『遠くの街へ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
遠くの街へ行っても私はずっとここに居るよ。
貴方をずっと待ってるよ。
#遠くの街へ
ジリリリリ...ジリリリリ...
聞き慣れた目覚まし時計の音で目を覚ます。頭痛が酷い。今日は雨が降っているらしい。雨は嫌いだ。不調の原因となる。天気に弱い自分の身体にもうんざりするが、雨の日に不調を抱えながら家で寝て過ごすのにはもう飽き飽きだ。
朝起きたらまずカーテンを開ける。曇りや雨の日差しがない日は、陽の光を浴びることができないから意味がない気もするが、毎日の習慣と化している。
途中だけど一旦投稿
(※二次創作)(遠くの街へ)
かくしてカイは都会に帰っていった。
一人で見上げる空の、なんと高いことだろう。
クレアは牧場主だ。今年の春に乗っていた船が嵐に襲われ、一人だけこの街の浜辺に流れ着いた。災害に遭ったショックで名前以外の記憶を失くしたクレアは、当座の間ということで、牧場の跡地に住むことになったのだ。
右も左もわからないままに、がむしゃらに日々を過ごし、夏。クレアは、カイに出会った。
「女の子ひとりで牧場!?誰も止めなかったのか?」
クレアの来歴を知ったカイは、とんでもないことだと一人で怒っていた。確かに、大変だった。ようやく鶏を一羽買えたぐらいの頃だった。でも、どこの誰かも判らない胡乱な人間を受け入れてくれたのだ、クレアはこの街に感謝していた。
カイは世話焼きな男だ。海の家の営業もあるだろうに、毎日のように牧場に足を運んではクレアの様子を見てくれた。そんな彼のことを、クレアは好きになってしまった。
(今日から秋……)
昨日までとは違う作物が育つ季節だ。雑貨屋に種を買いに行かなくてはならないのに、足が重い。カイは夏が終わると同時に自身の住む都会に帰っていった。次に会えるのは、来年の夏。秋は始まったばかりで、なんと遠いのだろう。
(一緒に行けたら、よかったのに)
カイが暮らす遠い街を想う。牧場なんて捨てて、一言、連れて行ってと言ったらよかったのだ。街の人はクレアに本気で牧場主になってほしがっているわけではない。行く宛がないから置いてくれただけだ。
(でも、カイが私のことをどう思っているかは、判らない)
クレアは出荷箱の蓋に腰掛ける。昨日までは、大体今ぐらいの時間帯にカイが顔を出していた。嫌われてはいないだろう。でも、好かれているかは、別。一緒に行きたいと言ったところで、拒否される可能性の方が高い。
(畑仕事、しなきゃ)
クレアはのろのろと立ち上がる。遠い街のことは、意識的に脳内から追い出した。
始発電車を待ちながらこの文を書き、終点で降りたことがない事を思う。
どこか遠くへ
お母さんは私たちの背中を、
めいいっぱいの風とともに押してくれた。
風は暖かく、とても心地が良い。
初めて見る景色は色鮮やかで、寂しさを紛らわしてくれた。
ふわりふわりと地上に降りると、やわらかい土と葉が私を受け止めてくれた。
私はタンポポ。
太陽が世界を空から明るく照らすように、私は世界を地面から明るく照らす存在。
あなたはどうやって世界を照らすの?私に教えて。
ここはどこだろう。
私は会社に行きたくなくて仕事を休んだ。
コトコト電車に揺られていると、次第に人は減り駅も無人駅が増えてきた。
なぜ自分はこんななのか。
仕事をしなければ生きていけない。
でも、会社に行きたくない。
視界が歪み、気がつけば頬を涙が伝っている。
しかし、この街で自分を知る人間など一人もいないんだと思うと、なんだか心が軽くなってくる。
ふと、視界が開けた。
山を超えたそこは海だった。
青々とした地平が陽の光を浴びてキラキラと光っている。
しばらくそんな景色を見ていると、心が少し軽くなった。
遠くの街へ行こう
したことのないことをしよう
今を生きるために
【夜を待つ理由】
雨が降りそうだけど夜が来るのを待っている
ほら、ずっと向こうにネオンの灯りが見えてきたよ
君の行った遠い街の明るい灯り
降り出した雨にけぶりながらも輝いている
おやすみを言うタイミングを逃しそうなくらい
明るく輝いている
君はどうしているのだろう?…
気になるけれど、
灯りに背を向けてこうもり傘をさす
確かめに行く勇気はないから暗い
僕の街へ戻ってこうもりになろうと思う__
#遠くの街へ
遠くの街が呼んでいる
こっちへ来いと呼んでいる
耳を澄まして
期待を込めて聞いてみる
あ、違う
私の隣の知らない人を呼んでいた
そういうものだと
小心者の私はうなずくしかなかったのだった
「遠くの街へ」
人は現在地から100キロ以上移動すると心が安らかになるらしい。いわゆる転地療養だ。だから私は早速仕事部屋から地図とコンパスを持ってきた。私の家から100キロ地点にぐるりと円を描くためだ。「ここから外側に引っ越そう、そうすれば私の病も寛解するかもしれない」そう言って私はコンパスの針を強く「東京」に刺した。ふと、涙がつうと頬を濡らした。もう一度針をぶっ刺した。ぶっ刺してぶっ刺してぶっ刺した。おのれ私から心を奪った町……二度と戻って来ない旅に、私は出る。
遠くの街へ
一人で行くと
迷いそうだから
のんびりみんなで行こう
【遠くの街へ】kogi
お金で便利さを買っている。
便利さを手放したくなるときがある。
どこまで遠くへ行けるだろうか。
何も持たずに自分の足だけで出かけたら
知らない街にたどり着けるだろうか。
【遠くの街へ】
「遠くの街に行きたい」
それが 親友の口癖
卒業して まもなく
本当に遠くへ
遥か遠くへ
空と言う場所に…
/Seiya
遠くの街へ
さぁ、せっかくの休日、何をしようか。待て、その前にシャツをクリーニングに出しに行かないと、夕食の買い物に、部屋の片付け。やるべきことはたくさんある。でもそれはいっか、今日のことは全部未来の自分に任せて、どこか遠くの街へ出かけよう。お気に入りのワンピースにスニーカーを履いて、一人旅へ。
遠くの街へ行きたい。
人間、遠くに行きたいときは絶対ある。
それでも頑張ることが人としての使命。
頑張った結果がそれならば、それはそれでいいじゃないか。
だって、人間なんだから。
人間は、遠くの街へ行きたくなるものなんだから。
白玉がやってくる季節が到来した。
今年は3、4個ほどでふよふよと街のいたるところをさ迷っている。すると1個だけ街を出ていく白玉を発見した。白玉の来た道を逆に辿ると家に着いた。行ってきますと大きな荷物を背負った姉が出てくる
お姉ちゃん、今年なの?
うん 今すぐ追いかけなくちゃ じゃあね
ポンと頭に手を置かれ、姉は期待に満ちた表情で今しがた出ていった1個の白玉の跡を辿って行った。
お姉ちゃんもう戻ってこないのと私が母に抱きつくと、お姉ちゃんは大人になったのと私の頭を撫でる
絶えることなくそこへ向かう途上にありながら、いつも繰り返しそこへ通じる道を見いだせないでいる
ここでは見られない世界をあなたももうすぐ見ることになるわ
母の胸に顔をうづめながら母のくもった声を聞いた
数年経って私も旅立つ時が来た。登山用の縦長リュックを背負って母に挨拶する。
玄関を開けると昼の明るさに目を細めて、足元にある一筋の白い道を遠くまで見通した。
今は単に私があちこちさ迷っているだけでなく、私の中身があちこちさ迷っている。
確然とそびえる不安はあるが、それよりも大きな何かが浮き足立つ私の足を先へ先へと駆り立てようとしていた。
姉もこんな気持ちだったのだろうか。
暗闇を取り隠すほどの太陽の威力を前に、私は一歩踏み出した。
.遠くの街へ
ゆらり、ゆらりと、風に身を任せて私は行く。
特に行く宛は無い、自由気ままな一人旅だ。
心地良い陽の光を一身に浴びて、スキップスキップターン。
クルクル回っても、誰にも文句は言われない。
ここはそんな街。
あはははは、うふふふふ。
陽が落ちるまで私の細やかな旅は続く。
「ハックションッ」
唐突に鼻の奥がムズムズっときて、堪える前に盛大にクシャミをしてしまった。
鼻が喉奥がイガイガして、こころ無しか目も痒いような気がする。
……まさか。
まさか、もう、「奴等」の季節がやって来たのか!?
ツー、と流れてくる鼻水に、「ティッシュはどこだ」と慌ててカバンの中を探った。
テーマ「遠くの街へ」
「遠くの街へ」
普通列車で駅5つ・車で30分の遠くの街へ遊びに行った。
一年生になったら、友達100人できるかな、なんて歌っていたのが数週間前。
100人の1人目…だったとは思わないけど、何人目かの友達に、ゆうきちゃんが居た。
ゆうきちゃんは、名前が男か女かわからないって言いながら笑う、その頃珍しいショートカットの、かけっこと漫画の好きな、ありていに言えば言えばボーイッシュな女の子だった。
そして、同じようにボーイッシュな私の一番の友達だった。
一番仲のいいともだちと宣言して、髪型も真似してショートにして、どこに行くのも何するのも一緒だった。
ゆうきちゃんが、1年経った時に「隣町」に引っ越すことになった。
家と
学校と
学童保育所と
プールの為に行くとなりの学校と
近くの小さな公園と
遠くの大きな公園と
同じ町のおばあちゃん・おじちゃん家しか
知らなかった私にとって、「隣町」は本当に遠くて。
テレビに映っている外国と同じように思っていたと思う。
サイン帳を渡し泣きながら「ぜったい遊びにいくからね」と言ってお別れ。
ゆうきちゃんは隣町に引っ越し、転校して行った。
子供の約束のぜったいは、3カ月くらいしてあっさりやってきた。
親が車で連れてゆうきちゃんの引越し先に連れて行ってくれた。
ゆうきちゃんに聞いた住所におでかけ。
幹線道路を走り、近くなったら地図を広げて番地確認。
たどり着いた2階建てのお家。
ゆうきちゃんは相変わらずショートでかっこよくて、
2階の一人部屋に案内してくれて、
漫画の新刊が増えていて、
色々お話して、
ケーキを一緒に食べた。
新しい学校の友達の話に寂しさを覚えた。
普通列車で駅5つ・車で30分のとおいとおい町を通り過ぎて、
近くの街に遊びに行く。
「遠くの街へ」
「なに浮かない顔してんの? 心ここに在らずって感じじゃん。何か悩みでもあるなら聞くよ?」
教室の窓際でボーッとしていると同級生の翔(カケル)が話し掛けてきた。聞くに魂が抜けた様に見えたらしい。
「悩みって程じゃないけど……」
「ないけど?」
「来週…引っ越すんだ、親の仕事の都合で九州に。…まぁ僕ももう高校生だし、ついて行くかどうかは自由に決めていいって言われてるけど、どうしたら良いか分かんなくて…」
憂鬱に溜め息をついていたら、唐突に頭を撫でられた。
「どっちを選ぶにしても、後悔しない方にすれば良いんじゃない? 俺としては仲良いヤツが行っちゃったら、ちょっと淋しいけど」
「こっちに居る方が、楽っちゃ楽なんだよね。翔はさ、付き合い長いし僕の事をわかってるから、僕を女の子扱いしないじゃない」
「まぁ、小学校からの仲だしな。話してて女子を相手にしてるって感じしないのが率直な感想かな。あと単純に気が合う」
家族にはカミングアウトしてないし、言い訳するのも面倒だから女子用の制服を着ているが、身近なところで話しているのは翔だけだった。
「まぁ…もう少し考えてみるよ。答えが出たらまた報告するね」
「了解、気長に待ってるよ」
そんな話をしながら休憩時間を終えた。
立花馨
どんなに遠くの街へ行っても、
ずっと、私には居場所がない様に感じていた。
最近になって思うのは、自分の居場所は、
自分でつくるしかないという事。
どこに逃げても、
どこまででもついてくるのは、
他の誰でもない私自身。
一生の付き合い。
唯一無二の相棒。
だから、
ちゃんと安心できる居場所を
作ってあげたい。