誰かのためになるならば』の作文集

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誰かのためになるならば』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

7/26/2023, 12:32:08 PM

君への想いは

    歳月に磨かれ

    透明になって

    純真無垢な

    愛だけを

    浮き立たせる





         ☆ 君への想い (224)

7/26/2023, 12:15:07 PM

"誰かのためになるならば"

あれは消耗品の補充をしていた時。人がせっせと包帯やらガーゼやらを補充しているのを尻目にゲームしやがって。患者とはいえ、めちゃくちゃピンピンしているくせにうちに入り浸りやがって、ほぼ居候じゃねぇか。そんな元気ならちょっとは手伝えよ。などと心の中で悪態をつきながら睨むが、当の本人はなんのそので何処吹く風。ただゲーム機から流れてくる声やら音楽やらのみが部屋の空気を揺らすだけ、小さく溜息をつきながら作業を再開した。
──えぇーと、これはあっちの棚で、これが…。
『どうした…見ているだけか?』
なんて考えていたら後ろから不意に聞き慣れない声がして、驚いて肩が跳ねる。
──なんだ、ゲームか。
すぐに声がした方を振り向いて、声の正体を確認すると安堵し作業を再開する。
『我が身大事さに、見殺しか?』
声は話続ける。
『このままでは本当に死ぬぞ?』
『それとも、あれは間違っていたのか?』
──最近のゲームはこんなのがあるのか?ちょっと言ってる事重くね?
なんて考えているが、なんだかちょっと他人事には聞こえなくて、耳を傾けたまま作業をする事にした。
『良かろう…覚悟、聞き届けたり。』
『契約だ。』
──契約…なんかファンタジー系のやつか?
『我は汝、汝は我…』
──なんか前にどっかで聞いた事あるようなセリフだな。
『己が信じた正義のために、あまねく冒涜を顧みぬものよ!』
『その怒り、我が名と共に解き放て!』
「…。」
思わず手が止まる。そのセリフと共に5年前の事が頭をよぎった。さっきからまるで自分の事を言われているような気がする。
『たとえ地獄に繋がれようとも全てを己で見定める、』
『強き意志の力を!』


「…。」
補充作業を終えると急に外の空気を吸いたくなり、部屋を後にして外に出る。壁に寄りかかると溜息を1つ吐いて呟く。
「"あまねく冒涜を顧みぬもの"、か…。」
考えてみれば、今までの俺は周りの言う事など気にせず、自分の信じた道をただひたすらに進んで来た。まぁ、その結果自分の未熟さゆえに免許を剥奪され、無免許医になったんだがな。
『それとも、あれは間違っていたのか?』
…違う、間違ってなんかいない。もし俺が行かずに大人しく待機していようものなら、もしかしたらあの患者が、ブレイブと約束を交わせずブレイブが着くのを待たずと消えていたのかもしれない。もし時間稼ぎになっていなくとも、あの時俺が下した決断は俺の正義を貫いた結果だった。
これまでだってそうだ。誰かに"間違っている"と言われようとも、俺が貫いた正義だ。何の悔いもないし悔いたくもない。…では俺の正義ってなんだ?
どんどんと流れてくる思考の波に、幾度も幾度も答えて行く。
「"誰かのためになるなら、自分はどうなったって良い"。」
まさに典型的な自己犠牲だった。言い方はどうあれ、これまでの自分の思考の根幹にあったのはこの言葉で、この言葉が1番しっくり来た。
ゲームキャラに言ったセリフなのだろう、あのセリフを言われていたアイツと俺が重なって思えて、姿も声も分からない相手に急に親近感が湧いた。
──後でなんてゲームなのか、アイツに聞くか。物語だけなら、小説版とかねぇかな?
そんな事を考えながら院内に戻った。

7/26/2023, 12:14:27 PM

誰かのためになるならば僕は何でもするのかと聞かれた。

まず僕は誰かのためにというのがなんのことを指すのかわからなかった。

例えば僕が誰か特定の人のために行動すれば、
それはその人のためになったことになる。

それを踏まえて誰かのためとはなんだろう。

僕が無意識に行ったことが
僕の生身の体温すら知らない誰かのためになることを指すのだろうか。

じゃあもしも、
僕がペーパーナイフをたまたま購入して
たまたま僕にひったくり犯が襲いかかってきて
たまたま持っていたペーパーナイフで抵抗しようとして
たまたまひったくり犯がそれを奪うことができて
たまたまそれが僕の目にのめり込んで
たまたまひったくり犯が逃走することができたら
それは彼のためになるのだろうか。

だとしたら僕は彼に貢献したことになるというわけか。

でも彼はそれに対して、
たまたま彼のポッケに入っていたカッターで
たまたまそれに手が届いた僕に
たまたま逃走経路に先回りしていた僕に
たまたま胸にカッターを押し込まれて
たまたまそれが胸に入ってしまった彼は
たまたま膝を地につけるしかなくなったのだからそれはつまり、、、、

彼は僕に貢献した。

ということはお互いの生身の姿を知らない僕らは誰かのために行動したと。

そういうことになるのか。

それが誰かのためにということか。

何だ簡単。

僕ってば天災。

完全に理解したわ。

7/26/2023, 12:13:26 PM

朝起きたらご飯を作って

道端ではゴミを拾う

学校についたら花瓶の水をかえて

ノートの回収を手伝う


楽しいわけじゃないけど

それで誰かの役に立てるから


だから私はこの恋も

君のために捨てたんだ

君があの子を好きだから

誰かのためになるならば


《誰かのためになるならば》

#56

いつもすぐいいねしてくれる人ひとりいますよね!!ほんとに嬉しいです‪❤︎

7/26/2023, 12:11:57 PM

自分が嫌われようが厳しく言うのも、いざ困っているとつい手を差し伸べてしまうのも、ちょっとしたことをそっとフォローするのも、

「誰かのためになるならば」

 じゃなくて、

「君のためになるならば」

 なんだよ。

 俺は聖人君子ではないから、ボランティア精神なんて持ち合わせていないし、誰にでもそんな優しくはできない。
 俺の原動力は全て君なんだと、君の成し遂げた笑顔を見て、改めて思う。
 君のためになるならば、俺は鬼にも仏にもなるよ。


『誰かのためになるならば』

7/26/2023, 12:10:03 PM

『誰かのためになるならば』2023.07.26


 今の仕事をする前、僕は教師をしていた。そんなに長くやっていたわけではない。ほんの数年間だけだ。
 それでも、その短い間に生徒を持ったこともあるし、珍しい苗字ということもあって、それなりに愛されていたと自負している。
 担当教科は歴史。元々、歴史が好きなこともあり、教えることも好きだった。他の教科もある程度は出来るので、担当教師がいない時は、僕が教えることもあった。
 教師をやめ、今の仕事になった時。
 教師時代の経験が生かされている。僕のファンは学生さんが多い。なので、よく「受験が近くて不安だ」「勉強方法が知りたい」といったファンレターをいただく事が多い。
 最初のうちこそ、一人一人に返事を書いていたが、それも数が増えると厳しくなる。
 そこで僕は考えた。動画配信サイトで、生配信をすればいいと。
 そうすれば、リアルタイムで学生さんたちにアドバイスが出来るし、希望をすれば生電話も出来る。
 やるのはテスト期間。テストに出そうなところ、つまづきやすいところを、予備校のように授業をするのだ。
 周りの人は、そんなことをやって大変じゃないのかと言うが、僕は別に苦ではない。
 勉強を教えることは、完全に僕の趣味なのだ。なので、ギャラも発生しない。
 僕の趣味が、誰かのためになるならば後悔はしない。

7/26/2023, 12:09:56 PM

タイトル「誰かのためになるならば」

誰かのためになるなら、こうする。
そう書く人もいるだろう。でも、綺麗事だと思ってしまうのは、私だけじゃないと思う。

私だけだろうか?

誰かのためとか言う人は、そういう言い方しか分からない人か、純粋な人なのだろう。

でも、そう考えるのは、辛いと思うのは、私だけだろうか?

誰かのためと思ってやったとしても、賞賛されない。自分から言わない限り。
それを見つける人も少ないだろう。

自分は、このタイトルを見て面白くないと思ってしまった。古典的で、思いやりのある人は、「なにをするか」を書くだろう。

だが、自分は違う。

どうしても、辛そうと思ってしまう。だが、そう思う自分をクズだと思ったことは、ない。

人を助けるのは、自分のためと考えているからだ。

人を助ければ、もしくは、手伝えば。
その人からの評価は、上がり必然的と自分のためになる。そう考える方が自分にとっても、気が楽になると自分は思う。


誰かのためというのは、自分勝手に過ぎない。この考えに強がりすぎだと思う人もいるだろう。自分は、逆にこの考えを批判する人を評価し、強がっていると思ってしまう。

一番大事なのは、自分自身だ。

相手に気づいて貰えない「誰かのため」
は、その人のためになっていないと思う。
助ける時、手伝う時は、相手に気づいて貰えるように、した方が自分のためになるだろう。

優先するべきなのは、自分だ。

7/26/2023, 12:09:14 PM

誰かのためになるならば。
私は、空を飛べるだろう。
誰かのためになるならば。
私は砂漠を狩れるだろう。
誰かのためになるならば。
人は皆、何かを成し得ようとするだろう。
それが大切な、かけがえのない人であればなおさらに。

誰かのために、明日へ進んでみよう。
その笑顔が曇らないように、
いつまでも、綺麗なままでいられるように。
そんな明日を信じてみよう。

7/26/2023, 12:04:39 PM

誰かのためになるならば

母が急に体調を崩し入院した。
最初は検査入院でしたが、みるみるうちに腹水が溜まり、呼吸さえもままならなくなりました。
いろいろな検査をし、急性リンパ腫と診断され入院して2週間で亡くなってしまいました。
優しい母でした。料理が得意でいつも美味しいごはんを作ってくれました。悲しい事があると、
「お母さんがずっと側にいるよ」
って言ってくれました。

母が亡くなった事が受け入れられませんでした。その時、医師が
「力及ばずすみません。こんな時に大変申し訳ないのですが、お母様の解剖をお願い出来ませんでしょうか。  医療の発展のためと、若い医師の為にご了承頂きたいと思います」
私は妹に相談し妹は
「解剖なんて!苦しい思いして死んだ後も身体を切られるなんて、、、」
と反対する。
私は考えた。これから先、母のように急死する人がいる。
医療が発展し、優秀な医師が育てばきっと母の死が無駄にならない。
誰かのためになるならば、、、。
解剖を決意した。

母の解剖後、葬儀屋さんの車に乗せられ病院を後にする際、病院の医師や看護師、様々な病院職員が頭を下げて見送ってくれた。
私は涙が止まらなかった。
担当医が
「お母様を助ける事ができず、すみませんでした。お母様の死を無駄にしないよう私達もこれから真摯に患者様と向き合っていきます。娘様もお身体を大切になさって下さい」

お母さん、ごめんね
でもきっとわかってくれるよね。
きっと誰かのためになっている、、、。

7/26/2023, 12:04:20 PM

誰かのためになるならば、私は土を作りましょう。

誰かのためになるならば、私は種を蒔きましょう。

誰かのためになるならば、私は水をあげましょう。

そうして誰かのためにと育てた花は、その誰かの手によって容易く手折られる。
自分が望んだことなのに、自分の手元から離れた花の色を恋しく思うのは何故なのだろう。



/誰かのためになるならば

7/26/2023, 12:02:41 PM

お題:誰かのためになるならば (長文)

誰かのためになるならば、私は喜んで人に尽くそう。

私は昔から、物事にやる意味がないとやる価値がないと思う人間だった。これをやれば家族が喜ぶ。これをやったら自分の能力が上がる。これをやれば...と、そんなことを考えて人生を生きていたら、いつの間にか周りから"自分勝手な女"と思われるようになってしまった。そのせいで私は仕事場で浮いている。上司からは罵詈雑言、後輩からは陰口、苦い顔。でも私は自分の考えていることは正しいと、いつもそう思って日々を過ごした。

しかし、そんな私を変える出来事が起きた。私の家で友人と食事をしたときのことだ。私は会ってすぐ、友人に溜まりにたまった愚痴を吐き出していったのだ。うん、うんという相づちと一緒に私の気分がどんどん晴れていくのを感じる。
全て話終わって、スッキリした頃だった。外は少し曇っていて、雨でも降りそうな、そんなとき「だったら、全て人間のためにやってると思えばいい、そうしたら、意味が生まれる。」
私は口を半開きにして友人を見つめた。
は?
正直意味がわからなかった。友人がこんなことを言ったのは初めてで、つい混乱した。そんなときも目の前の曇りひとつない瞳はずっと私を見つめて
「ねえ、昔は家族のためになることをしたことはないの?」
...あ、そういえば、そうだ。昔は家族が喜ぶ顔が見たくて、色々頑張ったな。
「心当たりありそうだね。...関係性は違っても、それは身近な人だよ。喜んでくれるなら、それで良くないかな」
なにかを言いたくても、脳が追い付かなかった。そのあと、友人は一言、"もう帰るね"といって、ドアの閉まる音が聞こえた。でも記憶は断片的にしか思い出せない。
その日の夜は、土砂降りの雨を眺めながめて過ごした記憶がある。

それからの友人は人が変わったように、私に色々と物申して来るようになった。ついには昔は嫌いだった、とも言われてショックを受けた。
人を喜ばせると、意味がある。本当だろうか?
毎日悩んで悩んだ末に、明日からでもそう思ってやってみようかな、と、自分の決意が揺らいだ。
それをやることに、もしかしたら意味が生まれるかもしれないから。
...多分、明日は晴れるだろう。

7/26/2023, 12:02:02 PM

―鳥かご―

鳥かごの中に囚われた感情が
身動ぎもせず、ただただ、じっと待っている
囚われているのはみんな同じで
自分だけではなくて
飛びたくてもこんなに狭くては飛べないから
思うままに自由に空を駆けることだけを夢見て
翼を広げて飛びゆくときは
いつか、いつかと

きっと誰のせいでもなくて
私だけが被害者なんじゃなくて
何もかもが思い通りにならず、
やるせなさだけが募っていく
そんな重苦しい空気に
押しつぶされないようにと
ただひたすらに耐え忍んで
ずっとずっと待っている

鳥かごの中に囚われた青春が
弾けるときはいつか、いつかと
待ち侘びている
小さな小さな鳥たちよ
さぁ、今だ
そのときが来た
落ちてしまうことのないように
正しさを見極めて、飛び立ちなさい

―誰かのためになるならば―

それがたとえ、
世界中から
“低評価”されるような
アンチを食らうような
最低、最悪の非道だとしても

誰にも許されないくらい、
神に見捨てられるくらい、
惨くて酷い行いだとしても

それが誰かのためになるならば

ただ一人でいい、
大切な人のためになるのならば

私はそれを成し遂げられるような
人間になりたいと思う

偽善だとしても、大罪だとしても汚れ役でも
大切な笑顔を守れるのならば
私は喜んで担ってやろう

7/26/2023, 11:58:53 AM

#誰かのためになるならば

そう思って生きてきた。
自分の何気ない小さな行動が、誰かのためになるならばと。
褒められることもなく、一日一日が過ぎていくだけ。

今日も汚れていたのでゴミ箱の周りを片づけようと重い腰をあげた。
入らなかったテストの解答用紙が丸まっている。

「12点」

誰もいない朝の教室に、自分の声がよく響いた。
キンと冷たい教室にガサガサと用紙の紙音が響く。

「それ、俺の」

振り返ると見たこともない険しい表情で、ガタガタと椅子をひき大股で座り込んでいた同じクラスの男子がいた。
名前なんて呼ぶこともない。
声をかけることもない。
私は何もなかったかのように自分の席に座った。

「勉強教えて」

うつむいて下を向く私の前に座り直した男子は、私の返事を待つこともなく教科書を広げた。
朝のたった数分の時間。
朝光が差し込むと少し暖かい。

「ありがとう」

男子はたった一言、お礼を言うとパタンと教科書をとじて去っていった。
また教室に静けさと冷たさが戻る。

「名前なんだっけ」

他人に興味がないので名前すら覚えてない。
初めて名前を知りたいと思い、捨てていたテストの解答用紙をのぞきみた。
名前はわからなかった。

7/26/2023, 11:54:32 AM

誰かのためになるならば
誰かのためにになるならば私は、みんなの幸せとみんなの笑顔をそしてみんなの安全を優先する。
だって自分よりも優しくて笑顔の可愛い人が生き残って欲しいから。自分なんていたら居たらでみんなに迷惑かけるだけだから自分がみんなを守る!私の大切な人を守るって決めたから。その決めたことが誰かのためにになるならば私は、自分の命は惜しくは無い。




でもそんなこと言ったら親友にかのが死んだら私も一緒に死ぬ!って言ってくれて嬉しかったよ…
でも私は、みんなを守るためなら自分の命なんていらないんだよって言ったら
『 なんでそんなこと言うの!?そんなことしたら私が一生かののこも恨むよ!だから死んで欲しくない!』
って言ってくれて嬉しかった!だからそんな親友などのみんなのために誰かのためになるならばなんでも言うことを聞くよ…



ありがとう(*´ω`*)
これからもよろしくね(´˘`*)

7/26/2023, 11:51:13 AM

誰かのためになるのなら
僕はここで命を捨てるけど
誰かのためにならないのなら
死ぬのをやめて見ようか、

なんて

本当は疲れただけなんだ
本当はここから逃げたいだけなんだけど

僕の死に意味があるのなら

何も出来なかった僕も報われるのかなんて

7/26/2023, 11:51:10 AM

誰かのためになるのならば……

僕はいつもコンビニレジの横にある募金箱に10円を入れている。
いつものようにブラックコーヒーとお気に入りの菓子パン……
今日は財布に10円がなかった。
会計が終わる前に考えて……50円入れることにした。
そんな時
アルバイトの君が初めて話しかけてきた。
「優しいんですね」
簡単な言葉……
でもなんて返事していいか僕はまだ分からなかった……
無言で一礼してその場を去る僕だった。
初めて声をかけて貰えた事に僕は僥倖(ぎょうこう)だった……
コンビニを出てチラとレジを見ると少し赤くなった君の姿があったことを今でも忘れない。

数年後
僕はいつものように募金箱に50円を入れる。
「今どき募金箱に入れてくれるなんて兄ちゃん達偉いねぇ〜」
「誰かのためになるのなら……」
僕の精一杯の返事だった。
この言葉が言えるようになれたのは隣にいる君のおかげなのかな…
明るくて優しい君の隣にいても恥じないような人に僕はなれてるだろうか……

7/26/2023, 11:50:52 AM

「これからそういうことは絶対にやらないで!」
一度、親友に本気で怒られたことがある。いつも二人でにこにこ笑っていたから、びっくりした。
バスの回数券を買うお金が足りないとぼやいていた親友に、千円分の回数券を渡したのだ。私の通学手段は普段バスだけど、親の送迎に切り替えることも可能だし、最悪30分ぐらい歩けば帰れる。だから後日千円分返してきた親友にそう言って「大丈夫だから気にしないで」と言ったら、怒られた。
「君が私を思ってやってくれるのは嬉しいけど、その分君が大変な思いをしたら、私は全然嬉しくないよ。それに、君がそうしたいって思う分私も君にそうしたいって思うからね!」
親友が、ちょっぴりたくましく見えた。

7/26/2023, 11:49:24 AM

「ねぇ、今日久しぶりにカラオケいこう!」
「おっ、いいね!!今度こそ負けないから!」
「ねぇ、職員室ついてきて!」
「うん!いいよー?いこいこ!」
やっと7時間目が終わって開放感溢れる放課後みんなが遊びに行こう。だとか、ここに着いて来て。だとか女子同士で約束する話を聞きながら私はひとり本を読んでいた。
やばっ、この本面白すぎる!
何回でも読めるわ!!
楽しみながら本を読んでいたらいつの間にか外は暗くなっていた。
「もうこんな時間か・・・・・・・・帰ろ。」
「ただいまぁ。」
挨拶をして家の中に入るとお母さんがご飯を作って待っていた。
「あら。莉乃(りの)おかえり。
ご飯もうすぐできるからね。」
「うん。ありがと。」
そう言って自分の部屋に入ってさっきの続きの本を読む。
しばらくするとお母さんから呼ばれた。
ご飯が出来たみたいだ。
「どう?学校楽しい?
あんた仲良い友達いるの?連れて来てもいいのよ?
本もいいけど、友達とも遊びなさいよ?」
またその話か。
最近はそればっかりだ。
うんざりしながらも答える。
「別に、友達とそんな仲良くなくたってやっていけるし。別にそんな仲良い友達が欲しいとも思わないし。
心配しなくていいよ。普通に友達はいるから。」
「そう?でも、1人ぐらいすごく仲がいい子がいた方が安心じゃない?人と人の繋がりは大切なのよ?
いつもお父さんが言ってたでしょ?」
お父さんは私が小さい頃に亡くなった。
お父さんはいつも言ってた。
"人と人の繋がりは大事だ。
できる限りは多くの人と繋がりなさい。
そうすればいつか絶対役に立つ日がくるから''
って。
「はいはい、そうだね。大丈夫だって友達ちゃんといるし。心配しないでいいから。
ごちそうさまでした。」
お母さんは何か言いたそうだったけど、無視して食器を片付ける。
それからは宿題を済ませてから本を読む。
そして、小説がキリのいいところで読むのをやめて寝る。
私には別に特に仲がいい友達なんていらない。
だからといって教室で孤立しているわけじゃなくて普通にみんなと話せるし、行事とかには一緒に回る人には困らない。
ただ、マンガや小説であるような“親友"ってやつがいないだけ。私はそれでいい。
深く関わったってめんどくさいだけなんだから。


キーンコーンカーンコーン
4時間目が終わりみんながお昼を食べようと動きだした。
私は本と弁当を持っていつもの場所に向かう。
いつもの場所とは中庭だ。
誰も来なくて静かで、落ち着く。
そんな1人でゆっくりできるこの時間が私は好きだった。
1人で本を読みながら弁当を食べていると
「莉乃ちゃん!!こんなところで1人で食べてるの?」
同じクラスの桐山 颯 (きりやま はやて)がやって来た。
いつもクラスの中心にいてクラスのムードメーカー的な奴らしい。
興味ないから知らないけど。
「そっか、そっか!莉乃ちゃんはいつも本読んでるけど
友達と仲良くしようとか思わないの?」
はぁー、最近このこと聞かれるの多いな。
めんどくさい。
しかも今、本がいいところなのに。続きが気になる。
桐山颯が来たから読めなくなっちゃった。
「別にそんなこと思わない。
本を静かに読めればそれでいいから。」
私がそう答えると桐山颯 は何かを決めたような決心した
顔をしていた。
「あのさー。
明日俺達のクラスに明日俺の双子の妹が転校してくるんだけど、多分莉乃ちゃん妹と気が合うと思うんだよね。
妹も本好きだし。
だから仲良くしてやってね。」
桐山颯はそれだけを言いにきたらしく私の返事も聞かずに去って行った。
別に本に影響がでるなら一緒にいたくないし、いるつもりもない。
だけど、本好きだと聞いたのでどんな子なのか、少しだけ少しだけ気になった。


「初めまして、霧山 風夏(きりやま ふうか)です。好きなことは本を読むことです。
私と一緒で本が好きな人は話してくれると嬉しいです。
みんなと早く仲良くなりたいので今日からよろしくお願いします。」
この子が桐山颯の双子の妹か。
桐山颯が言ってた通り本好きなんだ。
まあ、別に特別仲良くするつもりはないし、関係ないし、どうでもいいけど。

休み時間、本を読んでいるとふと机の前に影が出来た。
なに?
誰がなんか用事かと思って本を見るのをやめて
前に立ってるらしき人を見ると今日転校してきた霧山風夏だった。
「なに?なんか用事?」
そう聞くと霧山風夏は笑顔で話してきた。
「その本○○○さんの本だよね?
めっちゃ面白いよね?
でも、私最後はすっごい泣いちゃったよ。
○○○さんの書く本はどれも心に響くほど面白いよね!!この同じ作者の本読んだことある?
おすすめの本あるんだけど!」
この本読んだことあるんだ。
確かにこの本はすごく面白い。
面白くて3回目だ。
何回読んでも感動するし、面白い。
おすすめの本か・・・・・・・
ちょっと興味あるな。
「ううん、この作者のやつは今回初めて買ったの。おすすめの本って?何?面白いの?
この作者の本これからたくさん読みたいんだよね。」
「ふふっ!莉乃ちゃん、目キラキラしてるね!
これから本のこといっぱい話そうね!
私のことは風夏って読んでいいからね!」
ちょっと柄にもなく話し過ぎた。
いつもそうなんだよね。
本のことになるとついつい興奮しちゃって話し過ぎちゃう。
でも本のこと誰がと話すなんて久しぶりで楽しかったな。
たまにはいいかもしれない。
たまにはね。

それから毎日のように風夏は話しかけてきた。
あの作者の本をたくさん教えてくれた。
風夏と私は読む本が合うんだ。
だからお互い感想を言い合える。
少しだけ、そんな日々にワクワクしていた。
単純に本のことを話すのは楽しいから。
それでも私は本を読みたい時は読むし、風夏と話すようになったとしてもそれはやめなかった。
しかも、私達が話しているとたまたま同じ本読んでるっていうクラスの子も一緒に話したりするんだよね。
うちのクラスで同じような本読む子がいるって今までで知らなかったけど。
今日も休み時間の間に本のことを話していた。
「犯人誰だと思う?
私はこの女の人かな。だっねこの女の人被害者を恨んでたんだよ!もう絶対犯人!」
今読んでる推理小説の話だ。
「いやっ!多分この若い男の人でしょ!
何よりアリバイがないんだから!」
「え〜、そうかな?じゃあもっと根拠を教えてよ!」
お互いに今読んでいる小説の犯人を推測する。
それが今の私にとって本を読むことの次に楽しいことになっていた。
絶対この人が犯人!
そう思って根拠を風夏に話そうとしたこき
「ふうか〜!!ちょっと着いて来てくれない?」
風夏が別の友達から呼ばれた。
「ごめんー、ちょっと言ってくるね!」
風夏は男子からも女子からも転校初日から好かれていた。
明るい性格と顔の可愛さで人気者で告白なんてしょっちゅう。
本当誰かさんとそっくりだ。
風夏がいなくなってからはまたチャイムが鳴るまで本を読んだ。

昼休み
私はいつものように中庭で弁当を食べていた。
やっぱり落ち着くし、大好きな空間だ。
ほっとする。
ぼんやりとしていると
「いた、いた!
莉乃ちゃん!!またこんなとこで1人で〜」
また桐山颯が話しかけてきた。
次はなんの用だろうか?
「何?なんか用?」
そう聞くと桐山颯はニヤニヤして言った。
「やっぱり俺の妹と本の話あったでしょ!
ふうが本のこと話す時は目が輝くって嬉しそうに話してたもん。」
風夏そんなこと兄にまで話してんのか。
まあ、別いいけど。
「そう。」
双子なだけあってやっぱり桐山颯と風夏そっくりだな。
そんなことを考えて、まじまじと見つめてしまうと
「なになに〜?俺のこと見つめちゃって!
もしかして、惚れちゃった?」
ニヤニヤしながらそう言うから冷たい目を向けて睨むと
「あぁ〜!ごめんごめんって!冗談!
そんな冷たい目で見らんで!
てかさ?莉乃ちゃん雰囲気なんか柔らかくなったよね?クラスのみんなもそう言ってたよ?
俺の妹のおかげかな?」
雰囲気が柔らかくなった。か。
確かに風夏に会ってから学校で喋ることが増えたような気がする。
前まではクラスのみんなと仲が悪いわけじゃないけど、あんまり喋らないから。だって、私も本見てるし、みんなも本読んでる私にわざわざ話しかけたりしないから。
別にそれでも私は本が読めればそれでよかったから全然よかった。
でも、少しだけ風夏が来て日常に色がついたそんな気がしたんだ・・・・・・・・・・・。

そんな風に一日を過ごして家に帰りお母さんとご飯を食べる。
「最近、あんた少し明るくなったわね?
学校でなんかあったの?」
お母さんからも言われた。
そんなに変わったのか。
自分ではそんなに変化分からないけどみんながいならそうなのか?
「うん、まーね。」
返事をしてご飯を口に入れた。

そして、風夏が来てから二週間ぐらいが経った頃。
今日も朝の登校して本を読んでいると
「ねぇ、ねぇ聞いて!!
この本の映画が明後日公開されるんだって!
一緒に行かない?」
この本の映画か。
この本はすごく感動するラブストーリー。
私も読み終わった頃には号泣だった名作だ。
でも、映画とかお金かかるし、あんま行ったことないな。
どうしようかと悩んでいると
「この映画明後日に行ったら本の番外編が無料でもらえて、そしてこの日作者も来るらしくて、サイン貰えるんだってさ!
しかも番外編まで!さいっこうじゃん!行こうよ!」
番外編!?それは読みたい!
しかも作者からのサインなんて!あんな素晴らしい小説を書く人と会ってみたい!
追加の情報に行きたい気持ちが膨れ上がって
「行く!行きたい!作者さんと会いたいし、何より番外編読みたい!」
食いついて答えると、風夏は笑った。
「ふふっ!ほんと、莉乃は本のことになると目の色変わるね!よしっ、じゃあ行こ!
明後日10時に☆☆公園に集合ね!」
「分かった!」
番外編にサイン。
明後日早く来ないかな〜
柄にもなくワクワクしていた。

そして映画の日
「じゃあ、行ってくるから。」
リビングに向けて声をかける。
「はーい!行ってらしゃい!
楽しんできて!帰りは何時になってもいいわよ!気をつけなさいね〜」
お母さんからニヤニヤして送りだされた。
昨日の夜ご飯の時お母さんに友達と遊びに行くことを話したらびっくりされて興奮されて収めるのが大変だったぐらいだ。
別に大したことないのに。
映画どんな感じなんだろう?
いろいろなことを考えながら歩いていると待ち合わせの公園に着いた。
まだか。
まあ、まだ待ち合わせの時間より早いしね。
それから2分ぐらい待っていると
「ごめんね〜!待った?行こうか!」
「大丈夫。いこ。」
私達は映画館へと歩いた。
映画館は休日だけあって混み合っていた。
「わっ〜!人いっぱいだね!」
風夏がびっくりしたように人混みの方を見ていた。
まあ、作者も来るって聞いたら本好きの人は集まるよね。
「だね。頑張って中に入ろう。」
人混みを掻き分けてどうにか少しずつ前に進んで席をゲットする。
そして映画館に入って席に座る。
「楽しみだね〜。主人公は誰が演じるんだろうね?」 
ポップコーンを食べながら話していると映画が始まった。


映画が終わって私達は2人どっちとも泣いていた。こんなに泣いたのは久しぶりだ。
やっぱり原作がいいからだよね。
なんだか誇らしい気持ちになった。
そしてようやく2人の気持ちが落ち着いてきた後感想を言い合った。
「あのシーンやばかったよね!もうあのシーンから泣き始めたよ!」
「うんうん!やばかった!私もう既に泣いてたけど!やっぱり○○○さんの本は最高だよね!」
思う存分感想を言い合ってから、本の作者に会いにいく。
楽しみだな。
どんな人なんだろう?
顔は公開されてないけど女性なんだよね。
ドキドキしながら行列に並ぶ。
横にいる風夏を見るといつもとは違い珍しく緊張しているみたいだった。
その姿をみて少し面白くなった。

無事、作者と会えてサイン貰って番外編も貰って映画館を出ようと風夏と歩いていた。
作者さん凄かったな。
なんか別に硬い感じの雰囲気ではなくて優しい雰囲気だったんだけどオーラがすごくて圧倒された。
そして少し話せていい時間だった。
風夏も楽しそうに会話していた。
「ねぇ?見て!
今日と同じ作者さんの本がまた来年映画化されるって!また一緒に見に行こうよ!」
そう言って隣で歩いている風夏を見ると
風夏は泣きそうな悲しそうなでも嬉しそうなそんな表情をしていた。
「莉乃・・・・・・・・。
ごめん。実は私・・・・・・・・」
今の風夏にはいつものような明るい笑顔はなく今にも泣きそうな声で何かを言いかけたけど、思いとどまるような表情をしていた。
「どうしたの?」
そう問いかけても風夏は続きを話さなかった。
「ごめん、ごめんね。」
なぜか謝りながら私に抱きついて来た。
私はただその背中を撫でてあげることしか出来なかった・・・・・・・・

「ごめんね!もう大丈夫!
来年も一緒に行こうね!」
風夏が泣き止んで笑顔でそう言った。
私もこれ以上聞くのは良くないと思って
「ううん。じゃあ、どっか寄ってく?」
いつもの私ならこんなこと言わなかった。
いつも本ばっかりだったから。
でも今の風夏とはなるべく一緒にいないといけない気がして誘った。
「お〜!珍しい!莉乃が誘ってくるなんて! 
よし、じゃあ、なんか食べ行くか!
そしていっぱい話そ!」
そう言った風夏はいつもの元気なく風夏に戻っていた。
それに安堵して風夏と過ごした。

そしてご飯を食べてたくさん話してもうすぐ8時になりそうというときにもうそろそろ帰るかという感じになった。
「楽しかった〜!
ありがとね!今日すっごい楽しかった。
莉乃といけて良かったし、幸せだった!
ほんとありがとね!帰り気をつけて帰ってね?」
そんな改まって。
「なんか今日で終わりみたいな言い方するね?
私も楽しかったよ?ありがとね!
じゃあ、また明日学校でね!」
少しだけ風夏の言い方に怖くなって、笑顔で言う。
「うん!また明日!」
でも風夏は笑顔で「また明日」って言ったから大丈夫か。
心配は杞憂だったようだ。
そう思って風夏と別れた。
1人暗い帰り道を歩く。
風夏と出会えて良かったな。
出会えてなかったらこんな楽しい時間なんてなかった。
前は仲良くするつもりなんてないって思ってたのにいつの間にか風夏の明るさに絆されて風夏と小説のことを話す時間も小説以外のことでも楽しいと思えてた。
別に友達と一緒にいる時間はそんなに楽しいものじゃないと思っていた。
小説読んでたほうが何倍も楽しいって。
だけど、風夏に一緒にいることの楽しさを教えてもらった。
本を読み続けることには変わりないけど、少しだけ周りを見回して人と関わってみようかな。
明日も風夏と仲良くしていたい。
今までの生活を見直して気持ちが変わった1日だった。


                     続く

読んでくれてありがとうございました。

7/26/2023, 11:49:10 AM

ちょっと自尊心を満たしたかっただけ。

金額としてはショボいけど、立派な俺の稼ぎから出した。
募金箱に入れた100円。まだ、手のひらに感触が残っている。
いつもは100円玉なんて、古くなって、汚く見えるのに、今日だけは輝いて見えた。

自尊心を満たしたいっているクソみたいな理由。
けど、それで誰かが喜ぶんなら、それでいいじゃないか。

今日は、良い酒が飲めそうだ。

*誰かのためになるならば*

7/26/2023, 11:46:57 AM

僕が消えることで、幸せになれるのなら



喜んでこの世から消えて見せよう。






お題 誰かのためになるならば

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