『遠い日の記憶』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
左下の灰色の橋と右下側の住宅街。
右上には二手に別れた道があって、
別れた間には宿があった。
左下の橋の下には川があって、
左上には川の上流に繋がる森がある。
右上の道に付いてる階段から森に降りれば、
浅瀬の川に足が付く。
上流を目指して森を進むと、
柔らかい石の段差が快く連なっている。
それを登って、歩いて、そして……
何も無かった。
段差が無くなってもそこに川はあって、
先の見えない木の連なりが恐怖を与えた。
下流には人が居たのに、そこには誰も居なかった。
だから帰った。
逃げ去ったんだ。
それ以上は何も覚えていない。
踏み込んじゃいけないこと、だから。
【お題:遠い日の記憶】
┌────┐
| 一言 |
└────┘
記憶は思い返す度に穴が開きますね。
表現するのも難しいです。
でも本当に何も覚えてないなら、その時は……
夢を見た。まだ大人になれない年頃の、一番親しかった友人との思い出を。
背伸びをしたかったわけでも、悪びれたかったわけでもないけれど、二人一緒に家を飛び出して夜の街へ出かけた事。
学校では教えてくれない淀みと諦観、燻る煙に乗る悲観。大人になりきれなかった大人たちが、夜の店へと消えていくその背中を見た。
幼かった僕達には、それが大人になるということなんだと輝いて見えた。キラキラした世界だと、その目には映っていた。
あの頃のあこがれは、背が伸び月日を重ねることで忘れつつも叶っていく。
あの頃の僕は、今の僕を見ても同じようなことを思うのだろうか。
蝉にかき消された、あの子の背中と一緒に。
3.『遠い日の記憶』
懐かしいと言うべきか、つい最近と言うべきか。
ただ、もう戻らないことなんだなぁ、ってことだけは解ってて。
当たり前だけれど、幸せ、だったのかな。
”遠い日の記憶”
思い出すことは、何でか少しだけ物悲しいことだったりするんだ。
遠い日の記憶
初めて海を見たのは、
夏休みに親戚の家に遊びにいった時だった。
夜、花火をやるために海岸に行ったのだ。
灯りのない広大な闇が目の前にあって、
キラキラした水面と、陸との違いを
大人たちに教えてもらい、
それでも境目がよくわからず、
かすかな恐怖を感じていた。
今でも、夜の海は、少し怖い。
#遠い日の記憶
高1の春の放課後に、きみと遊んだことがある。
喋りながら歩いて街に行って、カラオケに行った。
あの時は混んでて、1時間しかいられなかったよな。
最初に歌うことになって、ほんの少し考えた結果、有名な歌手の歌を歌った。
そのあとに買い物にも行ったよね。
あの時の場所に行くと、きみのことを思い出してしまいそう。
あの時は、本当に楽しかった。
遠い日の記憶
寄せては返す波の音
ゆらゆらと揺れる感覚
いつの記憶なのだろう
海で暮らした覚えはない
なのに
海を見ると、磯の香りを感じると
どうしようもなく郷愁を感じる
いつの記憶なのだろう
どこの記憶なのだろう
何故思い出せないのだろう
釈然としない思いを抱いたまま
広い海原に思いを馳せるしかない
心配させてごめんね…
振り返ることで
悲しい思いさせてたかも…
ごめんね…
俺は…
ミーチャンだけだから…
通り過ぎていく季節中で
振り返り足下確かめ
今この時をふたり有る事に感謝して
お題『遠い日の記憶』
保育園の頃だ。保育園にはあまり慣れなくて、
いつも泣いてばっかりだった。
それに比べて今。どうして泣いたのか、
遊ぶことが出来る場所をなぜ泣いて過ごしたのか。
でも、友達も沢山できて、小学校に入学しても
保育園の時と同じ友達と出会うことが出来た。
大人の今、とても後悔は少ない──────
高校生の頃、自転車通学していたのを思い出す。
いつも登校時間ギリギリに行っていた。朝は何を食べていたのか思い出せない。パン🍞を食べた記憶も白米を食べた記憶もある。
授業は修行だった。時間との戦い。今では信じられないくらいシャイだった。女の子ともまともに目を見て話すことは出来なかった。
高校生の時、妹と大好きな映画を観に行ったことを思い出す。
財布を握りしめて、30分も電車に乗って、券とジュースとポップコーンを買って、ワクワクしながら席に着く。
もう何回も観た映画だけど、何度観ても始まるまでドキドキしていた。
エンドロールまでしっかり観終わったら一緒に席を立って、電車の中で感動したところ、カッコよかったところ、泣きそうになったところを30分間息もつかずに話し合った。
それから少し経って、私は大学院生、妹は社会人になった。
話す機会は減ってしまったけど、あの映画が都心でリバイバル上映されることを知った。
それからは電車の経路を調べたり、映画館までの道順を調べたり、当時の思い出話をしたり、久しぶりに妹と話す時間ができた。
精一杯のお洒落な服を着て、1時間半も電車に乗って、都心の喫茶店のコーヒーの値段にビックリして、券とジュースとポップコーンを買って、ワクワクしながら席に着く。
久しぶりに観たあの映画は、私たちをあっという間に高校生に戻した。
エンドロールまでしっかり観終わったら一緒に席を立って、電車の中で感動したところ、カッコよかったところ、泣きそうになったところ、そして昔の思い出を1時間半息もつかずに話し合った。
更に時が経って、私は独りで生きていくことを選び、妹はパートナーと家庭を持つことを選んだ。
話す機会はほとんどなくなってしまったけど、あの映画が周年記念に都心で上映されることを知った。
どこの映画館に観に行こうか、ランチは何を食べようかと、1年近く振りにLINEでやり取りをすることができた。
お気に入りの鞄をもって、すっかり慣れた地下鉄に乗って、ランチを楽しみながら近況報告をして、券とジュースとポップコーンを買って、ワクワクしながら席に着く。
十数年振りに観たあの映画は、私たちをあっという間に高校生に戻した。
エンドロールまでしっかり観終わったら一緒に席を立って「俳優さんも、私たちも、歳とったね」とのんびり話しながら駅で別れた。
無邪気に過ごしていたあの日々は遠い日になってしまったけど、あの映画が繋いでくれなくても、妹とまた屈託なく話せる日が来ればいいな。
酔ったあの時間がかえってこればいいのに
ピンッと音鳴る缶ビールはこだまする
苦くてしょっぱいお酒の味
好みでもない悪あがきの味
あーぁ、不味い
君を思い出すから苦いんだ
#遠い日の記憶
遠い日の記憶
自分の中の古い記憶をたどっても
幼稚園でのあやふやな思い出くらいで
写真が無ければ
全てが本当にあったのかさえ
あやしくなってくる
親の記憶もそれほど当てにはならず
遠い日の記憶はやがて
薄れて
肉体の終わりとともに
いつかは消える
たかだか人ひとりの人生の記憶
誰かの役にもたたないだろう
そんなふうに考えても
たとえば誰かの頭の中にあるイメージや
記憶を
文章や映像等で得られることは
やはり意味があるのだと思いたい
脳の中や肉体に残る記憶と
もしかすれば
魂というものに本当に必要な記憶が
刻まれると信じることは
たぶん自由だから
幼稚園の時、間違ったことをして先生に怒られた。
凄く昔のことなのに、今でも表情だったりなんなりが
頭に浮かんできて苦しくなる。
小学生の時、勉強が嫌になってやらなかったり、給食を残すと怒られた。
宿題をやらなかったのは私が悪いと思うけれど
給食を残しただけで生徒を責める先生のことはどうかと思う。
中学生の時、授業で指名され、分からず答えられなかったら色々先生に言われた。
「小学校卒業した?」とか「小学生以下だよ」とか。
先生は冗談で言ったのかもしれないけれど、
私は本気で傷ついた。
学校以外でも、どんどん心の傷が増えていった。
親に、友達に、姉に、いろんな人に。
さまざまな人達に傷を負わされた。
私のことを知ったかぶって、私のことを全て知ったように。
私に言葉の刃を向けた。
その度に思ってしまうんだよ。
「お前になにがわかんだよ」って
『遠い日の記憶』
亡き友達の夢を見たとき、思い出すのは、遠い日の記憶。
遠い日の記憶
「ふふ、ごめん、かわいいなって」
君が笑う。
「私も好き」
真っ赤な顔も。
「つらかったよね」
泣き顔も。
「ホント信じらんない!」
怒った顔も。
「あいしてる」
とろける顔も。
「おばあちゃんになっても、一緒にいてね」
全て鮮明に覚えている。何一つ薄れずに。
「なあに、人のことジロジロ見てにやにやして」
「歳をとったなと思って」
「まあ失礼ね。お互い様でしょ」
「そうだな。ずっと一緒に生きてきた」
「? そうね、色々あったけど」
僕には、変な記憶がある。
それは4人家族の記憶。
僕の家族は、母さんと父さんの3人なのに。
…妹が、いた気がする。
この記憶にいる妹は、7歳ぐらい…の年だ。
凄く笑顔が綺麗な…そんな妹。
夢だったのかも知れない。
気のせいなのかも知れない。
確かめたいけど、
親達には言ってはいけない。そんな気がした。
どうしてだろう。
ー遠い日の記憶ー
遠い日の記憶は、その時に覚えていて月日が経つ度に儚く消える。
消えて欲しくないことに限って、消えてしまう。
元々なかった記憶かのように
古びた旅館の 売店に
君は 並んで いた
パーマのかかったような 茶色の毛の
くま の ぬいぐるみ
◇
瞳は茶色く
首に巻いてある リボンさえも 茶色く
ぼくは まばたきをしない 君を
「バリバリ」と音のなる 財布に入れてある
祖母からもらった せんべつ で 買うことにした
◇
それから ぼくは 旅に出るたびに
君を手提げに忍ばせた
「荷物になるだろう」 と 親に言われても
君と 記憶を 培った
◇
君を お風呂にも入れて
もこ、もこと 泡を立てて洗った
脇の糸がほつれた時は
「緊急手術」を 行った
◇
君は 今 押し入れにいるだろう、か
過去の記憶を遡り 懐かしがっているだろうか
その点で やはり 僕たちは
似たもの同士と いえるだろうか
…?
どこか懐かしい田園風景
でも目に写るのは
コンクリートの世界。
和装ばかりの人が集まって
洋服なんてものは
見当たらなくて、
人は死んだらもう次は無いのか
何もないってどんな感じなのか
思い馳せていたらこうだ。
随分と懐かしい記憶。
頭の中には
教科書でしか見たことない
あまりにも懐かしい記憶が
頭を巡る 夏。
–遠い日の記憶–
ずっと昔の記憶力。
忘れられないの、ずっと。
別に貴方を好いていた訳ではないのに、
困ったものね。
自分の気持ちを整理するためにも
したためることにするわ。
あの暑い夏の日。
私の被る麦わら帽子が風に拐われて
貴方の手の中に入ったのよ。
こう思うと、
本当に忘れられていないのね。私。
それから時々お話をするようになって、
友人になったのよね。少し懐かしく感じるわ。
ねぇ、何処に行ってしまったの?
貴方は優しいから私に嘘をついたのでしょう?
また、暑い夏の日に帽子を飛ばせば
貴方が拾ってくれるのかしら。
夏は少しノスタルジックに浸ってみても
良いのではないでしょうか。