『踊りませんか?』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
月のきれいな日には
レコードを掛けて
お酒を飲みながら
一曲踊るの
嫌なことも忘れて
音楽に身をゆだねるの
『踊りませんか?』
#踊りませんか?
煌びやかな部屋の中で、優雅な音楽がはね回る。
紳士淑女は音楽に身を委ね、上品に踊る。
その中に一際、華やかなカップルがいた。
どちらも美形な方たちだ。
話によるとどちらも大国の御子息、御息女らしい。
それを遠巻きで見る私は、壁際に突っ立っている。
所謂、【壁の花】と言うやつだ。
「はぁ……」
なんとも憂鬱である。そして惨めである。
『すみません、ご令嬢。もしよければ私と踊っていただけませんか?』
「……」
『私も先程まで【壁のしみ】だったのです。その中で会場を見回すと、美しい貴方が立っていた。私は是非とも貴方と踊りたい。』
「同情……などでは無いのですね?」
『えぇ、そのつもりは毛頭ない。
美しく可憐なご令嬢、私の手を取って頂けますか?』
手を繋いで、踊りませんか?
運動が苦手だから、多分躓いちゃうけど
それでも手を離さないで付き合ってくれるかな?
よくも、くすぐったな!
仕返しをしようとした両手は
見事につかみ返された。
笑いをこらえきれない表情で
横にステップを踏みながら
よくわからないクラシックを
るーるるーと口ずさんでいる。
されるがままで、
仕返しをしようとする。
が、ギリギリをすり抜けられる。
私達の奇妙なダンス。
「楽しいでしょ!」って言われると、
「まぁいいか」と思えてしまう。
#踊りませんか
定年後の趣味である詰み将棋をしていると、部屋に妻が入ってきた。
「踊りませんか?」
「分かった」
妻の突然のお願いに、自分は即答する。
妻は踊るのが好きで、よくこうして誘ってくる。
「今日は月が出て明るいから庭でやろうか」
そう言うと妻が頷く。
庭に出ると、いつものように体を寄せる。
頬と頬が近くなり、相手の呼吸の音が聞こえるほど密着する。
いわゆるチークダンスである。
特に合図もなく、体を揺らす。
音楽はなく、強いて言えば虫の声に合わせて踊る。
踊る間は会話はしないのが暗黙のルール。
しばらくして、自然と離れる。
ダンスは終わりである。
家に戻るため、玄関の扉を開ける。
玄関に戻ると、自分から会話を始めるののも暗黙のルールだ。
「何かいいことあったか?」
すると妻は驚いた顔をした。
「よく分かりましたね。ええ、育てていた花が咲きました」
「お前のことなら何でもわかるさ。見に行ってもいいか」
「ええ、いいですよ」
靴を脱ぎ、そのまま妻の部屋に向かう。
「しかし、お前は本当に踊るのが好きだな」
何気なく言うと妻は驚いた顔をした。
「あらやだ、私のこと何にも知らないのね」
今度は自分が驚く番だった。
「好きじゃないのか」
思わずそう言うと、妻はイタズラが成功したような顔をして言った。
「踊るのが好きじゃないの。あなたと踊るのが好きなのよ」
踊りませんか?
学生時代の頃、修学旅行のキャンプファイヤーで、ペアを組む人がいなく、一人困っていると、そんな私の元に一人の男子が近寄って来た。そして…「一緒に踊りませんか?」と誘われ、私は、「はい!」と応え、二人で踊り始めた。その時間だけは、今までの嫌な事全てを忘れられたり、今までの嫌な事全てがまるで夢の様に無かった様に感じられた。その時、私は、気付いてしまった…自分の高鳴る鼓動に…「私、もしかして…!」そう気付いた時には、もう手遅れだった…私は、周りに人がいるのを忘れ、彼に思いっきりキスをしていた…我に返った頃には、周りから白い目を向けられ…すると、彼は、赤ら顔になり、右手で顔を隠し、照れ隠しをしていた…「こんなの…!こんなのってズルいって…!」そう言って、彼も私にキスをした。その時、まるで時が止まったかのように、二人は、二人だけの世界へ入っていた…そう、私は、その時、再び気付いた…彼も私の事を好きだと言う事に…そして、二人は、そのまま、その場を抜け周りが見えない所に行き、二人だけの時間を過ごし、二人は、何も言わなくても意思疎通し、付き合い始めた。そう、その彼が、今では、私の旦那になった。
ステップを踏むように歩く君に、思わず言いたくなった。
「踊りませんか?」
いや、僕、踊れないか。
「踊りませんか?」
小さい頃に、一度だけ。
ただの悪ふざけの一環で、お姫様ごっこをした事があった。
《よろしければ...私と踊っては頂けませんか?》
綺麗に跪き、手の甲に口ずけを落とした。
その姿は、あまりにも美しく、まるで咲き誇るバラのようで--
思えば、あの時から。
俺はあいつの手の中だったのかもしれない
踊りませんか?
78作目
コロナから解放された娘が、今日から登校した。
疲れたのだろう。帰ってくるなり、ゴロンと転がって眠ってしまった。
約2時間後、娘がムクッと起きた。
見ると、今までにないくらいの寝ぐせ。
ショートヘアの短い髪の毛が、ぴょんぴょんと跳ね回っているようだ。
中でも、向かい合うように立っている様子は、
踊りませんか?
とでも言っているようだ。
私の頭の中に
ビリー・ジョエルの
〝AllYouWannaDoIsDance”が流れた。
paki
この冷えた小さな胸の中に光る希望は、あたしが捨ててはいけないもの。舞台の上でだけは、彼女に成れる。あたしに成れる。
踊りましょう
人生という舞台で
踊りましょう
好きな音楽に合わせて
踊りましょう
手を取り合って
いつまでも いつまでも
楽しく
陽気に
踊りませんか?
いつまでも一緒に…
【踊りませんか?】#9
テーマ:踊りませんか? #325
みんな踊っていた。
文化祭の最後にダンスをペアで踊る。
私はペアが作れなかった。
男子とも女子とも……。
そんな子他にいないのに…。
私はため息を付きその場を離れようとした。
「一緒に踊りませんか?」
急に後ろから手を引かれた。
私は振り向く。
そこにはクラスのお調子者。
馬鹿にしているんでしょ。
運動音痴な私を。
私は手を振り払おうとしたが離れない。
私がキッと睨むと相手の顔を見てそれをやめた。
馬鹿にされているような気はしない。
真剣そのものだったから。
きっとこれも演技よ。
騙されちゃだめ。
絶対に踊れない。
私は首を横に振る。
「大丈夫。俺に合わせて」
同時に体を引き寄せられる。
ダメだって!
笑いものにされちゃう。
私はぎゅっと目をつぶる。
「大丈夫。ちゃんと見て。俺だけ見ていればいい」
いつものお調子者の彼とは思えないほど落ち着く声。
私が目を開けるとそこにはふっと笑う、
私の知らない彼がいた。
踊りませんか?
夢の中へ行ってみたいと思いませんか?
『踊りませんか?』2023.10.04
ダンスを教えてくれ、とあの人にそう請われた。いつものようにのほほんとした顔で。
何を言うのか、とツッコミたくなった。彼は謙遜するが、芝居も上手ければ歌も上手い。そしてダンスもそこら辺の役者と比べるとかなり上手いほうだ。
しかも、アメリカの演劇のメッカにいたのだから、実力もある。それなのに、出演する作品にダンスがあるたびに彼はオレにダンスを教えてくれと請うてくる。
今回はどうやらワルツらしい。彼はオレをダンスのプロかなにかだと勘違いしているのではなかろうか。すぐに踊ってくれと言われても踊れるわけではない。
「簡単なステップでいいから」
お礼に飯をおごるからと言ってくれたので、了承するしかないだろう。
「よければ踊りませんか?」
そうセリフを口にして、彼はオレの手を取った。話が違う。ステップを教えるはずじゃないのか。
「さすがに相手役いないとつまんないでしょ。女性側のステップ踏んで」
彼はそう言って、迷いなどないようにAのステップを踏んだ。ワルツのなかでも基本中の基本だ。踏み込んでくる足に合わせて、こちらは足を下げる。
背中に触れる彼の手の武骨さ。強引さはなく、リードしてやるという気概が感じられた。
教えてくれという割りに、少しも不安要素が感じられない。
何を教えてくれというのかわからず、素直にそう口にすると彼は、
「たんにお前と踊りたかっただけ」
といつも通りに、のほほんとした笑顔を見せた。
【踊りませんか?】
嫌なことは全部忘れて、踊りませんか?
好きなことだけ考えて、歌いませんか?
君の手を取り、踊って歌おう。
はじめて会ったあの日みたいに。
はじめて浴びたあの光みたいに。
僕と一緒に踊りませんか?
人生と言う名のダンスを♪
なんてカッコつけてしまって
今になって恥ずかしい…
君は満面の笑みで
はい、ぜひ♪
と返事をしてくれた。
これが僕のプロポーズだった…
ちなみに出会いは社交ダンス教室。
君のダンスを初めて見た日から惹かれて
僕は通うのが楽しみになって
もっと極めたくなってそれから
君と友達になり仲良くなり猛アタックの末に
交際がスタートしたのだった♡
そして交際6年が経ち…
僕は君と過ごして
ほんとに喜怒哀楽が増えて
毎日がキラキラして今かなって
カッコつけたプロポーズした訳さ!(照)
しかも社交ダンス教室で!
何はともあれ…
これからも共によろしくお願いします♡
愛してます。
運動音痴で歌も下手で勉強もできなくてアイドルばっか見てる俺と一緒に踊りませんか?
踊りませんか?
明日を、明後日を、そしてその先までもを…
毎日は目まぐるしく変わっていき、
今日さえも楽しめない。
機能したことさえ忘れてしまった。
毎日を楽しみたい、
その何気ない毎日を惜しみたい。
だからダンスを踊るかのような…
パートナーが目まぐるしく変わるダンスのように、
生きていきたい…
大切なものを胸に抱いたまま…
運動神経が
悪過ぎて
リズム感もない
わたし。
ダンスを見て
それを真似する
なんて
到底
出来ない。
でも
動きを
ゆっくり
1つずつ
教えてくれた
先生。
拙いけど
みんなと
踊れて
楽しかったよ。
#踊りませんか?
『踊りませんか?』
足を怪我して辞めた
二度とここに来るとは思ってなかった
君は私に原因をくれる
今日も君は私を困らせる