左之助

Open App

蝶よ花よ、なぜ私を置いていくのか

この地を離れられぬ私を、時間が流れない私を

そう男は一人泣き続けていた。


女は何も知らずに生まれ、死んでいった。

男は時を忘れて、彼女を思い続けて1000年が経った。

ある日女は、ふと大通りを過ぎて、小道に入る。何かがあると言う感でもなく、自然と足が向いていた。
初めて見る道なりなのに、自然と足がどこかに向かっている。



これは時の止まった男と逃げられない運命の女の話である。

8/8/2022, 3:27:33 PM