帰宅ラッシュの通りを走る
立ち並ぶ蜃気楼のビルディング
今と昔と未来が交差する
古い家が消えた更地
閉じられた玄関
まだ馴染めないでいるタイルには
新築の立て看板
細い路上に向かう
古い雑居ビルの繁華街
楽しそうに行き交う異国の人々
雨に濡れた舗道を越えて
コンビニ前に駐車する
湯気に煙るレジの前
並んだ知らない単独の人々
道路工事 バス停 花屋
古い書店 下校中の学生
タクシー 路線バス
石ころを蹴るすねた子供
自動販売機と路上駐車
消えて出来て 出来て消える
蜃気楼のビルディング
リフォームされた街の幻
どこに いつ 誰が?
誰が そうして どう?
いつまで いつから
そんな世界にいつもいる
そんな世界を佇んで眺めている
ゼンマイ仕掛けのような
社会のやまない流れのどこかに
そっと天使が舞い降りて
長く白い百合を一輪世に手向けると
光に包まれた誰かが
この町でも多分どこかでも安息の眠りについた
1/28/2024, 3:40:39 PM