『通り雨』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
通り雨。
風情のあるものという判定を貰いたいのであれば、幾つかの条件をクリアしてもらう必要がある。
一つ目、自分が濡れずに済む状況であること。
(濡れたら風邪を引いちまうよ!)
二つ目、急足でザッと降らせたらさっさとカラッと晴れること
(「通り雨」だからね!さっさとどっか行きな!いつまでも居られたらそれはただの「雨」だからね!)
三つ目、必要以上に湿気を残していかないこと。
(いつまでもじめじめじめじめしてたらわたしの頭からキノコが生えるわ!湿気はノーサンキュー!不要!)
通り雨さんは上記を遵守し、エモーショナルなシチュエーションとしての矜持を保つよう心掛けてください。
《通り雨》
体調が万全でないのもありますので、保全しておきます。
いつも読んでいいねを下さっている皆様には、本当に感謝しております。
この場をお借りして、御礼を申し上げます。ありがとうございます。
「エピソード記憶障害」
そんな病名が僕に付けられた。
体験した出来事である「エピソード」を、きちんと思い出せない事らしい。
たかがそんな事で病名が付けられるとは思わなかった。
でも、たしかに僕は今まで生きてきた中で覚えていないことが多い。
小中学生の時の記憶はほとんど覚えていないし、高校生の時の記憶も既に曖昧になってきている。
思い出そうとしても、まるで思い出すことを拒否するかのように、通り雨のようなノイズがかかって思い出せない。
もっと歳を取っていったら、これみたいにノイズがかかって思い出せなくなることが多くなっていっちゃうのだろうか。
そんなことを考えていた束の間。
『あれ、何してたっけ。』
今まで何をしていたか記憶にない。
僕は今、何を───?
テーマ:通り雨
※創作
『通り雨』
通り雨は、私の心も体も一瞬にして濡らしていくんだ。
通り雨
やっと見つけた
軒先に
入るに困る
イチャイチャカップル
屋根の無い
バス停で遭う
通り雨
止んだらやっと
バスが到着
(通り雨)
【お題:通り雨 20240927】
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(´-ι_-`) ゲリラ豪雨とは違うらしい。後日up。
少し曇り気味の晴れの日。
私は体育館裏に彼を呼んだ。
彼の答えはご察しの通り。
その瞬間雨が降った。
ありがとう。
おかげで瞳の中の通り雨が誤魔化せた。
本当は通り雨のように「好き」って気持ちは過ぎ去っていくものなのだけれど。
馬鹿だなぁ。私ってやつは。
「通り雨」
ザーッと降り、
カラッと上がり空が晴れる。
運が良ければ虹が現れる。
そんな感じ。
傘がない時はカフェに入り、
コーヒーを飲みながら時間を過ごす。
いつもと違う時間の使い方で贅沢気分。
最近はどうも違う。
冷たい風が吹いたと思ったら雷鳴が轟き、
尋常じゃない量の雨が降る。
時間潰しも長時間になる。
もう、通り雨とは言えない。
風情もない。
いつからこうなったのだろう。
通り雨と通り魔何も起こらないはずがないわけがなく
一方その頃隣のトトロは隣のトロロさんにかぶれたとか伝えたとか伝えてないとか
「通り雨」
淡い空を照らす太陽と、それを遮るいわし雲。
秋らしくなってきたなぁと、萎れた朝顔を見下ろす。
肌に優しいそよ風が吹いたと思ったら通り雨。
自然が作り出す透明のカーテン。
急いでトタンの軒先に駆けて聴く大きな雨音。
大雨と見紛うほどに響く雨音。
それに驚いている間に雨は去ってしまった。
雨後の空には、急に雨を降らせてごめんよ、とでも言いたげに
静かに浮かぶ虹を置いていった。
通り雨も、たまにはいいかもしれない。
「通り雨だ!」
日本に帰国したばかりのその日。
鬼気迫る声で、轟くように誰かが言った。
ただの通り雨で、どうしてそんなことを言うのだろうと男は道ばたを歩いたままでいた。この国のアスファルトはどうしてこんなにもひび割れているのだろう。税金の使い方がなっていない。
などと、どうでもよいことに気を取られていたのかもしれない。
「危ない!」
「えっ、うわっ!」
男は突然誰かに肩を掴まれた。
びっくりよりも先に、そのままの調子でビルの軒先まで引きずられる。誰かは、男よりも年下の見知らぬ人。着古したシャツが汗と汚れでよれよれである。
「ふぅ、危ないところだった」
「な、なんなんですか一体……」
誰かは重い雨戸のように唇は重厚であり、切れ長の目は雄弁に語る。ほら、空を見ろ。と言っているように。
男は空をみた。
同じ場所、同じ色。暗雲垂れ込める空。
空の端から見違えるような暗闇の雲がやってきた。
自然の増幅装置を伴って、この街の真上に来た。
この雨は神社の鐘の音を鳴らすようなものだ。
普通の雨が増量しただけのものが短時間にわたって降雨するものだ、と男は踏んでいた。
にわか雨、夕立、驟雨。
スコール、通り雨、それから、ゲリラ豪雨。
災害級の瞬間雨量。
それでも時間には勝てない。
時間がある程度経過すればよい。
しかし、降ってきたのはそのどれでもない、別の物だった。
雨に混じって黒いシルエットが見えた。
矢のように長く細い。あるいは雨の影よりも長い。
上から下へ。
雨なら細かくて、やがて地面に吸収される。
けれどもそのシルエットは地面に触れたままの状態でいた。
槍が降ってきた。
ピストルが降ってきた。
飛行機の残骸のような、大きな金属片が降ってきた。
油のような、タールのような、環境に悪そうな液体もあった。
水たまりではなく、油膜の張った液体たまり。そして戦争と暴力の象徴……。
「こ、これは……」
男は目と口をあんぐりしたままになっていた。
ただの通り雨だ、傘をさすほどでもない。
そう思ったままでいたら、脳天から足先までズタズタに斬り裂かれていただろう。
「その様子だと、あんた、もしかして海外に行ってたのか」
「え、ええ、1年ほど。今日帰国したばかりなんです」
「この国はな、変わっちまったんだよ」
「1年で、こんなにも変わるものですか……」
「いや、1年じゃない。もっと……、もっとだ」
通り雨は止み、通り魔のごとく過ぎていった。
暗雲の塊は雷の点滅具合とともに進路は混迷し、突き進んだ。
おびただしいほどに突き刺さった武器の残し、雨宿りの二人は立ち尽くしていた。墓標のように見えたからである。
あの人は
僕にとって通り雨のような人だった
蒸し暑い時期に出会った
稲光を身体に感じた
だけど
病気でこの世を去ってしまった
僕は
まだ 信じられない
明日でももしかすると
会えるんじゃ無いか
カフェのいつもの席に座っているんじゃ
そんなふうに
思ってしまう
探してしまう
姿がないことが
受け止められない
結婚するつもりだった
それほど真剣だった
蒸し暑い時期を
僕はまた待つのだろう
あなたと居られる時間が増えるなら
雨宿りも悪くない
「通り雨」
『通り雨』
幼なじみと共に電車を降りて駅から出ると夕暮れの迫る地元の街には雨がしとしとと降っていた。
「傘、持ってる?」
「持ってない。持ってる?」
「持ってないから聞いたんだよ」
雨か〜と見たままを口に出して雨雲の広がる空を眺める男子二人。構内のコンビニで傘を買う人たちを見た幼なじみは俺らも買う?と尋ねてきた。
「えー、相合傘になるじゃん」
「シェアする前提で言ってくるじゃん?」
言われてみて2本買う頭が抜けていたことにはたと気づいた。幼なじみはなぜか頷いてコンビニへと向かうと傘を1本だけ買って店を出てきた。
「リクエストにお応えしてあげよう」
相合傘がしたかったわけではなかったはずなのにあれよあれよと雨の中を男子二人の相合傘で歩みだすこととなった。
「ごらん、雨がふたりを祝福しているよ」
「きもちわるっ」
自分よりも背の高い幼なじみが傘を手に笑う。ふと今の自分の立ち位置にいずれは彼の恋人が並んで立つ日が来るのかもしれない、と想像をして複雑な気持ちになった。
「じゃ、また来週」
「うん。傘ありがと」
「相合傘またやろうね」
「いや、いいし!」
それぞれの家の方向へ別れる頃には雨は上がっていた。ひとりになって家路を歩む間になぜ複雑な気持ちになったのだろうとあれこれ考えてみたけれど、確たる答えは出ないまま家にたどり着いてしまった。
なんとも言えないね
あんなに晴れてたのにさ
急に降ってくるんだもん
濡れたくなくて
でも君の隣
ちょっと背伸び
私は通り雨が好き。
時々びしょびしょにしてくれちゃったりするけど、
その後は
すがすがしいほど晴れるから。
バス停で、とても美しい人を見かけまして。
別にバスに乗ろうとした訳ではなく、雨止みを待っていただけなのですが、とにかく、私は突如として目を奪われたのです。
声をかけようか、とは思ったのですが、どうにもそんな勇気は出なくて。
ただただ、美しいあなたを目に映すことしか出来ない、臆病な私に、もどかしさを感じました。
せめて、この雨が少しでも長く続くようにと、願うのみです。
『通り雨』
君は素知らぬ顔をして過ぎていく。
大地を濡らしながら、空の散歩を続ける。
誰かにとっては面倒な気持ちになるだろう。
しかし、この雫で僕の心は静々と洗われていく。
空が灰色がかって陽が少し陰ろうとも、
淡い安堵感が、僕の身体を包み込む。
荒んだ毎日を、前触れもなく潤す君は、
道ゆくがままに堂々と彼方へ去っていく。
【通り雨】
長きに渡って私を虐げ苦しめてきたあの人。裏切られた数は、それこそ数え切れぬほどに。
だからとて、こんなことをしようとは考えもしなかった。こんなどうしようもない人のために、罪を犯すだなんて。
それなのに、私はあの人の命を奪ってしまった──
一度その身にナイフを突き立てれば、積年の恨みが噴き上がる。気がつけば私は何度も何度もあの人の身体をナイフで抉っていた。
我に返った時は凄惨な光景が横たわる。あの人の血によって赤く染められた部屋。血濡れの物言わぬ肉塊と変じたあの人。
恐怖心が足元から駆け上がるようにして襲う。私は返り血で真っ赤に染まってしまっている身にもかかわらず、部屋を飛び出す。
でも、どこへ逃げたらいい?
恐怖と混乱で足取り覚束ぬ体で、どこともなくさまよう私。
頬に冷たい感覚を覚えたと同時だ。激しい雨が降り出した。
だがそれは束の間のことで、すぐに雨は止んでしまった。
その通り雨は、長らく不幸だった私に対する慈悲だったのかもしれない。
返り血が洗い流された様を見て、少しでも犯した罪を濯ぐために、通り雨が慰めてくれたのだ、と。
テーマ【通り雨】
昨晩の私の苦しみは冬のような通り雨だったのか
一晩中、涙が枯れるほど泣きはらした
理由などない
突然だったから
心をえぐられている
そんな痛みであり、そんな切なさであった
それが翌朝のお日様の光で幻想的な虹が現れた
とても、勇気が湧いてくるほど前向きになった
理由などない
突然だったから
心に包帯を巻かれている
そんな温もりであり、そんな心地よさだった
あの通り雨は私の冬だった
もしかしたら、誰かの心に来たかもしれない
通り雨を降らせる雲は消すことはできないだろう
それでも、通り雨は必ず過ぎて春を呼んでくれる
私がそうであったように
君にもその時が来ると信じている