『鏡』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『鏡』
鏡はいらないと思う。
だって、鏡のせいで傷付いている人がいるんだもん。
顔に自信がある人はいいよ。 でも・・
顔なんか気にせずに、生きれるといいな
終
鏡は貴方の全てを映し出す
目を逸らすな
映る全てを受け入れなさい
そこに何も映らなくても
映らない事実を受け入れなさい
『鏡』
目が綺麗。
初対面で一言目に言われるのはいつもその言葉。
鏡を見るたびに思っていた。
にんにくのように大きな鼻。
たらこのように分厚い唇。
そして、大きな目。
目が綺麗と言うのは、
他のパーツが見劣りするあまり
口先から出る相対的な形容詞だと
捻くれた考えをしていた時期があった。
だからよく高い襟の服を着て鼻まで隠していた。
ある日、君は私に聞いてきた。
「そうやってしているのが落ち着くの?」
「自分の鼻と口が好きじゃないからだよ、
目ばかり褒められて余計に気になってしまうんだ。」
私は素直に打ち明けた。
キョトンとして君は言った。
「へぇー、私は好きだけどなぁ」
それからも僕は高い襟で鼻まで隠した。
それをしながら君の言葉を思い出す。
今ではその癖をする意味が昔とは違っていた。
『鏡』
鏡を見る度、
人と比べてしまうけど。
私には私にしかない良さ、
あなたにはあなたにしかない良さがある。
自分に自信もってね。
午前十時を過ぎたので、手洗いに立つ。
小用を足し、しっかり手洗いをしながら、鏡を見る。
顔色、特に異常なし。
近ごろはすっかり仕事にも慣れたからか、職場で“体調を崩す”ことはなくなった。
しかし、油断は禁物。調子に乗りやすい気質があると自覚しているならなおさらだ。
席に戻ると、隣の青年が体を乗り出して話しかけてくる。
「おかえりっす。いっつもこの時間トイレに行くっすよね」
にやりと笑って言う青年はサボりっすか? と暗に言いたいようだ。こういう時は、確か……
「水分補給を意識的にしてて、トイレも意識的に行ってるんだ」
とでも答えておけばいいとアドバイスされたんだ。
「へえー、偉いっすねー」
青年は興味を失ったように自分のイス戻っていく。よしよし、うまくいったようだ。
とりあえずあと二時間。昼休みになったらまた便所に行かなくては。
顔色、特に隈が目立っていないか。異常を感じたら引き出しにストックしてる栄養ドリンクの出番だ。
ふと、隣を見ると、さっきの青年がデスクの引き出しから一口大のチョコレートを取り出して口に放り込んでいた。
よく見ると、まだ午前中なのに疲れた顔をしている。さっき話しかけてきたのは、自分もサボりたいという心情だったのだろうか。
なんだ、彼もおれと一緒なようなもんじゃないか。笑いたいような、安心したような吐息がふっと漏れ、誰かに聞かれてないか慌てて口を抑えた。
昼休みまでお互い頑張ろうぜ。
『鏡』
鏡
私は自分の顔が好きじゃない。
鏡に映る私はとても不細工だ。
せめて痩せたらいいんだろうけど、
痩せる気はない。
「“鏡”よ“鏡”、この世で1番美しいのは、だーれ?♡」
いやいや。だからってわたしなんてものを写さないでよね。1番美しいのは、彼なんだから、♡あの鼻筋の通った横顔に…♡しゅっとした短めの眉毛♡切長の魅惑溢れるおめめ♡わたしがこれから福耳にさせちゃうヒラ耳♡ひらたーい唇♡少しだけ焼けた肌♡私たちに週2時間講義してくれる、その声♡14歳差なんてこと、忘れてしまうほどの愛おしさ♡バツイチなところもだいすき♡書いても書いても、まだ書き足りないほど彼には魅力がいっぱいなの、、、今宵は、いつにも増して、自我が強くて、彼への愛が溢れてしまう1日でございます…、
ぁっ…!!♡そうだ…♡
「“鏡”よ“鏡”、わたしと先生が一緒になれるのは、
そんな夢のようなトキが来るのは、いつ…?♡」
いや…、こういうのは知ったらつまらないのかしら、そうだなぁ…、ぁ!♡
“鏡”も彷徨うほどのわたしたちの素敵な恋道を、これからの詩にまとめて差し上げましょう♡
恋人は自分の鏡って言葉がある
相手の嫌な所を見つけちゃった時って
自分を見つめ直すチャンスかも知れない
#鏡
【鏡】
今あなたの目の前にいる私は、
どんな顔をしているのかしら。
あなたが嬉しそうなら、
私もきっと嬉しい顔。
あなたが優しい笑顔なら、
私もきっと優しい笑顔。
あなたが悲しそうな日は、
きっと私が悲しい顔をしていたのね。
「鏡」
たまにびっくりする時がある。
仕事中にトイレに行き、手を洗っている時に
ふと鏡を見ると、ひどい顔の私がいる。
疲れた顔してるし、髪は少し乱れてるし…。
ため息が出てしまう。
パパッと身だしなみを整えて仕事に向かうけど、
なんか悲しくなる。
鏡を見ると、そこに映るのは醜い醜い自分の顔で。
今にも死にそうなその瞳は、じっと鏡の自分を見つめていた。
嗚呼、嫌だ。見ないで欲しい。
私を嘲笑う人たちのように。私を私を蔑む人たちのように。
ぎ、と歯を食いしばる。
嗚呼、居なくなってしまえばいいのに。
「よし、それじゃあ居なくなろうか」
「は?え?」
私の言葉がどこからか聞こえた。
私は一言も喋ってない。何。誰。なんなの。
困惑する私の視界の端で、何かが蠢く。
それは鏡。鏡の方。
恐る恐る視線を向ける。にんまりと笑う私が、そこに居た。
「鏡の世界は良いよ、誰も笑わないし誰も蔑まないもの!」
ほらおいでよ。と腕を伸ばされる。
ああ、嫌だ。なんて。居なくなってしまいたいと思っていた感情が消え失せるほどの恐怖が私を襲う。
そんな私の心境の変化など知る由もないもう一人の私の手が、私に触れた。
ぐ、と鏡の方へ引っ張られる。
嫌だ。嫌だ。誰か、誰か助けて。
なんて、言える暇などなくて。
私はもう一人の私に、鏡の世界へ引きずり込まれた。
「鏡/20240818」
鏡よ鏡、この世で最も愛されているのはだあれ?
キミじゃないことだけは確かだよ。
烏滸がましい。哀れで不要で不必要なゴミにも満たない分際で何を言ってるのか。
鏡よ鏡、この世で最も嫌われているのはだあれ?
キミじゃないことだけは確かだよ。
嫌われているなんて、存在証明してもらえるだけありがたいじゃないか。その存在にすら足らないものであることにすら気づいてないのかい?
無機質な目は無機質な目を馬鹿にして見返してくる。
流れてくる耳馴染みの良い言葉の羅列に乗せた音は、君は素敵だ大好きだって嗤ってる。
だから、私は黙って次のつまらない曲を流しながら、無機質な目をした私を見つめ返すんだ。
鏡
小学校くらいまで
鏡の向こうにも本当に別世界があるのではないかって
真面目に考えていた。
実際、そんな物語もある。
物語は物語だ、
鏡は光の反射を利用した道具だと大人は言った。
でも、私にはそうわかっていても
どこかで別世界の存在を信じていた。
まず、頭をぶつけてみた。
……痛かった。
指で触れてみた。
指紋がたくさんついて拭かなきゃいけなくなった。
鏡の前でジャンプしたり、鏡を覗き込んだ。
鏡に映った私もジャンプをし、覗き込んだ。
私は思いついた。
鏡を二つ持って来て、あわせ鏡にした。
どこまでも、どこまでも続く通路みたいになった。
私は覗き込んだ。
沢山の私がいた。
でも、私は鏡の中に入ることも、
たくさんの私一人一人の違いを見つけることもできなかった。
しばらくすると、諦めた。
今は実際に実行しようとしたり、
信じ込むことはしなくなった。
それでも完全に否定することはできず、心の何処かでもしかしたらと思うことはある。
くるり、ひらり
スカートが翻って、
首を傾げては品を変えていく
耳には煌めく宝石を
唇は艶めく桃色を
胸には秘めた恋心
鏡にうつるあなたは、
世界でいちばんかわいい
鏡に映る私は努力を重ねた私。
ガラスに映る私は頑張った私。
皆の前に立つ私は偉かった私。
私は毎日何分何秒全ての時を頑張っている。
鏡
毎日、鏡を見る。
それは最低限の身だしなみを整えるためであったり、ふと洗顔後に顔を上げた時、鏡に映る自分と目が合ったりする。
その瞬間、去来する思いは様々だ。
何とも思わずただ目を反らし、次の行動に移る。
自分はこんな顔だっただろうかと、マジマジと鏡を覗き込む。
意味もなくニッコリと鏡の自分に微笑みかける日もあれば、見たくもないと顔を歪め、現実から目を背ける日もある。
そこに映る虚像に、さしたる差が無いにも関わらず。
鏡と向き合う時。
私はおそらく、そこには映らない、心。
自分の内側と、向き合っているのだ。
鏡を見たとき
何もない鏡だと
思うかもしれないけど
ホントにそう?
入れ替わってるかもよ
「なあ、もう終わりにしよう」
「…お前いなくなっても、俺生きていけると思ってんの」
「生きていけるだろ。こうやって会話するのも結構きちーんだなこれが」
「頑張れよ。俺、お前いなくなったら生き方分かんねーんだけど」
「んなことないって。大丈夫大丈夫」
「おっまえな」
「それに最近はあんま壊さないじゃん。ストレス減ってるんじゃね?荒れてるときなんか手に負えないほどだったのに。ま、この世界のなかなら一回出れば修繕されるからどれほど壊してもよかったけどね」
「…その世界がなかったら俺潰れんだけど」
「あ、この世界が消えたら現実で暴れないようにしろよ?前にいたんだな、現実とここの区別がつかなくなって、現実で大暴れした奴」
「俺もそうなるけど」
「あーじゃあ、一ヶ月に一回くらいは出てきてやるよ。こっちの住人も結構忙しくてね」
「そうしろ。つかもっと出てこい。そっちの鏡の世界はお前出てこないと、ただの鏡で入ろうとしても入れねーんだから」
あー時間あったらね、と青年が背を向けたとたん、幻想だというきらびやかな都会は消え、ぐるりと鏡が歪んだと思ったら、鏡の向こうにはなんの変哲もない自分の姿が写っていた。
─鏡─ #37
鏡
かがみ、ね
んー
映すも覗かないとない
しかし見られなくても映してる
そこにあるものを
映らないものもあるはずで
全てをありのままには映せない
ありのままなんてものはない
姿形は同じ様だけど
中身まではわからない
見ているものは人により違うから
見ているところも違う訳で
何処を映すかによってモノが違っていて
違っていても同じモノでもある
言葉は鏡と言うけれど
言葉を同じにしても違ってる
結局、映るのはその人なんじゃない?
チャレンジ29(鏡)
子供が生まれて、手の指が俺に似ているので驚いた。子供は親の鏡とは、こういうことを言うのだろう。扁平足と、鼻が低いところも似てしまった。口癖も似ているらしい。血は争えない。