『通り雨』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
形の無いものの続き
通り雨
ハイネクラウンは、今 最高に幸せだった
外に雨脚が強い通り雨が降っていても
全然憂鬱にならなかった。
「ハイネ~これ私の....傘....使って....」
シズクが自分の赤い傘をハイネに差し出す。
「はぁ 別に通り雨だしすぐ止むし
要らねぇよ!」シズクの好意は、嬉しいが
本当に通り雨らしくさっきまで強い雨脚
だったが だんだんと弱い雨脚になって
きている。
家までだったら走って帰れる。
「でもミーナと....ナイトは....一緒に傘を
差して帰って行ったよ....」
「まぁ あいつらは、一緒に住んでるし....
それに二人っきりになりたいんだろう!」
此処の所ミーナとナイトには、世話をかけさせてばかりだったのでたまには二人っきりにさせてやろうとハイネなりの配慮だった。
するとシズクが少し俯いて....
「じゃあ....私が傘を差して ハイネを
送って行く....」と何だかシズクが決意した表情でそんな事を言うから....
「はぁ! 良いって 帰りお前が一人になる
だろうがそっちの方が危ないだろう!
もう良いよ雨止んだしもう行くじゃあな」
とハイネが背中を向けて立ち去ろうとした
時シズクがハイネの腕を引っ張った。
「じゃあ私の傘だけ持って行って....
そうしたら 返す時....少しだけハイネと
二人っきりになれるから....」そう言って
シズクは、ハイネにはにかむ
「私....ハイネの....か....彼女として....
ハイネに....もっと....好きになって貰える
様に....頑張るね....!」そう言ってシズクは
赤い傘をハイネに渡し自分も顔を赤くして
そのまま逃げる様に寮に戻って行った。
そんなシズクの立ち去る姿を見ながら
ハイネもまた顔を赤くしていた。
そうしてそのまま顔を隠す様に地面に
しゃがみ膝に自分の顔を埋める
(馬鹿シズク....あいつ俺を殺す気か...)
ハイネは、赤い傘を大事に握りしめ
もうとっくに雨が通り過ぎて
眩い陽光が差し込む空へと一歩踏み出し
口元を緩ませて自分の幸せを噛みしめるのだった。
コンビニで買った
最後の一本の傘
あとから濡れながら来た君は
入口で雨宿り
向こう側の空は
もう明るいけど
露先から落ちる水滴が
間に合うよって背中押す
地面打つ雨音のスピードを
僕の心音が追い越した いま
君に
なんて話しかけようか?
【通り雨】
『ごめん』
そう言って去った君
どうせあの子の所にいくんでしょう?
悪かった天気も
待ってましたと言わんばかりに雨が降ってきた
雨を感じて思う
あの子が泣いたらきっとお天気雨で
青空の中、雨粒をキラキラと輝かせる
私が泣いたら通り雨なんだろうなぁ
太陽の光を遮って雨を降らす
私はお天気雨の方が好きだ
―――通り雨
通り雨
午後休憩でお茶を飲んでいたら、緊急速報で通り雨の予報が送られてきた。またかと思いながら重い腰を上げる。通り雨がくる以上安穏とお茶を飲んでるわけにはいかない。作業場に行くと、ぶーぶー文句を言いながらも全員集まっていた。重要性も緊急性も全員が承知しているのだ。基地の長として私は命じる。
「総員武器を持って持ち場につけ」
硫酸の雨を撒き散らしながら通り雨がやってくる。やつら、雲状超硫黄分子生物通称通り雨はこの惑星の先住生物だが、人類のこの基地を破壊するやっかいな連中だ。意思疎通はできた試しがない。ふわふわした綿雲のような外見はある意味可愛げがあるが、やつらがいる限り基地を安全に保つことはできない。この基地は当初攻撃されることを想定していなかったため攻撃手段はすべて後付けだ。やつらは一地方の気象現象だと思われていた。意志を持って攻撃するとは予測されていなかったのだ。
通り雨のあと溶けた穴だらけになった基地の外装を補修する。できる限りガラスで覆われている基地だがすべてをガラスで覆い切っているわけではないので通り雨のあとはいつもこんなものだ。今回もひどい通り雨だった。死んだ通り雨たちがぐずぐずと地表を溶かしている。地球のような風情ある通り雨はこの惑星に存在しない。水だけを落として通り過ぎる地球の雨が懐かしい。
通り雨に濡れる窓から動く景色を眺めていた。
彼は私が必死に取ってきたUSBをパソコンに繋ぎ、
何かを調べていた。
「頭、ぼーと…する…」
彼は私の頭を撫で
[お疲れ、ありがとう。]
と言った。
海の上を走る電車の中から雨上がりを見た。
右に雲が流れてゆき、
空を切り開いたように光が差し込む。
「天使の梯子…」
[ん?あぁ、薄明光線だな]
「うん、私…お迎えかも」
[?!、お前に死なれたら困るぞ、]
「…そ?」
その後の記憶は危ういが彼が
『おやすみ、猫未』
と、呟いたのを頭の隅で聞いた。
❦
君と別れた後、
雨が降り出した。
涙を隠してくれる
通り雨。
この雨がやまないうちに
バスに 乗ろう。
君との思い出も
流されないうちに…。
お題:通り雨
二つ思いついたので二つとも
1.
いつからだろう
通り雨はゲリラ豪雨になった
神様の涙腺もゆるくなっちゃったかな?
2.
昔から雨が好きだった。
アスファルトの匂いが、涼しげな空気が、静まる街角が、なぜだか心地よかった。
まるで自分だけの世界のような晴れ晴れとした気持ちになった。
通り雨
きっと空も突然
泣きたくなる時があるのかもしれない
誰かの代わりに
泣いているのかもしれない
涙を流せない誰かのために
雨となって
雨音で悲しみを癒すように
冷たい雨で、
怒りや憎しみを冷ますように
雨上がりの虹で
誰かの心を青空にするように
数年ぶりに熱を出し床に伏せっている
38℃位の熱なら気合で動いていたが
コロナからこっち、今のご時世は
風邪さえ大病扱いで寄るな触るな…だ
だから、私も世の中の流れに身を任せ
仕事はあっさり諦めた…
気候も人生も一緒だな…
昨夜はピンピンしてたのに一寸先は
わからない。
さっきまで青空だったのに、急に真っ黒な
雲に覆われどしゃ降りになる空と一緒
まるで「通り雨」のようだ…
私の身体…明日はスッキリ晴れますように
こんな人生
もう嫌だ!
全員殺してやる!
そう言った男の身体には
大量のダイナマイトが括り付けられていた。
大都会のど真ん中
騒然とする人々
蒼然とした顔になる警察達
死にたくないと逃げ惑うお金持ち
死ねるチャンスでは?と期待する人達
マスコミは恐怖よりも好奇心に駆られている
現場にいないアナウンサーの焦る顔
そして、ついに男はダイナマイトに火を付ける!
あぁ!終わりだぁ!!
と、思ったが一瞬のような出来事は
何事もなかったように一瞬で終わった。
男は何とも言えぬ顔で
ただ、呆然とその場に立ち尽くしていたのだった。
タイトル:通り雨
「通り雨」
雨が降っている端を見た事ある。
レースのカーテンを
するように降っていたよ。
「 通り雨 」
狩りに行く前、ほんの少し小雨がいたせいか狩りが終わる頃には少し本格的に降ってきてしまった。
「 … ぁ 、 雨 …… 。 」
森の中なので勿論雨宿り出来る所も無く、小走りで来た道を戻り数分すれば、対抗側からガサガサと音が近付いてくる。
“ 獲物か 、 ? ” なんて思いながら一応、弓を構えて。 ようやくその音の正体が見えれば自分も相手も唖然とした
「 … なんだ 、 頼重殿か …… 。 てっきり 獲物かと 思いましたよ ,, 」
「 いや 〜 、 すみませぬ 。 雨が降って来た と思い 時行様 1人では 危ないと 思いまして 、、 」
「 ……… それなら 雨が降る前に来て欲しかった です 。 」
「 ふふ 、 でも 通り雨で 良かったでは無いですか 。 これ以上 降ってたら 風邪をお引きに なられまする , 」
「 確かに そうですね 、 … 帰りましょっか 、 今日は お肉パーティー ですよ !! 」
「 勝つまで逃げよ __ 」
冷たく重たい雨は体をえぐり
重たいダメージだけを残した
君の元へ帰りたい早く帰りたい
あ。雨だ。
気づいた時には、もう遅かった。
その時そっと貴方は傘を私に貸し、走って帰ってった。
その時貴方の顔は、ものすごく赤かったのを覚えている。
るんるんるん。
わたしはたいようがぴかぴかわらうひに
とことこ歩いていた。
おさんぽ道のむこう側から
しらないだれかのこえがきこえる。
ほんの一瞬
アスファルトをすれ違うだけ。
─── 。
かぜがふわってゆれて
とても嫌な音がきこえた。
『 ☓ ☓ ☓ 。』
ねぇ
こころがきゅってするそのことばは
わたしのこと?
それとも
おともだちのこと?
わたしにはわからない。
いっぱいあるいてあるいて
わすれたころには
アスファルトはやさしい雲の色になっていた。
はしっこの
雨のこぼれたあと以外は
すっかりもとどおりになってた。
おしまい。
通り雨
曇り空だからと傘も持たず近所のコンビニに行ったのだが、200m行ったところで急に雨が降った☂️
家にいた時は曇り空で粘ってたのに、たった200mくらいで通り雨に遭うなんて。引き返すにもコンビニに行くのも変わらない距離なのでそのまま突き進んだ。
通り雨は龍神様が知らせてきたと良い風に解釈した。
能天気かな?人生、雨のち晴れ。。
通り雨、さっと降ってすぐに止む雨。これと同じように私の涙も止まらないかな、、
「通り雨が上がったあとの葉を見たことがあるかい?雨の雫が下って、陽の光が透けてそれはもうこの世のものとは思えないほどに美しいのだよ。
写真を見せてあげよう。何枚でも、どんなものでも。
特にこんなのは珍しい、お気に入りなんだ。」
そう言ってカメラを送りながら笑う彼は、まつ毛の影を目に受けてとても美しく見えたが、伏し目の彼の目線はあくまで写真。私を見ることは無い。同じようですれ違う私と彼はまるで滑稽に見えるだろう。
彼が愛するのは自然であり、写真であり、人ではない。
だが、私は違う。願わくば、君と同じものを愛したい、がそれは出来ないのだ。私は、彼を今すぐに抱きしめ、背中に爪を立て、裂けるほどまでに彼を愛している。私と沈み、来世、生まれ変わっても私を覚えていて欲しい。机を挟んで、手を手繰り寄せて指を絡めて、抱きしめて、今にも一緒に死にたい。
「あっほら、みてごらん、通り雨が上がったよ。ほら、そこの木さ、右側の、そう、その木の1番手前の葉、あれは美しいよ。」
ファミレスの席に座って柄にもなくはしゃぎ、身を乗り出して窓から葉を撮る君のまつ毛を、陽の光が照らした。陽の光がまつ毛から目を照らす。透かして、見える。眼。そこに私は、この世のものとは思えない、神をみた。
うん、確かに、それは凄く、綺麗だね。」
通り雨
確信を得る頃には遅すぎたの
ひと粒の水が 睫毛を揺らし
雨雲におおわれた空は灰色なのに
すぐ止んでしまうきがしている
濡れたままの身体は芯から冷えて
くるしいだけだと
知っているのに
通り雨
あっという間に
やんでしまう
通り雨
少しずつ
涼しくなって
秋の気配
なな🐶
2024年9月27日2237