『街へ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
わたしを着飾る。
いつもは付けぬ、ネックレスにブレスレット、リングを身に付ける。
いつもは纏わぬ、シャレた刺繍に麻の素材、ラフなワンピースを身に纏う。
高級感に上品さ、派手さも無い、
きわめて、庶民的でラフなワンピース。
細やかで鮮やかな刺繍の施された、黒地のロング丈のワンピース。
皮のヒールの高さは、低めで歩くことに適している。
作りの良い、実用的なシンプルな靴。
植物を編んだ、つばの大きい帽子。
それは、趣味の良い彼女の人柄を表していた。
街へ
街と聞くとショッピングできるところが多かったり、マンションが立ち並ぶ都会のようなところを思い浮かべる。
私は田舎で育ち周りの家とも100メートル以上離れていた。住宅街のようなところで住んだのは進学してからである。実家は一軒家だったので、アパート暮らしもはじめてだ。
実家の周りにはほとんど街灯がなく真っ暗だが、今住んでいるところの周りは街灯が比較的あるし他の家の明かりもあり怖くない。
街の明かりがあるとほっとする。
6年ほど前に北海道でブラックアウトがあり私の住んでいたところは一日以上停電していた。停電によって街の明かりがないのは不安だったと思う。街の特に明かりは時として人を安心させてくれるものだと私は思う。
街へ行くといっても、それがどういう街かには結構格差があって、以前はジャスコみたいな施設はあるけれど、メインストリートにはシャッターが下りたお店ばかりで、そこをジャージを着た近所の若い家族が自転車に子供乗せて走ってるみたいな土地だと、街にも出ずに燻るしかなかった。
だから、結局精神的な豊かさしか頼れるものがなくて、そこで画期的だったのは情報の流通を解放したネットと商品の流通を確保した通販で、本当に救われる。
街へ
私たちの住む街でも、雪がちらついた。
雪の街は、がらりと景色を変えて、
銀世界になった。
子供たちは、雪合戦をし、
雪だるまを作り。
ソリで、すべっていく。
そんな子供時代。
街は、時に厳しく他人行儀だけれど、
たまの、雪が降る日は、何かが、変わるのかもしれない。
そんな日もある。
我が愛猫は、寒さで、炬燵に籠城を決めこんだらしい。
にゃんざぶろう
知らない街の名前を大きな地図で眺めて
ここからここまでって枠を見た
ゲームのようなこの世界の縦と横と右左
私はまだここしか知らないな
そしてここしか知らない中のここは
夜で寒くって
お布団はあったかいと知っているからうれしいな
もう嫌だ
動いても、動いても
終わりが見えない
頼れる仲間はいる けど
もう満身創痍 だ
ひとり、使えないゴミがいる
そいつをどかせば幾らかはマシになる と思う
そういえば、こんど街へ行くんだ。
田舎よりは都会な街。
リハーサルの予行でね。
帰りに行きたいところがあるんだ
美味しいソフトクリームを食べにね
みんなで行こうよ、三人でさ。
#街へ
君と明るい街へ
いつまでも一緒に、ずっと
街へ
静かな住宅地に住んでいるが今日は街へ足を伸ばしてみた。一ヶ月遅れ?と勘違いしそうになるぐらい仲睦まじい恋人たちが多く、あぁいいな、と微笑む。
例えばその恋が後に別れになっても、傷になったとしてもその時の幸せがある。それでいいのかもしれないと自分の過去と重ねてみる。
何年も引きずるのか。それとも切り替えるかは
本人次第だから。
夜のライトアップの中、雨が降っていた。
小雨。傘をささなくてもいい程度の。
雨でその恋の記憶が流れるのか
雨の中その記憶を引きずるのか
どちらなのだろうか
たまには違った景色を飛んでみないかい?
案外、美味しい蜜があるかもよ
2匹の蜜蜂が そうお喋りしながら街へ繰り出した
「へぇー、意外と色んな花があるもんだ」
田舎にはない色とりどりの花が咲き乱れ
どの蜜から最初に吸おうか迷うほどだった
#街へ
わたしは昨日恋人から別れを告げられた
どうすれば回避出来たのか考えた
楽しかった頃を思い出して
散々涙を流した
泣きすぎていつの間にか眠っていたんだろう
カーテンの隙間から差し込む光がわたしを呼び覚ます
何故か頭はスッキリしていた
泣いても塞ぎ込んでもこの現実は変わらない
それならいっそ、、、
冷たい水で顔を洗い腫れた瞼を冷やし
綺麗にお化粧してオシャレして
お気に入りのパンプスで街へ出かけよう
きっと昨日までとはまた違う景色が
私を待ってる
あなたが居なくても私の幸せは私の中にある
さあ、光を浴びて前を向いて歩こう
お題:街へ
《春》
とっとっと
今日も街を歩く
ツンと冷たい風を浴びながら芽を出した蕾が
春の気配を告げる
以前として居座る冬の寒気に
何重にも着膨れて
寒さに負けじと春の訪れを待っている
たったった
春の風が花を乗せてやってきた
蕾はようやく訪れた春の陽だまりに歓喜している
何重にも羽織っていた上着を、脱ぎ捨ててしまった
意気揚々と咲いた花で飾られた木々の下を歩く
街は、これから入学するであろう新入生でごった返していた
ああ、春が来たのだ
出会いと別れの季節
1番好きで、1番嫌いな季節
美しく咲き誇る花が好きだ
しかし、物事にはいつか終わりが訪れる
花が散ってしまうように
友達と過ごしてきた大事な時間が終わってしまう
春の風とともに散っていく花びらを
暖かな思い出と、痛む胸を抱えて
ぼんやりと見上げていた
《夏》
とっとっと
今日も街を歩く
咲き誇る花に彩られていた木々は
濃淡を変え、緑に染まっていた
新緑が芽吹くこのごろ
街は生命に満ち溢れている
冬は見る影もない
しとしとしと
レインコートを羽織り、街を歩く
街は色とりどりの水玉で彩られる
雨の日は土や草の匂いが一段と強くなる
重苦しい雲が消えれば
そこには突き抜けた青空が広がっている
雨の日の特別たる所以だ
みんみんみん
照りつける日差しの中、街を歩く
生命が最も逞しく光輝く季節
張り付く湿り気がちょっと気持ち悪い
ふと店の前を通ると、かき氷の旗
真っ白な雪を染め上げたシロップ
何の憂いもなくひとつの色に染まるそれが
少しだけ羨ましい
からんころん、とガラス玉
ラムネ瓶に閉じ込められた透明は
黒く染まった心を吸い込んでくれるようで
いつまでも、いつまでも眺めている
夜風が吹き抜ける夕暮れ
遊び疲れてお別れの時間
だからだろうか
言いようのない物悲しさに襲われるのは
それでも夜はやってくる
今日は祭りの夜
人で賑わい、明かりの灯った屋台を巡る
花火が、夏の終わりを告げる
終わったことを認めたくなくて
静寂に包まれた空を見上げて
なんとなく、じっと立ち尽くしていた
《秋》
じりじりじり
夏は終わったはずなのに
暑さは去ってはくれなくて
それでも夏は終わっていて
その事実を、始まった学校と差し迫る運動会が突きつける
とっとっと
今日も街を歩く
いつの間にか肌寒い秋風が吹くようになっていて
悴んだ葉っぱたちはすっかり真っ赤だ
生き物たちは、冬に向けててんてこ舞いだ
夜な夜な静けさを増していく合唱は
命の灯火がひとつ、またひとつと消えていくようで
残酷にも躙り寄ってくる冬を思わせる
たったった
何処かの国では先祖の霊が帰ってくる時期だ
悪霊を追い払うために作られた慣習
そんな意味はとうの昔に忘れ去られた
街は飾り付けられ、仮装の準備に勤しむ
まさに良いとこどりもいいところだ
そんな私も、祭り気分を味わいたくて
新作ケーキを買いに街へ繰り出している
真っ赤な葉っぱはどこかへ消えた
あまりの寒さに逃げ出してしまったらしい
月を見上げる、今日は満月だ
すっかり細くなってしまった虫の声に耳を傾ける
消えゆく命とは対照的に
月は爛々と輝いていた
まるで、命を吸い上げているかのように
秋の終わりは命の終わり
冬はもうすぐそこだ
《冬》
とっとっと
今日も街を歩く
街一面を彩っていた草木は色をなくし
生き物たちは、静かに眠っている
冷たい風がツンと肌を刺す
地上はすっかり静寂に包まれた
対して、冬の星空は光り輝いている
たったった
再び街が彩られていく
サンタさんがやってくる
街を歩けばツリーにイルミネーション
店に入ればクリスマスソング
不思議と気分が高揚し、足が軽くなる
街が幸せの魔法にかかる
とったったった
クリスマスが過ぎれば年末年始だ
一年を振り返り、年明けを祝う
一月は行く、二月は逃げる、三月は去る
慌ただしく冬を駆け抜けて
いつの間にやら春の気配
だのに、やたらと長いと感じる冬
冬が長いと感じるのは
きっと命の眠った静寂に耐えられないから
夜空にきらきらと輝く星々は
からからころころ高らかに歌う
楽しげなそれは
静かな地上への、空からの贈り物
街は色を変え、匂いを変え、音を変え
毎日のように景色を変える
同じ日など、1日たりともない
移ろいゆく景色を見て
心を揺り動かされる瞬間が好きだ
時には苦しいような
胸が痛くなるような感情を覚える
それでも、ひとつひとつの感情を、感覚を
尊いものだと思える
だから、今日も街を歩く
私もあなたも誰も彼も、可能性の中で生きている。街は数多の人々の可能性がすれ違う場所だ。
私が小石に躓いて転ぶ可能性。あの角で財布を落とす可能性。道に迷って人に尋ねる可能性。
可能性が背後霊みたいに私の周りをついて回って、私が行動を起こすたび、一歩進むたびに新たな可能性が生まれては消えていく。
街へ行って人とすれ違えば可能性が影響しあい、人の数だけ可能性の生滅は活発になる。
ここで2030年2月の新宿を覗いてみましょう。そこには私があの人にぶつかる可能性と、あの人が私にぶつかられる可能性。ぴったり交わって私とあの人がぶつかるという事実になれば、私とあの人の間に「道でぶつかった人」という関係性ができる。これまで人混みという大きな概念の一部だったあの人が途端に特定の意味を持ちました。
ぶつかったという事実は消えないから、私にとってあの人は一生「2030年2月1日19時28分に新宿の交差点でぶつかった人」という関係性の人です。その座は誰にも取って代わられることはありません。おめでとう、私とあの人の出会いに乾杯!
たった一度きり出会った誰か、一生出会わないどこかの誰か、そういう関係性がたくさん生まれては忘れ去られ、交差していく。だから交差点ってあんなにロマンチックなんだね。
『街へ』
帰宅ラッシュの通りを走る
立ち並ぶ蜃気楼のビルディング
今と昔と未来が交差する
古い家が消えた更地
閉じられた玄関
まだ馴染めないでいるタイルには
新築の立て看板
細い路上に向かう
古い雑居ビルの繁華街
楽しそうに行き交う異国の人々
雨に濡れた舗道を越えて
コンビニ前に駐車する
湯気に煙るレジの前
並んだ知らない単独の人々
道路工事 バス停 花屋
古い書店 下校中の学生
タクシー 路線バス
石ころを蹴るすねた子供
自動販売機と路上駐車
消えて出来て 出来て消える
蜃気楼のビルディング
リフォームされた街の幻
どこに いつ 誰が?
誰が そうして どう?
いつまで いつから
そんな世界にいつもいる
そんな世界を佇んで眺めている
ゼンマイ仕掛けのような
社会のやまない流れのどこかに
そっと天使が舞い降りて
長く白い百合を一輪世に手向けると
光に包まれた誰かが
この町でも多分どこかでも安息の眠りについた
重いエンジン音か響く。
重低音は足元から這い上がり、胸の鼓動と重なる。
武骨なバイクに跨っているのは、思いのほか華奢な体躯の持ち主。彼は(彼、と呼ぶべきだろう)ヘルメットをゆっくり外すと一つに結んだ金髪を一度大きく揺らして、挑むような視線をこちらに向けてきた。
「·····よう」
片方の唇だけを吊り上げてニカリと笑うその顔が、意外にも屈託のないものだったので、思わず拍子抜けしたように肩の力を抜いた。
「乗れよ」
「なに?」
「ちょっと付き合え」
「·····相手を間違えてないか?」
「お前で合ってんだよ。わざわざ兄貴に居場所聞いてきたんだ」
「·····」
田舎の村には不釣り合いな、重いエンジン音。
人通りは殆ど無く、二人以外には遥か上空を舞う鳥がいるくらいだ。その中で場違いな程の重い音が空気を震わせている。
「こんな風にでもしなきゃ、お前と話す事なんてねえだろうからな」
「私は話す事など·····」
「お前に無くてもオレにゃあるんだよ。なんせオレ達ゃ同じ穴の貉だからな」
――その声が僅かに沈んだのを、聞き逃すことは出来なかった。
差し出されたヘルメットを受け取って、後ろに跨る。一瞬ぐらりと大きく傾くのを、彼は「おわっ!」と言いながら慌てて立て直す。
「つくづく図体でけえなぁお前」
「何なら代わるか?」
「うるせーよバカ! 飛ばすからな、振り落とされんなよ!」
一際大きくエンジンが唸りを上げる。
周囲の草が風で舞い、傍らの湖がにわかに波立つ。
ここから街まで数時間。
彼と話をするには充分な時間と距離だ。
――同じ穴の貉。
確かにそうだ。だからこそ、そんな彼の思いの一端を知れば自分と彼等·····彼の人との関係を改めて知る事が出来るかもしれない。
風の音を聞きながら、そんな事を思った。
END
「街へ」
目立たず、目立たず、頭に響く言葉を頼りに鏡をじっと見つめ手を動かす
目立たず、目立たず、猫を見つけても駆けていくこともなく
目立たず、目立たず、スマホをただ見つめる
目立たず、目立たず、ぶつからないように
目立たず、目立たず、どうか何も思われませんように
目立たず、目立たず?スマホをただ見つめる
目立たず?目立たず?私は誰
たとえば
私が一匹の
猫になりなば
向かふは街へ
あの恍惚と流転
〈街へ〉
街へ
仕事漬けで休む暇もなく
あくせくと働いていた平日、
土曜日には疲れを癒すべくベッドでダラダラとして
日曜日に街へ繰り出す
多くのものが休む人あって
戸へ行っても混んでいて
子供の笑い声や赤ちゃんの鳴き声
人々のざわめきで溢れかえっていた
人ごみをすり抜けて、
高い場所から見る街は綺麗で
その中に自分もいるのだと
感慨深くなった夜。
一人静かに家路に着く
■街へ■
新宿の雑踏で、あのビルを見かけた。4階だったと思う。貸しビル
目の前で乱暴された
随分時が経過した。
街へ向かう。
勝負の始まり。
今まで頑張ってきたことを初めて来た場所で発揮する。
絶対に合格を掴んでみせる。
行くぞ、未来へ!
『街へ』
今日も、君に会いにいく。
深夜2時。
親が寝たのを見計らって、少し大きめの鞄を持ち静かに家を出た。
どこへ行くかは決まっているので、慣れた道をスタスタと進んでいく。
〖あ、いたいた!おーい!〗
【しーッ!もう、うるさくしたら誰か見られちゃうよ?!】
ここは家から少し離れた隣街。
この街にある小さな池の周りの花畑で、君と出会った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その日は僕が受験勉強に追われてた時期だった。
上手くいかないイライラと、親からの重い期待。
それに耐えられなくなって、僕は行く宛てもなく夜中に家を出た。
ふらふらと歩いてると、あっという間に隣街に来てしまっていた。
そこで見つけたのが君。
一目見た時、何かの映画のワンシーンかと思ったほど、君は綺麗だった。
真っ白なワンピースを着ていて、長めのさらさらした黒髪が少し風になびいている。
周りの景色も相まって、僕は思わず、
〖…きれい…。〗
そう口にしてしまったほど。
それからというもの、君と会いたいがために僕は夜中に家を出ていくようになった。
〖ねぇねぇ、〗
【んー?】
〖君はなんでここにいるの?〗
【…内緒かなぁ笑】
君は自分の事を何も話してくれない。
どこに住んでるか、何歳なのか、いつからここに来ているのか、
それどころか、名前すらも、"内緒"の一点張り。
それが僕は不思議でたまらなかった。
〖ちょっとぐらい教えてくれてもいいじゃーん〗
【えー?笑でも、何も知らない方がなんとなく新鮮味あっていいじゃん?】
〖なにそれw〗
そんな何気ない会話をして、夜明けを待つ。
日が少し出てくると、僕は帰る準備をする。
〖もうそろそろ帰んなきゃ、親にバレちゃう笑〗
【そっか…】
〖…?〗
【あのね、、、多分、会えるの今日が最後なんだ。】
〖え?〗
一瞬、訳が分からなかった。
【とにかく、もう会えないの。ごめんね。】
〖ちょ、ちょっとまってよ。どういうことッ?〗
【…ごめんね。でも、ずっと見守ってるから。】
【大好きだよ、
お兄ちゃん。】
〖ッは?〗
そう言った瞬間、君は消えてしまった。
混乱しながら家に帰ると、親が玄関で待っていた。
「あんた、こんな時間にどこ行ってたのッ?!」
怒られてるのは分かっていたが、僕はそれどころではなく、親を無視して自室に戻って行った。
やっぱり、何度考えても分からない。
あの子はなんだったのか。
僕は幻を見ていたのか?
お兄ちゃんってどういうことだ?
その後母親から聞いた話なんだけど、僕がまだ2歳くらいの時に妹が産まれる予定だったらしい。
でも妹は生まれることなく亡くなってしまった。
俺が小さい頃だったから、記憶が無いのも納得出来た。
霊的なことに詳しい友人に話をしたら、
「きっとお前に会いたいって未練が残ってて、それが叶ったから成仏したんじゃない?」
との事だった。
なんにせよ、俺の妹があんなに可愛かったなんて。
生きていたらアイドルにでもなってそうだったな。
そう思いながら、
俺は涙を流した。
ー作者の話ー
今日のテーマは "街へ" でしたね。
書いてるうちにだいぶテーマからズレてしまった気はしますが、まぁ地球規模で見たら誤差なので(
気にしないでおきましょう笑
だいぶ長くなってしまいましたが、楽しんでいただけたでしょうか?
それではまた次回お会いしましょう。またね。