『鐘の音』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
大晦日。煩悩の数、鐘が鳴る。107回、12月31日に鳴る。1回、1月1日に鳴る。煩悩は、どうなってもなくならない。
人間が生きるためには必要なものだから、仕方がないか。
#鐘の音
「鐘……かね……?!」
某所在住は鐘をネット検索しながら、どこかに書きやすい抜け道など無いか思考を巡らせた。
「『鐘(しょう)』なら寺にあるみたいな釣り鐘、
『当たり鐘』であれば福引等のガランガラン、
ハンドベル、振り鈴も構造としては『鐘(ベル)』。
ドア開いた時のチリンチリンは『ドアベル』か」
今日も手強い。難しい。なおも鐘を漁る物書きの目に、ウィキの文章、その一部が留まった。
「『風鈴とは、日本の夏に家の軒下などに吊り下げて用いられる小型の鐘鈴』、『鐘』鈴……!」
――――――
明日明後日あたりから、東京は翌週水曜日あたりまで雨の予報。当分出歩けないだろうから、今日のうちに買い出しすべき所に買い出しに出て、補充すべきものを補充して、ちょっと髪整えてもらって、
ある程度気温の下がった夜10時に、ぶらり何か新しい小物を買いに外へ出た。
日中に比べれば6℃くらい下がったけど、それでも完全熱帯夜。東京の夏は本当に暑い。
オーロラガラスのコップとか、新しい携帯ファンとか、涼しい系のサムシングを新調すれば、ちょっとQOLが上がる気がした。
100均、アンティーク、雑貨屋さん。色々見て、最後に行き着いたのが、ガラス製品の専門ショップ。
チリンチリン、チリンチリン。
来店した時の、強化ガラスかもっと別の素材か知らないけど、ともかく風鈴みたいなドアベルが、すごくキレイで、かわいかった。
「そうだ、風鈴!」
ガラスの風鈴買ったら、カワイイし、涼しいかな。閃いた私は早速風鈴のコーナーへ。
私好みの金魚と花火が描かれた水色のやつは売り切れちゃってたけど、
かわりに、職場の先輩が好きそうな、白と青と紫の花が描かれたやつは残ってた。
先輩は、つい数日前熱中症で倒れちゃって、当分仕事はリモートワーク。
室内の、エアコンから離れたあたりに風鈴をつければ、少しは気分上げて仕事できるかもしれない。
嬉しい気持ちを一生懸命隠した先輩が、
「わざわざ私などに金を使う必要も無いだろうに」
とか言いながら、大事に大事に扱ってくれるのを、解像度4K8Kレベルで想像しつつ、花の風鈴を会計に持ってったら、
レジで会計するその先輩本人を見つけて(あっ……)
先輩も何か風鈴を買ってて(そうだよね自分の物くらい自分で買うよね。別に私が贈らなくても)
会計終わってからその風鈴をプレゼント包装までしてもらってて(ん?)
品物の入った小箱を大事に大事に抱えて振り返ると、私を、私の持ってる風鈴を見つけて、途端どちゃくそ何かに失敗したような顔をした(んん??)
先輩何がどうしたの(どしたの)
「先輩?」
「なんだ、好きな風鈴見つけたのか。良かったな」
「どしたの?」
「別に、どうも、なにも、ただ綺麗な、風鈴を見つけたから。自分用に」
「自分用にわざわざプレゼント包装しないでしょ」
「あ、ぅ……」
「あのね」
レジ前で話し込んでてもアレだ。私は自分の持ってきた風鈴を、会計してもらって、せっかくだからプレゼント包装もお願いして。
「コレ、先輩好きそうだな、って思って」
一緒にお店を出た後で、私が買った風鈴の小箱を先輩に渡したら、先輩はバチクソに驚いた顔をして。
それから、同じくらいバチクソに、安心したような長いため息を吐いた。
「なんだ。私は、てっきり」
先輩は小さく言い訳して、ちょっと恥ずかしそうに、もしくは照れてるみたいに咳払いして、
「つまり、お前がお前の気に入ったものを、自分で見つけて購入してしまうのかと」
先輩が買った風鈴の小箱を、私に差し出した。
包装取っ払って小箱を開けて、出てきたのは、金魚と花火が描かれた水色の風鈴。
チリンチリン、チリンチリン。
ガラス製ならではの透き通った涼しさが、日本ならではの鐘鈴の音が、多分先輩の照れっ照れな顔の熱を、冷ましてくれた、かもしれなかった。
それは神聖な響き
リーンゴーン リーンゴーン リーンゴーン
鳴り響く祝福。過去現在未来を表す音に視線をあげる。音源を探ればそこに純白の衣装に身を包んだ花嫁と花婿の姿があった。
これからの未来を考えると銘打ったプロジェクトの顔合わせも終わり時間は13時。はるばる1時間の時をかけ来たのだからとショッピングでも楽しもうと入った駅ビルの空中連絡通路から眺めた景色は,幸せをベールで包んだようなそんな色をしていた。
それはとても幸福そうで なんだか泣きたくなるほどに眩しいと思わせる時間が流れる場所。舞い上がる花びらも流れる音楽も何もかもが彼女たちの門出を祝う。
「いいな」
そう素直に思った。結構願望など欠けらも無いけれど,誰かにこれほどまでに祝われる機会はそうそうないと感じたから。
だから,幸せを願われる彼女たちが羨ましいと思った。
夕方6時にかすかに聞こえていた鐘の音を
最近は聞いていない
お寺でならさなくなったのか
その時間の外の音に気をとめなくなったのか
ただ単に自分の耳が遠くなったのか
せっかく思い出したので
こんど耳をすましてみようと思う
「鐘の音」
鐘の音は鳴り響く。
夜明け過ぎ。
この音は幻想的な音だった。
皆様「もっと読みたい」が50に達しました!
誠にありがとうございます🥹
ちなみに国語の成績は2です(⌒ ͜ ⌒)
中二女子
あなたに私の声は届いていますか。
私をつくってくれたのは、優しい人でした。
大切な人を喪い、悲しみ、苦しんだ人でした。
もう誰も、同じ痛みを味わうことのないように。
そう願って私をつくった、優しい人でした。
私の体は、たくさんの人に与えられました。
誰もが悲しみのない世界を求めて。
きっとそんな世界が来ると信じて。
私の体には、たくさんの思いが込められました。
私は、本当は知っています。
今もどこかで、誰かが苦しんでいる。
沢山の人が悲しみ、傷つき、泣いている。
それでも私には、歌うことしかできないのです。
この声が、全ての人に届くことを信じて。
あなたに私の声は届いていますか。
私はいつだって、あなたのために歌うのです。
あなたの耳に、あなたの心に、
どうか私の声が届きますように。
『鐘の音』
8月6日、広島県で平和記念式典が行われます。
平和の鐘の音が、あなたにも届きますように。
『鐘の音』
最後の試合に挑んだ
男の背後で
最後の審判を下す鐘の音が
今 けたたましく鳴り響いた
すべてを出し尽くし
男は無言のまま
その場を後にした
言い訳や弁解などで
取り繕うことなく
ただ一言
「老兵は静かに消え去るのみ」
コーンコーンコーン。今日は、私達の結婚式。そして、今、ウェディングベルが鳴った。これまで沢山の事があったけど、何もかも二人で乗り越えて来た。だから、私達は、必ず永遠に結ばれるんだ。待ちに待った結婚式。皆に祝福されて、嬉しい気持ちでいっぱい。永遠にこの時間が止まれば良い。本気でそう思った。これからもまだ沢山の試練があると思うけど、二人で乗り越えていこうね、愛する旦那様♥️
「鐘の音」
夏の夕暮れに鐘の音が聞こえる。ひぐらしが共鳴するように鳴き、風情を感じる。
まだ言葉を話せない幼子が、音のする方へ指をさし
「あれはね、お寺の鐘の音だよ。」
と言うと、早く行こうと手を引っ張る。
買ったばかりの甚平を着て、嬉しそうに歩く姿は可愛らしい。
神社が近くなると、今度は祭囃子が聞こえる。
屋台の香ばしい香りや人々の活気ある声
ああ夏だな
「ママおっそーい」
入口で長男が口を尖らせて待っている。夫は浴衣に身を包み息子の手を繋いでいる。
「遅くなってごめんね。さあどこからみようか?」
夏祭りがはじまる。
絵里
『雪だるまつくろう』 まるで、君といる時は夢見ているようだった。ステキなドレスも着てないし、ガラスの靴も履いてないけれども、何時も夢みているみたいだった。桜の花も梅の花も一緒に、行った植物園の春もゲームセンターで、一緒にバスケしたことも、エアーホッケーで、私が、ボロ負けして、君に、『参りましたm(_ _)m』と、わざと巫山戯て言ったことも、そして、君は、何のリアクションをとってくれかったこともーー全部が君が私へのanserなんだね・・・。私だけ、君といる時、バカみたいに燥いで、前日は、あんまり、眠れなくても朝は、メークして今日は、君と何話せうかなんて、ドキドキウキウキしていたんだ、。君は、私ともう会えないんだね、さよなら。ーーもうすぐ、桜は、終りだから、私は、君と写真を撮ってもらおうと、知らないおじさんにカメラマンを頼み写真を撮ってもらった。ごめんなさい、ちょっとだけ、君に、近付きちゃいました。ーーそしたら、シャタッター音の後で、夏になっていた。真夏で、暑いのに雪が舞っていた。私、まだ、夢の中にいるようです.。o○ーー雪だるまつくろう・・・・・私は、君が大好きでした・・・・・。声にならない声。
さっきまで降っていた大粒の雨が止んだ。
全速力で木々の間を走り抜けた直後、綿飴が水に溶けていくようにあっという間に雨雲は透けて無くなった。
ついさっきの出来事だったのに、何から逃げていたのか真っ白になってしまった頭では思い出すことすらできなかった。
見晴らしの良い野原には、夏らしく丈が長くなった草花が生い茂っていた。
『ここで寝転んでしまえば、しばらくは見つからないだろうか』
そう考えた私は、服が泥だらけになるのも厭わず寝そべった。
洗いたての空が見えた。風に揺れる、草花の音が心地よかった。このまま私も、大地に溶けてしまいたいと願った。そうしてそのまま、ただ雲が流れていくのを眺めていた。
しばらくして、聞き覚えのある声がした。私の名前を呼びながら近づいてきた。息は切れている。足音も不揃いだ。
声で、思い出した。そうだ。私は彼の言葉に、感情に戸惑ってここまで逃げてきたのだ。もう、彼も覚えていないであろうこの場所をめざして一直線に。
随分前に勝手に居なくなって、連絡先も消えてもう会えないと諦めきったその矢先、まるで何事も無かったかのようにふらりと現れたのだ。あの日と何も変わらぬ声と姿で。
いままで何処にいたのか、なぜ急にいなくなったのか、今は何をしているのか。それを聞こうと口を開いた瞬間、彼の言葉で全てが封じられた。
「ごめん、好きだ」
困り顔でそう言った彼が、彼の言葉が信じられなくて逃げ出した。冗談か、本音か。さっきまで込み上げてきた感情のやり場も分からず傘を放り投げて逃げ出した。
あぁ、どうしたものか。彼に合わせる顔も、感情も分からない。そうこうしている内に足音は近づいて来る。
『もう、どうにでもなれ』
雨で濡れ、土にまみれて重たくなった身体と頭を起き上がらせた。きっと大地に生い茂る植物たちも、こんな気分なんだろうと思った。
彼と、視線が合った。
少し安心したような顔をして手を取り、私を立たせ抱きとめた。不思議と嫌な感情は湧かなかった。
「ごめん」
と再び彼は言った。
ツキミソウが咲いた朝だった。
題名:ツキミソウ
拙い文章ですが、ここまで読んで頂きありがとうございました。花言葉を調べていただけると、余韻も少し楽しんで頂けるかと思います。
今日が、明日が貴方にとって良い一日になりますよう、心から願って。それでは。
とおく、とおく、鐘の音が聞こえる。
この村にずっと伝わる不思議な鐘。
誰の手に依るでもなく、ひとつ自然と鳴り響く鐘。
それは祝いの鐘かもしれない。
それは呪いの鐘かもしれない。
どうしてこの村にあるのかも、どうしてひとりでに鳴るのかも、なにひとつだってわからない鐘。王都から偉い魔道士様が調べに来たこともあるけれど、なんにもわからなくて帰っていった。すごく偉そうに威張っていたから、ちょっぴりだけ、ざまぁみろ、って思った。
──本当は。私はひとつだけ知っていた。
あれは、終末を告げる鐘なのだ。
時を刻むように。日々を区切るように。私達の住む世界の終わりを数えている。
ひとつ鳴るたびに海が割れる。
ふたつ鳴るたびに空が落ちる。
そうしていつか、あれが鳴り終わったとき、私達の世界が終わるのだ。
ごぉん。ごぉん。
──ああ、また、鐘の音が聞こえる。
鐘の音
鐘の音って聞いたら小学5年生の時を思い出す。
私の友達のBちゃんはお寺の娘だった
夏休みだったかな、私はBちゃんの家に遊びに行った。
Bちゃんの家の寺は5時になったら鐘を鳴らす。
私とBちゃんが遊んでるとあっという間に5時になった。
Bちゃんのお父さんが鐘を鳴らそうと外に出てきて私に言った。
B父「せっかくBの家に来たんだし、A(私)ちゃん、鐘鳴らしてみる?」
私はまあ、せっかくだしと思ってやらせてもらうことにした。
私「はい。じゃあやってみます。」
そう言ってBちゃんのお父さんの元に行って鐘の前に立つ。
B父「よし、じゃあ叩いてごらん?」
私「はい。」
そう言って思い切りガーンと鳴らした。
楽しい。
そう思って2回ぐらい鳴らすと私は思った。
ん?
これ何回鳴らせば良いんだ?
まあ、Bちゃんのお父さんがやめるときは言ってくれるよね?
ガーン、ガーン、ガーン、ガーン
鳴らした。
B父「よしっ、よしっ、もう良いよAちゃん?
ちょっと鳴らしすぎかな。」
苦笑いして言われた。
だったら止めてくださいよ!
初めてだから分かんないよ!
そう思いながら
私「はい。すみません。」
少し気まずい雰囲気になりながらそっからまた少しだけBちゃんと遊んで家に帰った。
あの時は小5ながらも気まずい思いをしたな。
私はBちゃんの家に行くたびにそのことを思い出す。
ちっぽけなことだな。
でも、あれは気まずかった。
いや、そんな気まずいって言うほどのことじゃないかもしれないけど、気まずかった!
止めてよっ!って思ったな〜
まあ、こんなしょーもないこと思い出すんだから今日も平和ですわ。
感謝感謝!
日々を平和に過ごせていることに感謝しときましょうっと!じゃ、また明日〜
鐘の音
ドレスに身を包んだ親友が、幸せを絵に描いたような景色の中で笑っている。チャペルの鐘が彼女を、家族を、立ち会う私を祝福している。
幸せだ。
彼女が笑っているから。
それなのにどうしてだろうか。頬を伝う涙は、きっと喜びから溢れたものじゃない。
貴女の隣で私も笑いたかっただなんて
嗚呼!なんて酷い親友!
鐘の音は鳴り続けている。新郎新婦と、その家族を祝して。
その中に私はいないなんて、こんな不幸せが他にあるのか
#1
歓声と罵倒が飛び交う広場
一人の女が今まさに処刑されようとしていた
正午の鐘の音とともに振り下ろされた処刑人の刃は、一度では首を切断できず、二度、三度と振り下ろされる
何度目かの振り下ろしでようやく切断した首を処刑人が高く掲げる
民衆は悪を断じたエンターテイメントに熱狂して、雄叫びをあげようとした
女の顔を見るまでは
毎日聞こえる鐘の音は
始まりの音であり終わりの音
僕は終わりの音がいい
金曜か土曜の終わりの鐘の音
終わればやっと寝られるから
空は曇天
鐘の音
始まりと終わり
その余波、予兆
音は闇に拡がっていく
光に群がるものを清め鎮める
闇からの光
光が進む闇の音色
音の限界を示す調和
そのもののこと
受け取り手がいるからこそ
鳴らすのでしょう
たとえ響かなくても、そこには音がある
"鐘の音"
バグスターを倒した後それぞれ帰路に着き、俺も帰ろうと踏み出した時
──ゴーン、ゴーン
という重厚感のある高音が遠くから聞こえてきた。この方角は…あの時計塔か。幼い頃に1度だけ訪れた事のある大きな広場、そこに聳え立つ大きな時計塔が浮かんだ。あの鐘の音が聞こえたという事は、あの広場があるのはこの辺りだったのか。少し懐かしくなって鐘の音がした方に向かって歩いていく。
懐かしいな、全然変わってない。この広場で遊んだ記憶は薄らとだが、広場にある遊具や草木は記憶の中のこの広場と何ら変わってなかった。見て回るとポツポツとあの頃の記憶が蘇ってきて、自然と顔が綻んでしまう。少し見て回った後広場の少し奥まった所に聳え立つ、目的の時計塔に向かって歩いた。
高さはビルの3階分に相当するだろうか、しっかりとした土台で立ちレンガ造りのレトロな外観で周りの木と同じくらいの高さの所に大きなアナログ時計が嵌め込まれ、塔の最上部には黄金色に輝く大きな鐘がぶら下がっていた。
この時計塔は鮮明に覚えていた。大きくて広場に立つ姿がどっしりと構えている様で、時間になると綺麗な音を遠くまで届けて、まるでここの広場の守り神みたいだな、とちょっと憧れてた。こんな大人になりたい、と漠然とした夢。そこから医者に変わってった。この時計塔は俺の夢の原点だった。
「…俺、なれてたかな?、あの時、この時計塔に憧れて見た、理想の大人に…。」
僅かに震えた声で小さく呟く。その後に夢見た医者にはなれたが、自分の力不足で二度と医者として胸を張って進むことが出来なくなった。だから、もし医者になった、更に向こうで成せるのが最初に夢見た"理想の大人"だとしたら、もう二度となれないかもしれない。そう思うと不意に鼻の奥が、ツン…と痛んで思わず時計塔を見上げていた顔を下げて、時計塔から体ごと背ける。なんだか空気が重くて苦しくて、早くこの場を立ち去りたくなった。
もう帰ろう…。そう思って目を開けると、花が視界の端に入った。その花に目を向けてよく見ると青紫色の花弁を、1輪にあの時計塔の鐘のような形で5〜6枚開いて咲く、とても綺麗な花。名前の知らない花だが、なんだか、語りかけられている様な、鼓舞されている様な…。何と語りかけられているのかは分からないが、何かを感じ取って自然と背筋が、ピンッと真っ直ぐになり、胸を張るよう腕を体の真横に伸ばし、視線が上を向いた。なんだかまるで時計塔に叱られたような気分だ。懐かしんでいたと思ったら、急に辛気臭い顔になって背を向けた俺を見て『しゃんとしろ』と。
こんな歳になっても叱られる事があるのか、しかも人じゃない何かに。そう思うと、さっきまでの自分が情けなく同時に少し可笑しくなって、ハッと乾いた笑いが漏れた。背を向けた時に感じた重苦しい感覚は無くなって、今度は堂々とした軽やかな足取りで時計塔の前を、この広場を後にして今度こそ帰路に着いた。
完璧でなくてもいい。あの時夢見た"理想の大人"に、1歩でも近付くのだ。1歩ずつ、着実に。今度は胸を張って再びあの時計塔に、"夢の原点"に会いに来るために。
#鐘の音
毎日の猛暑🔥
頭がズキズキ💥
頭の中で鐘が連打されている🔔
暑い! 暑い! 暑い〜!!
粉雪舞う夜空に
鐘の音と花火が鳴り響く
真冬の刺すような冷たい空気を感じたい❄
鐘の音が似合うのはやっぱり冬だよね!
🌈黒猫のつぶやき🌈
GLAY「Winter、again」
いつか二人で行きたいね
雪が積もる頃に
生まれた街のあの白さをあなたにも見せたい
逢いたいから恋しくて
あなたを思うほど
寒い夜は未だ胸の奥
鐘の音が聞こえる〜♪
これ、いいね!(≧∇≦)bグー
鐘の音、というと、私はまず平家物語の冒頭の一節、「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、……」という名文を思い出します。高校時代、古文の授業で習ったのが初めだったと思いますが、七五調のリズムが心地よく、記憶力の悪い私でも、「……ひとえに風の前の塵に同じ」まですんなり覚えられた記憶があります。
今でも風呂につかりながらぼんやりしているときなどになんとなく頭に浮かんで、「祇園精舎の……」とぶつぶつ呟いたりしています。
祇園精舎の鐘の音は、この世のすべてが変化し、流転するという真理を告げ知らせる音です。高校生のころはあまり意味も考えず、ただ言葉を唱えていただけでしたが、今はこの一節に込められた深い意味を噛み締めるようになりました。
自分もまわりも年をとり、街もどんどん姿を変えていく。変わらないものは何ひとつない。悲しいけれど、それが昔からの真理です。受け入れる他はありません。
とはいえ、変化が悲しいことばかりではないのも事実。私という存在も、いろいろな経験を経て、ぼんやりしていた高校生の頃から比べれば、確実に変化し、成長しているのであります。変化を前向きに捉えて、良い方向に変わっていけたら、と思います。