『街へ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
あなたの背中を見つめて歩き
時々振り返るその笑顔にときめいて
誰にも邪魔されないまま
二人で歩こう
#街へ
街へ出る。
街は5年10年でがらりと様変わりしていて、全く別の街にいると感じることがある。でも所々に面影が残っていて、その場所を通るたび、思い出が呼び起こされる。
それはこの先、5年10年たっても変わらず同じこと思うんだろう。思い出は色褪せない。
街へ
若い頃は華やかな街への憧れはあったな。ここてバリバリ働くぞーって。
歳をとったある日、所用でバスに乗り都会に街に出てきた時、少し高い所でバスの中から妙な景色を見た。
アレっ。今こんなに曇ってだっけ?
空を見上げると真っ青な青空。
地上を見ると、お昼休みの時間でもないのに、とても多くの人間が、太陽を高層ビルに隠された日陰の歩道に溢れている。
不自然で気持ち悪かった、、、、、
あれから3年後の今、こんなことも思う。
余生を過ごす時、自分の欲求を満たすために、少し都会の楽しさにも触れるのも良いなと。
フラグ立ったかな? 笑
街へ向かうための唯一の吊り橋には、自死した妙齢の女の霊が出るという噂が立っている。橋から外に落とされそうになっただの、声をかけると呪われるだの。
そんなはずはない。橋から落とされたのは、若い男なのだから。
【街へ】
勇気が持てたら
早く街へ行こう
思い出を集めに。
便利なものなど、ありはしない。
すべて、そう勘違いさせられているだけだ。
街へ行けば、欲しいものは全て手に入る。
他の奴らはそういうが、オレは違う。
街は、苦難の連続だ。
今日のオレは、食糧を目当てに街へ繰り出した。
特に臆病な性格なもんで、住処を出るのも一苦労だ。
まず、明るい。
暗く光を閉ざした、個室のような、洞穴のような。
そんな部屋が俺にはお似合いだ。
というより、
日の光が嫌いなんだ。
世間では、何処でもかしこでも、晴れの日には部屋を飛び出し、レジャーやスポットへ繰り出さずには居られない連中がいる。
太陽の下に出ずにはいられないのだ。
そういうのを、陽キャっていうらしい。
が、
植物人間って、オレは呼んでる。
次にオレを襲ったのは、気温だ。
暑い。
いや、世間では20度前後の気温など、普通なのだろうが、オレは違う。
冷房の効く、涼やかで、落ち着いた、平穏な部屋が快適だ。
そこらに滴る汗をふりまく、小太りな奴らを見てみろ。誰が外に出たがるか。
そうはいっても食糧だ。
食わずにはやって行けない。
重い足と腰を起こして、自分を鼓舞し続ける。
……やっと着いた。
長旅だった。なん時間かかったろう。
途中、目にも止まらぬ早さでオレを轢き殺そうとする鉄の塊。
クラクションを鳴らしてさえくれなかった。
あいつの顔を拝めなかったのは、惜しい。
次見かけたら、タダじゃおかない。
さて、どうするか。
もう目的地には着いた。
だが、その街は、固く、オレへの門扉を閉ざしたままだった。
飛び跳ねても、手を振っても、オレを中には入れさせまいとしている。
……くそ、ここまでか。
やはり、便利なものなんて、世の中には無い。
苦労に見合った、見返りなんてないんだ。
あぁ、腹が減って、もう。ダメだ。
「おかぁさん、これ何?」
「え?あらやだ、アリさんじゃない。持ってこないでよ、やだ~」
「えー、落ちてたんだよぉ」
「置いておきなさい、もう」
―――ピロピロピロリン
「いらっしゃいませー」
……なにが、コンビニエンスだ……
在宅勤務になり、毎日電車に乗らなくてもいい生活が始まったときは、自分の足だけで用事を済ませることができる気楽さに驚いた。
通勤していた時は買い物もすべて会社帰りに行っていたからだ。
重い荷物を持って、混雑した列車の中で立っているのが当たり前だった。
でも今は、徒歩圏内のスーパー、ドラッグストア、図書館に、いつでも、気が向いたときに行くことができる。
その道すがら、清々しい太陽のひかりを浴びたりできる。
そして、真にひとりでいられるという気楽さ。
1時間に1本しかない電車に合わせて行動する必要がない。
とんでもなく早い終電に追われなくてもいい。
もうこの生活しかしたくない。
街へ出たくない。
/街へ
前回の続き(1/27)
[居酒屋で再会する片桐と須藤]
40年前に開かずの部屋を見た私たちは、校長や教頭に口外禁止を要求された。
さらにこの先の人生の安泰を約束する代わりに、彼らに協力することになった。
開かずの部屋は"地下世界への入口"だったのだ。
学校の地下200メートル下に地下鉄が走っており、駅に通じていた。歴代の校長は、そこの駅長も兼務しているという。
勿論、一般社会には一切知らされていない極秘事項だ。
地上の移動手段は人・モノ共に混雑を極め、こういった手段がとられている。公にはできない物資の輸送や要人の往来にも利用されるので、まさしくウラ世界。
須藤はこれらを管理・運営する政府の裏機関に入った。事の真相を知りたいのが一番の理由だったが、納得いかないことがあるからだと言う。
「この国は世界イチ税金が高い。その理由がこんな一部の既得権層だけが利用する、地下世界の運営のために使われてる。おかしいだろ?」
須藤の言い分は至極真っ当だ。裏仕事とはいえ、国の機関で働く身としては風通しの良い社会を実現したい。
私がこの小学校の校長に赴任することも、機関のリストを事前に入手して知ったと言う。そしてこの機会に私に話しておきたかった事を伝える。
「片桐、俺と一緒にこの地下世界を一般に開放しないか?俺はその為に機関の中で地位を上げて同志を募り、今まで尽力してきた」
私が教師を経て校長に選ばれたのも、彼らの既得権を存続させる為なのだろう。私だって、彼らの安泰を条件に校長になったつもりなど毛頭ない。
「須藤の活動がここまで踏み込んでいたとは。私も何か協力できるなら是非手を貸したい」
その後、私たちはそれぞれ地上と地下で、これらの事実を広めていく活動を行っていく。
勿論、既得権層の抵抗は激しく、時には妨害や圧力・生命を脅かされることが幾度もあった。だが、その度に支持者は集まり、やがては全国に波及していく。
この活動はお互いの家系を引き継いで続けられた。
[50年後]
あの小学校は巨大なショッピングモールに様変わりし、いまや街の観光拠点に。
地下鉄は一般開放されて、ビジネスマンや旅行客の快速・特急の足に盛んに利用されている。物流効率も飛躍的に改善された。
[ショッピングモールに併設された図書館]
ほらアヤコ。お母さん、買い物終わったから帰ろう。本は受付でダウンロードできるから
┐(´~`;)┌
お母さん。あの入口の銅像は何?
あれがね。この街の象徴"片桐さんと須藤さん"。ここが昔、小学校だった時にここで本を読んで育ったの。
今年で生誕100年祭やってるから、商品もお買い得なのよね(^^ゞ
入口には本の貸出と受け付ける2人の小学生の銅像が建っている。
街へ。
ぼくらには一つの目標がある。
「期末、どう」
「中間考査よりは落ちたけど」
まあ、それなり。
彼女は、はあ、と息を吐いた。ぼくはその二酸化炭素混じりの空気を吸う。駅のホームには誰もいない。次の列車まであと45分。呼吸するだけの45分だ。
「札幌?」
掲示板の札幌行きの文字をぼんやりと眺める。
「せめて、ね」
「いいね」
「きみは出るんだっけ、ここから」
出るよ、と呟いて、彼女の手元の英単語帳に目を落とす。この英単語、期末考査で意味を間違えたところだ。
彼女が息を吸う。
「生きていく上でさ、」
勉強って役に立つのかな。
唐突な話の転換に、思わず目を合わせて、はは、と笑う。
「なに? 悩んでるの?」
「そんなんじゃないけど。そういうこと考えない?」
「考えるけど」
でも。それでも、ぼくらの手札は勉強しかなくて。とりあえず、息のしづらいこの町から出て、街へ。
【街へ】
街へ行くのはちょっとこわい
色々な人がいて
キラキラとした日常がなんかまぶしくて
その空間は自分とって息苦しくて、
昔は楽しかったのにな…
青い空は今日も憎らしく、
人を見くびりきっている。
「街へ」
都会にいるからなのか常に商店街の近くにいる、といる感じがする。
身近なのに、大体隣町のショッピングモールにでかけている。
広い世界に行ってみたい。どこか新しい街へ。
まだ街へ行かないで
私もあなたも
まだ君だけを見ていたいの。
街に出たら
私とあなたは一緒にいられないの?
あなたは大丈夫って言うけど
私はどこにも言って欲しくないよ。
出来ればずっとここに居よう
少なくとも半日
いや5分とかでもいいから
まだあなただけを見て居たい
街へ行って離れても
きっとあなたを探してしまうから
私がすきになる人はあなたしかいないから
私があなたを探しても怒ったりしないでね。
行ってらっしゃい
気をつけて
─────『街へ』
「街へ」
感染症のせいか、以前より繁華街へ足を
運ぶ人が少ないことを知った。
車移動の多い地域だからか郊外の大きな
ショッピングモールで全ての買い物が済
んでしまうのも仕方が無いのかと思う。
駅前でのお祭りも催しものも感染症の影
響で無くなってしまったが、やっと復活
することになった。
以前のような賑わいは期待できないが、
また少しずつでも街へ足を運ぶ人が増え
ることを願う。
いつかは引っ越して住んでみたい
そしたら、今いるここは、ふるさと、になるんだ
胸がキュッとした
ふるさとを置いていけない
もう、遠い場所に憧れるのを
やめなくては
夢も幸せも遠くを見る癖
すべては、今ここにあることがわかった私は
心の旅人をここで終わりにしようと決めた
風が花の香りをわたしへ運ぶから
外へ出てみようと思わせる
花の香りは季節が変わることを
知らせてくれる
そうなれば部屋と服の衣替えだ
新しく服を買いに街へ行こうか
きっと素敵な出会いがあると
信じて一歩を踏み出す
__街へ
『街に生きる』
田舎から出てきてから、もう十年になる。都市とまでは呼べないが、この辺では一番に栄えるこの街で、相応の時間を過ごした。ここにはまっすぐな畦道も、広大な稲穂の海もない。カエルやコオロギの鳴き声も聞かなくなって久しい。十年前は厭わしくて仕方なかったあの田舎の雰囲気が、今では随分恋しかった。
高校を卒業する頃、とにかく親元から離れたかった俺はこの町で就職した。田舎で一生を終えることは嫌だったが、東京に出るほどの勇気はない。地方都市ですらないこの街は、中途半端な俺にはお似合いと言えばそうかも知れなかった。親の反対を押し切って就職した会社は、白か黒かと言えばそれはもうどっぷり墨に浸かったかのような…有体に言えばブラック企業だった。平日は残業、土曜は休日出勤が常態化していて、日曜の休みも家で死んだように眠るだけで終わってしまう。あるいは親の言う通り、素直に農家を継いだ方が随分と幸せだったのかも知れない。適当な啖呵を切って家を出たものだから、今さら田舎へ戻るようなこともできず、毎日を惰性で暮らしている。
朝起きて、朝食もそこそこに家を出る。満員電車に揺られて着いた職場で、何の意味があるのかもわからない朝礼を終えて、一向に効率化の進まないシステムで仕事に忙殺される。昼休みはゼリー飲料を流し込み、栄養補助食品で空腹を凌ぐ。午後の記憶はほとんどない。授業中の教室、窓の外の空に流れる雲をぼんやり見ていたあのゆったりとした時間の感覚は、もう数年と味わっていない。あの頃の空と、仕事の合間に一服しながら眺める空は、今の方が数倍くすんで見える。体に悪い煙で肺を満たしながら、そうでもなきゃやってられない毎日を恨んだ。だからといって上司に辞表を提出する勇気もなく、会社と自宅の往復のような日々を繰り返している。
憧れていた都会の喧騒は、自分には耐えられそうにもない。所詮は地方の一都市で仕事に忙殺されて生きる人生と、長閑な田舎の片隅で汗をかいて生きる人生と、どちらが自分にとって幸福なのか。つらつらと考えてはみても、結局結論は出せずにいる。結論を出す勇気がないと言ってもいい。今まで耐えてきたこの時間が無駄だったとは思いたくない、いわゆるサンクコストのせいだろうか。こんなことを考えている時点で、もしかすると結論は明白なのかも知れない。
今日もまた、昨日と同じ一日だ。明日もきっと何も変わらない。あるいは変わらないことが幸せと言えるのかもしれないが、それが自分に当てはまるかと言えば明確な肯定はできなかった。
ため息混じりに最後の一息を吐き出して、灰皿に煙草を押し付けた。そろそろ仕事に戻らなければ、残業時間が増えるだけだ。俺はガラスに反射する自分の疲れきった顔から目を逸らして、仕事の積まれたデスクへと歩き出した。
買った傘でも盗った傘でも
どちらでも雨は防げる
買った人にも盗った人にも
どちらにも晴れる時はくる
そんな街に居たんだと
盗られた僕は思い知る
盗った傘では 盗った人には
持ち主でないと開かないような
凍える雨がずっと降るような
勧善懲悪な何処かの街へ
ずぶぬれで僕は駆けていく
「街へ」
人が多いところは嫌い
あなたを探してしまうから
大好きで大切で
その隣にいられるだけで幸せで
だから愛してると言えなかったあなた
何も言えないまま
いつしか道は分かれ
それでも今でも
私はあなたを探してる
私の居るべきところ
どこに居れば満足なのかな
あてもなく
街から街へ
私という小さな生き物は
この大きな街まで
長い年月をかけて
流されるまま
気の向くまま
たどり着いたけど…
幸せかと言うと…
でもね不幸とは決して思わない
それなりに年を重ねたせいなのかもな