『蝶よ花よ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
好きな人の本を、全部読み終わってしまった時
何故か失恋した気分になる
この人には、こういう考えがあり
私とは違うだとか
この人の、こんな考え方が
素敵だとか
学ぶことしかない1冊の本を
全て読み終わってしまえば
私とその人の関わりは何も無くて
それがどうしても悲しくてやるせなくて
だからこそ傍に置いておきたくなる
今の時代、本なんてスマホさえあれば読める
だけど私は本を買う
今、どこで何をしているのかも分からない著者のことを
少しでも分かったつもりでいたい
少なくとも、誰にも紹介したくないほど
私はこの本が好きだ
あ、でも気が向いたら紹介させてくださいね。
蝶よ花よ
食われるか、枯れるかのどちらかだぞ
哀れに惨たらしく不幸な目に遭うか
植えて死ぬかのどちらかだぞ
ある人は言った
「どちらも来るかもしれないぞ」と、
そうだとしたら、地獄はこの世界という理論は正しい
蝶よ花よと愛でられ育てられた人間の末路は
馬鹿でも分かるだろう
それが分からぬものは、文字通りの脳無しよ
私は笑った。笑い続けた
馬鹿らしい。馬鹿らしい。馬鹿らしい。馬鹿らしい。
4度呟いた。
苦しくて、辛い世界を、希望が充ちている世界と勘違いする愚か者。
私が脳内お花畑なら、お前は花畑さえ無い脳なしと。
花は向日葵が好きだ。
夏を象徴するような、黄色い元気な花。
私にもしものことがあったら、棺には向日葵をできるだけ入れてほしい。向日葵と一緒ならば寂しさも紛れるような気がする。
しかし、こういったことを言うと、縁起でもないと言われる。
こちらは本気なので、何処かに書き残しておこうと思っている。
蝶はアオスジアゲハが好きだ。遠き夏の日を思い出す。羽の青も爽やかに見えて良い。
虫は苦手だが。蝶も例外でなく。
『蝶よ花よ』
あなたは蝶よ花よと私を大切にしてくれた
私はそれが当たり前と思うようになり
自分本位なわがままを身に付けた
あなたが去って行くまで
自分の愚かさに気付きもしないで
今はもう蝶も花も見当たらない
「喋よ 花よ」
美しい花が凛と咲き
その周りを蝶がヒラヒラと舞っている
それらは美しくそしてどこか儚く
見たものを魅了させてしまう力を秘めている
だが、この美しさも魅力もいつか必ず散ってしまう
いつか散るから美しい
いつか散るから花を咲かせ、羽を羽ばたかせる
いつか散るから今を懸命に生きようとする
辛さや苦しさが見えずその分、美しい部分が引き立ち
見るものを魅了する
綺麗な所を切り取ったように
綺麗な所だけ目を向けるから
美しさの裏は誰も知らない
いつか散るその日まで咲かせてみよう、その花を
いつか散るその日まで舞ってみせよう、その羽で
その命すり減らして
004【蝶よ花よ】2022.08.09
女学校の同窓で、忘れられぬ者がいる。
喜和子だ。
「蝶よ花よだなんてことば、この世から無くしてやるんだから!」
卒業までに数ヶ月残して学校を去らねばならなかったあの日、彼女は山猫のようにぎゃんぎゃん泣きわめいた。
喜和子の望みは、通訳になることであった。学びのために、学校は最後まできちんと出席したかったのである。そして、当節流行りのモガのように、髪を短く刈り揃え、外国と我が国の紳士同士のやりとりを颯爽と仲介する、そんな姿を目指していたのである。
しかしながら、両親がそれによい顔をするはずもなく、「蝶よ花よと育てた娘を、異国人の只中に放り込むなんて、恐ろしい」とか「蝶よ花よと育てた娘に、みずぼらしい髪型なんてさせられるものか」とかと、事ある毎に渋面をみせ、挙げ句、さっさと縁談をまとめて女学校を辞めさせる、という強硬手段に出たのである。
蝶よ花よと傅育されることは、貧しい育ちの少女にとっては、夢のまた夢、憧れですらあることだろう。だが、時代の風に感化され、独立心旺盛な女性に育った喜和子にとっては、蝶よ花よと手厚くかしずかれる一方で、雨にも風にも当てぬよう囲い込まれるような出自は、呪い以外の何物でもなかったのだ。
ユキちゃんなら笑わないわよね、と喜和子が打ち明けてくれたことがある。
彼女が好きなのは蝶ではなく、庭のダンゴムシ。危険なときにはコロリとまるまって身を守り、危険が去ればまたモゾモゾと這い、我が道を行くところが、見た目に似合わず賢明じゃなくって?、と。
蝶の舞う
お花畑の噂話
(ご存じ?ここの蝶は嘘つきですのよ)
(嘘つき?)
(どんな嘘をついているのかしら?)
(それはとってもとっても大事なことですわ)
(あの子達は働き者だしいい子じゃない)
(そんな大きな嘘をつくかしら?)
(付けるのかしら?)
(勿論ですわ、皆様)
(彼等の嘘はこの世で1番罪深いのですわ)
(なんて恐ろしい!) (一体どんな嘘なのかしら?)
(もしかして本当は害虫なの?)
(いいえ、サギソウ様)
(じゃあ実は花粉を運んでいないとか?)
(いいえ、マツヨイグサ様)
(じゃあ一体?)
(それはですね)
(実は、彼等は蛾なのです!!)
蝶よ花よ
悪なき世界へ
舞い散れ
そして全てを覆ってしまえ
蝶よ花よ
蝶は舞い踊り、花は狂い咲け
壺は吸い込み、水は流れ回れ
時は止まらず、針は動き続け
人は笑い泣き、間は保ち続け
風は吹き上げ、月は美しくあれ
私は座ったまま、詩を書いている
蝶よ花よ
舞い散るのなら
私の命も
刹那に塵となれ
蝶よ花よ、なぜ私を置いていくのか
この地を離れられぬ私を、時間が流れない私を
そう男は一人泣き続けていた。
女は何も知らずに生まれ、死んでいった。
男は時を忘れて、彼女を思い続けて1000年が経った。
ある日女は、ふと大通りを過ぎて、小道に入る。何かがあると言う感でもなく、自然と足が向いていた。
初めて見る道なりなのに、自然と足がどこかに向かっている。
これは時の止まった男と逃げられない運命の女の話である。
少々盲目な恋に呆気なく追い越されたあとに
溶けきらない猛毒に塗れた姿に笑えた
その造花のくすんだ色を乾いた花びらを綺麗だと言ったの
散り際だけは馬鹿らしいくらい気取っている癖に
飲み干したカップには苦味が残されているだけで
振りかえって中途半端な喪失ばかり、傷は覆い隠しておいて
蝶よ花よ
この私を救ってください
この地獄のような日常から抜け出す方法を
天国のようだが
本当は地獄であるこの社会から
救い出してください
はじめて観たとき、言葉が出なかった。
まるで心臓が、時が止まったようだった。
草原に座る彼女は僕と同じ人間におもえなかった。
彼女の周りは花が咲き、蝶が舞い、鳥や動物が唄っていた。
太陽が彼女にピンスポットを当てているようだった。
神か天使か乙女か姫かなんだかわからない。
でも、彼女の存在が美しかったんだ。
目が離せなかったんだ。
風の音がする。
心地よい音だ。
子供の頃以来、聴いていない。久しぶりだ。
手に持っていたロープを鞄にしまい、僕が生きてきた唯一の証であるスケッチブックを出した。
まさか、この最後の紙に絵を書くと思わなかった。
僕はまたペンを手に取った。
この瞬間を忘れないように。
これはちょっとしたすれ違い。
そう信じてるから。
大丈夫。
-蝶よ花よ-
健康であれ。叶うなら純然たる未来を。
人間を許せ。未来を夢み滅ぶ神として。
蝶よ、舞え。
花よ、散れ。
私の夢の如く、淡い色に染まりながら。
あなたのような淡い色に。
『 蝶よ花よ 』
蝶よ花よ 。 はやく僕を彼女のもとへ導いてくれ。
君と初めて会った花道を僕は未だに歩いている。
でも、君は何時に経っても僕のもとへは来てくれない
なんだ…。
もうあの世へ逝ってるじゃないか。
君は僕に手を差し伸べた。
これでやっと、一緒だね
蝶も花も好き。
モンキチョウやモンシロチョウを見たら、自然を感じられてうれしくなる。
お花が咲いていると、空気が華やぐようで、育ててくれた人に感謝したくなる。
私にとっての蝶や花は、温かい気持ちにしてくれるもの。優しい気持ちにしてくれるもの。
ありがとう。これからも、動物や虫、植物を見て幸せだと感じられる、そんな心を持ち続けられる人でいたい。
蝶も花もなかったよ、僕には
絶えて枯れて散らばっていた記憶は
今もこびりついてるけど
愛でられた記憶はやっぱり無いみたい
だからあの日捨てた
自死を選ぶよりは、と
それが親不孝とでも?
実際子を捨てる親はあちこちに居るのに?
蝶よ花よと愛でられてきた君は
こんな僕でも受け入れてくれるんだろうけど
理解はできないんだろう
実際少し離れた所に居る君は
ちやほやされ愛し愛され
周りが理想とする幸せの形そのものだ
君は何のために愛でられて生きてるの?
そんな君を見てそう聞きたくなった
それは親のため?見せびらかすため?
それともそれが無性の愛ってやつ?
自分のため?には僕には見えなくて
今が幸せで楽しくてそのままでいいなら
僕は何も言わないけど
あの日あの場所で
猫柳の枝を粉々に折ってたのは
紛れもなく君で
分からなくなった
蝶よ花よのその束縛と
蝶も花もない無関心と
一体どちらが幸せなのかな?