誰かのためになるならば
母が急に体調を崩し入院した。
最初は検査入院でしたが、みるみるうちに腹水が溜まり、呼吸さえもままならなくなりました。
いろいろな検査をし、急性リンパ腫と診断され入院して2週間で亡くなってしまいました。
優しい母でした。料理が得意でいつも美味しいごはんを作ってくれました。悲しい事があると、
「お母さんがずっと側にいるよ」
って言ってくれました。
母が亡くなった事が受け入れられませんでした。その時、医師が
「力及ばずすみません。こんな時に大変申し訳ないのですが、お母様の解剖をお願い出来ませんでしょうか。 医療の発展のためと、若い医師の為にご了承頂きたいと思います」
私は妹に相談し妹は
「解剖なんて!苦しい思いして死んだ後も身体を切られるなんて、、、」
と反対する。
私は考えた。これから先、母のように急死する人がいる。
医療が発展し、優秀な医師が育てばきっと母の死が無駄にならない。
誰かのためになるならば、、、。
解剖を決意した。
母の解剖後、葬儀屋さんの車に乗せられ病院を後にする際、病院の医師や看護師、様々な病院職員が頭を下げて見送ってくれた。
私は涙が止まらなかった。
担当医が
「お母様を助ける事ができず、すみませんでした。お母様の死を無駄にしないよう私達もこれから真摯に患者様と向き合っていきます。娘様もお身体を大切になさって下さい」
お母さん、ごめんね
でもきっとわかってくれるよね。
きっと誰かのためになっている、、、。
7/26/2023, 12:04:39 PM