『遠い日の記憶』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『まばたき』
朝のまばたきは涙を逃す 遠く遠い時間の彼方
あの日の私も泣いていた 麦茶の氷が溶ける頃
ほんの少し大人になって
あなたの好きなこと
私の好きなこと
あなたの好きな食べ物
私の好きな食べ物
あなたの好きな映画
私の好きな映画
まるで違うの。
けれど惹かれ合うのはどうしてだろうか。
本当に合わないことだらけなのに。
違う価値観で新鮮な意見が聞けて楽しい反面、
時々不安に襲われる。
御飯食べるときも私優先だよね。
今の短期的な関係ならば
それでも我慢できるし
我慢させてるからこそ後ろめたい
あなたとずっと居るには私も変わらないといけない。
きみは
【俺の人生はサイコロの目みたいなモノだから】という。
サイコロの目次第で終わる関係なんて、嫌だなあ。
花束が潰れないように抱える。
電車に乗っていると冷房の涼しさが心地よく、眠気が押し寄せた。
どれほどの時間が経っただろうか。
目を開けると、まず白い眩しさを感じた。目が慣れると、車内にぽつぽつといた人たちがいなくなっていることに気づいた。電車は止まり、扉も空いている。扉の先は白くて、世界がやけに静かだった。状況を認知したとたん、焦りと恐怖が私を支配した。
ここはどこか?
白に踏み入れると、きれいな花がたくさん咲いていた。植物園でおばあちゃんに買ってもらった花。結局は枯らしたくせに。
小学校で育てたチューリップ。みんなが楽しそうに球根を選んでいたが、わたしはどれも同じだと思い、輪に入るのを遠慮した。
アサガオも育てた。観察日記をかくのがめんどくさかった。花びらの感触をおぼえている。
未だにそんなことを気にしていた。
これは夢であり遠い日の記憶なのだろうと気付いた。
そして、墓参り用に買った花束の感触を確認した。
わたし自身が心愉しいものではないことも。
遠い日の記憶が蘇って、
降りたばかりのホームで振り向いた。
人に流されて階段へ向かって歩きながら、
走り出した電車の車窓に、
まだあなたを探してしまう。
遠い日の記憶
いったん心に焼き付けられたもので、
完全に忘れられてしまうものは何一つない
潜在意識のどこかにしっかり留まっていて、
何か大きな緊張や体調などが引き金となって
昨日の事のように鮮明に蘇ってくる
↑最近読んだ「記憶力」という本に載っていた言葉
Twitterでも似たような話を見かけた
例えば、認知症のおばあちゃんが小学校の頃に
自分をいじめてた相手の名前を口走ったり、
記憶喪失の男性が学生時代に聞いた
校歌を思い出して故郷に帰れた話だったり、
赤ん坊の頃に来た場所を見て懐かしく思ったり......
私も子どもの頃に好きだった音楽やゲーム
嫌な思い出も今でもずっと残っている
人間の脳🧠ってすごい
遠い日の記憶
まだ三つ編みが似合う頃
恋をした
年上のあなたに
恋をした
いつも子ども扱いするあなたに
恋をした
苦しくて切なくて
早く大人になりたくて
幼い自分が嫌いだった
あなたに似合う大人に
なりたくて
上手に化粧すらできず
そんな私が
恋をした
遠い日の記憶を思い出す
遠い日の記憶
あの日の自分が今の綻びになるかと言われれば冷静なら避けられることで
どくんってなった直ぐには客観的に
定義はできなかった
矢が一つ刺さっただけでぐずるあの子を必死で宥める本当の犠牲者に
私は何も言えない
大海に出る才能を持ち合わせる人で
だからこそその瞬間には見つけることができなくなることを想起させる人だった
井の中の蛙には、だれの涙もとってもしょっぱい
父が3歳くらいの頃にくれたクマのぬいぐるみ。
私は何故かそのクマをみっちゃんと名付けた。
みっちゃんを抱っこして遊んで寝る時もいつも一緒だったと思う。
でも物心がついたらあのみっちゃんはどこにもいない。
大人になった今でも顔や質感は鮮明に覚えてるのに
いない事に気がついたのはいつだろう?
みっちゃんはどこにいったのか?
幼稚園でボスになってたりして?
ピンクじゃなくて普通に茶色のクマだけど
遠い日の記憶すぎてわからない。
「僕の事、忘れないでね。」
本当に馬鹿だな。人間は忘れる生き物なのに。
『何してるの?』
僕が聞いても彼女は何も言わない。ここは駅のホーム。そこに一人の彼女。誰かを待っているようで誰も待っていないような、何処か掴めない雰囲気を持つ彼女。僕は彼女の事を知っている。
『ねぇ、もう諦めたら?』
あれは数年前。僕達に悲劇が訪れた。彼女が【若年期認知症】と診断されたのだ。診断された後からは、より症状が悪化していった。家族の顔も、友人の名前も、僕の存在も彼女は忘れていった。
「良くなったら、電車で旅とかしようよ。」
彼女の記憶から消える事が、ただ怖かった。だから何度も願った。しかし、願いは届かなかった。
「僕の事、忘れないでね。」
彼女は僕を忘れる。これは変わらない事実なのに。僕はいつまで、夢を見ているんだろう。もう嫌だ。彼女の窶れた姿は見たくない。彼女の記憶から消えたくない。もう逃げてしまいたい。僕は彼女からも、現実からも逃げたんだ。死という道を選んで。
『誰を待っているか分からないけど、誰も来ないよ。』
僕は彼女から逃げたくせに、死んでなお彼女に会いに来てしまった。本当に馬鹿だ。僕も、君も。
「誰かに電車で旅をしようっ言われた気がするの。誰かは忘れた。でも、その人がすぐ近くに居る気がする。」
こんな小さな言葉を覚えててくれたんだね。僕は泣き出した。そんな僕を見て彼女は困った顔をした。
「私、貴方に会った事がある気がするわ。」
『さぁ、どうだろうね。』
遠い日の記憶を、辿る。そして願う。もう一度彼女と、恋に落ちる日を願う。
「遠い日の記憶」
結婚して、妊娠して、出産して、子育てして
その時々で母から「私のときはこんな事があったのよ〜」と、両親の馴れ初めやら私や兄弟の出産時や幼少期のエピソードを披露してもらえる
それが結構貴重な事のような気がして
私が母と同じ土俵に立った事で初めて聞けた話な気がして
ああ、結婚して子ども育ててみて良かったな。と思う
あの夏の歌姫
高1の夏。あれは一生忘れられないものとなるだろう。
遠い日の記憶ではあるが、きっと、忘れない。忘れられない。
「あー忘れ物したわ、先帰って。」
「おい……道枝!」
下駄箱に降りたところで気づいた数学の課題。ワークがものすごく分厚いのだ。蒸し暑い階段を駆け上がって教室へと足を運んだ。その時だった。
「 歌声 歌声 でも君は泣いていたんだね 」
透明な歌声が聞こえる。
その声にはなんとも言えない魅力があった。
可愛らしい、なんてものではなくて。そんな5、6文字じゃ表せないものだった。その魅力は 山よりも高く、海よりも深い みたいなやつだった。少しだけ、覗いてみた。誰なのか、知りたかったからだ。
「……家津さん?」
家津さんといえば、いっつも窓の外を眺めて不思議なオーラをまとったクラスの女子だ。成績はトップで、先生からも好かれて、いわゆる優等生ってやつ…?
もっと聞きたい、って思ってしまって結局教室には入らなかった。家津さんが立ち上がるタイミングで、走って逃げた。
その日から俺は家津さんの歌声を聞きに行くようになった。壁の向こう側の声を聞きながら、うっとりする。その時間がなんだか幸せに感じられた。きっと家津さんは気づいていない。俺の存在に。
「道枝くん。ギター弾ける?」
えっ、と声が漏れる。バレてたのか、俺…。
「いつからバレとったん…?」
ん~、と言った後に「いつだろうね〜」と濁されてしまった。
「ギター…弾けるの?」
優しさのある声で俺に質問を続けた。
「一応、弾ける…けど。」
家津さんの歌を聴いてから、必死に練習した。いっつも歌うあの歌の名前も知らないまま、ひたすらに。
「ずっと壁の向こうで聞いてたんやろ笑」
意外とフラットな雰囲気で会話は続いた。
そのまま窓がきんぴかになるまで、2人で話した。楽しかった、というか、もっと知りたい、って思った。人に興味を持ったんだ。
「じゃあ今日のことは、秘密で。」
この日のことは、永遠の秘密ってやつになった。
それからは話しながら、一緒に歌ったり、ギターを弾いたりするようになった。
その度ぎりぎりスクープされない、お忍びデートみたい、なんてばかみたいなことを思う。
いつも通りに、学校へ行った。ヘッドホンを持って。家津さんがよく聞くうたを流しながら。
「家津さん転校だってさ。」
クラスメイトから聞こえた声。え?なんそれ。
何も聞いてないよ、俺。それすらも秘密にされてたの。
それからという日、家津さんは本当に学校に来なくなった。転校。なんでだろう、なんて考えが頭の中をめぐる。
あーあ、せっかく大切なもんができたのに。
せっかく楽しい時間を見つけたのに。
春から大学1年生。大学へ行く前に公園に立ち寄った。
「 歌声 歌声 でも君は泣いていたんだね 」
あれ?これ、聞いたことある。
「久しぶり、道枝くん。」
優しい笑顔をした家津さんが、目の前にいた。
「な、んで…?」
「まあまあ、気にしないで。」
昔と変わっていなかった。声も、喋り方も、伏し目も。
やっと出会えた。遠い日の記憶の中。あの夏の歌姫と。
遠い日の記憶
あの日君は号泣したね
君のあんなに泣くところを初めて見て
正直とても戸惑った
2つのお願いを最後にされたのに
1つしか聞けなかった
君を酷く傷つけたこと
全部全部自分のためだった
苦しくて
楽になりたくて
君のことを思い遣る心が足りてなかった
違う道を進むと決めたこと
後悔はしていない
ただ伝えられなかった
ごめんね
雨上がりのアスファルトの匂い。
エスカレーターに乗った時、どこからともなく感じた、あの人の、あの日の香水の香り。
ラジオから流れる懐かしい曲。
遠い日の記憶は香りと音が覚えている。
急速に『あの日』へと引き戻されそうになるが、戻りきれない、今とあの日の違いが境界線を作る。
私は一瞬でもいいから、あの日に戻りたいのだろう。けれど、今を生きなくてはならない責任もわかっているのだろう。
デジャブのような感覚をよく感じ取る事があって、嬉しくもなるけれど、言葉で説明するには難しい。
あんなに遠い日の記憶なのに、まだ身体が離さないのだと知る。
これはもしかして、パラレルワールドにいるの?別の世界から、元の世界を見ているだけなの?
だとしたら、もう戻れない懐かしさを、目で追うだけだったのかもしれない。
懐かしく感じるだけなら、完全に戻ってしまわない方がいいからね。
懐かしく羨ましく思うほどの過去で幸せだわ。思い出したくもない事だって、そりゃぁあったけど、そんな嫌な事はこの場に思い出す事すらないのだから。
遠い日の記憶
バターとメープルシロップの香りが
すると、夢の遊園地を思い出す。
幼い頃、そこで過ごした記憶は
楽しい幸せな時間。
いつまでも忘れられない
遠い日の記憶。
遠い日の記憶
それは遠い未来の記憶か
遠い過去の記憶か
数多に分かれたパラレルの記憶か
手繰り寄せては手放した
#遠い日の記憶#今日のお題#ありさの小説
#約束という名の永遠を
#空に向かって咲くひまわりのように
#実話に近いノンフィクション
間もなく○○_電車が出発します……お乗りの際は〜
そんなアナウンスがホームに流れる。お泊まりデートの帰りには必ず彼をホームまで見送るのが私の日課だった。彼と2人で階段に座って話したり、ベンチで手を繋いで寄り添っていたり、夜空の星を見上げながら。
そして彼がスマホを取り出して言うの、なぁそろそろ時間だから行くね。また来るから。泣くなよ。ぎゅっと抱きしめて!!もっと強く!!彼に泣きながら
ギュッとされて強いキスを受けた。わたしは半泣き顔でバイバイ!!と言ってエレベーターを使って泣きながら降りていく。彼を見送るまで少し待っていた
電車が来るまでの5分間、彼とは手を振りあいながら
いた。無惨にも電車が到着して、彼はまたくるよ
大きな手で私に教えてくれた。わたしは泣きながらうんっ!!と笑顔で見送る。けれど彼が座っていた
席に座ると彼の優しくて少し、タバコとシトラスの香水が混じった匂いが泣けてしまって彼から貰ったハンカチが涙でぐちゃぐちゃになった。母親が
また会えるよ。泣くなよー。そしてなんとなしに
呟いてたねぇ、お母さん、また会えるよね?
夜空に浮かぶ小さな星に手を伸ばして……
そして部屋に帰ってきて小さな声でただいま。
と呟く。彼がいたその部屋は暖かくて少しだけ
優しくて暖かい香りがした。泣きながら
彼の帰宅を待った。彼に家に着いたよ!と言われるとニコニコしてたなぁ、私にはもったいないそんな人でした。ひまわりのように強くて時にかっこいい
男らしくて思いやりがあって可愛らしい男性でした。
あなたと恋が出来て幸せだった
さようなら
どうか私を忘れて幸せになって
わたしの願いそれはこの記憶がいつか
星になってわたしの元からきえて
ありがとう、と言えるまで。。。
今ね、あなたに似たひまわりがね
太陽に向かって大きく咲いているわ。
それは紛れもないきっと私とあなたとの
最高で少し悲しい遠い日の記憶
そして最高で幸せだったあの頃の
遠距離恋愛の秘密。。。
あたしは今新しい恋してるよ
バイバイ、この想いに蓋をして。
さぁ私も今日のピュアニスタのアートグラフ作るぞーー!!!
図書館で開いた本の見開きに載った
知らない時代の知らない街。
でも確かに“わたし”はそこにいた。
そこで日常を送った記憶。
仲良しのあの子たちの記憶。
仕舞い込まれた記憶が蘇り、一筋、涙が頬を伝った。
#遠い日の記憶
悪い予感がした
扉を開けて出ていく音がした
それを追いかけるように出ていく音がした
眠れなくなって
布団に包まって夜を明かした
帰ってきたのは一人
後から話される内容はあまりにも非日常すぎて
いつやってた何曜日のドラマだったっけ?なんて
笑うでも、泣くでもなく、言葉と感情を飲み込んだ視界は周りの風景を映像として流してる
いつの日か、きっと、
考えているうちは無理だろうから
私は心の中で一つの思いを途切れないように紡いでいく
そんな、遠い日の思い出
遠い日の記憶
少しづつ片付け始めてもうどのくらいだろう
身の回りのものを減らして暮らしやすくして
今後何かあっても近しい人が困らないよう
最近は押入れの奥深くのものを捨て始めた
古いアルバム、もらった寄せ書き
溜め込んでいた趣味のもの
仕舞い込んでいた古いものたちは
昔のことを否応なしに思い出させてくれる
友人たちとの思い出
今は亡き夫と初めて出会った日のこと
忘れていた遠い日の記憶は
確かにここにあった
でももう大丈夫
私の記憶もきっと誰かのどこかに
存在しているのだから
「海沿いの町」
幼い頃、何度も何度も見ていた夢があった。
一緒に遊んでいる男の子は、たぶん幼馴染なのだろう。なんとなく、そんな気がした。
そして、その夢の中で住んでいるのは海沿いの町。
高校生になるまで、本物の海を見たことなんてなかったのに。
自分でお金を稼げるようになってから、海沿いの町へと旅をするようになった。
大きくなるにつれ、その夢を見ることはなくなってしまったが、夢に出てきた町が何処なのか知りたかったのだ。
そこに行けば、その男の子と会えるような気がしたから。
何年もかけて海沿いの町を巡ったが、その町を見つけることはできなかった。
所詮は夢か。
そう思って諦めかけていたとき、夢の中の男の子にどことなく似ている男性と出会った。
トントン拍子で話が進み、出会って半年もしないうちにプロポーズ。
連れて行かれた彼の故郷は、島で、何度も何度も見ていたあの夢の町とそっくりだった。
────遠い日の記憶