『鏡の中の自分』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
丁寧にクリームを塗る
山猫のご馳走のような気分のわたし
「眠りにつく前に」
「鏡の中の自分」
鏡の中の自分
明日も明後日も何も変わらないのだろうか…
鏡の中の自分にそう問いかけても何も分からない
人に合わせて顔色を伺って生きてきて
鏡に映ってる貴方は誰ですか?
鏡に写る傷だらけの自分へ問う。
あなたは今、幸せですか。
鏡の中の自分に
最近……鏡を見ると、そこに写る自分のことが不気味に写っていた。
普通だったら不気味なんて思うことはないのだけど。
だけど鏡を見れば、笑ってないのにケラケラと笑う自分がいる。
それが不気味だと俺は思う。
最初の内は気味が悪いと目を逸らしていた。ソイツは俺に向かってこう言ったんだ。
『いつまで、目を逸らすの?』と……。
その言葉を俺は無視をした。
言葉を返したらいけないと直近で感じたからだ。
どう言えばわからないけど、呪われる気がしたから。
『逃げられると思ってるの?もう一人の僕』
鏡の先にいるもう一人の俺は小首を傾げながら訊ねてくる。
俺はそれが恐ろしく感じて、急いで洗面台、姿見、窓等……反射する物全てに新聞紙を貼り付けた。
見てはいけない、触れてはいけないと思ったから。
だけど……。
『無駄だよ〜』
「!」
背後から声が聞こえて、俺は恐るおそる振り返った。
鏡の中に居た筈のもう一人の俺が背後で不気味に笑いながら立っている。
その手には銀色に光る鋭い何かを持って。
『お前は逃げられないよ。一生ね』
その言葉を発した瞬間……そいつは俺を……
END
右と左がいまだに分からない。いや、時間をかければ思い出せるし左右の概念は理解している。でも、「右を向いて」「左のを取って」と指示されると瞬時に対応できない。どうしても、もたついてしまう。
いつも頭に浮かぶのは、幼い頃の夕食の光景。「箸を持つのが右、茶碗を持つのが左」という呪文のような祖母の声。ただ、俺は左利きだから皆とは逆になる。「箸を持つのは右だから俺は左、茶碗を持つのは左だから俺は右」といちいち記憶を辿るせいで時間がかかるのだ。思考をショートカットさせればいいだけの話なのに、俺の脳の電気信号はどうも通い慣れた進路を丁寧に遠回りしたいらしい。
汗を流そうとシャツを脱ぎながら、ふと鏡の中の自分と目が合った。左右が反転した世界の俺。
お前も右と左が分かんねえのか。
同情の眼差しをお互いに向け合い、同時にため息をついた。鏡の向こうに広がるあっちの世界で、俺は同じようにミスを犯したんだろうか。よりによって、あいつの前でやらかすなんて。
「おっまえ、右と左、分かんねーの?何歳?」
けたたましい笑い声が脳裏にこびりついている。畳み掛けるように浴びせられた問いに、俺は完全に焦って何度も失敗を重ねた。珍しいものでも見るかのような周囲の視線。中でも、いつも俺に柔らかい光を向けていたはずの彼女の目の色に、俺は耐えられなかった。
「あー、くそっ!」
鏡の向こうにいたら俺は右利きで、忌まわしい呪文に心乱されることもなかったんだ。お前はいいよな、なんて拗ねた言いがかりをつけたくもなる。
シャワーを浴びながら、俺は何回も左手を握り締めた。こっちが左。いいか、こっちが左。俺は左利きだから、こっちが左なんだぞ。新しい回路を開くために体に覚え込ませたつもりだったけれど、夕食の席でまた呪縛に取り憑かれてしまった。箸を持つのが、……右だけど、俺は左……。ああ、ダメだ。
「……どうしたの?」
いっそ右で箸を持ったらいいんじゃないかとヤケクソで持ち替えたのを、母親が心配そうに覗き込んできた。
「……別に。」
不器用な右手で肉を食らう。超絶カッコ悪。見られたくない、こんな俺。あの曇った視線じゃなくて、いつもの柔らかい光を向けて欲しい。彼女の前では輝いた自分になれる気がするんだ。こんな右も左も分からない俺じゃなくて。……
左。左。左。
朝日の中、左足を踏み込むタイミングで左手を握る。
左。左。左。
スープのスプーンを握ったのは右。ああ、余計なことを思い出すなって。
左。左。左。
トン、と肘を突かれ、俺は体の緊張を解いた。
「おはよ。」
柔らかい光。眩く白んだ朝日の波長を暖色に変えて、いつものように俺を包む優しい光。
「……おはよう。」
引きつってないかな。自然に笑えてるかな。クールを気取りながら鼓動が激しくなっていく。カッコ悪くないかな、俺……。
「あのね、ちょっと、手首貸して?」
「え?」
突然の依頼に呆ける俺の手……箸を持つ方だから、皆は右だけど俺は逆で、つまり左手を彼女は少し持ち上げた。
「作ったんだ。おまじない?魔除け?左利きなのに、左につけたら邪魔かな?」
「え?」
いわゆるミサンガってやつを俺の手首にくくりつけ、彼女は思いきり元気な笑顔を俺に向けた。けど、ミサンガを巻く彼女の手は震えていたし、今も頬が不自然に硬くなっている。
「……ありがと。」
祖母の呪文が急激に小さくなり、「左につけた」という彼女の高い声が上書きしていく。左。このミサンガがある方が左。大丈夫。もう大丈夫だ。
「ありがとう。」
もう一度言った。そして俺は、ミサンガの手を彼女に差し出した。
いつもの通学路。ミサンガのついた手を彼女と繋いで、いかにも幸せそうな俺が店のガラスに映る。お前は右、俺は左。このミサンガも、温もりも、もう忘れない。お前もそうだろ?
良かったな。
そんな自分の声が聞こえた気がした。
《鏡の中の自分》
【鏡の中の自分】
みんなの前の自分は
笑って、ヘラヘラして平気なふりをするの
鏡の中の自分は
泣いて、自分の弱いところをうつしだすの
『鏡の中の自分』
鏡に映る自分から始めよう
生き方を変えるんだ
こんなに簡単なメッセージはない
世界をよくしたいと思うなら
自分を見つめて変えるんだ
I'm starting with the man in the mirror
I'm asking him to change his ways
And no message could have been any clearer
If you wanna make the world a better place
Take a look at yourself and then make a change
-Man in the mirror / Michel Jackson
お題『鏡の中の自分』
図書室でテスト勉強していた萌香達。
すると委員長が萌香達に気づいて声を掛けた。
委員長「輪通(わづつ)さん達勉強?」
萌香「うん。そうだよ」
真珠星(すぴか)「今期の期末テスト赤点3つ取ると夏休み少し減るらしいじゃん!だから私ら勉強しないとヤバくて(苦笑)」
委員長「私(わたくし)で良ければ分からない所教えてあげるよ」
萌香「本当!?」
真珠星「マジ助かる!」
委員長「あッ!?ちょっとだけ待って貰える?本の返却手続きして来るから」
萌香「どんな本借りてたの?」
委員長「『鏡の中の自分』っていうホラー小説よ。三面鏡に映った偽物の自分と本物の自分が入れ替わってしまう話なの。都市伝説が元になった作品で……。輪通さん興味ある?」
萌香「あたしお化け怖くてダメなの」
真珠星「私は平気。テスト明けたら読んでみようかな」
委員長「是非、読んでみて。穂先(ほさき)さんとは気が合いそうね」
そう言って、微笑んだ委員長は本を返却する為図書委員の待つカウンターへ向かった。
End
今朝は昨日の頭痛の余韻からの仕事で、できれば揺れる事はしたくない気分で、仕方なく自宅からノロノロと車を出して、国道を左折した。
車もそんなに多くないから60ぐらいで走ればいいかな、と思ってたらトラックがグングン迫って来て、荷台に車を数台載せてるのに…
道譲ろうかとも思ったけど、後続車がぞくぞくと連なっていたから、仕方なくスピードあげて、80までだしたのに全然っ間が開かなくて、『このまま峠道へ突入する気か!やるかこの!!地元民なめんなや!!』…と、思ったら、トラックまさかの失速。
『なんや!』どこかにパトカーでも居たんか…と、ハッとしたんけど。
頭痛が悪化した。
結局、早引けした。職場の人からハチミツティーをいただいて、今飲んだらめっさ美味しい。だけど、頭が枕にめり込みそう。もう枕から離れたくない。
あ、そうだ、鏡どころか、今日はスマホの顔認証に何度も拒否られてる。
チッ!
少し気分が良くなって来た気がしないでもないような、気がするようなそんな感じ。
洗面台で顔を洗い、鏡の中の自分を見つめる。
「白髪も増えたし、年取ったな」
鏡の中の自分にハハッと笑うと
「そんなの、当たり前でしょ」
と、背後から声がする。その声に振り向くと、キミが立っていた。
「子どもたちも成人して、社会人として働いてるのよ。年取るのも仕方ないわよ」
そう言って、キミはふふっと笑う。
「この先、もっと年を取ると、シワが増えたり、髪が薄くなったり、見た目がだんだんと変わっていくんでしょうね。でも、それでいいじゃない。どんなあなたでも、私は大好きよ」
恥ずかしそうにキミはふわりと笑う。
「そうだな。このまま二人でゆっくり年を重ねていこう」
キミの手を握り、微笑み合ったのだった。
鏡の中の自分は美しい。
自分の綺麗なところだけ、うつすから。
鏡の中の自分は汚れている。
自分の綺麗なところだけをうつすから。
No.165『鏡の中の自分』
鏡の中の自分がひどく醜く見えて。
それを誤魔化すように私は今日も仮面をつける。
鏡の中の自分は、随分と歪に唇を吊り上げていた。
一瞬経って、下から人の顔色を窺うような卑屈な視線が捉える鏡像は、それが下手な己の笑顔だと気づいた。
いつから、人の機嫌を取るような愛想笑いが、顔に張り付いたんだろう?
学校? 職場?
笑顔もだが、怒りや悲しみの表情に顔を動かしてもぎこちない。
普段から表情筋、こんなに動かしてなかったっけ。
頬や唇を意識して動かすと、違和感がひどい。
あ、スマホを毎日いじって下ばかり向いてばかりいるから、顎の下にお肉が垂れ下がっている。太ってもないのに!
悲鳴を上げてる心を無視して日々を無理くり過ごしているけど、鏡の中で主張している自分はSOSを発信している。
見てみない振りしていたけど、やはり自分を大切にしなくちゃ駄目かあ
鏡の中の自分は少し大人びて見える。
なぜだろう。
救いを求めて鏡に手を伸ばす。
鏡の中の自分と本当の私の手が重ねる。
そこにひんやりとした硬い感触が私を拒む。
私はリアルの学校生活がつらいから、
意見が欲しくて、助けて欲しくて
私は無表情に大きな声で訴える。
でも、鏡の中の自分は冷たく微笑んでいる。
そして向こう側のその人は
「がんばれ」と口を動かす。
もう、頑張れないよ。
泣きながら弱音を吐いて鏡から手を離すと
気づいたら鏡の中の私は
今の私に戻っていた。
鏡の中の自分
そこに私は映らない
着飾って加工されたマネキンが
腹を抱えて笑っている
本当の貴方は何処?って
鏡の中の自分はいつでも素直、
私が私じゃないみたい。
鏡の中の自分と入れ替われたらどんなに楽なんだろうなーとか、ふざけたことを考えていた。
__翌日__
『ねぇねぇ!鏡の中の自分と入れ替われる方法知ってる!?』
『あ!知ってるよ!!いまめっちゃ話題だよね!』
『私やってみようと思うんだけど、どう思う、?』
『ちょっと怖いけどやってみたいよねわかる笑笑』
クラスの女子がが話していた会話がちょこっと聞こえてきた。
(鏡の中の自分と入れ替われる?そんな方法あるはず....ないよね..)
私は咄嗟にスマホを取り出して調べてみた。
・鏡の前に立って、目を瞑り「鏡よ鏡」と3回唱えること。
・入れ替わりたい期間を明確に伝えること。
※入れ替わりたい期間の最終日まで布をかけるなどして鏡を絶対に見ないこと。
・入れ替わりたい期間の最終日の12時間以内に鏡の前に立ち、「鏡よ鏡」と3回唱え、入れ替わって頂きありがとうございます。と感謝の言葉を述べること。
(わぁ、ほんとに入れ替われちゃうんだ......)
鏡の中の自分はいつでも素直、
私が私じゃないみたい。
鏡の中へ入って行った自分は今頃苦労してるかな...笑
『鏡の中の自分』
鏡の住人に声を掛けられても答えてはいけない。屋敷に伝わる掟であったが、いつしかそれは忘れ去られていた。
ある屋敷にわがまま放題だった一人娘がいた。彼女は幼い頃から甘やかされていたせいで気に入らぬことがあれば怒鳴り散らし駄々をこねるのを日常的な振る舞いとしていた。彼女を甘やかした両親はいずれは落ち着きを身につけるだろうと楽観的に見ていたが、年頃になるころには輪をかけてひどくなっており、もう誰の注意も聞かなくなってしまっていた。彼女のことを誰もが煙たがっていたのだが、わがままを言うことがアイデンティティとすら思い込んでいる彼女はなにも気づかず、なにかを変えることすら思うことはなかった。
ある日に彼女の髪を梳かしていたメイドが手を滑らせて櫛を落としてしまう。メイドを怒鳴り散らした彼女は代わりの者が来るまでの間、ドレッサーの鏡に映った自分と向き合っていた。中身は醜悪だが見目はよい彼女は顔の角度を変えあるいは覗き込み、ためつすがめつ飽きもせず自分の顔を見つめていた。そんな折に鏡の中から声を聞く。
「替わりなさい」
命令口調のそれに対して反射的に彼女は答える。
「誰に向かって口を聞いているんですの!?」
鏡の中の声と会話が成立してしまったがために、彼女は鏡の中へ、そして、鏡の中の住人は彼女に移った。
令嬢の髪を梳くための代わりのメイドがドレッサーから少し離れたところに倒れた彼女を発見し、慌てふためいて医者を呼んだ。みなに囲まれながら目を覚ました令嬢は心配をかけたことへの謝罪としおらしい態度を見せて周りを大いに戸惑わせた。あまりの様変わりに両親はもう一度医者に診せ、そしてどこにも異常はないとわかると、召使いともども娘の急激な変化を歓迎して受け入れた。その騒動のさなかに鏡の中に気を配る者はおらず、ゆえに見知った人影が声もなく喚いていることにも誰も気づきはしなかった。
「あなたはどうして、わたしのまねをするの?」
そう問いかけても返事は無かった。
そりゃそうだ。
話しかけてるのは鏡に映った自分なのだから。
「…へんなの」
小さい頃の私には、鏡という物が理解出来なかった。
自分と同じ格好の子が、自分と同じ動きをして。
向こうは私の真似ばっかり。
けど、最近考えるようになった。
どっちが本当の私で、どっちが真似してるんだろうって。
【鏡の中の自分】
鏡の中の自分に聞いても、言葉を繰り返すだけだ。
そのことは何度もやったから、分かっている……だけど、どうしてもやってしまうのだ。どうしてもあの子に、縋ってしまう…頼ってしまう…泣きついてしまう………あぁ、私は。
『⸺ぃでぇ……ぉいでぇ………ここに、おいで…』
少し前から、呼ばれている。
あの子が呼んでいる。
行かなきゃ…たくさん、頼ったから。
あの子の隣に居なきゃ…。
◆◇◆◇◆
「ねぇ、聞いた?」
「え、なになに?」
「あそこの家の長男がガラス片で喉を刺して病院に運ばれたって話よ」
「まぁ…確かあの家って、聖堂のステンドグラスが壊れた時に下敷きになって死んでしまった女の子がいるんじゃなかった?」
「えぇ、そうよ。その件以来、あそこの家は窓に板を打ち付けたり、鏡を捨てたりしていたのよ」
「あらそうだったの……心配ねぇ」
「えぇ、本当に」
◆◆◆◆◆
あぁ…残念、今回は失敗したなぁ。
次の機会を待って、あの馬鹿正直なやつを揺さぶるエサにしないとだなぁ。
【悪魔は敵を弱らせる一手を手に入れたい】