『遠くの街へ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
海を見て空を見上げて寝っ転がって知らない誰かと話ししてぼんやり過ごしたい
遠くの街へ
どんなに遠くにいても、私はあなたに会いに行く
私の家は少しだけ高い山にある。
おじいさんと2人暮らし。
親に捨てられて、家もご飯も何もない私を拾ってくれた。
おじいさんは若い頃旅行するのが大好きだったんだって。
写真を沢山見せてもらった。
大きな滝に珍しい動物、とっても美味しそうな料理。
今では腰が悪く長く歩けないから行っても山を降りてすぐの小さな街くらいだが。
いつか写真で見た場所へ行ってみたいと思った。
ある秋の冬が近づいてかなり寒くなってきた日、おじいさんは静かに息を引き取った。
もうかなり歳だったから無理もないだろう。
そして次の春、私は大きめのキャリーケースに服や食べ物を詰め込み程々のお金も持って家を出た。
しっかり鍵も閉めたし、おじいさんの遺品のひとつであるカメラも首にかけた。
私はこれから旅に出る。
写真でしか見たことがない、遠くの街へ。
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『遠くの街へ』
【遠くの街へ】
誰も知らない
誰も行ったことのない
私の、私達だけの居場所
貴方と2人きり
遠くの街へ
久しぶりに、電車に乗って遠くの街へ行く。
そこは、元僕が住んでいた家のある街だ。
駅から歩く事30分。黄色い壁で庭があって、目が覚めるほど赤い屋根の家が見えてきた。
誰もいないのに、インターホンを押す。緊張しているのだろう、押す手が震えている。その時、ガチャリと扉が開いた。
「はーい.........って、ど、どちら様でしょうか。」
小柄な女性が出てきた。声質的に大学生だと思われる。僕は驚いた。びっくりすると共に、安心と、恥ずかしさと、悲しみが込み上げてきた。
「す、すみません。家を間違えました。」
そうとしか言えなかった。扉がしまった後、すぐに駅に向かって走った。気がつくと、眼からは涙が溢れていた。
帰りの電車からは、黄色い家が見えた。あの家が受け継がれた事、取り壊されていなかった事への安心と、それ以上の..........。
あれは、僕の家なのに.........。僕が手放してしまったからだ。後悔しても、遅いだろう。
ー*ー
あれから僕は、遠くの街へ職場を移動した。電車に乗るたびにあの家が見えて、複雑な気持ちになる。でも、きっと大丈夫だろう。
そんな事を思いながら、今日も僕は遠くの街へ行く。
この時季は遠くの街どころか近くの街にも行きたくないが、北海道と沖縄には行きたい。
なぜなら北海道には道南の一部地域を除いて杉が生えていないから。沖縄にもほとんど植えられていないらしい。
薬のおかげで最初の頃よりはましだが、それでも時々ムスカになっている。
連続で花粉症の話になってしまった。
『遠くの街へ』
いつか
時間と余裕があるときに
叶えたい夢がある。
ひとり旅に出るの。
徒歩。自転車。バス。飛行機。
移動手段はいくつもあるけど
私はきっと、電車を選ぶでしょう。
青春18きっぷを買って
新幹線ではなく在来線で
たまに、途中下車して
お土産とか買って
乗り込む人々の
方言の変化とか見つけて
車窓から
流れる景色を眺める。
目的地があってもなくても
遠くの街へ行くの。
「遠くの街へ」
遠くの街で1人暮らしていたことがある
うまくいかない事もたくさんあったけど
大好きな街そのものに癒やされていた
かけがえのない宝物のような日々だった
あのまま帰って来なければ良かったと
苦しくなると時々想うことがある
そうしていたらどんな人生だっただろう
今ごろどんな自分を生きていただろう
遠くの街へ
遠くにいきたい
誰も私を知らないところへ
私を知る人が誰ひとりとしていないような
辺鄙なところで
息絶えたい
遠くなら、噂話も聞こえないだろうから
学校行きたくないなあ。
楽しくないわけじゃないけど、面白くない。
今ここで電車を降りて、反対方向の電車に乗る勇気があればなあ。いつまでもそんな勇気は出ないけれど、いつか行けたらいいな。遠くの街まで。
【遠くの街】
遠くの街へ
「街」と「町」の使い分けが分からない。多分、「街」の方が人が多くて都会的なんだろうな、とか思いながら使い分けている。
遠くの街へ行こうと思ったことはあまりない。自分が今住んでいる環境に満足してしまっている部分が大きい。それなりに都会的で、けど都会に比べたら人が少ない、街と町の間みたいなところに住んでいる。ただ、毎日訳あって電車で1時間弱の距離の街へ出ている。そこは都会も都会、人は多くてビルも高い。私みたいな人間は気圧されてしまうような街だ。ここは遠くの街と呼べるのだろうか。距離としてはそこまで遠くなくとも、精神的には遠くの街かもしれない。自分の人生には縁のない場所だと思っていたから。そういう意味でなら、私は既に遠くの街へ出ていってるのかもしれない。
そもそも遠くの街ってどこなんだろうか。新幹線でも使わなければ辿り着け得ない街のことを指すなら、私が毎日通っているここは遠くの街ではないだろう。じゃあ仮にそんな距離の街のことを指すなら、遠くの街へ出ていって何をしようと言うのだろう。観光?それも違う気がする。遠くの街へ行きたいと思う時、私は地に足をつけようとしていない気がする。もっと夢想的で、理想的などこかへ行こうとしている気がする。遠くの街にはきっと名前なんてない。この世には無いどこかなんだろう。
もし、遠くの町がこの世には無いどこかのことなら、話は変わってくる。そんなところ毎日のように行きたいと思っている。でも叶わないんだろうな。遠くの街へ行きたいと願いながら、そこそこ遠めの都会で毎日を過ごしている。
短い夢を見た。知らない遠くの街へ行ってスマホで写真をひたすら撮っている夢。風景と花ばかりだったが、夢だからなのか季節はコロコロと変わっていてなかなか面白かった。
「遠くの街へ」
あなたとはもう二度と会うことはないと思っていたのだけれど、存外私の世界はちっぽけなものだったのですね。
ならば次は、もっと遠くにゆこう。あなたというひとに再び出会わない為に、私は遥か彼方にきっとあるまだ名も知らないところを、当もないままに目指しているのです。
「遠くの街へ」
遠く離れた街にある廃墟となった郵便局にいる
或る人へ手紙を出す
或る人を訪ねる理由を書いて、街を訪ねてみたいけど、
あらゆる理由を書いても或る人から面会拒否の文字
或る人が居る「遠くの街」は
ワタシから見れば、本当に「遠くの街」
このままどこに行くかも分からないバスに乗って
君と知らない街まで行きたいな。
今日私は、会社に行くのをサボった。
いつもとは反対方向の電車に乗り込んだ。
別に会社が嫌だったわけではない、ただなんとなく遠くの街へ行ってみたいと思ったのが始まりだ。
会社からは、何度も何度も電話やメールがやってくる。それらを無視しつづけて定時になる直前折り返し電話をかけ直した。
『今日は申し訳ありませんでした。引き継ぎとか諸々済ませてから会社辞めます』
それ以降上司が文句を言ってるようだったが、何も覚えていない。
ただどこか今はすっきりとした気持ちになれたのであった。
テーマ・遠くの街へ 《ゆるりと小道を 2 》
ガタゴトと電車が揺れる。やはり、都会の電車の乗り心地とは雲泥の差がある。ドアがキィーという音を立てて開く。あの黒板に爪を立てる悪魔の所業のような、そんな音。
しかし、私はこれらに懐かしみを憶え、さらには親しみさえあった。
【みさ・あとどれくらい?】
【りさ・あと1時間くらい】
【みさ・d(ゝω・´○)OK】
上京してから早1年。みさと再会してから早3ヶ月。時の流れは歳を重ねるごとに価値が薄れていくような気がする。
あともう少しでみさに会える。そう思うとソワソワしてワクワクする。東京には無い楽しみのひとつだ。
『ギキィー』過去一酷い音を立ててドアが開く。電車を下りた先には懐かしい風景が広がっていた。中学、高校生の時はこのド田舎が嫌で嫌で仕方がなかった。早く上京してオシャレな大人になってやると闘志を燃やしていた。
駅から出て待ち合わせの場所まで行く。近くの木にセミが止まっていた。このうるさいセミの鳴き声には流石に腹が立った。
(たしかこっちだったような。)思い出しながら待ち合わせ場所まで歩く。上手く思い出せないのでスマホに頼りながら歩く。まだセミが鳴いている。
「りさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」セミのうるささを一瞬で吹き飛ばすほどの大声で私を呼ぶ声が聞こえた。みさだ。
居酒屋でこんなにも打ち解けられたのかと思うとやっぱり嬉しかった。
遠くの街へ。親友と一緒に小道を歩き出す。
残り僅かなひととき(テーマ 遠くの街へ)
小さな部屋の中で、椅子に座ってタバコをふかす。
他に誰もいない部屋だ。
(どこか遠くへ行きたい。)
誰も私のことを知らない街へ。
大きな失敗をした私のことを、誰も知らず、誰も責めないだろうから。
そこで私は、公園のベンチに腰掛けて缶コーヒーを飲みながら、街行く人をのんびり眺めるのだ。
遠くの街では、私が知らないこと、知らない場所だらけだ。
私はゆったりと街並みを眺めながら歩き、珍しい店などあれば冷やかして歩くだろう。
小さくとも落ち着ける住居を手に入れ、気分によっては家から出なくてもいいし、出てもいい。
部屋に騒がしい音が近づいてくる。
「もう逃げられないぞ。」
そう言って突入してきた警官隊に取り押さえられ、私のささやかな想像は終わった。
これからの私は、留置所、裁判所、刑務所のフルコースだ。
のんびりはできないだろう。
街歩きもできないだろう。
そう。
どこか遠くの街、なんて言い出すのは、追い詰められた者ばかり。
遠く街になんて、行けない者ばかり。
しかし、一方で、これでいいと思いもするのだ。
ささやかな幸せについても、得るべき者と得るべきでない者がいる。
(これでもう逃げなくて済む。)
少しだけ安心し、大人しくパトカーに乗った。
遠くの街へ
今日も夢を見たい。
だって夢は、私を毎日いろんな場所に連れていってくれるもの。
おなじみの場所から、知らない街まで。
幸せな夢から、怖くて辛い夢まで。
夢の中で、たくさんの街を旅してきた。
今日は何処に連れていってくれるの?
いつもと同じようで違う私の家?
ハチャメチャな日常が待ってる学校?
私しか知らない、遠くの街?
教会の鐘がなり響く石畳の雑踏を歩く?
それとも漁船が並ぶ静かな港街?
うーん、寺院が建ち並ぶ古都?
海外か日本か…
いっそ ここでしか会えないあの人がいる
あの遠くの街へ行ってみるか…
ただ その一歩が踏み出せない…
#遠くの街へ