『言葉にできない』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【言葉にできない】
君との関係性を、果たしてどんな言葉で表せば良いのだろう。恋人と呼ぶには互いに執着も情動も足りないし、友人と呼ぶにはあまりに距離が近すぎる。
「それ、そんなに大切なこと?」
大真面目な僕の問いかけに、熟読していた新聞から目を上げて、君は呆れたように軽く笑った。
もう十何年もの長い付き合いだ。別のコミュニティに属している時期も、お互いに恋人がいたことも当然あった。だけど何故だか、気がつけば互いの隣に戻ってきてしまう、そんな不可思議な関係性だった。
趣味も性格も全く違うのに、君の隣が一番気楽だ。素の自分を無遠慮にさらけ出しても構わない、世界で最も息がしやすい場所。
「言葉で表現できる関係が、全てじゃないでしょ。今のままでお互い満足なんだから、それで良いんじゃない?」
あっけらかんと言い放ち、君は再び新聞へと目を落とす。うん、そうだね。小さく頷いて、僕も手元のスマホの画面へと視線を戻した。再生ボタンを押せば、片耳にだけはめたイヤホンから、可憐な恋心を歌う流行りのポップスが流れ始める。
好きだとか、恋してるだとか、そうやって定義づけた瞬間にきっと、僕たちの今の関係は壊れてしまう。この居心地の良い距離には、二度と戻れなくなってしまう。そんな予感があった。
すぐ隣の君の温もりを全身に感じながら、僕はそっと瞳を閉じた。
――こうしてずっと永遠に、言葉にできない曖昧な関係性のまま、僕たちは隣り合わせに生きていく。
滑らかで艶やかではあるが
どことなく子供っぽさが残るような姿
何も飾らないのも良いが
白い帽子をかぶるのもいい
君との口付けは甘くほろ苦く
言葉にできない幸福感をもたらす
ついさっき会ったばかりなのに
すぐに恋しくなる
次に会うときもまた
とろけるような時間を私に与えておくれ
プリン
……?
……。
……!!
……。
……?!
……。
─── ……。
※病み文章なので苦手な方はスルーして下さい※
お題『言葉にできない』
去年、Twitterが原因で鬱病を再発してしまった。
私は1度目でなぜ学ぶ事ができなかったのだろう…。
再度、精神科に通院しながら旦那の実家で療養する事になりました。
だけど、今は自分の実家に里帰りをして療養しています。
自分の実家に里帰りする事で旦那の実家としてはきっと病人を支える重荷が減るんだろうな。
頭の中はそんな事でグルグル溢れてる。
私は若い頃の生活習慣の乱れが原因で2型糖尿病を20代で発症してしまい、現在も通院しながら30代後半を迎えた。
子どもは………いません。
この歳で年金暮らしの両親に世話になるなんて申し訳なくて涙が出てきます。
しかも両親共に糖尿病を患っており、母は失明、義足の障がいを抱えている状態。
でも両親は明るく笑いながら「気にせずに過ごしなさい」「お金の事は心配しなくてもいい」と温かく言ってくれました…。
精神的に弱い自分が許せなくて情けないなと思いました。
本来なら自分が支える側なのになぁ…。
『親』って強いんだなぁ…。
私は『親』になった事がないから親心がわからないまま生きていくのかな…。
よく分かんないや…。
言葉にできないってこういう事なんだろうなぁ。
「言葉にできない」
その言葉を聞いたとき、何故か分からなかった。
そんなに長く生きてないが、今までの人生で言葉にできないことは無かった。
だってみんなが言うような((恋))をしたことが無い。そして今、言葉にできない感情が私を支配する。なんだろう、このなんとも言えない気持ちは。そうか、これが「「言葉にできない」」ということか…でも、言葉にできないという言葉で表しているから言葉にできていないことでは無いのでは?そういう疑問がうまれた高校生の冬。好きな人が出来ました。
「言葉にできない」
この気持ちをどうしたら良いのだろう?
心が叫んでる
怒り?悲しみ?絶望?
きっと今の私は
顔を顰めていて、目つきも悪いだろう
涙が出そう
違う
泣きたいんじゃない
泣く理由も必要もない
この感情は
*言葉にできない
【言葉にできない】
君にたくさんの言葉を伝えてきた。
君を笑顔にしたくて、励ましたくて、
幸せになってほしくて。
でもこれだけがどうしても、言葉にできない。
「君が好き」
あなたが何も言わずに
わたしたちの前からいなくなったあの日だけは
日記に書くことができなかった
あの人。
私の、…何なのか分からないけど、
あの人は私の…私の…ハツコイ。
中学で三年というのが、あなたで
いっぱいで、
あっというまだった。
あなたは夢を追いかけて遠い学校へ行ってしまう
滑り止めで私のと同じ学校をいれていたのだけれど、第一の他校に無事、受かった。
…受かって、しまった
勇気を出して、卒業式の二週間前の放課後。
放課後にあなたを、よんだ。
「わた…し、あな、たの…こ、と…」
震える足と床しか見えない。静まった廊下の樺の木の床は冷たくて、私の何かをずるずるとすっていく。
今しか、ない。ない、のに…
応援したいけど、なんだか…
もうちょっとで私ともっといた気がして…
応援も…心からできなくて…
言葉にできないの
お題
言葉にできない より
ものすごく変な気持ちだ。
君は「一緒に死のう」って言ってくれた。
僕はそれが嬉しくて、一緒に学校の屋上から飛び降りた。
飛び降りる前の君の表情は本当に幸せそうだった。
きっと君の唯一の幸せがそれだったんだ。
あの時の判断が正しかったのかは分からない。
「目が覚めましたか?」
頭の上で声が聞こえる。
「…はい…」
「意識が朦朧としているみたいですね…」
多分医者だ。
「死んだはずなのにどうして病院に…?」
僕は素直な疑問を彼に投げかけた。
「運が良かったですよ…あなたは打ちどころが良く、生きれたんです。」
…
…?
運が良かった…?
僕は勢いよく起き上がった。
身体中の激痛なんて関係なかった。
「もう一人の女の子は!?小春は!?」
「女の子は…残念ながら…」
息ができない。
汗が吹き出してくるのが分かる。
後悔と怒りを全て吐き出そうとしても、言葉が出てこない。
いや…言葉にできない…というのが正しい表現なんだろう。
叫ぶしかなかった。
言葉にできないより。
考えていることを人に伝えるのが得意じゃない
形がないからなのか、表現が浮かばないからか
気がつくと頭の中の自分と会話していたりする
大切なことこそ、言葉にできない
グリーンのようなピンクのような、
ふわふわとした柔らかい気持ち
自問自答の、私だけの秘密
言葉にできないことも、なかなか悪くない
/言葉にできない
「痛い! 痛い!」
掴まれ、引っ張られる髪が抜ける嫌な音が頭皮から聞こえる。どれだけ叫んでもその手は離されず、部屋の端にまで来ると乱暴に壁際へと投げ出された。
あまり見ない彼の怒りように、今回はやり過ぎたかと思った。どちらかと言えば今まで溜めていたものが爆発したと言った方が正しそうだった。
「ンなに死にてぇなら今すぐ殺してやるよ」
ゆらり、と彼の目が光った——そう見えたのは実際は彼が愛用するナイフで、躊躇いもなく勢い良く振り下ろされた。
ナイフが、寸分の狂いもなく僕を貫いた。
正しく言えば僕の右手を貫いた。
良く手入れされたそれは、僕の手を床に縫い止めている。
血が溢れているのに痛すぎて感覚が無い。
見上げれば冷たい青い目が僕を見下ろしていた。
何に対してか分からないけど、じんわりと目元が潤んだ。
「……いたいよ」
そう、小さく呟いたら視界を揺らしていたものが溢れた。
それを見た彼が、やっといつもの暖かさを持った目に戻した。
「溜め込む前に言えって、いつも言ってんだろ」
「……それにしたって、もっと別のやり方があるでしょ……」
「真っ当な道歩いたことなんかねぇだろ。これに懲りたら次からちゃんと吐き出せ」
そう言って、ナイフも抜かずにどこかへ行ってしまった。数分で戻ってきた彼の手には救急箱があって、さっき刺したその手で、僕の体の包帯の数を増やしていく。
未だ吐き出せないでいる感情を言葉にできないまま、僕はその手をじっと眺め続けた。
友達と話してる時、不意に言葉にならない気持ちが溢れてくる。憎悪や不満とか、思ってもないような言葉が心に出てきてそれを必死に理性で止める。そんなことをしてる自分に腹が立ってくるんだ
「言葉にできない」4/11
目の前に、料理(?)がある。
匂いは良いのだが、見映えが、、、
調理した本人に目をやると、
食え、と言わんばかりの表情だった。
私は、箸で食べ物(?)を摘まむ。
固形だと思っていたのに、プルプルと震える!?
私は、恐る恐るそれを口に運ぶ。
「あ、、、うん」
さわやかな陽射しを浴びて、僕はパンツを脱いでみた。
風がなびく。僕の僕がふわっと気持ちよくなる。
調子にのってじゃんぷしてみる。
ぷらんぷらんぷら〜ん。
う〜〜〜ん。
君への気持ちを…私は、言葉にできない。
「ねぇ、きぃーみぃー!一緒に学年委員やらない?」
「…めんどい。図書委員やりたい」
「えぇ!?そ、そこをなんとか…おねがぁい(うるうる)」
チャイムが鳴った。なんで今こんなことをしているのかと言いますと、学年委員を1人でやりたくないがために道連れにしようとしているからです。幼馴染くんは相変わらず冷たいし、他の女子もみんな引いちゃうし…。一体どうすれば?私1人でやる他ないのでしょう、きっと。
私は副学級長となった。話し合いでは積極的に学級長を助け、優秀さを保とうと頑張っています。そして、一日の終わりを締めくくる部活。ちょうど話し込んでいた男子に問いかけた。
「あのさ、学年委員って誰になったの?」
「んーとさ、学級長が…」
「へぇ。まぁ、あんまり変わってないかもね」
「まあな。」
「書記は?」
「それは…(ニヤ)アイツだよ。」
指が指す方向は幼馴染くんだった。
「え?…は?え、君が書記になってくれたの!?え、待って、マジで嬉しいんだけど」
君は照れ隠しをするようにそっぽを向いたが私のその時の嬉しさは言葉にできないほどだった。
ーきぃみぃ!本当は素直じゃんー
[言葉にできない]
欲しいものをひとつ手に入れられる。
その代わり、大事なものを失うという。
欲しいものも大事な物も特にないと思っていたし、そもそもこの誘い文句も半信半疑だった。
なのに。僕の名前は声にならなかった。
思い出せない。五十音並べても引っかからない。
学生証を見ても、そこだけなんと書いてあるか読めない。
そうか。
言葉にできないほど。
徹底的に失うほど。
僕は自分の名前を大切にしてきたらしい。
心のどこかで叫んでいるのです
大人の言うことは全て正しいのですか
年上の人を敬えというのは何故ですか
子供には何をしても許されるのですか
純粋な子供の思いを汚すのは誰ですか
そもそも『ひと』は平等ではないのですか
私たちは 誰を 信じたらいいのでしょうか
人の縁とは不思議なもので
遠い昔にやり残したことを
もう一度学ぶために
出会うこともあるそうで
お互いを知るために
出会うこともあるそうで
近くにいる誰かを支えるために
生まれてくることもあるそうで
人それぞれに進む道は違うけれど
皆がしあわせに過ごせますように
心のどこかで祈りながら
やり場のない感情もまた
心のどこかで叫んでいるのです
『言葉にできない』
祈りだ。
ただ、一心に祈っている。
何をどうしてほしいのかは、言葉にできない。
誰に祈っているのかも、さだかではない。
けれど、ただ。
ただ、祈っている。祈り続けている。いつまでも。
#言葉にできない
頭痛がする、朦朧として吐き気もひどい、
その上、カラカラと背に降り注ぐ陽光は、容赦なく身体を焼けつけている。
「あつい…」
うわ言のように呟き、歩く、歩く。
靴下に入る砂つぶは、一つ一つが燃えるよう、その上、汗がべたついて、僅かな水分は余計に奪われる。
「……!」
目の前には、青く透き通った砂漠のオアシス、緑乱れ、生命が息づいている。自然と足速となり、紅く痛んだ脚を鞭で打つように働かせる。
着いた瞬間、獣みたいに顔を突っ込み、生命の雫を咽喉に通していく。
渇いた体が潤いをもち、ぼやけた視界は、いくばくかはっきりとした。
助かったという安堵と同時に、疑問と不安が浮かび上がる。
「私はなぜここにいるのだろうか」
私は砂漠の探検隊でも、イスラエルの商人でもない、こんな荒涼とした地に踏み入れるような人間ではない。
そもそも私は一人家にいたはずだ。
一日中、現代的娯楽に勤しみ、深夜のラーメンに満足し、ぐっすり眠りについたのだ。こんな目に遭ういわれはない。
わかったぞ、これは夢なのだ。
明晰夢というのを聞いたことがある。
しかし、夢にしては渇きも、痛みもやけにリアルだ。
突如、私に途方もない恐怖が沸き立った。
声が聞こえたのだ、命じるような機械的な声
「まけたんなら、やり直し」
背筋が凍る。
私は知っていた、この砂漠も、このオアシスも、ああ、そうか、そういうことだったのか。
記憶のダムが決壊し、口をあんぐりした男は、震えながら許しを請いたが、砂漠は全てを砂に変えて、男の言葉を掻き消した。
「まだ終わらないの?」
「ええ、なかなか難しいようで…」
「もういっそのこと、あなたが私の息子ならいいのに」
「私は単なるロボなので、彼の感覚を知れる程、人間的にできてはいませんから」
『言葉にできない』