『部屋の片隅で』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「ああ、もうだめだ…
もうだめだ…」
「どしたん?」
ダーニーが言いました。
「聞いてしまったんだ…
今までなんとか見つからずここでやり過ごしていたけれど…
今度大掃除をするんだって!」
「ああ…」
「もうだめだ!!」
わっ、とわたぼこりんが泣き出しました。
「そうなんだー。ぼくは見つけてほしいんだけどな。」
そばにいたキラキラのスーパーボールが言いました。
「ぼくは夏祭りのすぐ後からずっとここにいるんだよ。
夏祭りの時はぼくを手にとってよろこんでいたから、
ぼくを見つけてくれたらきっとよろこんでくれるんじゃないかなー。」
「それはどうかな。」
冷たい声がしました。
「お父さんかお母さんに見つかっちゃったら捨てられちゃうんじゃない?
きみを手にしてよろこんでたのはどうせこどもたちだろう?
でもこどもたちなんて掃除のじゃまはしても手伝いなんてしないだろう?
だからきみは捨てられるのさ!」
自暴自棄になったわたぼこりんの八つ当たりです。
「そ、そんな……!」
キラキラスーパーボールもわたぼこりんといっしょに泣きはじめました。
「やれやれ…」
「ダーニーはどうしてそんなに落ち着いてるの?」
「そうだなあ。
ぼくはどうせ寿命が短いし?
そーゆーのはどーでもいーかな。
まあ、ほら。
けっきょくだれにも見つからないって可能性もあるんだし。」
「そんなのいやだ!
ぼくは、見つかってほしい!」
スーパーボールが言って、また泣きました。
うわああああ。
部屋の隅ではわたぼこりんとスーパーボールの泣き声が。
やれやれ。と頭を掻きながら、大掃除になったらどこに行ったら見つかりにくいかな。と考えるダーニーなのでした。
「部屋の片隅で」
*部屋の片隅で
ただ何もせずに眺める天井の白
嫌なことを忘れてしまいたいなんて夢のような話
うつらうつらと無駄に睡魔と闘って、勝ったあかつきに空虚な時間を手に入れた
安らぎを求めて小さな箱を手に取って、ひとに対しての劣等感を抱いていく
また寝れない時間が続くんだと目を閉じた
「部屋の片隅で」
巡る季節は悲しみに溢れていた
あなたの遺香に泣き濡れた夜
星々は嬉しそうに瞬いていた
部屋の片隅に儚げに差す月光は、まるで誰かを祝福しているようで僕の心を懲らしめた
喫茶店から歩いて帰った
玄関を開けると
途端に息苦しい
慌てて窓を開けた
重たいリュックも下ろさず
一目散に部屋の奥へ
私の部屋の窓は
ベッドの頭の先にある
やっと息をつくと
寒さに気づき
私は毛布にくるまった
2024.12.08-部屋の片隅で
部屋の片隅で
今日も今日とで社会から孤立しています。
寂しいも悲しいもありません。
『もう疲れたから。どうでもいい』
いじめも嫌がらせもありません。
普通なのです。
普通、普通、普通普通普通普通普通普通
起きて食べて学校に行って自分の無力さをしって絶望して苦しくなって泣いて相談せず食べて寝る
気づけばこうなってました。
月灯りが照らす部屋の片隅で私は
『普通』を辞めます。
※ 片隅は真ん中から離れた場所。すみっこ
テーマを元に
『普通という真ん中から背き、離れた場所へ逝った少女を描きたかった。』
そういえば、いつも私の部屋の片隅で泣いてる女の子は誰なんだろ。彼女は泣いてばかりで話すらしてくれない。放っておくといつの間にか居なくなってる事が多いんだけどね。
お題『部屋の片隅で』
えーっと。
今日は『悪魔執事と黒い猫』という、日常管理アプリにしてシナリオを読んでいくゲームの二次創作である『主様とご一緒シリーズ』をお休みします。
ちなみにいつの間にかぬるっと完結させていた、フェネスと幼少期の主様を書いた『あるじさまといっしょ!シリーズ』は昨年の夏に無事本にできました!(ここで拍手)
『主様とご一緒シリーズ』では、少女というにはお姉さんな年齢となってから以降の主様と、悪魔と契約しているがゆえに年を取らないフェネスとの関係を書いていけたらいいな……と思いつつ、インターネットという広大な部屋の片隅で、人差し指一本を相棒に綴っています。
とは言え、このご一緒シリーズは来年の5月にまた本にしたいので、あまり悠長なことは言っていられません(汗)。年明けに上司の気まぐれ5連休があるので、そこで追い上げたいです。
これからもお題をお借りし、ノウミソを絞ってふたりの関係性を、ネットと自室の片隅で書いていきます。お付き合いいただける方はどうぞよろしくお願いします。
気になる人って?
あんなに嫌な思いもしたのに忘れることができない.
ずっと昔の知り合いも気にはなるけど伝えて今の関係が崩れるのは嫌.
私は何を求めているのか?
わからない
タイトルみたワイ
『右肩の蝶しか思い浮かばん』
“右肩に紫蝶々
キスをしたこの部屋の隅で
切ないという感情を知る
響くピアノ 不協和音”
_部屋の片隅で
部屋の片隅で、私は一人うずくまっていた。
外では風がびゅうびゅうと唸り声を上げ、
吹雪が壁を叩きつけている。
突如、小屋の扉が音を立てて開いた。
風と雪に押し流されるように
中へ入ってきたのは、色とりどりの
ジャケットを着た四人組の旅人。
身を切るような寒さに凍える彼らは、
しばらく無言で小屋の中を見回した。
「めぼしいものは何もないでやんす」
落胆の声を漏らす黄色ジャケット。
「ここで一夜を過ごすしかないじょ」
唇を震わせながら呟く緑色ジャケット。
「こんなとこで寝たら死んじまうにゃ」
歯をカチカチと鳴らしながら吐き捨てる
青色ジャケット。
「こうするのはどうだろう」
とある提案をする赤色ジャケット。
赤色ジャケットをA。青色ジャケットをB。
黄色をC。緑色をDとしよう。
部屋の四隅にA、B、C、Dが
それぞれ座る。
━━━━━━━━
│B A │
│ サムイ │
│ 小屋 │
│サムィ │
│C D │
━━━━━━━━
A B
㌧㌧(。´・ω・)ノ゙(´-﹃-`)ムニャ…
まずAが壁を伝って、
Bの元へ行き、Bの肩を叩く。
A B C
( ˘ω˘ ) スヤァ…=͟͟͞͞ ( ˙꒳˙) (´-﹃-`)Zz…
それを合図にBは立ち上がり、壁を伝い、
Cの元へ行く。AはBがいた場所に座る。
B C
㌧㌧(。´・ω・)ノ゙(´-﹃-`)ムニャ…
Cの元に行ったBは、Cの肩を叩く。
B C D
( ˘ω˘ ) スヤァ…=͟͟͞͞ ( ˙꒳˙) (´-﹃-`)Zz…
それを合図にCは立ち上がり、壁を伝い、
Dの元へ行く。BはCがいた場所に座る。
以下ループ
これを繰り返すことで、睡魔に打ち勝ち、
朝まで耐えようという考えだ。
早速、四人は作戦を決行した。
しかし、私はあることに気がついた。
Aが最初に座っていた場所には、
誰もいない。
つまりDが肩を叩く相手、
Aを起こしにいく者がいないのだ。
困ったな…。
よし。ならば、私がその役割を担おう。
こうして私はAがいた場所に座り、
順番が回ってくるのを待った。
D「㌧㌧(。´・ω・)ノ゙」
私「おけ」
私は立ち上がり、眠るAの元へ向かい、
その肩を叩いた。
――
翌朝、嵐はすっかり治まり、宝石のように輝く陽光が、白い大地を照らした。
四人は顔を見合わせ、
喜びを分かち合っていた。
「やったでやんす!」
「これで帰れるじょ」
互いを讃え合った後、彼らは山小屋を後にし、
一人取り残された私は清々しい気持ちに浸っていた。
いいことしたな────
そしてまた、いつものように
私は部屋の片隅に腰を下ろした。
お題「部屋の片隅で」
部屋の片隅で
声を押し殺して泣く
なんで生きてるのかわからない
絶望している
でも何に?
腐った世界か
腐った自分か?
あぁ、きっと腐った自分なんだ
「クソが」
「邪魔」
「し〇よ」
何度言われたことだろう
いらない命だった
なのにまだ
生きてれば良いことがあるだろうと
信じている自分
※フィクション
四十五年前から本棚の片隅にずっと
存在し続けている谷川俊太郎詩集
自由詩にずっと憧れている “自由”って
なんて難しいんだろう
#部屋の片隅で
部屋の片隅で生きている。
暗くなったら隠れるように起きて、明るくなったら逃げるように寝る。そんな生活。
カーテンを閉め切って真っ暗になった部屋の中で、唯一、パソコンの光だけを頼りに今日もネットサーフィンをする。
外には出ない。いじめられたとか、怖い目にあったとかそんな特別なことはない。ただなんとなく面倒くさくなって、いつのまにか取り返しがつかなくなっていた。
毎日毎日、同じような毎日。みんなが生きている一日分の頑張りに、私の何日分を差し出せば対等になるのだろう。
部屋の片隅。社会の端っこ。でも、私の世界の中心。
いつかこのカーテンを開く時が来る。
いつかこのパソコンを閉す時が来る。
いつかこの部屋の外に出て、広くて明るくて怖い世界を生きていかなくてはいけない時が来る。
そんないつかを想いながら、でも今日はまだ怖いからこの世界の中心でうずくまりながら息をしている。
君は知らないでしょ
スマホ越しに私がどんだけ、
心を動かされてるか。
君が想像できないくらい、
今にも死んでしまいそうなくらい、
心臓がはやい_
部屋の片隅で眠る君。
昼前、淡いオレンジ色の光をおびて、温もりをその身体いっぱいに受け止める。
湿った鼻先、ヒゲに、桜色の手と爪。そのどれもがキラリと照る。
手を伸ばせばそっぽを向いて、ゴロンと寝返りし、生え変わる毛がチラチラと空に舞う中、ブロロンブロロンと喉が鳴る。
そう言う君の隣で、つい自分も横になる。
部屋の片隅で眠る。
君の片隅で僕も眠る。
彼氏→みきと 彼女→莉奈
「ごめんクリスマス会えない」
「え、、なんで?」
「ちょっと、、、ね。」
私にはもう付き合って3年目になる彼氏がいる。彼とは毎年クリスマスやイベントのある日には通話して予定を立てたりしていた。だが最近お互いに通話したり会ったりする機会が減った。
「なんでクリスマス会えないの?」
既読がつかず心配になってしまった。こんな私が嫌いだ
「今から家行ってもいい?」
既読がつかないままだが、彼のことがさっきより心配になってきてしまった。
そして私がみきとの家に行くと知らない女性が彼の隣に座っていた。
「信じられない…相手がいるなら言ってよ!!」
「あ、!待ってください!違います、誤解です!」
彼の隣に座っていた女がそう言った。
こんな状況でも彼は何も言わず横になっていた
私は家に帰って彼に「ごめんね、もう別れよ」とLINEで伝えた。既読はつかなかった。
〜数ヶ月後〜
「やっぱり、、戻りたい…」
「今更何を言っているのか、、」
ピーンポーン
インターホンが鳴った。
「はーい、今でまーすって、え、、、?」
モニターで確認すると数ヶ月前に彼の隣に座っていた女だった。
「こんにちは」
「ども」
私はあまり関わりたくなかった、、
「急に来てすみません、あなたの事実は弟から聞いていました、そして私は今日あなたに伝えたいことがあってきました」
「なんですか?」
「突然ですが、あの、私はみきとの姉です。」
聞いた瞬間驚いた。そして私は申し訳なさで頭がいっぱいになった。
「あの時は本当にすみません!てっきりみきとの浮気相手だと勘違いして、、、本当にすみません」
「いえいえ、全然大丈夫ですよ」
そう言ってみきとの姉は微笑んだ。
「で、伝えたいものとはいったいなんでしょうか?」
「みきとが書いていた手紙をこっそり持ってきました」
中を見るとこんな内容が書かれていた
『莉奈へ
この手紙を読んでいるということは俺はもうこの世界にはいないでしょう。
俺ね、完治しにくい病気になったんだって
自分も昨日初めて知ってビックリした(笑)
余命1ヶ月だってさ〜意味わからんよね。俺も全然病気になったって思わないし、逆にまだ生きれるって今は思ってる。
そして莉奈にちゃんと謝りたくて手紙を書きました。
まず、クリスマスの約束を急に断ってごめんなさい。
ほんとはあの日に自分の体に病気があるってわかったんだ。莉奈に心配かけたくなかった。悲しませたくなかった。不安な気持ちにさせて本当にごめんね。
でね、この先の人生は辛いことが沢山ある。その時逃げたくなったり、くじけそうになることも必ずある。でもね、大丈夫、安心して。莉奈はその辛いことを乗り越えれる力があるし、辛くなった時助けてくれる仲間が必ずいる。大丈夫、俺もそばで見守ってるから。
莉奈がずっと笑顔でいられますように』
震えた手で口元を押さえた。涙が止まらなかった
「ほんとは私は葬式でこの手紙を渡すよう、弟から預かりました」
「え?!じゃあみきとは?!」
「はい、!今も生きています!」
「○○市の△△病院にいます!」
「ありがとうございます!」
私はそれを聞いた瞬間家を飛び出してお姉さんに車を早く出してもらうよう頼んだ。
〜続く〜
今は昔のお話です
ここには小さな家があって
西日の差す六畳間がありました
おばあちゃんは老眼鏡をかけてなお
見えないなぁって言いながら
なんとか糸を通し
ミシンをカタカタかけてました
雑巾を縫ったり
お友達に巾着を作ったり
孫娘のお洋服をつくったり
カタタッタタッタッタ
カタカッタ♪
ミシンは楽しそうに歌ってました
その音を聞きながら
いつも寝てばかりの白猫がおりました
陽射しはサラサラ
ミシンはカタカタ
猫はウトウト
そんな部屋の片隅で白猫と並んで
わたしは陽射しの浅瀬に
ユラユラと浸りながら
本を読んでいました
出来たわ
おばあちゃんが嬉しそうに
瞳を輝かせます
とても愛らしい笑顔で
その時、小さなわたしにも
年老いたおばあちゃんが
かつて可愛らしい娘だったことが
不意にわかったりしたのでした
祖母と猫とわたし
それぞれに過ごしながら
不思議な優しい時間が流れていた
小さな部屋のお話
(テーマ 部屋の片隅で)
#部屋の片隅で
※お題「世界に一つだけ」の続きです。性格は違うけど数字で測れるものは全部同じという一卵性双生児、悠莉(ゆうり)と悠妃(ゆうひ)、高校1年生の話だということを把握していただければ単体でも読めるはず……?
「アイス、何食べる?パピコのブドウとかどう?っていうかそれしかないんだけど」
「アイス食べたいのは悠莉なんだから悠莉が決めたらいいじゃん。というか、パピコなら一人で食べればよくない?半分残したって問題ないでしょ」
「えー、マジでいらないの?アイス。あんなに外暑かったのに。顔真っ赤じゃん、悠妃」
「それは悠莉も同じだと思うけど……」
歩くこと20分。帰宅して早々、リビングのソファに私は沈み込んだ。一方の悠莉は冷凍庫を開けて週末の買い出しの時に買ったパピコを探している。前はアイスの実を選ぶことが多かったけれど、最近はもっぱらパピコのブドウかマスカットで、その半分が私に分け与えられる。アイスの実とは違って2本に分かれて入っているのだから、半分くれるにしても同時に食べなければいけないことはないと思う。
「はい、悠妃の」
「……ありがと」
私の隣に腰を下した悠莉がパピコを渡してくる。案の定パピコは開封済みで、悠莉は毎回ご丁寧にも容器の先っぽのアレまで取って私に渡してくるので私はその場で食べざるを得ない。悠莉がいたずらっぽくニヤッとと笑って私の分のパピコのアレをしゃぶる。何を嬉し気にニヤニヤしているのだろうと思いつつスルーすれば、悠莉は途端につまらなそうな顔をした。
「あーあ、2学期始まっちゃった」
「まぁ、面倒くさいね」
「それもだけど、進路。2学期末にアンケート取るから考え始めろよーって言われたじゃん。どうする?文系?理系?」
「私に聞いてどうするの?」
「気になるに決まってるじゃん?」
「いや、決めるのは自分じゃん。わざわざ私の選択を聞く必要、ある?」
「え、もう決まってるの?」
「いや、決まってはないけど」
「なら聞いたっていいじゃん。それに、一人でぐるぐる考えるより二人であーでもないこーでもないって言いながら考えるほうが楽しくない?今から大学も調べてさ。きっと同じ成績なんだからその方が効率も良いし」
私は思わずパピコの容器を噛んだ。同じ、同じ、また同じ。うんざりだ。これまでずっと私の成績と悠莉の成績が同じなのは確かで、きっとそれはこの先も変わらないだろう。同じレベルの大学を目指すことになることを考えると、二人でリサーチして結果を共有するのが効率的だというのはその通りだ。とはいえ、同じ成績だからって興味関心まで同じとは限らないし、悠莉と一緒に考え始めたら自分の志向を固めるよりも早く悠莉の思考に引きずられてしまうのが目に見えている。
今までの人生を振り返る限り、ずっとそうだった。反応速度、思考速度が共に速い悠莉がさっさと決断するものだから、私に決断の機会は回ってこなかった。それでいいか、と確認を取られるとしても自分の考えがまとまっていないものだから頷くしかなく、悠莉に引きずられてそのまま物事をこなしてきた。不幸にも同じスペックゆえに、悠莉の決断であっても私はうまいこと物事を進めてしまって、結果的に私の意思も反映されていると周囲に思われてしまっている。
だから、今回ばかりは。今まで悠莉に流されてきたばかりの私がちゃんと決断できるか、そもそも独自の意思があるかどうか定かではないものの、まずは一人でじっくり、悠莉の言葉を借りるならぐるぐると、考えなければならないと思う。個々に考えた結果、同じ進路をとるならそういう運命なのだと受け入れるし、最終的に軌道修正して同じになるなら納得する。ただ、最初から悠莉の意見にただ乗りするのではなくて、一度自分のポジションというのを作ってみなければならない。
「……たまには、一人でぐるぐると考えてみるのも必要じゃない?」
私は少し溶けたパピコを一気に吸い込む。まだ私の体には冷たかったのかキーンと頭痛が走るが、顔には出さずさっさと嚥下する。部屋の隅にあるゴミ箱にポイッと空になった容器を捨てた。
「え、ちょ、待ってよ!……痛ったーい!」
悠莉の悲鳴が聞こえるが、私はためらわずに自室に向かう。リビングのドアを閉めるのにちらりと振り向けば、悠莉は部屋の片隅で頭を押さえてうずくまっていた。やっぱり同じなのかとため息をつきながら、私は静かにドアを閉めた。
つらかった
言えない事ばかり
平気なフリした
人の前では笑顔を絶やさずに作り笑い
家でもなんにもないよと言って笑う私
本当は辛い
学校なんか行きたくない
またなんかされちゃう
みんなに笑われちゃう
誰も助けてくれない
先生も気づいてくれない
だから私は
部屋の片隅で静かに泣くの
部屋の片隅で。
小さな小さなクモがいた。
知らないところで毎日ひっそり
僕たちの暮らしを覗いていたのだ。
僕たちから見る彼らの世界は
あまりにも小さなものだけど、
彼らからみるその景色は
至って普通のものなのだ。
大きな大きな人間の暮らしの裏で、
彼らは僕たちには想像出来ないような
神秘の世界を今も紡いでいる。
当たり前のことだけど、
そう考えると少し楽しくなってくる。
『知らないところで知らない世界』
僕たちの知らない沢山のわくわくが
至る所に広がっている。