『街の明かり』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
毎度ながらの仕事帰り。
いつも帰るのは夜22時。
帰り道はいつも真っ暗だ。
でも歩きながら周りを見渡せば、
綺麗に光る街の明かり、
星の光には負けるけど…
それでも街の明かりはいつも輝いて見える。
街の明かりが今日は少ない。
何故だろう。
今日は、ザーッという音を立てて雨が降っている。
見覚えのあるような無いような。
何故か不思議な気分になった。
すると、前から黒猫が歩いてきた。
街の明かり
いいところに連れてってあげる
そんなことを言われて
車乗ってぼーとしてたら山の上にいた
ほら綺麗だろ
自慢気に言われたけど
ひねくれた私は
夜景なんてなくなればいいのに
そんなふうに思ってしまった
みんなみんな早く帰って寝ようぜ
睡眠時間足りなくて頭おかしくなってるよ
星が綺麗な理由は何故か
それは宇宙のどこかで
恒星が燃えているからだ
今照らす光はうんと前に生まれた
今見える光はうんと先で死んだ
星の光は星が生きた証
だから綺麗
夜景が綺麗な理由は何故か
それは無数の灯の下で
人生が燃えているからだ
今照る灯の下ついさっき命は灯された
今見てる灯の下今も命が燃えている
夜景の灯は誰かが生きてる証
だから綺麗
〜街の明かり〜
『街の明かり』
たまには真っ暗がいいなぁ
暗闇が好きだから
街の明かり
夜道を照らすどこまでも
ライト要らずで安心だ
便利な都会に来たけれど
あの暗闇が恋しくなることがある
それでも感謝この明かり
街の明かり。街灯。喧騒。沈黙。潮騒。交差点。
人間が嫌い。
それだけ。
大量の人間が住むこの街。
それぞれに汚点がある。美点がある。
儚い。美しい。醜い。
夜を歩きながら思う。
#街の明かり
こんなに明るくていいの?
電気無駄に使ってないかな
たまには真っ暗でもよくない?
[街の明かり]
夜、君に呼び出されて
君のバイクの後ろに乗った
街を抜けて、山道を通って
登った先の山から見える1面の街明かり
「お願い、点いて……!」
わたしは、目の前の消えかけたかがり火に向かって、必死に手をのばした。
わたしたちの住むこの街は、別名、〈眠り風の街〉とも呼ばれている。
ある時から、東の山脈から吹きおろしてくる夜の風に、何か甘い香りが混じり始めた。その山から運ばれる何かが、人々を強制的に、深い眠りに落とすのだ。建物の中に入り、扉や窓をぴったりと閉めても、それは防ぐことができなかった。
そして、一度眠りについてしまえば、水や食べ物を摂ることもできず、そのまま体が弱り死を待つことしかできない。
それを避けられる唯一の方法は、街を囲むように、特殊なかがり火を灯し続けることだった。風の香りを、この火でなら打ち消すことができるのだ。
わたしを含む、呪文を使える数人が、交代でこのかがり火を守っている。
「代われ!」
離れた場所にいた、わたしの先生がこちらに駆け寄り、呪文を唱えつつ、かがり火に手をかざした。
ぼうっと、火が勢いよく燃え上がった。周囲が強い炎に照らされ、明るさを取り戻す。
わたしは、肩の力が抜けて、よろめいた。
よかった……。
先生の厳しい目が、こちらを見下ろしていた。
「次、行くぞ」
「はい……!」
気を取り直して、次のかがり火の場所へと向かう。
風の秘密が解明されるのが先か、街の人々が別の土地へ移住するのが先か。ともかく、それまではこの火を絶やすわけにはいかないのだ。死の眠りを遠ざける、この街の火を。
『火の守り手』
(街の明かり)
ぽつりぽつりと光出す街中をゆっくりとした足取りで帰っている。新卒で入社した会社にやっと慣れだした所で、他にも目を向ける事が増えてきた。
例えば、意外と帰り道が長い事、駅から少し離れた居酒屋の焼き鳥が良い匂いな事、存外この時間に子連れの家族がご飯を食べに行く事、そんな出来事に少しむず痒くてほんのりこの街に染まって来た様な心地になる。
そうして気付くと目の前に、自分の住むマンションに辿り着く。改めて見ると意外と大きなそれは少し自分を誇らしくさせた。ふと、今日カーテンを開けたままにした事を思い出し部屋を探す。
暗い部屋には遮断する物が無く月明かりが綺麗に差し込んでいた。
早く締めに戻ろうと視線を外した時に、灯りが着いた。
私は動揺して、目を逸らせなくなる。
そして誰かがカーテンを閉めた。
私を連れ出そうとしてるの
突然嫌気が差した
暗い部屋といい感じの照明の灯りが
私を甘やかしていたことに気付いてからは
すべてが青く見える。
何もかも孤独。
突然切ない曲の英単語を呟きたくなる感覚、誰も分かり得ない私の暗闇。
いつだって閉ざしていた、かーてんの外には
私の咳ごみも聞こえない、何もかも見えてない。
悲しい、哀しい体の穴すべてを閉ざして。
四角に閉じこもる。
コミカルなリズムは今いらないの、ただ暗い言葉が欲しい。
街の明かりは私の暗い部屋を照らす。
私の他には誰もいない部屋に
誰かがノックしてくる。
入り込んだ光、その名を知っている。
歪む足場、誰も入れたことないの、
それならと光は、 私 を連れ出した。
私は連れ出されたの。信用もしていない街灯のしたへ。
数秒前の部屋の景色は鮮明で、自分のことが完全に分からなくなって。
頭を掻き混ぜられた私の目の前には確かな明かり。
硬い地面に足は行き場をなくす。
でもなんだか自然と愛せてきちゃう、
明かりの数を数えようとしても数えられないその膨大さに
わくわくしたの。
部屋の外へ
部屋の外へ
部屋の外へ部屋の外へ。
【街の明かり】
【街の明かり】
昔、若い頃まさしく青春時代のころ、東京に住む叔母の家を拠点にして都会の雰囲気を楽しんでいた頃があった。せいぜい5日くらいなので本当にお遊び感覚だった。
夕方、叔母の家に戻る電車の中でいつも感じていたのは都会の夕暮れの寂しさである。ネオンやビルの灯りなど、これでもかというくらい街の明かりは煌々と光っているのに寂しく感じていた。
私が一度も離れることなく住んでいたのは本当の田舎、夜は漆黒の闇のような田舎だったのに寂しさを感じたことがなかった。
楽しい時を過ごし叔母の家に帰る1日の疲れだったのか、もっと遊びたいのに帰らなければならない寂しさだったのか。
時は流れて…
ひとりしかいない子どもが進学のため住んだこともない、行ったこともない初めての土地で一人暮らしをすることになり、準備のため一緒にその土地へ行った。用意もすんで子どもひとりを残し帰路の新幹線に乗った。そのとき車窓から見る街の明かりにどうしようもない寂しさを感じ、景色を見る振りをしながらあふれでる涙を拭き続けていた。都会よりもくらい街の明かりなのに、どうしようもなく寂しかった。
そのとき感じた寂しさは若いとき都会の夕暮れの街の明かりに感じた寂しさと同じことに気づいた。
街の明かりに感じる寂しさは結局、自分自身の心の寂しさだったのだ。街の明かりに私の心が映っていただけなのだろう。
今はひとりで遠くに行くことも少なくなったが新幹線でローカル線に乗り換えるとき、時折寂しさを感じる。その寂しさは街の明かりに感じる寂しさではなく、お出かけして楽しかった非日常の世界から、姑や夫がいるところへ帰る寂しさだと思っている。
鮮やかな光が私を照らす
鮮やかな光が大勢の人たちを照らす
冷たいかぜにふかれながら
大勢の喧騒のなか
誰もが一人
静かに歩く
綺麗な夜景はそこで頑張っている人たちの力でできている。
/「街の明かり」
風が、煙草の煙を攫っていく。それをぼんやりと眺めながら、煙草を燻らせる。
眼下に拡がる見慣れた景色は、今日も漆黒から抗おうと煌めきを放つ。
無意識的な恐怖から逃れる為に、必然的に人間達は行なっているのだろうな。
どれだけ文明が発達しても所詮、人間は脆い。心も、身体も。
この明かりの数だけ人間がいて、そして私を楽しませてくれるということ。
ただそれだけ、私には関係がない。
「さて、今宵も私と遊んでいただきましょう」
今日の獲物に期待が膨らむのを抑えきれずに、笑みが溢れる。
「みーつけた」
『街の明かり』
街の明かり
街の明かりっていいよね。
ちゃんと、みんながこの世界が平和に過ごせてるって思える。
夜の中、星のように光る街の明かり。
点滅している光
赤色の光
たくさんの光がある
夜の闇に消えずに
ふとした瞬間、どこかに行ってしまいたくなる
私のことを誰も知らない場所に行きたい
街の華やかな明かりが受け入れられなくて逃げ出したくなる
こんな私はおかしいですか?
こんな私を変だと思いますか?
そんな疑問を一人抱えてまた、不適合な華やかな街に駆け出していく
今日のテーマ
《街の明かり》
眼下に広がる景色に感嘆の息を吐く。
展望デッキから見下ろす街並みは、まるでジオラマのよう。
ほんの数十分前までは、わたしもあの景色を形作るピースの1つだったのだと思うと、何だか不思議に思えてくる。
すぐ近くではモニタータイプの望遠鏡を見ている子供が母親らしき女性に自分の家を確認している様子が窺えた。
微笑ましいなと思っていたら、一緒に来た友人も同じ感想を抱いたようで、微かにくすりと笑っていた。
「やっぱりこういうトコはカップルか観光客か親子連れが多いね」
「まあ、実際、観光スポットだしね」
友だち同士で来ているような子達もいないわけではないけど、その数は多いとは言えない。
だからといってわたし達が周囲から浮いていて注目を集めているかといえばそんなこともない。
観光客にしろ、カップルにしろ、景色を楽しむのに夢中で他人のことを気にしたりなどしないからだ。
わたし達もまた、すぐに意識を目の前の景色へと戻すと、あちこち指差しながら楽しむことにした。
あっちが新宿のビル群だから、右の方にあるあの建物はサンシャインだろう、とか。
向こうに見えるのは富士山じゃないか、いや別の山だろう、とか。
家の方角があっちだから、学校はあの辺りかな、とか。
夏至からまだそう日も経っていないこともあって陽は長い。
それでもこの時間、空の色は夕方のオレンジから夜の紺碧へとじわじわ色を変えてきていた。
展望デッキに上がってきたばかりの頃はまだ西の空は明るかったのに、今は残照を残すばかり。
東側はもうすっかり夜の景色になっている。
オフィスビルやマンション群、道を照らす街灯、商店や家々――それらが寄り集まってこの景色を作り出している。
この明かりのひとつひとつが人が生活している証なのだ。
自分達の住み慣れた街が、こうして俯瞰で見るとこんなにも綺麗な夜景の一部になっているということに感慨を覚えずにいられない。
「あたし達も普段はこの景色の中にいるんだよね」
「そうだね」
「なんか、不思議な感じする」
さっきわたしが感じたのと同じことを彼女が言う。
友だち同士、似たようなことを考えるものらしい。いや、友だちゆえに、なのだろうか。
いつも一緒にいるから考え方も似てくるのかもしれないと思い直す。
そうしてわたし達は時間をかけてゆっくりフロアを一周し、思う存分夜景を堪能した。
併設されたカフェに入ってホッと一息つく。
時間帯もあってか、お客さんはカップル率が高めだった。
「今日は誘ってくれてありがとう。こういう機会でもなかったらきっと来なかったから貴重な体験できたよ」
「こっちこそ、つきあってくれてありがとね。チケット無駄にしなくて済んで良かった」
「彼氏さんには悪いけど、あたしには役得だったかな。久しぶりに遊べたし、おまけにタダであんたと展望台デートできたし」
満更冗談でもなさそうにそんなことを言って彼女が笑う。
たしかにいつでも行かれる程度の距離に住んでいると、却って足を運ぶ機会はあまりないかもしれない。
そして、そういえばこうして2人で遊ぶのも久しぶりだったなと気がついた。
本当は、今日はここへは彼と来るはずだったのだ。
つきあい始めて1年の記念に、一緒に行こうねって約束していたから。
でも、残念ながら彼は急な研修が入ったとかで来られなくなってしまった。
展望台のチケットは事前に買っていたので、駄目元で友人を誘って今に至るという次第である。
仕事なのだから仕方ないと思う反面、1人で記念日を過ごすのは淋しくて、だからこうしてつきあってもらえて本当に良かった。
おかげで変に凹んだりすることもなく楽しく過ごすことができた。
「ディナーの予約とかはしてないの?」
「さすがにそっちはキャンセルしたよ」
「そっか。ってことは、この後も予定はないんだよね? それなら夕飯がてらどっか飲みにでも行く?」
「行く行く! こないだネットで美味しそうなお店見つけたんだ」
たぶん彼女はこのままわたしが1人で家に帰ったら寂しくなったり凹んだりすることを見越して誘ってくれているのだろう。
その優しい気遣いに胸が温かくなる。
だからわたしも彼女にこれ以上気を使わせないよう、殊更に前のめりで頷いてみせた。
本音を言えば、やっぱりこの景色は彼と見たかった。
あの街の明かりの中に、いつか2人で暮らす部屋の明かりを加えられたら――そんな話ができたら良かったとも思う。
でも、それはまた次の機会に持ち越しだ。
今は大好きな親友と共に、楽しい時間を満喫しよう。
最後に互いのスマホで夜景を背景に記念撮影をして、わたし達は展望デッキを後にした。
後日、その写真を見て大いに悔しがった彼が、リベンジとばかりにわたしの誕生日に改めて連れて行ってくれたのはまた別のお話。