事もなかった
鐘とチャイムと鈴の違いを言語化出来ないので今日のテーマは諦めようかと思った。
チャイムが鐘のような音がする楽器なのはわかる。
なんなら演奏したこともある。
ただ文章を読むとどれを指し示しているのか曖昧なものも多い気がする。
以前住んでいた町は夕方5時のチャイムがJohn LennonのImagineをピアノで演奏したもので、
とても気に入っていた。
が、これはもうチャイムでも鐘でもない。
でも夕方5時のピアノとは言わない気がする。
夕方5時のチャイムのほうが私はしっくりくる。
しかしチャイムがピアノなのである。
そして今日のテーマは鐘なのでチャイムではない。
私はなにがなんだかわからなくなった。
鐘の音、周りに響く
闇の中に消えて亡くなりたい夜
朝になったらきれいな空に消えてなくなりたい
嗚呼、つらい日々、早く終わればいいのに
(本当)
2024年8月5日23:09
彼との結婚式は、教会で行った。お互いに晴れ着を纏い、二人を祝福する鐘の音が鳴り響く。お互いに永遠の愛を誓うために、私たちは並んで神父の前まで歩いた。
「あなたたちは、いついかなるときも、お互いに愛し合うことを誓いますか?」
「誓います!」
神父の問いに対して、二人の声が重なった。たくさんの人たちが私たちを祝福し、私も大好きな彼と結ばれる日が来てとても幸せな気分だ。
「それでは、誓いのキスを」
その言葉を聞いた後、彼が私のベールを上げた。お互いに見つめ合い、ドキドキしながらもゆっくりと唇を重ねた。
テーマ「鐘の音」
次の日に一本の電話で私は起きた。
朝頃だった。
寝ぼけていた頭も、あの彼氏のお母さんの一言で冷めてしまった。
「電車の脱線事故で彼氏が亡くなってしまった。」との事を聞いてしまってからね。
「脱線事故…!?!?」
「そうなの、あの子が最後に会っていたのが雪奈ちゃんなの。私達知っていたから、出来るだけ早く伝えないとって思ってね…。」
私は思わず、その場に膝から崩れ落ちてしまった。
「…ごめんなさい…、私がもっと注意を払っていれば…こんな事にはならなかったのかも知れないのに……。」
後日、彼氏の両親に会った時に私は謝り続けた。
「そんなに謝らないで、雪奈ちゃん。貴方だけの責任じゃ無いわ。私達にも責任はあるの。」
「だから、ほら、顔を上げなさい。大丈夫。そんなに自分を責めないでくれ。」
彼氏の両親の温かさが唯一の、私の救いだった。
だけど私はその日から、私は生きているという心地がしなかった。
これは夢なんじゃないかって、毎日のように思い込んでいた。
きっと、また彼氏からメールが届くだろう、電話もきっと出てくれるだろうとずっと信じていた。
今日という日の喜びを祝福して、鐘を鳴らそう。
離れ離れになっていた、ジョバンニとカムパネルラが再会できたこの良き日に。
再会出来た二人は、これから、
離れ離れの間にそれぞれが見つけた「ほんとうのさいわい」について語り合うのだろう。
何と心温まる光景だろうか。
ここで私の文章を読んでいる皆様は「銀河鉄道の夜」を読んだことがあるだろうか。
私は中学生の時に読んだのだが、ラストの一文がどうも腑に落ちなかった。
あれほど二人で「ほんとうのさいわい」を見つけようと言い合っていたのに、何故ジョバンニはカムパネルラを諦めてしまうのかと。
幼心なりに友情とは…と、ある種虚無のような感情を抱いたのを覚えている。
その後、大人になってから漫画版の銀河鉄道の夜を読む機会に恵まれた。
子供向けに編纂されたその本を読み、
当時の自分の浅はかさを思い知った。
「ほんとうのさいわい」を見つける為には、
今できることを精一杯に行うこと。
当時の私が腑に落ちなかったラストは、ジョバンニが今の自分にできることを選択し、実行するところで物語が終わっていく。
ジョバンニは「ほんとうのさいわい」の為に動いていたのだ。
カムパネルラと交わした「ほんとうのさいわい」を見つける為に──。
もう出会えないと思っていた二人は再会し、笑顔を浮かべている。
もう、その手を離してはいけない。
今度こそ二人で「ほんとうのさいわい」を見つけてほしい。
祝福の鐘を鳴らそう。
二人の「再会」に。
祝福の鐘を鳴らそう。
二人の「さいわい」が永遠に続くように。
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鐘の音
ライオンズゲートが開かれている今。
願いは叶うのだと、宇宙も歌っている。
「鐘の音」#16
ごおん、と鐘の音が鳴る。
明日から愛しい君との生活が始まる。
君の苗字が僕の苗字に変わっているのを見るとどこか嬉しくなる。
そんな僕らの幸せを祝うように、遠く、また遠くまで聞こえる音量で鐘を3回響きわたらせた。
この鐘の音は幸せの音だ。
「鐘のおと、か、鐘のね」
『おと』だとお寺の鐘の音。(他の人は『除夜の鐘』って言っているけど、それって何?)
『ね』だと教会の鐘の音。
いつの間にか、そう連想してしまっている私に苦笑いが漏れる。
その概念は、どうすれば崩せる?
お寺の鐘が鳴った。思考が鐘の音に侵食される。
鐘が鳴ると、静寂が訪れるように感じてしまうのはなぜかしら。
お題 鐘の音
------------------ 鐘の音 -----------✎
鳴ったら何処へ 行けばいい?
おうちに帰れば いいかしら
それが嫌だと言ったなら?
貴方はどんな顔するかしら
自由が怖い?
怖いけど飛びたい?
飛んで飛んでずうっと飛んで
そうねそしたら
最期は烏に なりたいわ
十二時の鐘と同時にきっと私は消える。
そう言った彼女の儚げな笑顔に、
どこかの童話みだいだ、と思った。
どうして、どうしてそんなことが分かるというの。
彼女の心臓の音が伝わってくる。
彼女はこうして今も生きていて、
それが一生続けばいいのにとか思ってしまった。
確かに未来に保証なんてないから、
今を大切に噛みしめた。
…ああ、これで何人目だ。
どうしてどうして。
僕と関わった人は皆この世界から消えていく。
彼女は違うと思ったのに。
美しい鐘の音と引き換えに
気づけば僕はまたひとりになった。
─鐘の音─ #24
俺の兄は
いつも暇と言うくせに
課題を提出期限ギリギリに終わらせたり
家に帰ったらすぐにアホ面になって
弾けもしない俺のギターを持ちながら、大声で失恋ソングを歌うくらい定型的ななバカだ
だけど今は、隣にとても綺麗な女性と鐘の音が鳴ると同時に足を進ませている
めでたいなぁ…
あかんわ…涙出てきてしもた…
【お題/鐘の音】♯3
「ごぉぉぉん」
十五夜の鐘の音。
重苦しい音が、周波が、
皮膚という盾を容易に貫通し 体の内部を響かせる。
それは手や足でもなく、肝臓でもなく、
一直線に心臓へと 響く。
辿り着いたそれは 心臓を鷲掴み、
重く、けれど優しく、細かく 揺さぶる。
全ての うずめく黒いものが 振り落とされる感覚。
その瞬間、世の中の争いごとや負の情景が
目の前に ぶわっと広がった。
そして、それらは まばらに広がり、消えていく。
音は、
いつか地球全体を震わせるのだ、まだまだ、
届かせる、響き続ける
そう言うかのように、
力強さを残しながら、遥か遠く闇夜へと
響き渡っていった。
静寂が、訪れる。
鐘の音
毎朝、神棚に参拝してから仏壇に手を合わす。線香を置く時に鐘(おりん)を鳴らす。会った事もない人達がいるけれど、存在したから今夫がいる。そうやって考えていたら、先祖ってすごいぞって一度墓地でいくつもの墓を見て凄い!って一人満たされた気分になり墓地は本当に知らない人だらけだけど同じように存在していたんだなって墓地を見渡していた事を思い出した。忘れてませんよって、チーンと鳴らす。でも、感情が筒抜けだからたまにごめんなさい。
お寺の鐘は年末を思わせる。ゴーンって響くと悪い考えも少しは消えるといいんだけどね。
教会の鐘は直接聞いた事がないが、明るい結婚式とお別れの音のイメージがある。そして、ロマンティックな鐘。大体妄想の世界に浸る。
半鐘も今は使わないが危ない!逃げろ!だし。
時を知らせる鐘…。
みな何かの想いを伝える為にあるのだなと思う。
神社には鐘がない!神棚神具に鐘はなかったな。鈴か。シャンシャンとかチリチリ大きさも違う。
どれも正しく生きろって言われている気がする。
毎日、やり直しだけど。
【鐘の音】
この場所で泣き出してから休みなく泣き続けてきた
呼吸の仕方を教わっていないから
子守歌替わりに聞こえる暴言の意味も分からないから
どこかの物語のように助けてくれる人もいないし
僕に足を止める人もいないことも分かっていた
だから目をぎゅっと瞑って
誰も居ないどこかに行きたいと願った
夢の中で訪れた地図に載っていない
どこかの街の大きな時計台
柔らかな風が葉を揺らす音と共に聞こえる鳥のさえずり
時計台の主は大きな髪を風に靡かせて僕を見て微笑む
世界の全ての光が彼女から生み出されるようだった
今まで触れたことも無い温かな光に
自分が消えてしまうかと思うほどに
誰も居ないどこかを願ったはずなのに
そこは僕と彼女2人の世界だった
何百年も前から続く素敵なおまじないらしい
誰もいないはずの時計台が鐘を鳴らして
それを合図に歌いだす彼女
誰にも祝われたことの無い生を
初めて祝福された気がした
誰かの世迷言さえも本物に変わる瞬間だった
幸せも束の間、目覚めの怒号が世界を壊していく
思わず手を伸ばす僕に変わらず微笑みをくれる彼女
『また逢えるから』そう言われた気がして
勝手に片側だけの約束を結んだ
目を開いていつもと変わらない景色の色を見る
だけどもう涙は止まっていた
2024-08-05
バイクをふたり乗りで走っていると、鐘の音が耳に入る。青年はその音が気になってバイクを停めた。
「どうしましたか?」
「いや……音……聞こえた?」
「音?」
恋人はクエスチョンマークを頭に飛ばしつつ、首を傾げる。
「寄り道していい?」
青年はこの道に心当たりがあった。あの時は一人で来たから、彼女と行きたくなったのだ。
彼女はふわりと微笑んで頷く。
「ありがとう」
青年は目的地を変更して、バイクを走らせた。
風が走り、林を抜けていく。
そこは、小さな教会。
駐車場にバイクを止めると、ふたりともヘルメットを外した。
「ふわ、かわいい教会です……」
「多分、さっきここの教会の鐘の音が聞こえた気がしたんだ」
「気がつきませんでした……」
ふたりで、ゆっくりと教会へ足を向ける。
青年が初めて来た時と同じように扉は閉じたままなのは残念だった。
そして、彼女の手を取る。
彼女は優しい視線を向けてくれた。
「いつか……ね」
ほんの少し、青年は耳が熱くなりなりながら、照れつつ彼女に笑うと、その言葉の意味を理解した彼女の頬が赤くなった。
そして彼女の手が、しっかり青年の手を握り返してくれる。
紅潮した頬と、愛らしい微笑みと共に。
「……はい、いつか」
おわり
お題:鐘の音
あの子を撫でた時、低く、くるくると鳴る振動が
ただ心地よかったのです。
微睡みの中を、独り
生きてゆくのは苦痛だった。
自分が夢の中にいるのか、はたまた現実を生きているのか
もう分からなくなってしまった。
まるで
それは白昼夢のようだった。
視界の端がうすい、白いもやで覆われてしまって
あつい、あつい太陽にじわじわ身を蝕まれている。
汗がダラダラと垂れて
ただでさえ悪い視界が滲んでゆく、
ああ、もう泣けなくなってしまった。
そう思ったら
遠くから
かんかんかんと、踏切の甲高い音がした。
焦るような、そんな感覚が体を包む、
いったいいつからここにいるのか、昔のことのような気もするが
すごく、最近のことのようにも感じる。
もう、じぶんはじぶんではない、、
にゃー