賽目

Open App

左下の灰色の橋と右下側の住宅街。

右上には二手に別れた道があって、
別れた間には宿があった。

左下の橋の下には川があって、
左上には川の上流に繋がる森がある。

右上の道に付いてる階段から森に降りれば、
浅瀬の川に足が付く。

上流を目指して森を進むと、
柔らかい石の段差が快く連なっている。

それを登って、歩いて、そして……

何も無かった。

段差が無くなってもそこに川はあって、

先の見えない木の連なりが恐怖を与えた。

下流には人が居たのに、そこには誰も居なかった。

だから帰った。

逃げ去ったんだ。

それ以上は何も覚えていない。

踏み込んじゃいけないこと、だから。



【お題:遠い日の記憶】



┌────┐
| 一言 |
└────┘

記憶は思い返す度に穴が開きますね。
表現するのも難しいです。
でも本当に何も覚えてないなら、その時は……

7/17/2023, 11:02:42 AM