『鋭い眼差し』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
鋭い眼差し
なぜそんな目をするのだろう。
混んでいる電車で肩が触れた。
自転車が側をぶつかりそうな勢いで通り過ぎた。
ほとんど憎しみのような、刺すような鋭い眼差しがこちらに向けられる。
怖い。
わからない。どうしてそんなに。
一瞬心が竦んでしまい、それを怒りが上書きする。
そこに居たから、邪魔だから?
だけど相手を選んでる。強そうな男性だったなら絶対にしないくせに。
それはよくあること。
私は慣れようとして、息を深く吸って、苛々する気持ちをゆっくりと吐き出した。
#58
友達から貰った有名なテーマパークのマスコットキャラのぬいぐるみ。
特に好きではないけれど、友達が買ってきてくれたお土産だ。
即クローゼット行きは可哀想だと思い、本棚の空いているスペースに飾ることにした。
見開かれたハイライトのない黒い瞳と目があったような気がして、気味が悪い。
こんなのが大人気だなんて、と苦笑しつつ畳んだテーマパークの袋を仕舞ってから自室を出た。
バイトから帰宅して家族と晩御飯を食べ、入浴を済ませて自室に入ると、あのぬいぐるみが床に転がっていた。
ギチギチに詰めたはずなのに、と不思議に思いながら元の位置にぬいぐるみを戻してから、本棚にキッチリ収まっているぬいぐるみを監視するためにベッドに寝っ転がる。暇人。
いつの間にか寝ていたようだ、ぬいぐるみはまだギチギチしている。
やっぱり気のせいか、と欠伸を一つ、再び寝る為に目を閉じた。
バタバタッ、と大きな物音がすぐ側で鳴り、驚いて目を覚ます。
本棚の下に真っ黒い大きな塊がウネウネと蠢いていた。
幽霊かっ、と思わずバッと身を起こすと黄色く光る二つの目。
にゃーん。
可愛らしい鳴き声一つ、ぬいぐるみの横にコロンと寝転んで飯の催促をする大きな黒猫。
なんだ、おまえだったのか。
テーマ「鋭い眼差し」
鋭い眼差し
睨んでるって事かな
私はやらないな。
そんなことやっても
どうもなん無いよ
そんな事あります??????
若い子で、生意気な子だけかな。。。
歳取ったら無くなってくよ。
こんな酷く痛い眼差しを感じるくらいなら、僕は一人でも生きていきたい。君みたいに度胸も、何も無いから。
「するどい、まなざし……?」
今日も今日とて、手ごわいお題がやってきた。
某所在住物書きは相変わらず、途方に暮れて、天井を見上げている。
視線、眼差し関係の題目といえば、「君の目を見つめると」や「安らかな瞳」の4月と、「澄んだ瞳」や「視線の先には」の7月、その他数個、だいたい7〜8個は書いてきた記憶があった。
「アニメだと大抵、デフォで目ぇ閉じてるキャラって、大抵目が開くと『鋭い眼差し』な気はする」
現実のネタだと、あの文豪川端康成が、じっと人を見るその眼差しで、編集者を泣かせたってどこかで見た気がするけど、ガセだっけ、事実だっけ?
物書きは「眼差し」、「視線」、「瞳」をヒントに、残り数時間で組める物語は無かろうかとネットにすがった。
――――――
昔々のおはなしです。年号がまだ平成だった頃、だいたい8〜9年くらい前のおはなしです。
都内某所、某職場に、雪国から上京してきた田舎者がおりまして、
都会と田舎の速度の違い、人と人との距離感の差、それからアレやらコレやらで、色々荒波に揉まれて擦れて、すっかり捻くれてしまっておりました。
人間は、敵か、「まだ」敵ではないか。
素直で優しかった正直者は、少しの親切も疑ってかかるほど、ただれて、ささくれて、ヤマアラシ状態。
名前を附子山といいます。数ヶ月後、諸事情で改姓して、藤森になります。
詳しいことは過去作7月20日付近参照ですが、だいたいこのおはなしを読めば分かるので、気にしない、気にしない。
「附子山さん。ぶしやまさん」
で。そんな少しの親切も疑ってかかるヤマアラシの、顔とスタイルと、なによりヤマアラシに、惚れた者がありました。
名前を加元といいます。元カレ・元カノの、かもと。分かりやすいですね。
「その仕事、手伝うよ」
恋に恋して、自分を飾るジュエリーとして恋人を身につける加元の目に、附子山は美しく見えました。
「必要無い。あなたは、あなたの仕事をやればいい」
附子山は平坦な抑揚と表情で、しかし瞳の奥に鋭利な人間嫌いを忍ばせて、加元を拒否ります。
加元は、この鋭い眼差しが大好きでした。
手負いのオオカミか、それこそ威嚇中のヤマアラシか、ともかく野性的で静かな拒絶は、加元に「この人が欲しい」と思わせました。
決して懐かぬ孤高は、故郷と都会のギャップで疲弊した孤独は、良いピアスかネックレスになるだろう。
加元は確信しておりました。
なにより附子山の静かな目、静かな表情、視線の鋭利さといったら!
「寂しいこと言わないでよ。ほら、貸して」
ぬるり、ぬるり。
加元は己の声と抑揚と仕草で、附子山の心の奥の奥に潜り込みます。
「ふたりでやった方が早いよ。定時で終わらせて、美味しいものでも食べようよ」
ぬるり、ぬるり。
何度威嚇しても優しく在る加元に、附子山は1ミリずつ心を開いて、捻くれ傷ついた心も癒えてきて、
数ヶ月後、加元のピアスになる前に、元々の素直さと優しさを取り戻し、
ゆえに加元から「解釈違い」と、SNSのサブ垢でディスられました。
加元のサブ垢に気付いて、自分に対するボロクソを見てしまった附子山。
おかげで心はズッタズタのボロッボロ。
しまいには、合法的に「藤森」に改姓して、職場もスマホも居住区も全部変えて、加元の前から姿を消してしまいました。
それから8〜9年後、現在の藤森は新しい職場とアパートで、
ヒガンバナのお守りを親友から押し付けられたり、ぼっち鍋で煮たポトフを後輩とシェアしたり、まぁまぁ、そこそこ幸せに暮らしておるのですが、
その辺は今回の「鋭い眼差し」のお題とは無関係なので、気にしない、気にしない。
鋭い眼差しが見つめる先は………
「いやだー!!!!拓斗ー!!!」
「何。どうしたの!大きい声出して」
「g〜!!!!!gが出たー!!!!」
「えっ!?g!」
晩ごはんを作っていた私の足元に現れたそれは紛れもない茶色いつややかな色、不気味に動く触覚をもつ、正真正銘のgだった。
「早く!早くやっつけてー(泣)」
私からg討伐を命じられた拓斗は、騒ぐ私を尻目にgを討伐するための装備を揃えていく。
「茜。ゆっくりこっちにおいで」
拓斗にそう言われた私は野菜を切っていた包丁を静かに置いて、ゆっくり拓斗の方へと向かう。
「そこにいてよ」
「うん。拓斗も気をつけてね」
私の足元にいたgは動くことなく静止をしたまま。ゆっくり、gに向かって拓斗は少しずつ足を進めていく。
そして、
スパーーーーーン!!!!
拓斗の即席丸めた新聞紙で、ものの見事にgは一撃。
してやったりである。
「うわー!!!凄い拓斗っ!!!さすが元野球部キャッチャー!!」
「はいはい。もう大丈夫だから、晩御飯の続き、よろしくお願い致します。おいしいおいしい晩御飯をお待ちしています。」
「はーい。ありがとう拓斗」
こうして我が家に平和が戻った。
g……君のことは多分、一生苦手。
けれど、君が現れた時、私には心強い騎士が居る。
「拓斗ー!好きっ!!」
「はいはい。俺も好きですよ」
何気ない会話をしながら、私は晩ごはんの続きを作るのだった。
嫉妬からくる貴方の眼差し
冷えきった深海のような深さ
でもどこかに熱があるようで
獲物を殺しかかるような目
【鋭い眼差し】
食べる気力が無い
独りだからとかそうゆんじゃない
自分の心のどこかで
"食べなくていいのでは''
と思い始める
【僕の昼休み】
誰もいないところが好き。そこには自分もいないから。刺すみたいな視線の正体が、刺されるみたいな気持ちだったり、割とある。人に見せたくないものばっかり見られてるような気になって、やったこともないテーブルクロス引きよろしくひっくり返したくなることもある。
もしみんなに何も知られずに頼めるなら何を言うだろう。そういうことを考えたいし、だけどあんまり腹は膨れない。惨めじゃない人になりたい。それって自分次第なんだとも思うけど…、だから、あんまり見ないでね。消えたい気持ちになりたくないし。
レンズを睨むように、鋭い眼差しを向けてと指示が入った。
俺は従い、眼に力を込める。いつもは柔和で知的だと褒められる表情をぐっと引き締め、まるで蹴落としたい相手でもいるように、レンズを敵だと捉えるように、強い視線を送る。
その上でポージングを決め、いくつかフラッシュがたかれ、OKと明るい声がかかるまで意識を集中させた。
「良いね。すごくかっこいいよ。いつもの優しい君とはまったく違う、新しい一面を引き出せた」
カメラマンはとても満足した顔で俺を褒めてくれた。ニコッと笑みを浮かべて、頭を下げる。
「ありがとうございます」
その後も撮影は続き、いつもの爽やか然としたスマイル、切なげな横顔という風にコンセプトを決めて被写体に徹し、スケジュールは少し早めに切り上がった。
インタビューに入る。雑誌記者が登場し、これまでの活躍と、これからの仕事を答えた。
「スターになる人だと思います」
記者は好意に満ちた視線を送ってくれた。お世辞ではなく、俺に期待してくれているのだとわかる、熱い視線だった。
俺は礼を言い、現場スタッフ全員に丁寧な挨拶をして仕事を終えた。
スターになる人。当たり前じゃないか。
俺は、ずっとその道を目指して生きているのだから。
憧れは、憧れのままでは終われない。胸の内に灯る炎をうまく操りながら、俺はスターダムの階段を上っていくのだ。
鋭い眼差しは、俺の本質。この世界で生き残ってやるという、飽くなき野心。
幼い頃に夢見たあの場所に、今、立っている。
#鋭い眼差し
お題:鋭い眼差し
私が今からやろうとしている行いを咎めるように。
私が今からやろうとしている哀れを宥めるように。
その鋭い眼差しが、後ろめたく
ない。
後ろめたくない。全く。
是非その目で目撃してほしい。
そして証人となれ。
私はこれなら狂言をする。
その鋭い眼差しで、お前も舞台の一員となれ。
お前だけ逃してなどやるものか。
引きずり上げてやる。
【お題:鋭い眼差し】
目は心の窓
というが 眼光は
その人となりを
包み隠さず 映し出す
目が印象的な人を
つらつら考えると
岡本太郎、オノ・ヨーコ
そして ピース・又吉直樹が
養成所で
先輩から眼力くん
と呼ばれたという
エピソードを思い出した
しかし改めて
3人を思い浮かべると
決して鋭い目つきは
していない
鋭い眼差し
という表現がぴったりだ
この違いは何だろうか
と考える
鋭い目つきは
一瞬の閃光に似ている
怒りや集中など
感情や状態の表れだ
一方
鋭い眼差しには
意志を感じる
長い時間と
葛藤を乗り越えてきた
覚悟の表れだろうか
40歳を過ぎたら
自分の顔に責任を持て
という
自分が年齢を重ねるごとに
また
いろんな人と接するごとに
この言葉を
真実だと実感する
赦しと宥し。壊れた世界に掬いの手を。
彼の鋭い眼差しは、ただ一点の好敵手を睨みつけている。
『鋭い眼差し』
君の視線に気づかないわけないじゃん
だって私のヒーローだもん
#129 コレが私の仕事ですから...
「超目玉!お買い得!」と掲げられている¥177白菜(1/4)のポップを睨む。半玉(値段)の間違いでは?と思ってもみたがそうではない。掲げられたポップも実はそう思っているのだけど、コレが私の仕事ですから...といつもより覇気がなかった。
お題:鋭い眼差し
〘鋭い眼差し〙
パトカーと気づかぬふりですれ違う何もしてないこっちを見るな
何も言わない
けれど、責めている瞳に罪悪感はつく
その瞳は雄弁に君を語る
例えるならナイフ
信じられるのは自分だけ、と疑心暗鬼が刺さる
例えるなら黒
心をひどく素直に映す、虚ろな黒
あぁ、僕は君を裏切った
#鋭い眼差し
惑星エックスにて
くだらない、馬鹿げたことかもしれないけど、これから話すことは決してぼくの妄想や出鱈目なんかじゃないことを前提に、どうか聞いて欲しい。
結論から言うとね、ぼくは宇宙人(厳密には地球人もぼくらからすれば宇宙人だから、敢えてこの呼び方をするけど)だ。きみらは地球人、ぼくの母星は惑星エックスっていう地球とよく似た星の人間なんだ。
でも、きみは今、ぼくは地球人にそっくりじゃないかと思ったことだろう。当然だよな。だって地球人の祖先がぼくらエックス星人なんだから。でも、きみたち地球人より遥かに優れた高度テクノロジーの文明を築いているよ。きみたちはテレポートもテレパシーもできないだろうけど、ぼくらはそれができる。特殊な磁場を発生させて宇宙空間を移動できる乗り物だってあるんだから。
きみら地球人が月面に旗を掲げていたころ、ぼくらは既に銀河系のほぼ全てを植民惑星にしていた。近い将来、エックス星と地球の間で戦争が起きるかもしれないね。なるべく、平和的に外交を進めるつもりだけど、きみらはものすごく攻撃的だから困る。
ぼくの兄、ギグポーニは、地球に潜入している。兄貴、『ジム・ジル・ジェノラータ』なんて名前でアメリカを監察してるんだ。ぼくは『ノグチ・トチロー』って名前でニホンにいる。本名はポサボッドなんだけど。まあ、きみはぼくが頭がおかしいヤツだとでも思ってるんだろ? 顔に出てるよ。
話を続けるね。
でね、ぼくは結局何を言いたいかというと、きみに恋をしたことを伝えたいんだ。きみのグリーンの瞳、すごく綺麗だな。そこで、きみとぼくでエックス星に行かないかい? ああ、ぼくの場合は母星に帰るだけなんだけどね。
嫌? それは残念。だけどきみに拒否権はないよ。さっき言ったけど、ぼくの星の科学技術は銀河系最高レベルなんだ。きみを逃がしはしないよ。
あ、そろそろ部屋に戻らなきゃ。どうやってもさ、この施設から出ることができないけど、いつか出てやるさ。そしてきみを絶対に連れて行くんだから。
やめろ! 今戻ろうとしてたろ! ぼくは掴まれるのが大嫌いなんだ、離せったら!!
チクショウ!!
貴方の鋭い眼差しは
何もかもを見透かしているようで
恐ろしい気持ちと、嬉しい気持ちと
綯交ぜになって絡め取られる
一度捕まったら逃げられないのは
私だけじゃない、きっと
(鋭い眼差し)
鋭い眼差し。ジャンプを見てる時の俺は鋭い目で作品を見ている。その作品が読むに値するかを見極めるために。
なのでジャンプの感想をば。最初に目に入ったのはワンピース。だけどこれをスルーして最初に読むのはままゆ。
今週は新しい魔王が登場。最初見たときになんとなく飛影を思い出したのは謎だ。なんとなく敵っぽいと思って読み進めると衝撃のヒキで次週へ。中々いいじゃない。
ネットだと魔王が敵か味方かで別れている印象。キャラデザ的に敵になってから味方になるパターンもありそう。ようやくエンジンがかかってきたな。
打ち切りにさえならなければアニメ化とかいけそうなポテンシャルはあると思っているのだが、さてどうなるか。続いてくれるとありがたい。
次は鵺。鬼滅の柱会議的な今後の重要人物が集まる回。こういう回って後で見返すとこのキャラこの時はこんなこと言ってたなー、とかなるのが好き。
鵺もいい感じで次回に続いたな。来週が楽しみでたまらないね。
でキルアオは無難な感じで着地してワンピースは流し読み。そういやカグラバチ読むの忘れたな。今度読んでおこう。
ある暑い夏の日だった。
私が鋭い眼差しを感じたのは、雨の降っている静かな午後だ。
振り向いても誰もいなかった。
そしてまた行く先を見つめるとそこには、
血塗れの女がそこに立っていた。