ゆらり、ゆらりと、風に身を任せて私は行く。
特に行く宛は無い、自由気ままな一人旅だ。
心地良い陽の光を一身に浴びて、スキップスキップターン。
クルクル回っても、誰にも文句は言われない。
ここはそんな街。
あはははは、うふふふふ。
陽が落ちるまで私の細やかな旅は続く。
「ハックションッ」
唐突に鼻の奥がムズムズっときて、堪える前に盛大にクシャミをしてしまった。
鼻が喉奥がイガイガして、こころ無しか目も痒いような気がする。
……まさか。
まさか、もう、「奴等」の季節がやって来たのか!?
ツー、と流れてくる鼻水に、「ティッシュはどこだ」と慌ててカバンの中を探った。
テーマ「遠くの街へ」
2/29/2024, 9:18:55 AM